少年ジャンプ33号にて、新型ファンブック『VIVRE CARD』の詳細が発表されていたので、ちょっとだけ感想を。
先週号にてその名称が明らかになった新型ファンブックですが、発売日が9月4日に決定。
なんと今回のファンブックは、書籍ではなくバインダー形式になっており、そこにキャラクター毎の拡張カードを挟んで行く事で完成する図鑑になるんだとか。
最初に発売されるのは、スターターと称したバインダーと32枚のカードをセットにしたもの。
そこに、毎月発売される拡張カードパックで手に入れたカードを追加して行く事で、ワンピース図鑑としての情報量がどんどん増していくワケですね。
最初に発売されるのは、スターターと称したバインダーと32枚のカードをセットにしたもの。
そこに、毎月発売される拡張カードパックで手に入れたカードを追加して行く事で、ワンピース図鑑としての情報量がどんどん増していくワケですね。
これはまた・・・正直ファン「ブック」と言うのかといえば微妙なところですが、えらく拡張性にとんだ図鑑になりそうですね。
拡張カードパックって言うのが、中身固定のカードセットなのか、トレカの様なランダム封入なのかが分からないのがコワイ。
ランダム形式だと、揃えるのにかなーりのお金を費やす事になりそうだ。カードゲームと違って、ダブったカードの使い道、特にないし。
カード自体の大きさは分からないが、バインダーの大きさは「208mm×150mm」と、ジャンプコミックスよりも一回り大きいくらい。
ここに挟むカード自体もそこまで大きさは変わらないと思うので、「カード」と呼ぶにはちょっと大きめなサイズかな。
ちなみに、バインダーに描かれたイラストは描きおろし。
現時点で見える範囲では、ルフィの他にガイモン、シャンクス、エネル、カルー、ジンベエ、バギー(の首だけ)、モモの助(竜形態)、しらほし(デカすぎて頭部が収まってない)、キャベンディシュ&ファルル、チョッパーという面々が描かれている。
拡張カードパックって言うのが、中身固定のカードセットなのか、トレカの様なランダム封入なのかが分からないのがコワイ。
ランダム形式だと、揃えるのにかなーりのお金を費やす事になりそうだ。カードゲームと違って、ダブったカードの使い道、特にないし。
カード自体の大きさは分からないが、バインダーの大きさは「208mm×150mm」と、ジャンプコミックスよりも一回り大きいくらい。
ここに挟むカード自体もそこまで大きさは変わらないと思うので、「カード」と呼ぶにはちょっと大きめなサイズかな。
ちなみに、バインダーに描かれたイラストは描きおろし。
現時点で見える範囲では、ルフィの他にガイモン、シャンクス、エネル、カルー、ジンベエ、バギー(の首だけ)、モモの助(竜形態)、しらほし(デカすぎて頭部が収まってない)、キャベンディシュ&ファルル、チョッパーという面々が描かれている。
うん、基準がサッパリ分からない。けどまあ、ここに描かれている人物のカードは少なくとも登場するんじゃないかな。
カードは両面を使って、1枚につき1キャラの紹介がなされる形式となる模様。
画像が掲載されているルフィのカードを見てみると、表面に確認できるのは
・キャラクター名
・ナンバー
・カラーイラスト
・プロフィール
・名シーン・名セリフ
・笑い方、一人称のような特徴
・初登場話・通り名・悪魔の実・覇気の種類
・所属と役職・海賊期のデザイン
にプラスして、ルフィの場合は「Dの一族」「最悪の世代」といったグループ分け?みたいなものも書かれてますね。
裏面に関してはまだ分からない部分も多いが、設定画やルフィと比較した身長、登場エピソードやキャラ毎の経歴なんかが書かれるっぽい。
1キャラにつき1枚(実質2ページ分)、というのは、出番や活躍の多いキャラになるほど物足りない情報量になるかもしれないが、逆に主要キャラ以外の人物に関しては従来のファンブックよりも密度の濃いものになるかな、というライン。
「BLUE DEEP」では、例えば主人公であるルフィの紹介を6ページ(内2ページが他キャラクターとの相関図)、ゾロやナミの様な主要キャラクターを3ページに渡って記載していたが、人気や出番がそれなりに多かったはずのハンコックやクロコダイルと言った人物に関しては1ページに纏められていた。
それを考えると、まあ情報量に関しては妥当な範囲かな。
麦わらの一味の様な出番の多いキャラに関しては、複数種類のカード(2年前・2年後に分けるなど)を発売しても良いとも思うが、それは今後の展開次第かな。
逆に、バインダーのイラストに描かれている事から収録がほぼ決定的なガイモンさんに関しては、むしろ2ページ分も埋まるもんなんだろうか。あの人、存在感はあるけどたった1話(+扉絵連載)にしか出てないからね・・・。
気になるのは、これらの情報の掲載にあたって原作者の協力をどの程度得ているかというところ。
特に悪魔の実なんかは、未だに名称が判明してない能力者も多いからね。マルコや錦えもんなんかはおそらく掲載されるラインのキャラクターだろうし、ここで能力の名前が明らかになったりとか、してくれると嬉しい。
拡張カードパックは毎月発売され、現時点では1年間で400キャラクターの登場が予定されている様だ。
400キャラと言うと、「BLUE DEEP」にて紹介されたキャラクターの総数(ざっと数えたところ、名前初公開のページを除いて340人前後)よりも多め。
あの頃よりもキャラクターの数自体が増えている事や、「BLUE」発売以降に出番のなかったキャラクターは入っていなかった事も考えると、まあ「それなりに出番があったキャラは大体載るだろう」というラインかな。
逆に、SBSやファンブックを注意深く読んでないと名前も分からない様なマイナーキャラに関しては、難しい感じかと。まあ正直、そういうキャラは2ページ分も語る事、ないと思うしな・・・。
新型ファンブックの内容についてはそんな感じなんですが、やはりこの『VIVRE CARD』一番の押しどころは「情報量」よりも「拡張性」にあるだろう。
ワンピースという漫画は、とにかく新キャラクターが出る速度が速い。
さして出番や活躍が多いワケでもないキャラクターでも、名前がつけられたり、個性的なデザインをしていたり、能力者であったりする事が多い。
そのため、今までのファンブックには、「発売から数週間もすれば既に過去のものとなってしまう」という、最大の難点があった。
今回の『VIVRE CARD』の形式ならば、その難点がクリアできる。
たとえスターターセットの発売日である9月4日以降に登場した新キャラクターであっても、拡張パックという仕組みを使えば後から追加で登場させる事ができるのだ。
(まあこの辺りは、企画上すでに「約400キャラ」の内訳が決まっている可能性もあるが)
そして更に期待したいのは、原作以外のメディアに登場したキャラクターの登場。
今までのファンブックは、あくまでも「原作ワンピースのファンブック」として発売されていたため、TVアニメや劇場版、ゲーム等のオリジナルキャラクターについては、ほとんど触れる事ができなかった。
しかしこの仕様のファンブックなら、例えば「VIVRE CARD拡張パック TVアニメエディション」等といった商品名をつける事で、映画やアニメのキャラクターをピックアップしたセットを作る事だって可能なのだ。
購入やバインダーへの追加に選択肢があるため、原作以外には興味がないよ、という人への配慮にもなる。
勿論、これらに関しては「原作キャラクターを最優先」という前提があっての事。
そしてこれは確かに「終わらないファンブック」ではあるが、それは「売り上げが続く限り終わらない」というお話だと思う。
1年間という当初の予定までは続けてくれるかもしれないが、以降の展開は売上次第だと考えた方がいい。
ぶっちゃけこれも商売なのだから、売れなければ終わるというのは当然のお話だ。
・・・と言っても、そんな事は素人が心配したところで意味のある事ではないし、「俺達が買い支えないと!」とかいう謎の使命感に燃えるのが健全なものとも思えないので、欲しい商品が出たら買ってあげるというごく普通の軽い気持ちでいれば良いと思う。
売り上げに関して言うなら、心配なのはむしろ販売形態かな・・・。
こうやって商品の情報を掴んでるウチらみたいなのは良いとして、このファンブックは「店頭でたまたま存在を知る」様なお客さんが手に取るには、少々ハードルが高い様にも思う。
バインダーが売られてるのを見て「おーワンピースのファンブックかー」と認識するのは、ちょっと難しいものがあるしな・・・。
更に言うなら、「拡張カードパックはどの様なお店で売るのか」というのも気になる。
ファンブックという名目ならば書店に置くのが普通かもしれないけど、バインダーはともかく拡張パックに関しては「書店に入った人が手に取ってくれる」様な見た目になるか、っていうと微妙だし。
かと言ってカード屋さんやオモチャ屋さんにカードとして置くには、少々サイズが大きすぎる様にも思うし。
何よりワンピースのカードゲームである「キズナブースト」がたった4弾で打ち切られたという事実を見るに、カード屋さんでワンピースが人気者だった時期は、残念ながらすでに過去のものだろうし。
・・・カードダスハイパーバトルなんかは、結構人気だった気がするけど、もはや10数年前の話だ。
若干マイナス寄りなお話が続いて申し訳ないが、やはりというか今回のファンブックにはイベント特典や書籍付録で手に入るカードもあるという事で、これについてはハッキリ言って「やってはいけない事」だと思う。
前に「ワンピースタワー」における333巻の配布方法についても噛み付いていた気もするが、やっぱりこういうのを来場特典にするのは良くないって。
この手の「リアルイベントに足を運ぶ事で入手できる特典」の是非に関しては、333巻の話題の方に書いたと思うので今回は割愛する。
問題なのは、「ファンブックとしての売り方」に関してだ。
これが例えば「カードゲームやトレーディングカード」の形式を取ったカードなのであれば、来場特典の類はもちろん「アリ」だ。
それらはカードのコレクションや競技性に極端に水を差すものではなく、あくまで「持っている事がプラスになるもの」である。
手に入らないなら入らないで、入手可能な範囲のカードで楽しむ事が可能なものだからだ。
(特典となるカードが、ゲームプレイにおいて必須級の性能を持つ様な場合にはその限りではない)
しかし、今回の「VIVRE CARD」は、あくまでも「ファンブック」と銘打って売り出している。
こういった形で世に出される以上、やはり多くのユーザーが目指すのは「ファンブックとしての完成」、つまりは「コンプリート」という事になるだろう。
つまり収集したカードに1枚でも「抜け」が発生した時点で、その人の「VIVRE CARD」はファンブックとして未完成な状態になってしまうのだ。
これは「持っていない事がマイナスになる」という、特典商法としてあるべきではない形のものだと思う。
勿論、初めからコンプリートを目指さず、お気に入りのキャラクターのカードのみをファイリングしていく楽しみ方もあるが、仮にそれを想定していたのであれば初めから「ファンブック」ではなく「コレクションアイテム」として発表した方が良かっただろう。
333巻の時も、ネットオークション等を通じた転売騒動は発生していたし、収集欲を煽る今回の様な商品では、転売騒ぎも更に加速してしまうのではないか、という懸念もあるからね。
・・・すでに紙面において「イベント特典や雑誌付録でも!?」という文言が発表されている以上、イベント配布のカードは存在する、と見た方がいい。
せっかくこういう形で特典として配布するなら、「ファンブックとしての完成に影響を与えない」かつ「イベントとしての集客に貢献する」様な落としどころをつけて貰いたいものだ。
個人的には「一般販売されるカードのイラスト変更版」なんかが良いんじゃないかな、と思う。
イラストが異なるという「特別感」は、わざわざイベントに足を運んだユーザーにとっても嬉しいものだろうし、文章などの情報に関する部分に違いがなければ、コンプリートを目指すユーザーにとってもさして影響の強いものではない。
あくまで素人目線の意見に過ぎないが、下手に「イベント限定のキャラクター」を出して反感を買うよりは、こういう特別仕様のカードを配布していった方が、長い目で見た時の売り上げにも繋がるんじゃないかな、と思う。
また、どうしてもイベント限定のキャラクターを出すなら、ゼファーやテゾーロ等、上の方に挙げた様な「アニメや映画限定のキャラクター」に絞った方がいい。
原作に登場しないキャラクターであれば、最悪手に入らなくても、諦めをつける難易度は遥かに下がるだろうし。
・・・と、まあ不安事項もあるにはあるが、結局のところ我々いち消費者に可能なのは、「シリーズの継続を願いつつ、無理のない範囲で商品を購入する」というぐらいの事。
今回は「キャラクター」にスポットを当てた商品になっているが、このまま上手い事シリーズが続いていけば「作中に登場する島や国」を紹介するカードや、「キャラクターが使う必殺技や能力」のカードなんかを出していく事も可能だと思う。
このあたりの拡張性の高さは、やはり新型ファンブックの強みだろう。
この『VIVRE CARD』が上手く軌道に乗り、まだ見ぬ新しいキャラクター達も含む「ワンピース」のあらゆる要素を網羅できる様な、まさに「終わらないファンブック」となってくれる事を願う。
関連記事:→発売後のレビュー
→『STARTER SET Vol.1』各カード感想など
1キャラにつき1枚(実質2ページ分)、というのは、出番や活躍の多いキャラになるほど物足りない情報量になるかもしれないが、逆に主要キャラ以外の人物に関しては従来のファンブックよりも密度の濃いものになるかな、というライン。
「BLUE DEEP」では、例えば主人公であるルフィの紹介を6ページ(内2ページが他キャラクターとの相関図)、ゾロやナミの様な主要キャラクターを3ページに渡って記載していたが、人気や出番がそれなりに多かったはずのハンコックやクロコダイルと言った人物に関しては1ページに纏められていた。
それを考えると、まあ情報量に関しては妥当な範囲かな。
麦わらの一味の様な出番の多いキャラに関しては、複数種類のカード(2年前・2年後に分けるなど)を発売しても良いとも思うが、それは今後の展開次第かな。
逆に、バインダーのイラストに描かれている事から収録がほぼ決定的なガイモンさんに関しては、むしろ2ページ分も埋まるもんなんだろうか。あの人、存在感はあるけどたった1話(+扉絵連載)にしか出てないからね・・・。
気になるのは、これらの情報の掲載にあたって原作者の協力をどの程度得ているかというところ。
特に悪魔の実なんかは、未だに名称が判明してない能力者も多いからね。マルコや錦えもんなんかはおそらく掲載されるラインのキャラクターだろうし、ここで能力の名前が明らかになったりとか、してくれると嬉しい。
拡張カードパックは毎月発売され、現時点では1年間で400キャラクターの登場が予定されている様だ。
400キャラと言うと、「BLUE DEEP」にて紹介されたキャラクターの総数(ざっと数えたところ、名前初公開のページを除いて340人前後)よりも多め。
あの頃よりもキャラクターの数自体が増えている事や、「BLUE」発売以降に出番のなかったキャラクターは入っていなかった事も考えると、まあ「それなりに出番があったキャラは大体載るだろう」というラインかな。
逆に、SBSやファンブックを注意深く読んでないと名前も分からない様なマイナーキャラに関しては、難しい感じかと。まあ正直、そういうキャラは2ページ分も語る事、ないと思うしな・・・。
新型ファンブックの内容についてはそんな感じなんですが、やはりこの『VIVRE CARD』一番の押しどころは「情報量」よりも「拡張性」にあるだろう。
ワンピースという漫画は、とにかく新キャラクターが出る速度が速い。
さして出番や活躍が多いワケでもないキャラクターでも、名前がつけられたり、個性的なデザインをしていたり、能力者であったりする事が多い。
そのため、今までのファンブックには、「発売から数週間もすれば既に過去のものとなってしまう」という、最大の難点があった。
今回の『VIVRE CARD』の形式ならば、その難点がクリアできる。
たとえスターターセットの発売日である9月4日以降に登場した新キャラクターであっても、拡張パックという仕組みを使えば後から追加で登場させる事ができるのだ。
(まあこの辺りは、企画上すでに「約400キャラ」の内訳が決まっている可能性もあるが)
そして更に期待したいのは、原作以外のメディアに登場したキャラクターの登場。
今までのファンブックは、あくまでも「原作ワンピースのファンブック」として発売されていたため、TVアニメや劇場版、ゲーム等のオリジナルキャラクターについては、ほとんど触れる事ができなかった。
しかしこの仕様のファンブックなら、例えば「VIVRE CARD拡張パック TVアニメエディション」等といった商品名をつける事で、映画やアニメのキャラクターをピックアップしたセットを作る事だって可能なのだ。
購入やバインダーへの追加に選択肢があるため、原作以外には興味がないよ、という人への配慮にもなる。
勿論、これらに関しては「原作キャラクターを最優先」という前提があっての事。
そしてこれは確かに「終わらないファンブック」ではあるが、それは「売り上げが続く限り終わらない」というお話だと思う。
1年間という当初の予定までは続けてくれるかもしれないが、以降の展開は売上次第だと考えた方がいい。
ぶっちゃけこれも商売なのだから、売れなければ終わるというのは当然のお話だ。
・・・と言っても、そんな事は素人が心配したところで意味のある事ではないし、「俺達が買い支えないと!」とかいう謎の使命感に燃えるのが健全なものとも思えないので、欲しい商品が出たら買ってあげるというごく普通の軽い気持ちでいれば良いと思う。
売り上げに関して言うなら、心配なのはむしろ販売形態かな・・・。
こうやって商品の情報を掴んでるウチらみたいなのは良いとして、このファンブックは「店頭でたまたま存在を知る」様なお客さんが手に取るには、少々ハードルが高い様にも思う。
バインダーが売られてるのを見て「おーワンピースのファンブックかー」と認識するのは、ちょっと難しいものがあるしな・・・。
更に言うなら、「拡張カードパックはどの様なお店で売るのか」というのも気になる。
ファンブックという名目ならば書店に置くのが普通かもしれないけど、バインダーはともかく拡張パックに関しては「書店に入った人が手に取ってくれる」様な見た目になるか、っていうと微妙だし。
かと言ってカード屋さんやオモチャ屋さんにカードとして置くには、少々サイズが大きすぎる様にも思うし。
何よりワンピースのカードゲームである「キズナブースト」がたった4弾で打ち切られたという事実を見るに、カード屋さんでワンピースが人気者だった時期は、残念ながらすでに過去のものだろうし。
・・・カードダスハイパーバトルなんかは、結構人気だった気がするけど、もはや10数年前の話だ。
若干マイナス寄りなお話が続いて申し訳ないが、やはりというか今回のファンブックにはイベント特典や書籍付録で手に入るカードもあるという事で、これについてはハッキリ言って「やってはいけない事」だと思う。
前に「ワンピースタワー」における333巻の配布方法についても噛み付いていた気もするが、やっぱりこういうのを来場特典にするのは良くないって。
この手の「リアルイベントに足を運ぶ事で入手できる特典」の是非に関しては、333巻の話題の方に書いたと思うので今回は割愛する。
問題なのは、「ファンブックとしての売り方」に関してだ。
これが例えば「カードゲームやトレーディングカード」の形式を取ったカードなのであれば、来場特典の類はもちろん「アリ」だ。
それらはカードのコレクションや競技性に極端に水を差すものではなく、あくまで「持っている事がプラスになるもの」である。
手に入らないなら入らないで、入手可能な範囲のカードで楽しむ事が可能なものだからだ。
(特典となるカードが、ゲームプレイにおいて必須級の性能を持つ様な場合にはその限りではない)
しかし、今回の「VIVRE CARD」は、あくまでも「ファンブック」と銘打って売り出している。
こういった形で世に出される以上、やはり多くのユーザーが目指すのは「ファンブックとしての完成」、つまりは「コンプリート」という事になるだろう。
つまり収集したカードに1枚でも「抜け」が発生した時点で、その人の「VIVRE CARD」はファンブックとして未完成な状態になってしまうのだ。
これは「持っていない事がマイナスになる」という、特典商法としてあるべきではない形のものだと思う。
勿論、初めからコンプリートを目指さず、お気に入りのキャラクターのカードのみをファイリングしていく楽しみ方もあるが、仮にそれを想定していたのであれば初めから「ファンブック」ではなく「コレクションアイテム」として発表した方が良かっただろう。
333巻の時も、ネットオークション等を通じた転売騒動は発生していたし、収集欲を煽る今回の様な商品では、転売騒ぎも更に加速してしまうのではないか、という懸念もあるからね。
・・・すでに紙面において「イベント特典や雑誌付録でも!?」という文言が発表されている以上、イベント配布のカードは存在する、と見た方がいい。
せっかくこういう形で特典として配布するなら、「ファンブックとしての完成に影響を与えない」かつ「イベントとしての集客に貢献する」様な落としどころをつけて貰いたいものだ。
個人的には「一般販売されるカードのイラスト変更版」なんかが良いんじゃないかな、と思う。
イラストが異なるという「特別感」は、わざわざイベントに足を運んだユーザーにとっても嬉しいものだろうし、文章などの情報に関する部分に違いがなければ、コンプリートを目指すユーザーにとってもさして影響の強いものではない。
あくまで素人目線の意見に過ぎないが、下手に「イベント限定のキャラクター」を出して反感を買うよりは、こういう特別仕様のカードを配布していった方が、長い目で見た時の売り上げにも繋がるんじゃないかな、と思う。
また、どうしてもイベント限定のキャラクターを出すなら、ゼファーやテゾーロ等、上の方に挙げた様な「アニメや映画限定のキャラクター」に絞った方がいい。
原作に登場しないキャラクターであれば、最悪手に入らなくても、諦めをつける難易度は遥かに下がるだろうし。
・・・と、まあ不安事項もあるにはあるが、結局のところ我々いち消費者に可能なのは、「シリーズの継続を願いつつ、無理のない範囲で商品を購入する」というぐらいの事。
今回は「キャラクター」にスポットを当てた商品になっているが、このまま上手い事シリーズが続いていけば「作中に登場する島や国」を紹介するカードや、「キャラクターが使う必殺技や能力」のカードなんかを出していく事も可能だと思う。
このあたりの拡張性の高さは、やはり新型ファンブックの強みだろう。
この『VIVRE CARD』が上手く軌道に乗り、まだ見ぬ新しいキャラクター達も含む「ワンピース」のあらゆる要素を網羅できる様な、まさに「終わらないファンブック」となってくれる事を願う。
関連記事:→発売後のレビュー
→『STARTER SET Vol.1』各カード感想など