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アニメ版 ONE PIECE
第852話
「激闘開幕 ルフィVSたいカタクリ」 




【原作の対応話数】
87巻 第879話ラスト
~88巻 880話



もくじ
あらすじ
原作からの変更点
感想
登場した技
声の出演


【あらすじ】
 
“ギア3”を用いた「力」による攻撃を仕掛けるルフィだが、その攻撃もカタクリには通用せず、逆により巨大に作り上げた“エレファントガン”そっくりの拳によって押し負けてしまった。
 尚も攻撃を繰り返すルフィ。だが力の差は歴然。全ての攻撃をより強力な同じ技で跳ね返され、ルフィは成す術もない状況となってしまっていた。

 一方、カカオ島へと到着したプリン達は、国内の料理長達である“WCI31(ホールケーキアイランドサーティワン)”と共に、ケーキ作りへと着手していた。プリンはメモメモの実の能力により、料理長達の記憶を改ざん。暗殺未遂の事件を忘れさせる事で、サンジと料理長達の協力体制を敷けるようにしたのだった。
 香りだけでケーキの素材や隠し味までをも見抜いていたサンジは、ケーキの設計図を作り、プリン達と共にビッグ・マムを打ち倒すケーキを作るべく、調理を開始する。

 鏡世界内のビッグ・マム海賊団は、目覚めたブリュレの能力により、鏡を通じてサニー号に火を射かけようとしていた。度重なる攻撃によりボロボロになりながらも、仲間を狙わせないため、再度立ち上がるルフィ。だが鏡を狙ったその攻撃すらも、カタクリによって防がれ、反撃を受けてしまう。
 サニー号へと続く鏡を、火矢で狙うマスカルポーネとジョスカルポーネ。だがカタクリに踏み潰されたルフィは、それを止める事も出来ずにいたのだった。



【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介


・ルフィが“ゴムゴムの象銃エレファントガン”を使用する際、指から吹き込んだ空気が身体を経由し、腕へと伝わっていく際の胴体が膨らむ様子が加筆。

・ルフィの“ゴムゴムの象銃”とカタクリの巨大化させた拳が激突した際、“覇王色の覇気”の衝突に似た赤いエフェクトが追加。

・原作ではカタクリのエレファントガンに押し負け吹き飛ばされた後はしばらくダウン状態となっていたルフィだが、アニメではすぐに起き上がり次なる技を放っている。

・ルフィが“ゴムゴムの灰熊銃グリズリーマグナム”を放つシーンが追加。しかしこちらもカタクリに模倣され、弾き返されてしまった。更にその後、モチ状態と化したカタクリの腕によって拳を絡め取られ、壁へと叩き付けられてしまう。

・その後、絡め取られた腕の空気を足へと移動させ、“ゴムゴムの巨人の斧”を使用。だが攻撃は回避された上「お前の未来に勝利はない」と言われ、模倣した技による反撃を受けてしまった。

・プリンがシフォンの腕に錠をするシーンは、原作ではカカオ島到着後に2コマ分の回想として描かれたが、アニメではラビヤンの上で錠をかけたのちにカカオ島へ到着する流れとなっている。

・サンジ達がカカオ島へ向かう際の空中にて、シフォンの影から自分を見つめるプリンに対しサンジが微笑みかけた事で、プリンが目をハートにしたまま矢で射抜かれた様になるシーンが追加。
 その際、シフォンが「ややこしい事になるからプリンに微笑まないで」と釘を刺している。

・カカオ島到着直前、プリンがサンジに「ラビヤンにくるまって隠れてろ」と命ずるシーンが追加。

・カカオ島の住民達が、ウェディングドレス姿のプリンに見惚れるシーンが追加。

・道端の犬や豚が、ラビヤンの中のサンジに気づきかけるシーンが追加。民衆の注意がラビヤンに向きそうになるが、プリンの演技力によって難を逃れている。

・チョコポリスがプリンに結婚式の暗殺未遂の話をしている際、「あのサンジという男もとんだ食わせ物でしたな」と、新郎であったサンジについて言及するセリフが追加。
 またその後、「プリン様もお辛いでしょうな」とハンカチで自身の目元を拭いながら、彼女の心中を心配するセリフが追加。

・WCI31が、ケーキ作りの下準備を行う様子が追加。

・ペロスペローがカタクリとの通信にて、鏡世界内の状況を尋ねるセリフが追加。
 カタクリはこれに対し「(ルフィを)ここで潰す」と伝えている。
 また原作ではカカオ島での調理開始後だった2人の通信シーンが、アニメではプリン達とWCI31が合流する前の時点から描かれている。

・WCI31の登場シーンにて、原作では11名分しか描かれなかったWCI31メンバーのうち28名が描かれるカットに変更。

・プリンがWCI31の記憶を操作する際、「あなたの記憶を編集エディット」というセリフが追加。

・WCI31の記憶を操った事をサンジに伝える際、プリンが被っていたコック帽が氷嚢に変更。また途中、喋りながら氷嚢と団扇で自身の熱を冷まそうとする描写が追加されている。

・サンジが料理長に向けて言った「おい」という呼びかけを自分へのものと勘違いし、プリンが「亭主関白なのもちょっと良いかも」と妄想にふけるシーンが追加。

・プリンがサンジに対して中指を立てるシーンが、アニメでは人差し指を突きつける様に変更。

・ペロスペローの原作での「くだらねェ最期」と評したペドロへのセリフに加え、その行動を犬死にだと罵倒するセリフが追加。

・ブリュレが目を覚ましてからサニー号に兵を送り込もうとする間に、ルフィが再び起き上がりカタクリに攻撃を仕掛けるシーンが追加。
 力と速さの双方を併せ持った“ゴムゴムの象銃乱打エレファントガトリング”で挑むがまったく通用せず、逆に無数の拳による反撃を受け、地に伏してしまった。

・ブリュレの持つサニー号へと繋がる鏡に向け、マスカルポーネとジョスカルポーネが火矢を放とうとするシーンが加筆。
 またこの際、互いの事を「ジョスカル」「マスカル」と愛称で呼び合っている。




【感想】
>ルフィVSカタクリ

 前話に引き続き、バチバチとやり合っているお2人。と言っても、力量差がありすぎてハッキリ言ってまったく戦いになっていないのが実際のところですが。

 原作では“エレファントガン”の衝突以降、しばらくグッタリしてたっぽいので、今回のバトルも大半がオリジナル展開。

 しかしうーん……正直、「ルフィが技を出す」→「カタクリが強化した同じ技で応戦」の連続なので、ぶっちゃけ盛り上がりには欠けるかも。カタクリの圧倒的な強さを見せつける、って意味では、効果的ではあるけどね。
 “灰熊銃”の衝突から、あえてモチの能力でルフィの腕を包み込むアイデアは面白かったかな。

 またこの戦いでは、ルフィが“ゴムゴムの巨人の斧”を繰り出すのですが、なぜか武装硬化ver.の技名になっていません。
 “JET斧”の武装硬化ver.も原作には登場していませんが、こちらは前回も登場した様に、“鷹斧”というアニメ独自の名前が与えられている。ギア3も無難に“象斧”でも良かった気もするけれど、オリジナルの名前をつけるのにも基準があるのかな。
 


>プリン劇場

 トットランド上空、ラビヤンの上にて繰り広げられたミニコント
 プリンを大ボケ、シフォンをツッコミとし、状況をよく理解していないサンジがプリンに微笑みかけるだけで、フリと中ボケを同時にこなせる謎のシステムが完成されていた。良いトリオだ。

 しかし、思ってたよりも沢城さんの登板期間、長いな。当初はせいぜい848話目くらいまでかと思ってたけど、9月に入ってもまだ続投してるとは。
 ハマリ役だけに嬉しくもあるんですが、あまり聞き慣れすぎてしまっても代理の声の違和感が強くなりそうで、複雑なところ。

 プリンを国の救世主と期待してか、単にウェディング姿を拝みたかったのか、ショコラタウンにはかなりの数のギャラリーが。
 ラビヤンに乗ってプカプカと移動するプリンの横に一列に並ぶ民衆さん達ですが、これ絶対ラビヤンの中のサンジ見えちゃうよね。

 くるまってるだけで、カーペットの横に視界を遮る様なものがあるワケでもないしなぁ。しかも中では現在進行形でケーキの設計図を書いているワケで、ごそごそと動いて余計に目立ちそう。
 アレか、プリンのウェディングドレスが視線を集めまくるので、誰もラビヤンの中身になんか目を向けてなかったのかもしれんな。



>WCI31
 
 「ダブリューシーアイサーティーワン」と読みます。
 ホールケーキアイランドの料理長31名からなる集団だとか。何気に種族が豊富で、ミンク族や魚人、蛇首族っぽい人もいたり。男女や年齢、人種を問わず料理長の座についている辺りは、まさに「トットランド」らしいとも思える。

 しかし総料理長であるシュトロイゼンを除いても尚、31名もの「料理長」が存在するのか。それぞれの分野のエキスパートという事なのかな。
 34の島々それぞれを取り仕切る料理長とかなら分かるけど、名前からしてもWCIの専属っぽいしなぁ。あのビッグ・マムの舌を満足させるには、これぐらいの人員を割く必要があるんだろうか。



>サンジ「香りで」

 素材だけならまだしも、隠し味まで見抜いてしまうサンジの嗅覚は凄すぎる……食べ物に関してなら、チョッパー以上なんじゃないかこれ。人類の限界を越えつつある。

 というかタバコの煙が目の前にあってよく嗅ぎ分けられるなとも思うけど、日がな一日ずーっと喫煙しながら料理作ってるサンジからしたら、タバコの臭いを嗅覚から差し引く事など朝飯前なんだろう。多分。



>煽り達人ペロスペロー

 この人は何かと、小物っぽいのか大物なのか分からなくなるな。
 優位に立ってる時はひたすら小物。それが長兄ペロスペロー。憎たらしいんだが、何処か憎めない。

 ……しかし、腕一本失って「ピンピンしてる」と笑ってられる根性は認めざるをえまい。どこぞの男塾には、同じく片腕を失う大ケガを「かすり傷」と言い切った豪傑がいたが……アンタ入塾できるんちゃいますかね。
 見た目は怪しげというか肉体派っぽくない感じなのに、なんか妙に泥臭いんだよな、ペロス兄。この辺も、何故か嫌いになれない要因なのかもしれない。



>マスカル&ジョスカルの火矢作戦

 この兄妹、仲良しなのは分かってた事として、お互いを「マスカル」「ジョスカル」と愛称で呼び合っていた事になんかほっこりした。
 確かに、長くて呼びにくいしな、本名。

 戦闘面ではそこまで頼りにならなそうな彼らだが、今回はブリュレの鏡を通してサニー号へ火矢を放とうとしていた。

 ……が、大丈夫か? その態勢。
 ブリュレが胸の前に構えた鏡を目掛けて射かけようとしてるけど、それちょっと手元が狂ったらブリュレの丸焼きが完成するよ?

 弓の扱いに自信があるのか……? 
 834話とかじゃ薙刀使ってたけど、実は遠距離武器派なのか?



【登場した技】 
ゴムゴムの象銃エレファントガン
使用者:ルフィ、カタクリ
 ルフィとカタクリの戦闘時に使用。
 ギア3によって巨大化させた拳を用いた「力」による戦いを挑むが、モチモチの能力によって技を模倣され、ルフィを越える大きさにまで巨大化されたカタクリの拳に押し負けてしまった。

 またアニメ版においては、カタクリがギア3の技を模倣した際、腕の枠線が青色で縁取りされている。

ゴムゴムの灰熊銃グリズリーマグナム
使用者:ルフィ
※アニメオリジナルシーン
 カタクリとの戦闘にて使用。
 しかしこちらも、より巨大に模倣されたカタクリの技をぶつけられ、弾き返されている。
  
ゴムゴムの巨人の斧ギガントアックス
使用者:ルフィ
※アニメオリジナルシーン
 カタクリとの戦闘にて使用。
 モチの能力によって腕を絡め取られたままの状態で、腕の空気を足へと移行させ使用。しかし攻撃は回避され、より巨大化されたカタクリの足による攻撃を受けてしまった。

 またこの際、武装硬化状態で技を放っているにもかかわらず、技の名前は通常のギア3時と同じになっている。

編集エディット
使用者:プリン
 劇中においては、WCI31の料理長の1人であるブッシュに対して使用。
 料理長の記憶を操作し、「式は予定通り行われたが、悪天候によってケーキが台無しになった」というシナリオを彼の頭に刷り込ませた。
 その後直接描かれてはいないが、残る料理長達に対しても使用し、記憶の操作を行っている。

 また原作においては技の名前が呼ばれていなかったが、アニメにおいては「あなたの記憶を編集エディット」というセリフが用いられている。

ゴムゴムの象銃乱打エレファントガトリング
使用者:ルフィ
※アニメオリジナルシーン
 カタクリに対して使用。
 力においても速さにおいても勝るカタクリに対し、その双方を兼ね備えた技で挑むが、カタクリには「くだらん」と一蹴されてしまう。
 そして無数の拳を全て回避された挙句、カタクリの一撃によって弾き飛ばされてしまった。



【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
サンジ・・・・・・平田広明

プリン・・・・・・沢城みゆき
カタクリ・・・・・杉田智和
ペロスペロー・・・内田夕夜
シフォン・・・・・久川綾
ブリュレ・・・・・三田ゆう子
ジョスカルポーネ・・・粗忽屋所沢店(山口由里子)
マスカルポーネ・・・・沼田祐介
ラビヤン・・・・・岡本寛志
チョコポリス・・・半田裕典
ブッシュ・・・・・川原慶久

部下・・・・・・・藤原貴弘 荒井聡太
         新井良平 滑川洋平
         千葉俊哉 戸松拳也
         坂井易直 宮園拓夢
         れいみ  祖山桃子
         石橋桃
ナレーション・・・大場真人