週刊少年ジャンプ2018年33号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
ワノ国上陸
お玉とお師匠様
エースとの約束
“真打ち”ホーキンス  



ワノ国上陸

 新章突入時恒例の副題である「〇〇の冒険」。
 前回ルフィが1人漂着した島は、やはりワノ国という事で間違いはなかったらしい。

 ルフィ以外の面々がどこに行ったかは分かりませんが、渦潮から逃れるため「一時サニー号を離脱して、サンジの空中歩行で陸へ飛ぶ」という手段を取ったみたいですね。

 しかし抱えなきゃいけない人数が多すぎて、普通に飛ぶには重量が厳しい。そのため、ルフィの腹をトランポリン代わりにし、その勢いを利用して陸まで飛んで行ったと。それでルフィだけがはぐれる形になったのね。

 置いてかれそうになったサニー号の船首が、地味にめっちゃ表情豊かな事になってて笑う。シャンテ号かキミは。

 とりあえず名指しでサンジに抱えられたナミとキャロット、回想で姿が確認できるチョッパーは無事として、何気にブルックの姿が見えなかったけれど彼は無事なんですかね。
 いくら軽いとは言え、3メートル近いガイコツをしがみつかせて空を駆けるのは中々に難易度高そうだ。


 サンジに続いて陸へと飛ぼうとしたルフィですが、前回登場したあのタコの妨害を受けて失敗。あわれ渦潮に飲まれてしまう事に。

 このタコ、偶然船に乗り込んで来たモノとかじゃなくて、ワノ国への不法入国者を撃退するための警備員的な存在なんですかね?
 タコが騒ぎ出した瞬間に鯉が出現したのも、偶然じゃなくて鯉達への指示出しだったのかな。


 漂流の際、持っていたビブルカードを失くしてしまったルフィ。
 錦えもんのカードが作られてたから、それがあれば合流の難易度も下がりそうだったんだが。

 ビブルカードといえば、ドレスローザでサボに作ってもらった、ルフィ自身のカードの大元も持っているハズ。アレも一緒に失くしてしまったのかな。
 錦えもんのカードはナミ辺りが管理してそうなイメージがあるんで、そもそもルフィは持ってなかったのかもしれないけど。
 

 ルフィの有事の際には、サボ、ベラミー、傘下の海賊達がアレを辿ってルフィを助けに来るんでしょうが、それを失くしてしまった事がどういう展開に繋がるのか。

 ビブルカードは水に濡れても平気なので、破損の危険性はないと思うが、もしこのままカードを発見できないと、以降傘下の面々はルフィの位置を把握する術を失ってしまう
 よって早い内にカードを回収するか、カードをルフィが持っていない事を傘下達が知る必要がある。
 わざわざこのタイミングで「カードを失くす」描写が挟まれたという事は、このワノ国編において麦わら大船団の集結が描かれる可能性が高くなったんじゃないかと思う。


 そして好都合な事に、ルフィが流れ着いた場所はワノ国の“九里”。
 モモの助の父親・光月おでんが大名を務めた土地ですね。

 九里へと辿り着いたルフィは、カイドウの部下と思われる連中の襲撃を受けます。が、まあ軽くあしらってしまいました。
 彼らは彼らで、なんか珍妙な生き物に乗っかってるな・・・。なんだこれ、恐竜?
 狒々(漢字表記のものは妖怪の類らしい)といい狛犬といい、面妖な生き物が多いなぁワノ国は。


 そういや、動物系悪魔の実には“幻獣種”なる、現実には存在しない生き物をモデルとして種がありました。
 人工的に作られた実ならまだしも、自然界に存在している(と思われる)悪魔の実なのに、人間の創造した動物が出て来るのも妙なお話だな、と思ってたけど、もしかしたらこれらはワノ国に実在する動物をモデルにした悪魔の実だったのかもしれんね。
 鎖国国家ゆえに情報が外に知られにくく、世間一般的には実在しない生物だと認識されていたとか。
 
 ・・・大仏が実在してたら、それはそれでコワイな。けどワノ国なら無いとは言えないのが更にコワイ。



お玉とお師匠様

 カイドウの部下にさらわれそうになってた娘、お玉
 「光月家が帰ってきたら覚えてろ!!!」との言葉が法に触れたらしい。光月家の帰りを望む=現体制の崩壊を望んでいる として、反乱扱いなのかな。


 しかしその言葉を発する前から、荷物を全て奪われるという暴挙を受けているので、こと九里の地に関して、カイドウや将軍オロチはかなり手酷い扱いをしているみたい。
 光月家の復権を望む人物への、見せしめみたいな側面もあるんだろうか。フランキー達がいた町では、人々が過剰に抑圧されている様な雰囲気はなかったし。
 村がなくなったというくらいだし、九里は本来もうマトモに人が生活している様な土地じゃないのかもしれんね。


 8歳になったばかりという事で、お玉はモモの助とは同い年。
 モモの年齢にはかなりの疑惑も浮かんでますが、お玉に関しちゃどうなんだろう。エースがワノ国を訪れたのは2~5年前のどこかだから、まあ物心ついた年齢でも違和感はないかな。


 悪魔の実の能力者の様で、頬から取り出したきびだんごを食べさせる事で、その動物を従える能力があるみたい。
 
 どう見ても、元ネタは「桃太郎」のきびだんご。ドラえもんの「桃太郎印のきびだんご」を思い出した。
 桃太郎と言えば、モモの助のモチーフもおそらくは桃太郎。年齢に加えて共通点の多いお2人だけれど、何か繋がりがあるのかな。
 大名の跡取りであるモモに比べ、お玉は一般平民に過ぎないみたいですけど。

 しかしこの能力、上手く使えばかなり強力そうですけど、やっぱ人間に対しては通用しないのかな。使えるなら、カイドウの部下にも使ってそうなもんだし。

 あときびだんごの元ネタは桃太郎ですが、自分の顔から出した食べ物を分け与えるというのは尾田さんが大好きなアンパンマンにも見えますね。だから何だって話だけど。


 救ってくれたルフィに恩を返すため、年に2度しか食えない米をルフィに振る舞うなど、義理堅い良い子っぽいお玉。
 自身は飢えをしのぐため、川の水で腹をごまかそうとするも、その水はカイドウの工場排水によって汚染されたものだった。

 カイドウの工場と言えば、部下の1人であるアイアンボーイ・スコッチが治める島にも武器工場が存在していた。あちらは工場ごとカリブーに飲み込まれ、ドレークによって連行されたけどワノ国で復元されてるのかな?


 そのお玉のお師匠様とされる、天狗の様な面を被った爺も登場。
 何の師匠なのか知らんけど、玉はくのいちを目指してるらしいので忍の師なんだろうか。雷ぞうとはかなり見てくれに差があるけど。

 彼の面や翼はただの装飾だとは思うけど、「ヒトヒトの実:幻獣種 モデル「天狗」」とかは存在してるかもしれんね。

 あとどうでもいいけど、なんか家の中に、タヌキの顔がついた釜みたいなものが置いてあるけどコレはぶんぶく茶釜が元かな。





エースとの約束

 劣悪な環境となってしまった九里の地に、今もお玉が留まる理由。それはある人物との「約束」を覚えているからだった。

 その人物とはなんとエース。
 エースはお玉と、「また来る」との約束をしていたのだった。

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(ONE PIECE 57巻 第555話より引用)

 リトルオーズの回想にて、エースがワノ国に入っていたのは判明していたが、お玉にも合った事があるのか。
 お玉は笠を編んで暮らしているらしいので、オーズに作ってあげた笠も彼女自身、または彼女に笠編みを教えた人物(お玉の親とか?)に教えて貰ったものなんだろうか。
 年齢的に、6歳未満であったはずのお玉が既に笠編みの技法を会得していた可能性は低いか。


 再会を約束したらしい2人ですが、周知の通りエースは既にこの世におらず、この約束が果たされる事はない。
 本来なら世界中に轟いた大ニュースですが、ワノ国ではやはり一部の上位階級のもの(+カイドウ一派)を除き、新聞などの外部の情報は伝わらない様になっているんだろう。

 ・・・というか、エース自身、この約束を覚えていたかっていうとかなり怪しいけどね。
 心残りは「ルフィの夢の果て」1つだけって言ってたし。

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(ONE PIECE59巻 第574話より引用)

 覚えてたにしても、「また会おう」ぐらいの軽い気持ちの約束だったんだと思う。
 まさかその約束を果たすため、お玉がこんな危険な土地でずっと待っているとまでは考えてなかったんじゃないかな。


 しかしお玉は、何でまたエースとの約束に拘るんだろう。
 いくら義理堅いとはいえ、命を賭けてまで果たすような約束とも思えない。
 カルガラとノーランドの如き固い絆があったのなら話は分かるが、流石にそこまでの深い繋がりがあるワケでもないだろう。

 「北斗の拳」修羅の国でのラオウ救世主伝説の如く、この閉塞された状況をエース達なら打ち破ってくれると信じていた・・・という感じなんだろうか。

 しかし「光月家が帰ってきたら覚えてろ!!!」という言葉から、お玉が救世主として信じているのはエース達ではなく光月家であるハズ。
 ならお玉は、エースがワノ国を再び訪れる事が、光月家の復権に繋がると考えているんだろうか。

 光月おでんは、エースの船長である白ひげと、実父であるロジャー、2人の船に乗った事があった。それだけ縁の深い人物なのだから、エースがワノ国を訪れた時に会っていてもおかしくはなさそう。その時に、おでんとエースの間で何らかの繋がりが生まれたのかな。

 
 何にしても、エースは彼女との約束を果たす事無く倒れてしまった。
 けれどエースの魂は、ルフィとサボの中に今も生きている。その意思を継ぐルフィがワノ国を訪れ、エースの果たせなかった約束を果たすというなら熱い話じゃないか。



“真打ち”ホーキンス

 四皇の一角を落とすべくして結成された、キッド、アプー、ホーキンスによる海賊同盟。
 不運にも作戦決行を待つ事無く、カイドウと遭遇した事でキッドは敗北。アプーはカイドウの傘下に収まった様だが、ホーキンスの行方は分かっていなかった。

 しかし今回において、バジル・ホーキンスが百獣海賊団の配下に収まっており、“真打ち”なる役職を得ている事が判明した。

 うーむ、ドレーク、アプーだけでなくホーキンスまでがカイドウの部下となっていたとは。
 まあ三者三様に癖のある面々なんで、ベッジの様に腹に一物抱えた状態での傘下入りである可能性が高いですが。

 
 これは「実は最初からカイドウの部下だった」のか、「キッドが敗れた事で立場を翻した」のか、どちらなんでしょうね。

 まあ、十中八九後者かな。
 前者だとキッドが余りにも間抜けすぎるというのもあるんですが、ちょっと流れが不自然なのよね。

 元々この海賊同盟は、カイドウではなく赤髪のシャンクスを倒すべくして結成されていた。
 カイドウに接触する事になってしまったのは完全なる偶然で、「キッドを騙して誘い込んだ」様な意図的なものは感じられない。

 多分、無策にもカイドウに挑んだキッドが敗れるのを見て、その場を生き残るために傘下入りの道を選んだんだろう。

 同時に、キッドの投獄が「同盟上の作戦である」可能性もほぼ無いかな。
 そんな捨て身の作戦を任せられる程、キッドと他2人の間に信頼関係はないし、何よりカイドウとぶつかる事になったのは完全な事故なのだから、そんな作戦を立てている様な暇はなかったハズ。
 
 
 しかしビッグ・マムの下にもベッジがいたけれど、カイドウはまた“最悪の世代”をえらい勢いで囲い込んでますね・・・。
 このワノ国にはルフィとローも入っているから、現時点でカイドウとの戦いには6人の超新星達が関わっていく事になる。
 ドレークに捕まった新世代の超新星であるカリブーを含めると7人。

 基本的にはベッジ同様、最後には海賊王のイスを取るための雌伏の時なのだろうが、こうなって来ると1人くらいは本気でカイドウの下についている人物が出ても面白いかもしれない。
 そういう場合、適役なのはアプー辺りかな。
 でもドレークが海賊王を目指しているかっていうと、そういう印象は受けにくいんだよな。元々の目的が成り上がる事じゃなく、反政府っぽいというか。


 しかし“真打ち”かー。
 以前にゾウを襲撃した、ジャック率いる“マンモス号”において真打ちの名を貰っていたのはシープスヘッドだったんですよね。
 正直、彼には特に強者のイメージはないからなぁ。サンジやブルックに軽くノされてたし。
 ホーキンスはまだ新入りだから、実力に見合った地位を貰っているワケではないのかもしれんけど。

 そういや、同じくマンモス号のジンラミーは、「シープスヘッド様」と様付で呼びながらも、それに不釣り合いな不遜な口調と態度を取っていた。

 アレも、実は最近までジンラミーとシープスヘッドは同等の立場だったものの、侍の捜索に当たって編成された部隊で初めて“真打ち”の名を与えられた為にチグハグな態度になっていた・・・とかいう裏事情があったりするのかもしれない。

 本来はもっと実力のある真打ちがいたのだが、それが何らかの理由で抜けた為に急遽その穴を塞ぐ人員として抜擢された、とか。


 侵入者(ルフィ)の来襲を知ったホーキンスは、とりあえずカイドウへの報告は無しとし、自らルフィの上陸した“九里が浜”へと向かう。
 お玉の家は山の中にあるっぽいですが、そう離れた場所にいるワケではないのなら見つかるのも時間の問題かな。

 WCI編のベッジの様に協力関係となるのも面白いけれど、“最悪の世代”同士のガチ戦闘にも期待したいかも。
 共闘を敷く事を見据えて、力量をはかる為に一度戦ってみるとか。
 ホーキンスの能力なら、致命傷を受け流す事もできるから全力でブツかってもそれほどの痛手にもならないだろうし。