週刊少年ジャンプ2018年39号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
扉絵連載
浦島と菊
真打ちホールデム
その他
「VIVRE CARD」続報  




扉絵連載

 前回、染物の町を訪れた人物の正体はやはりベラミー

 新たなる旗印の製作を依頼しに……と思いきや、なんと海賊は廃業
 染物職人への電撃転職を遂げるべく、修行に励んでいる様子であった。

 な、なんと予想外な……。イデオやオオロンブスが海賊としての旗揚げを目指す裏で、人知れずひとつの海賊人生が終わりを遂げていたのか……。
 確かに、もはや彼に海賊を続ける理由がないのも事実だけれども。

 しかし染物屋かぁ。一体どんな心境の変化で、海賊と言うアウトローから職人への転身を志したんだろう。
 わざわざ「染物の町」へと足を運んだのだから、職を求めてフラッと立ち寄ったワケではなく、明確な意思を持って職人を目指したんだろうし。
 どんなきっかけが……。何か、特定の描きたい旗でもあるんだろうか。
 何にせよ、過去にはルフィやクリケットの「夢」を嘲笑った男が、今は夢を追い修行に励んでいると思えば面白い話だ。

 まあいくら本人に海賊を続ける意思がないとはいえ、1億9500万ベリーとそれなりの懸賞金がかけられているベラミーが、平穏な生活を送る事は中々に難しい。
 経歴よりも腕を買ってくれそうな「職人」という道を選ぶのは、ある意味では必然的だったのかもしれない。
 
 
 しかし彼がルフィからビブルカードを貰った事、そしてあえて「麦わら大船団」の番外編という立ち位置でエピソードが展開している事を考えると、ベラミーもまたいずれバルトロメオらと共に再びルフィ達と相まみえる事にはなるんだと思う。

 その時にはきっと、彼の磨いた染物の腕を活かしてルフィの危機を……いや染物の腕が活きる危機ってなんだ


 また彼が染物職人への道を進んだ事で、ビブルカードを通してルフィ達と再会した時には、ベラミーがルフィ達の旗を仕立てるという展開にも期待ができる。
 ちょうど、サニー号の旗のうち片方は、はビッグ・マムとの戦いで失われてしまったからね。

 海賊旗は、海賊が命を誓った信念の象徴。
 そんな大切な旗印を、ルフィに心を救われ「友達」と呼ばれたベラミーが作り上げる事にでもなれば、それは熱い話じゃないか。

 
 そういえば、染物の町にはシャンクス率いる赤髪海賊団のものと思われる旗が吊るされていた。
 あれが彼らのナワバリを示す旗なのか、単に職人に仕立ててもらっている最中の旗なのかは分からないが、どちらにせよ今後シャンクスがこの町を訪れる可能性は高い。

 そして赤髪海賊団の滞在中にルフィがピンチになれば、その情報はベラミーを通じてシャンクスにも伝わる可能性がある。

 とは言っても、恐らくルフィが、シャンクスの認める「立派な海賊」となるのはカイドウを倒して以降の事だと思うので、彼が直接ルフィに遭いにいく可能性は低い。
 エースのビブルカードが燃えかけた時、ルフィは「エースにはエースの冒険がある」と一度は助けに行く事を拒否していた。それだけの無粋な真似を、大海賊であるシャンクスがやるのも少し違う気もするし。

 ただ、最高位の天竜人である五老星との繋がりを持ちながら、彼らの天敵とされる“Dの一族”であるロジャーやルフィとも縁が深いシャンクスは、今や作中でもトップクラスに謎の多い人物。
 そんな彼がルフィの所在や状況を掴むことは、物語の展開においても大きな意味をもたらす……のかもしれない。




浦島と菊

 茶屋の看板娘である菊に求婚していた都の横綱・浦島だが、思っていたよりもゲスだった

 国技の星であり、武家の出身らしき浦島は、ワノ国の「身分制度」においても上位の存在にあたるらしい。 
 身分を盾に、庶民の飯屋が大事に飼っているペットのタヌキを「料理しろ」と言い出す横暴っぷり。まるで天竜人だ

 元は天竜人と敵対した“Dの一族”側の人間だったと思われる光月家が治めた国が、統治者を変えた今はその天竜人の様な傲慢な振る舞いを許す国と化してしまうとは。なんと皮肉な。

 ……でもこの「身分制度」、オロチが国を支配する様になってから敷かれた制度なんだろうか。鎖国に関しては、光月家の時代から続くものっぽいけど。
 制度自体は存在していても、ここまでの無茶な横暴を許す様な制度ではなかった……のかな。
 少なくともおでんの統治は、庶民にとって不満の多いものではなかった様な描かれ方だし。



 菊に言い寄っていた浦島は、ゾロが放つ「妙な気迫」を察知して身を引いたらしい。
 これはアレかな、パンクハザードでのモネとの戦いで、自然系の能力者である彼女を覇気も使わずに打ちのめした気迫と似てるのかな。
 
 しかしゾロ、何でまたあの状況で、そんな気迫なんぞ放ってたんだろう。浦島は確かにアレなヤツだけど、あのタイミングではちょっとうっとおしい言い寄り方をする客に過ぎなかったのに。
 ホーキンスら追手の存在を気にして、警戒状態だったのかな。
 それとも今や、常時気迫オン状態なのか? 目に入る者みんな威嚇していく猛犬なのか?


 というワケで、初登場時は「迷惑な力士」程度の存在だった浦島だが、ギフターズの1人であるマウスマンの口車に乗せられ、身分で劣る菊を無理やり攫って嫁にしてやろうという方向にシフト。「そうだっぺな♡」とか言ってる顔が本当にゲスい
 ゲスいのもあるが、言われるまでそういう手段が頭にも浮かんでなさそうなの、阿呆なのか根は悪いやつじゃないのか……。何にせよ、頭はあまり良くなさそうだ。

 

 そして連れ去られた玉を追い、ルフィ、ゾロと共に博羅町を訪れた
 “覇王色の覇気”によって雑兵共を瞬殺するルフィに驚いた様子。
 
 これは「覇王色の覇気を知らない」もしくは「ルフィが覇王色を扱えた事に驚いた」というどちらかの反応……かな?
 「何かしました!?」という言葉からは、微妙にどっちとも取れるのだが。

 同じ侍である錦えもん達は武装色の覇気の使い手なので、ワノ国で覇気という力が一般的でない……という事は、恐らくない。(呼び名が違う可能性はあるかもしれないけど)

 菊が錦えもん達の様に何処かの勢力に所属することなく、独学で剣術を学んでいたのだとしたら、武装色の素質を引き出す事はできても、覇王色の存在を知らなくてもおかしくはない……かな?
 彼女の場合、茶屋で働き始めたひと月前よりも以前の経歴が分からないので、そもワノ国出身ではないという可能性もなくはないのだけれども。
 ただ悪魔の実という呼称を知らなかった様なので、その線は薄いかなぁ。

 

 高い身分を誇る横綱だけあって、土俵に立った浦島は本当に強いらしい。
 19の力士との連戦を事もなげに跳ね除けるその立ち姿は、なんとなくコロシアムAブロックを制した際のバージェスを思い出す。さりげなく、ポーズがまったく一緒だ。体系、全然違うけど。

 まあいくら強いとはいえ、あくまでもカタギのルールに則った、土俵内での勝負。卑怯と言う言葉の通じない実戦になれば、ルフィ達には遠く及ばないんだろうとは思う。

 ……そういや浦島、ギフターズと並んで飯を食ってたけど、単に身分が高いだけじゃなく、オロチかカイドウの派閥と繋がりがあったりするんか?
 お互いに対等な立場で喋ってたけれど、外国人であるカイドウ達には身分制度は当てはまらないのかな。ギフターズと士族が同等の身分に設定されているのだとしたら、それより上の身分になるであろう真打ちであるホールデムに、浦島が無礼な口を利いて粛清される……なんて事にもなりそうだ。



 しつこく結婚を迫る浦島が苦手な様で、ゾロの背に隠れようとする菊。が、デカすぎて全然隠れられてない。ある意味チョッパーみたいで、ちょっとかわいい。

 その身長や侍であるという点を考えると「実は男?」なんて思ったりもするが、連れていかれた時の「きゃー」なんて悲鳴からすると、女のフリをしているという風には見えないかも。徹底したカモフラージュだったりしたら面白いけど、雰囲気的にはそういう感じじゃないしなぁ。

 現時点では、「男尊女卑の国で、女の身でありながら剣を振るうサムライ」という主人公感の強い設定のキャラであると思っておこう。


 町の平民達を「下人」と蔑む卑しき浦島を、菊が断ち斬る。
 ……という流れは想定内のものの、正直「下衆な横綱とはいえ、裸の丸腰相手に剣を振るうのもどうなんだろう」とか思っていたら、なんと彼女が見せたのは「浦島のマゲだけを斬り捨てる」という早業だった。

 なんだこれ。めちゃくちゃカッコいいなこの人
 相手の肉体を傷つける事なく、力士の命たる丁髷を斬り落とすという行為は力士にとって死よりも屈辱的なものであると思われる。まあ、浦島がそんなに誇り持って力士やってるのか知りませんが。
 下人という見下した言葉で他人を侮蔑する浦島に対し、菊は相手の心を断つすべにて打ち破ったのだ。

 しかしこの一連の流れを見ると、菊はどうやらワノ国の「身分制度」をよく思っていない様に見える。
 博羅町の説明をする時の語り口からしても、彼女は現将軍・オロチの統治に反対する立場の様だ。

 であれば、彼女はやはり錦えもんらが集めたという、将軍と戦うための「同志」である可能性が高い……のだが、その彼女が身分制度を嫌うというなら、この制度はオロチ体制に移行した20数年の間に出来た仕組みなんだろうか。
 

 菊の立ち位置はともかく、オロチの部下達が大量に住まう博羅町にて、士族の横綱に刃を向けたその行為は許されるものではないハズ。
 玉を攫ったボスを呼びだすには確かに手っ取り早いが、これでオロチ一派からは完全に目をつけられる事となっただろう。
 もはや「茶屋の看板娘」という偽りの姿を続ける必要のある時期ではない、という事でもあるのかな。彼女が錦えもんらと繋がりを持つのかはまだ分からないが、決起の時はもう近づいているんだろう。
 
 


真打ちホールデム

 前回から名前の挙がっていた真打ち・ホールデム
 チラッと見えていたライオンの顔から、ライオンのSMILEの能力者……であろう事は分かっていたが、なんとそのライオンの顔が腹から飛び出ているという笑わせに来たお姿をしていた。

 これが例えば、胸にライオンの顔とかだったら変形ロボっぽくてカッコ良かったりもするのに……流石ONE PIECE、定石を外しに来ている

 しかも顔だけじゃなく、ライオンの腕まで飛び出てるし。そのライオンに金的喰らって悶えてるし。ライオンの方も悶えてるし。


 ……というワケでかなりネタ要素の強いホールデムさんだが、彼の登場によりSMILEで発現した動物は自我を持つという新事実も分かった。
 そして能力者であるホールデム自身の意志とは無関係に、動物部分の身体を自由に動かせるという。しかし身体は一心同体であるため、どちらかの身体へのダメージはお互いに共有する事となってしまう様だ。

 確かに、悪魔の実に意志があるという可能性は、今までも示唆されてきた。
 意志や心を持たないハズの「物体」に悪魔の実を食べさせるという例においても、実を食べた物体は意志を持ち、自ら動く事が出来る様になっていた。
 423話における、フランキーの脅しを受けたファンクフリードの様子を見ると、恐怖という「感情」すらも持っている事が分かる。


 しかし、これらの事例は純粋な悪魔の実におけるお話。
 意志を持たない物体へと実を食わせた場合に限り、実に宿っていた悪魔の意志や感情がその物体へと宿ったと考える事もできる。

 が、SMILEはあくまでも人工物
 シーザーがいかに優れた科学者であっても、存在しない人格を生み出すなんて荒業を可能にしていたとは思えない。
 この動物の人格の形成を可能にしたのも、ベガパンクが発見しSMILEに応用されたという“血統因子”とやらの影響なんだろう。
 
 いや、「可能にした」というよりは、「そうなってしまった」という感じか。
 この「動物が自我を持ってしまう」という結果が、第698話にてローが言っていた「人造であるゆえのリスク」というやつの1つなのかな。

 実際、ホールデムは腹のライオンをまったく制御できていないしね。バギー海賊団のモージでも、もうちょっと手懐けてたぞ。
 ライオンったら強そうな能力なんだろうけど、こんな言う事を聞かない獅子が腹から出せたところで、戦力になるんだろうか……せっかくのキバもパワーも、いまいち活かせなさそうだ。


 ついでに言うと、この言う事を聞かないライオンを常に腹から出しっぱなしなのも気になる。

 同じ真打ちであるシープスヘッドは腕から羊のツノを出現させる能力を持っていたが、その能力にはオン・オフの切り替えが効く様だった。 
 実際ジャックと共にゾウを訪れた時には、腕は生身のものとなっていてSMILE能力は発動していない状態となっている。

 また真打ちどころか、一介のモブに過ぎないギフターズが放った“ウルフグリップ”という技は、左腕をオオカミの頭部に変え襲い掛かるという技だった。技の発動前は生身の腕だった様だし、何ならオオカミもきちんと操れている様な……?


 ホールデムがあの状態でわざわざ能力を発動しておくメリットは見当たらないので、彼は能力のオン・オフが出来ないという事なんだろうか。
 しかし仮にも真打ちを務める人間が、能力を使いこなせていないのでは恰好がつかない。とすると、SMILE能力は鍛え上げたところで完全なコントロールが出来る様になるとは限らないという可能性があるのかも。

 食べた人間の血統因子へと働きかけるSMILEの成分は、その因子によって「どんな動物の能力が発現するか」「身体のどこに発現するか」「能力のオン・オフが可能なのか」「動物にどの程度の自我があるのか」を全て決定づけてしまうのかもしれない。
 ガゼルマンやバットマンは上手い事発現する部位が調和したが、ホールデムはそれが上手くいかず、言う事聞かないわチグハグな場所に発現するわと、燦燦たる結果になってしまったのだ。

 そして、動物が自我を持つために操り難いというSMILEの弱点を解消してくれるのが、お玉の持つ能力というワケだ。
 お玉の頬から取り出したきびだんごを食した動物は、皆大人しく従順になる。これを腹のライオンに食わせる事で、SMILEの大きな弱点をカバーしようと言う事だろう。


 また、能力を操る事に関しては問題のなかったガゼルマンだが、彼に関しては時速200㎞というガゼルの驚異的な速度に、肉体の体力が追いついていないという弱点があった。
 動物の能力の一部分を手に入れられるSMILEだが、その他の部分を強化・変化してくれるワケではないため、本人の体力が適合せず、ベストパフォーマンスを出す事ができない事例もある様だ。



 しかし何というか……ホールデムはギャグキャラとして悪くないんだけど、真打ちというポジションの割りにあまり強そうじゃないのが気になる。

 というかそもそもが、役職付きの人物であるにも関わらず、リスクのあるSMILEにわざわざ頼らなくてはいけないというのがなー。ビッグ・マム海賊団なんか、あの大人数の大臣達の多くが本物の悪魔の実の能力者だったワケだし。

 勿論3人の“災害”と呼ばれる面々は強力な能力者なんだろうけど、既にズニーシャに蹴散らされたジャックに関しては、若干格が落ちてしまっている感じもあるし。(いや、アレは相手が悪すぎるとは思うけど)
 まあ、あっちの3幹部の1人であったスムージー姐さんも散々な活躍具合だったし、残る2人の災害がすげぇんだと思っておこう。第2のカタクリは現れるか。

 というか、同じ四皇である黒ひげ海賊団の幹部であるバージェスがあんな感じだった事を思うと、ビッグ・マム海賊団の層の厚さがオカシかっただけとも思える。
 オロチお抱えの侍なんかも登場する可能性があるし、百獣海賊団の真の強さは今後に期待……かな?




その他

>土俵の上の浮いた屋根

 博羅町にて浦島が相撲興行を行っていた土俵の上には、謎の技術で支柱もなしに浮かぶ屋根が存在している。
 ……なんだこれ?

 ホーキンスは藁を使ってカードを宙に並べたりしていたけれど、これはちょっと違いそうだしなぁ。
 まだ登場していないスピードなる真打ちの能力だったりするのかな。

 ワノ国は江戸時代を模した文化水準が基本みたいなので、物を浮かせる技術なんていうオーバーテクノロジーが登場する事も考えにくい。何らかの悪魔の実の能力が及ぼした影響である可能性が高そうだ。

 ……ただ、現実の江戸時代とは異なり、ワノ国ではおでんがロジャーと共に海外を旅し、帰還している。その際に何らかの海外の技術を、国に持ち帰った可能性はあるかもしれない。

 例えば空島のダイアル。小ささゆえに持ち帰り易く、殻頂をポチッと押すだけという使いやすさなど、輸入する文化としてはうってつけだ。
 ……ただ、流石にブレスダイアルの風力じゃあ、あの屋根を浮かせるのは難しいかなぁ。ジェットダイアルならば可能かもしれないけれど、それだと下の力士まで吹き飛ばしそうだし、何より絶滅種だ。エネルが200個も乱獲できたくらいだし、20数年前の時点ではもっと取りやすかったかもしれないけど。

 ……まあ、あの屋根に関してはそこまで重要でもないだろうし、いいか。
 でも今後、「物を浮かせられそうな能力者」が登場したら、あーあの屋根もコイツが浮かせてたんだな、と思ってニヤニヤしよう。



>浦島の食事

 タヌキが食いたいと我儘を言う浦島が捨ててしまった大盛ドンブリ、普通に米か何かかと思ったのだけれど、1P目をよく見るとなんかサクサクした食感になっとる。

 彼の食卓には皿が3つ並んでいるが、1つは煮物、もう1つは卵焼きに見えるので、このサクサクしたのはドンブリに盛られた食事なんだろう。

 投げ捨てられたシーンを見ると特盛のご飯にしか見えないが……この天ぷらみたいな食感からして、山の様に盛られたかき揚げか何か……なんだろうか。
 確かにそんな謎のメニューを出して来られたら、口に合わねぇと言いたくなるのも分からんではないかもしれない。



>20年前の博羅町

 菊によれば、城下町であった博羅町は20年前、オロチの部下により町民を追い出され、今では役人と海賊に占拠された町となってしまったらしい。

 城下町というのは、20数年前まで九里に存在していた「おでん城」の城下町という事かな。
 そして20年前という事は、博羅町がオロチ達に乗っ取られたのはおでんが航海から帰って来た後、九里の大名へと格下げを受けた後の事になる。

 おでんは九里にいながら、それを防ぐことが出来なかったのか。あるいは既にオロチによって、自由な動きを封じられていたのか。簒奪を果たしたばかりの先代領主を、見張りもつけず野放しにしていたとも思いにくいし。
 
 そのおでんをオロチが20年もの間生かしていたのも、無理に先代を殺害して反発を買う事を恐れての事かと思っていた。
 が、いくら先代を生かしたままとはいえ、こんな略奪まがいの方法で町ひとつを奪い取ってしまう辺り、反発など気にする様なタイプだったのかも微妙なところかもしれない。まあこれは、部下が勝手に行った暴走なのかもしれないが。
 歴史の本文を読み解けるおでんは利用価値も高いだろうが、そのためにあえて生かしていた可能性も……?



>ワノ国の通貨

 ワンピースの世界では共通の通貨として、世界中ほとんどの国で「ベリー」が使用されている。
 今までにルフィ達が旅してきた島々の中では、空島のスカイピアにおける「エクストル」やアマゾンリリーの「ゴル」という通貨が、国独自の通貨として登場していた。

 そして鎖国状態にあり、独自の文化を保ち続けているワノ国においても、特殊な通貨単位が登場するのでは……と思われていたが、今回浦島に相撲で勝った人間に渡される賞金として、「夢の500金」なる言葉が登場している。
 ワノ国の通貨としては、「金」という単位が使われている様だ。

 しかし500という数字が、「夢の」と言われる程に高額な扱いなのか。1金につき1万ベリーくらい?
 スカイピアでは「1ベリー=1万エクストル」だったので、その真逆ぐらいと思っとけば分かりやすいかな。単に民衆の暮らしが貧窮していて、10万ベリーくらいでも「夢の」扱いになってしまう可能性もあるが……。



>ゾロ「裸の男を斬るのはどうかと……」

 半裸や前を開けた男なんぞ山ほどいるワンピース世界でソレを言うか。
 なんだその唐突なフェアプレイ精神。アンタ今までブチとかピーカとか、ほとんど裸みたいな連中倒しまくって来たでしょうよ。

 たぶんこの人、菊の実力が見たくてわざと攫わせたな。剣豪として、何か感じるものがあったんだろうな。
 飛ぶ斬撃の使い手のゾロなら、有事の際には遠距離からでも菊を救えるだろうし。




「VIVRE CARD」続報

 いつの間にやら、発売が来週にまで迫っていたVIVRE CARD。
 スターターセットに封入されるラインナップも判明し、掲載されるキャラ、されないキャラの線引きがある程度わかって来た……ところに、「EXキャラクターズ」なるカードが存在する事が明らかに。

 これは惜しくも「単独でのカード化」がされなかったキャラクター数名の紹介を、1枚のカードに纏めたもの。
 ゆえに個々の情報量では劣るものの、本編中では名前も判明していないモブの様なキャラクターにまで焦点が当たるというメリットを持つものの様だ。

 これには劇中で出番をもらいながら、残念ながらカード化がされなかったリカやウープ・スラップの様な人物達や、コアなファンですら「誰?」となる事請け合いな、アンジョウやソーロなど「BLUE」にて名前が明かされた端役達が対象となる様だ。

 今回は「東の海編vol.1」として、登場順にアンジョウからリカまでの、第1巻に登場した12名が紹介されている。
 「BLUE」の人物図鑑と照らし合わせると、ここまでで掲載から漏れたキャラクターはゼロ。BLUEではMIKIO ITOOの次に書かれている怪力ドミンゴスは、原作中ではもっと後に登場したキャラとなっているため、このカードに載っていないのは順当だ。

 ついでに、このEX扱いのキャラクター達にも、登場順のナンバーが振られている。
 ロジャーからシャンクスまでのナンバーに空きがあった事が疑問だったが、順番的には

14.ロジャー、15.アンジョウ、16、モンスター、17、シャンクス

 と、きちんと登場順に並ぶ事となった。こういう端役の様なキャラもきちんと並べてくれるのは、ファン的には嬉しいね。


 ついでに、次号であるwj40号には、「ルフィ太郎」「ゾロ十郎」という、現行ワノ国シリーズにおけるルフィとゾロのカードが付属する様だ。
 ……電子版を定期購読している身としては少々めんどくさいが、まあイベント限定配布などに比べればハードルも低いし、手に入れておくのが吉だろう。