週刊少年ジャンプ2018年36・37号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
扉絵連載
ルフィとゾロの共闘
ホーキンスと“ワラワラ”の能力
「おこぼれ町」と九里の住人達
新型FB「VIVRE CARD」続報  



扉絵連載

 巻頭カラーやら休載やらで、何だかんだで1か月ぶりの扉絵連載。
 
 前回は襲撃した町のあまりの貧乏さに同情したのか、住民達に物資の提供をしてあげたオオロンブス。
 その一件で彼らには感謝されてしまったらしく、住民達に見送られる形で島を後にする事に。

 パッと見「めでたしめでたし」で終われそうなお話なのだけれど、そもオオロンブス達の目的は「海賊としての狼煙を上げる事」だったので、そういう意味では大失敗に終わってしまった。皆に嫌われた船出の方が海賊らしいって、ゾロも言ってたし。

 現時点でのオオロンブスは、「国の艦隊を盗んだおたずねもの」ではあっても、世間に海賊と認知される存在とはなっていなさそう。
 けどまあ、それは世界会議に参加していたサイやレオも一緒だろうし、特に問題もないか。要はコレからよ。

 今回の時点で既に9話目と、「押し掛け麦わら大船団物語」の中でもダントツの話数を費やしたオオロンブス編。しかし、今回で終わりとするにはちょっとキリが悪い。
 次回辺りで、改めて海賊デビューの仕切り直しを決意する彼らの姿が描かれて最終回、って感じかな。



ルフィとゾロの共闘

 最近は何気にご無沙汰となっていた気がする、ルフィとゾロの共闘。
 この2人がペアになると、ゾロがきっちりツッコミ役に回るのが面白い。初期のころは(まだ)常識のある類の人だったよなぁと再確認させられる。

 ルフィが飛徹より(勝手に)借り受けた二代鬼徹から、名刀の気配を感じ取ったゾロ。
 「妖刀の」ではなく「名刀の」ってとこが、個人的にちょっとだけポイント。ローグタウンじゃ三代鬼徹が妖刀である事を即座に見抜いたゾロが、二代鬼徹に関しては名刀としての価値の方に先に興味を持っている。二代鬼徹がどれだけ優れた刀なのかも分かるというもの。

 まあ当然の如く刀の価値なんて分からないルフィは、その妖刀をお遊び感覚で使うのだけれど。
 「鞘投げんな!!!」と怒るゾロ、なんか良いね。自分の持ち物でなくとも、名刀を雑に扱う事を良しとしない辺りに、普段から刀を丁寧に扱っている様子が見える。
 
 そして妖刀を使って戦おうとするルフィだが、単に刀を握ってるだけで、使った攻撃は普段通りの「ゴムゴムの銃」。

 案の定、ロクに刀を扱えてなかった。
 うん、知ってた。おれは剣術を使えねェんだコノヤロー。

 あれか? ケンカ拳法の使い手が、拳の中で何かを握る事でパンチ力を上げるみたいな。刀を握る事で、地味に拳の威力が上がっている可能性が。うん、無いな。


ルフィ「いやいやキるでござるぞ!!
     “ゴムゴムの”~~~!!! “ピストル”!!!」

 ゾロ「ピストルじゃねェか!!!」



 パンチなので全てが間違ってる。



 そしてホーキンス達とのバトル。
 今回はホーキンスの能力お披露目といった感じで、ガッツリとやり合ったわけではないけれど、混戦の隙をついていきなり大将首を狙いにいくゾロの抜け目のなさは流石。
 敵の能力が能力なので致命傷にはならなかったけど、相手によっちゃこの一撃で勝敗が決まっていてもおかしくないからなぁ。

 ホーキンスの能力によって現れた巨大な藁人形を前に、「思ったより厄介」と評しながらもとっても嬉しそうなゾロさんが良いですねまた。
 強くなりすぎた代償か、新世界に入ってからは物足りない相手の多かったゾロの事、歯ごたえのありそうな相手と出会えて嬉しかったんだろね。


 しかし今は衰弱したお玉を医者に連れて行く最中。無駄な戦いをしている暇なんてないぞとばかりに、狛ちよは2人を急かし、無理やりに戦線を離脱させようとする。

 そんな彼らを追う藁人形の圧倒的パワーに対抗するため、ゾロが選んだ技は弐斬り
 もう滅茶苦茶に久々の登場。確か最後に使われたのがスリラーバークのオーズ戦だから、400話以上ぶりの登場。ひえー。

 しかも“登楼”“砂紋”という、当時と変わらないオリジナル版。新世界へ向け、ほとんどの技がアップデートされた今となっては地味に珍しい。
 しかし2つの技を繰り出しているにも関わらず、斬り口は一か所となっている。
 これは1発目の“登楼”で相手の武器を弾き、2発目の“砂紋”で身体を斬り裂いた……とか、そういう感じなのかな?

 もはや忘れ去ってる人も多そうなので補足しておくと、“弐斬り”は二刀流から繰り出される複数の技(登楼、砂紋、魔熊など)を連続かつ高速で繋ぐ剣術の事で、カク戦やリューマ戦なんかで使ったやつ。

 仮にワノ国において三代鬼徹を失う展開になるなら二刀流で戦う時期も生まれそうだし、弐斬りの新しい技や強化版も登場するか……?



ホーキンスと“ワラワラ”の能力

 シャボンディ諸島ではダメージを他人に肩代わりさせる能力や、自身を藁の化け物の様な姿に変貌させる“降魔の相”という技を披露していたホーキンス。

 今回はそんなホーキンスの能力名が判明。“ワラワラの実”というらしい。うん、そのまんまな名前。
 厳密には「“ワラワラ”の能力」としか言われていないけれど、まあワラワラの実って事で良いだろう、たぶん。

 そしてそのワラワラの能力、まだ名前が判明したばかりとは思えない程、多様な能力の使い方を見せてくれました。


 まず“藁備手刀ワラビデとう”なる面妖な刀でトカゲを貫いてるけど、これは一体。普通の刀を、何股もの藁状の刃物に変化させたって感じかな。
 刀の硬度や切れ味を保ったまま、鞭の様なしなやかさを持った武器と化すことが出来れば強そうだけど、現時点ではその特徴はイマイチ分からず。

 巨大な藁人形を生み出す際にもこの刀身から生成している様だけれど、その後は人形とも分離し、一般的な刀の形状に戻っている。やっぱ能力の影響を受けているだけで、刀自体は特殊なモノではない様に見える。


 そして次に、“藁人形ストローマン”と呼ばれるダメージの身代わり能力。これは、シャボンディで使っていたのと同様のものだと思う。
 ホーキンスの「10人宿せば10回死ねる」という言い方からするに、ダメージは自在に他者に肩代わりさせられるわけではなく、あらかじめ特定の人物の分身を身体に宿しておく必要がある様だ。

 ……ん?
 でもシャボンディ諸島で黄猿の襲撃を受けた時は、全然関係ない遠い場所にいる他の海賊にダメージが飛び火していた様な……。
 アレは何だ? 本人も気づかない内に、勝手に藁人形として宿されていたんだろうか。相手の意志に関係なく藁人形化できるなら、恐ろしいなんてモンじゃない能力になるな……。

 藁人形化できる対象の基準は分からないけれど、今回に関しては藁人形として宿したのはホーキンスの部下達であるらしい。
 ホーキンスが受けるダメージは、代わりに部下達が受けるって事ね。


 いやぁ、自分のダメージを部下に押し付けてくる船長とか、おれなら絶対仲間になりたくないなぁ。

 と思ったのだけれど、今回“飛ぶ斬撃”を受けた際の身代わりとなったのは明らかに侍らしき人物で、どう見てもホーキンス海賊団の元々の仲間ではなさそう。
 その後ゾロの“砂紋”を受けた際の身代わりも、肩当の形状からすると百獣海賊団の部下っぽい? 2年前からのホーキンスの部下である弁髪パスタは、ああいう肩当つけてないし。

 そう考えると、ホーキンスが身代わりとして利用したのは思い入れもない他所の部下であって、自身が2年前から行動を共にする生え抜きの仲間達に、ダメージを肩代わりさせる気はないのかもしれない。
 その後の「仲間割れ」のカードで殺し合わせてるのも、カイドウの部下っぽいし。
 というかホーキンスの部隊、侍やら忍者やら色々といるけど、ギフターズなんかとは違って特別に特徴を揃えたメンバーによる部隊ってワケでもないのかな


 更にどうも、普段からよく使っていたタロットカードも、能力の一環だったようで。
 “藁人形ストローマンズカード”というカードを1枚引く度に、そのカードの種類と正位置・逆位置によって決まった効果が発揮される様子。
 ホーキンスの藁人形が、ゾロですら苦戦する程の強力なパワーを持つ様になったのも、このストローマンズカードの“追撃”のカードによる効果っぽい。

 これまた何とも運任せな能力が出て来たなぁ。
 FILM GOLDに登場したバカラさん辺りと組んだら、最強になれるかもしれん。

 ホーキンスがしょっちゅうやってるタロット占いとは、カードを使うという共通点はあるものの別の能力っぽい印象。
 というか、占いに関しては本当にただの占いなんじゃないかなって気もする。これが能力だったら、頂上戦争後に「“麦わらのルフィ”の生存確率」を何度も占い直してたのは妙だし。



 しかし追撃……追撃かぁ。
 メイナードさん元気かなぁ。

 ジャックの襲撃で、ドフラミンゴ輸送部隊の船は2隻ほど沈められたらしいからな……ちゃんと生きてると良いが。


 メイナードさんの事はいいとして、今回見せたホーキンスの能力で最もハデなのが、藁備手刀の刀身より生み出した巨大な藁人形を操る能力
 ホーキンスの動きにリンクする形で藁人形も動く他、口から釘を噴き出して攻撃する事もできるらしい。
 ……ただ、釘を打ち出す攻撃くらいなら2年前のフランキーでも出来る(マスターネイル)ので、そんなに強さに貢献はしないかな。不意打ちくらいにはなるかもだけど。

 本来ならば、この藁人形が受けたダメージはホーキンス本人に跳ね返ってくる……というスタンドバトルの様なシステムになってるみたいね。まあこの場合、藁人形経由で喰らうハズの本体へのダメージを、更に他人へ移し替えるというチート使ってるけど。

 印象としては、藁人形の遠隔操作を用いた“降魔の相”っていう感じ。
 単体ではともかく、ストローマンズカードによるパワーアップとの相性は良さそうね。運ゲーだけど。

 全体的にホーキンスの能力、かなり異質というか、今までの悪魔の実とはまた違った理屈の通じなさを感じる。
 ホビホビの能力とかに感じたものに近いかも。単に「ワラの能力」というだけでは説明がつかないこの感じ。しかもホビホビと違って戦闘にも活かしやすい能力なので、予測のつかない戦闘展開を生んでいきそうだ。


 ところで今週号の冒頭、ホーキンスがルフィ達のひと月後の生存確率を占ってたけれど、これは劇中時間において少なくとも1か月間はワノ国での戦いが続くという事なのかな。
 これまでのルフィ達の冒険は、大概が上陸から数日で決着がついていた。それを考えると、仮にひと月も戦いが続くというのなら凄まじい規模だ。「頂上戦争が可愛く見える程の」というのも、それなら頷ける。



「おこぼれ町」と九里の住人達

 まだ顔見せくらいの面々なので、一言ずつ。

〇お鶴

 前回、ゾロによって偶然にも救われた茶屋の女店主。
 どことなく、描き方に磯兵衛っぽさがある気がしないでもない。

 サブタイトルにもある「鶴の恩返し」が元になったネーミングなんだろうけれど、名前が思いっきり某海軍中将と被っている

 これにはそこまで大きな意味もない……とは思うのだけれど、名前的におつるさんもワノ国出身者?とか勘ぐってしまうなぁ。たぶんないだろうけど。
 まあ名前の被りに関しては、ロック&スコッチとアイアンボーイ・スコッチとかも被ってたし、そこまで問題もないだろう。

 川の毒に効く薬草を持っているらしいけれど、その名前が“邪含草”とはまた何とも禍々しい。
 大丈夫? それ飲んで副作用とかでない?


〇浦島

 浦島太郎が元っぽいネーミング……だけど、すもう取りなのね。
 体系と服装だけが目に入って、一瞬「ジンベエ!!?」って思っちゃったよ。このドッキリ感をどうしてくれる。

 彼の発言によれば、ワノ国にはどうやら“所場代”なるものがあるらしい。
 もはや都を除けば無法地帯と化したワノ国だけれど、それを払えばカイドウや将軍の部下も手を出して来なくなる、って事なのかな。

 浦島自身は都では有名な横綱らしいけれど、強いんだろうか。現時点では高慢でビッグマウスな面ばかりが目立つ印象だけれど、よく見れば刀を携帯しているので、侍でもあるのかな?


〇お菊

 浦島からの求婚を丁重に断っていた、茶屋の看板娘。
 見た目的には、ワノ国で最もヒロインっぽい雰囲気……というか、以前に京都で行われていたイベント、「もう一つのワノ国」にて登場した菊姫に似てますね。名前も見た目も。

 このイベントに関してはノータッチだったんで全然知らんのですが、菊姫の設定は「都を治める姫」となっている様で、こっちのお菊とは真逆の立場。
 設定は違えど、セルフオマージュ的なキャラクターなのかな。


〇ハートの海賊団

 最後の最後にしれっと登場。と言っても、ベポを初めとした3名だけだけれど。
 山の上からわざわざ双眼鏡でルフィ達を発見していたけれど、彼らを探してたのかな。

 ローに関しても地味にまだ姿を見せていないのだけれど、ベポ達と行動を共にしてるんだろうか。何故か、第909話の錦えもん達との会合シーンの時点ですでに居なかったんだよなぁ。





新型FB「VIVRE CARD」続報

 発売までひと月と迫ってきている新型ファンブックの情報が、今回も明らかに。



 今回はスターターセットに入る32枚のカードの内、27枚の内訳が明らかに。
 封入されるのは、麦わらの一味のメンバーおよび、バギー海賊団を始めとしたオレンジの町までの人物を中心としたメンバーっぽいですね。

 その内訳を見てみると、ヒグマやらコウシロウやらプードル&シュシュやら、「正直この辺は厳しいかな」と思っていたメンバーも意外と登場するらしい。
 特にコウシロウ(くいなのお父さんね)は、重要キャラっぽい風格を漂わせながらもまだ目立った出番があるワケではないので、ちょっと意外。

 逆に現段階では、近海の主やスラップ村長、リカなんかは未登場が濃厚っぽい感じだ。
 特筆する様なエピソードやキャラクターとしての性格付けがされていない限り、近海の主みたいな人外の類は選考から漏れる事になりそう。

 またルフィやゾロに関しては、2年前編の仕様のものが収録決定。そういや、既に公開されていたルフィのカードは、新世界編のものだったね。

 他、新世界編のものと思われる麦わらの一味の名前が並ぶ……中、なぜかゾロだけが名前がない
 (age19)として2年前編のものは収録が決定しているのに……。誤植か何か?

 
 また今回は、見本としてNo.20のベン・ベックマンのカードがチラ見せされている。
 プロフィール欄などは、細かい部分が明かされていないキャラに関してもそれなりに?書かれる事になりそう。少なくともベックマンの身長設定に関しては、本書が初公開という事になりそうだ。

 こう見てみると初公開となる情報もちょくちょく出てきそうだけれど、残念ながら紙面の画像ではボヤけていてよく見えない。
 まあ、この辺は大人しく発売を待つべきかな。