約1か月半前の9月4日、遂に発売となった「新型ファンブック」ことVIVRE CARD。
個人的にも色んな意味で楽しみにしていたグッズであり、かつ色んな意味で話題になったグッズでもある。
ウチでも紹介やら感想やらをしておこうと思ったものの、普段の原作やアニメなんかとは違い「収録された情報が命」とも言える商品であるため、ネタバレを出来るだけ避ける意味もあって1か月遅れでのレビューとなりました。
まあ、それだけ経てばネタバレを気にする人は既に購入済みだろうし、問題もないでしょう。
このページは『VIVRE CARD』という商品そのものの概要に触れつつ、アイテムとしての基本的な作りについてのレビューとなっています。
スターターセットに封入される各カードに関しては、別記事にて軽く感想を書く予定なのでそちらを参照。
(→STARTER SET Vol.1 各カード感想)
そもそもこの『VIVRE CARD』というのは、両面カラー印刷のカード1枚につき、ONE PIECEに登場する各種キャラクター1人ずつのデータやイラスト、紹介文などの内容をまとめたモノ。
要するにキャラクターの情報がいっぱい書かれたトレーディングカードみたいなものだ。
とは言っても遊戯王やデュエルマスターズの様な、いわゆる一般的なトレカやTCGとは異なり、ブースターパックの封入カードにランダム性はない。
1つのブースターを買えば、そのパックに封入されるカード全てが1枚ずつ、確実に手に入る仕様となっているので安心して欲しい。
そしてこれらのカードを収集しバインダーに綴じていく事で、順番や収録キャラクターを自分の好みに合わせてカスタマイズした自分だけのファンブックが作れるというのが、このグッズ最大の特徴となっている。
それ以外にも、通常のファンブックでは「書籍の発売以降に登場したキャラクターや情報」についてはどうしても収録する事が出来ないが、この形式ならば「後から追加のカードを発売する」事で情報の更新が可能であるという利点もあったりする。
ファン目線だと、こちらの利点の方が大きいかな。
このサムネイルのものが、スターターセットに封入されているバインダーの表紙。
表紙、背表紙、裏表紙ともに原作者・尾田栄一郎の描きおろしイラストとなっており、展開すると1枚のイラストになっているという構図。
イラストはルフィやシャンクス、ジンベエやカタクリなどのキャラクター達総計19名が、横一列に並んだものとなっている。
身長などのサイズ比も設定に忠実となっており、その体格差を楽しむ事もできる。
しらほしやブロギーの様な巨体の持ち主は、身体のほとんどが見切れているという構図となっていて、何気にシュール。
しかしこうして改めて見ると、カタクリのデカさにビビるな……こんなのと戦ってたのかルフィは。
バインダーのサイズは、折りたたんだ状態で縦に17.5cm、横に15.5cmくらい。
上から見るとこんな感じ。厚さ6cm。
こうやって、中にカードを収納していく形になる。
パッと見なかなかの分厚さだが、今後発売予定の全てのカードを綴じるにはコレでも足りないらしく、追加のバインダーの発売も予定されているとか。
カードの方は縦に16.5cm、横に11.5cmくらい。
「カード」とは言っても、一般的にイメージする様なTCGなんかに比べると遥かに大きい。ワンピースの単行本よりもひと回り小さいくらいのサイズ感になっている。
カードには7cm間隔くらいで2つの穴が空いており、ここにバインダーのリングを通し、綴じていく形式。
この際、並べる順番は持ち主の好きな様にできるので、登場順に振られたナンバー順に並べるも良し、所属や勢力順に並べるも良し、単に好きなキャラを前に持ってくるのも良しの自由さとなっている。
スターターセットには、バインダーの他に合計32枚のカードが付属。
その内1枚が、バインダーを開いた時の扉絵となるイラストカード、1枚が自分のプロフィールやお気に入りの船員などを書き込んで楽しむ「MY CARD」となっている。
購入時の段階では、カードは1枚1枚にバラけているのではなく、冊子状の形でまとまっている。
このまま書籍として読む事も可能なのだが、やはりVIVRE CARDはバインダーに綴じて楽しむもの。よって、まずはこのカードを冊子から切り離していく作業が必要となる。
自分のスターターセット封入分のカードはすでに切り離し済みなので、画像は10月に発売したブースターのもの。
こちらは16枚ずつの封入であるため、スターターの冊子はこれの約2倍の厚さがある。が、構造としては特に差異はない。
カードには切り取り線などがあるワケではないので、表紙部分にノリ付けされた箇所をペリペリと剥がしていく事になる。
まずは表紙からカードをノリごと取り外し、ひと塊となったカードを1枚1枚、丁寧に剥がして行こう。
……しかし、これが思った以上にキッチリとノリ付けされている様で、中々に剥がしづらい。
カード自体がそこまで分厚い素材ではない事も相まって、いつベリッと破けてしまうかとヒヤヒヤしながら剥がす事になり、心臓に悪い。
実際、丁寧に扱えばカード自体が破損してしまう事はそうそう無いと思われるが、自分の場合は手先の不器用さもあり、冊子の表紙部分が少しイッた。
バインダーに挟むモノではないためその影響自体は些細だし、人によっては「カードを切り離した表紙は捨ててしまう」という人も少なくないかもしれない。
が、「キレイに保存しておきたい」というタイプの人は気を付けて作業する事をオススメする。
自分の場合は表紙だったので良かったが、カード本体が破けた際には目も当てられないし。
どうもノリの強さは個体によって結構違いがある様で、自分の場合「“東の海”の猛者達!!」のブースターでは上記の様な悲劇が起きたのだが、「集結!“超新星”!!」では逆に糊付けが柔らかかったのか、表紙部分にノリを残したままカードが全部纏めてスポッと剥がれるという事になった。
これはこれで、表紙を保存するには表紙からノリを剥がす必要が出てくるので扱いづらい。カード1枚1枚にも、微妙にノリが付着してたりするし。
正直、素直に通常のTCGの様に封筒やパック状に包んだ袋にそのままカードを入れておいてくれた方がありがたいのだが、こうなった背景には「冊子状の商品にする事で、書店で扱ってもらいやすくなる」などのオトナの事情があるのだろう。
……が、それはそれとしてもうちょっと扱いやすい形式にはならなかったのかという印象がつくのも、本音のところである。
メインとなるカードには、大きく分けて
・キャラクターカード
・EXキャラクターカード
・スキルカード
の3種類のカードが存在する。
それらは全て表裏の両面印刷になっており、基本的に両方共がフルカラー。
EXキャラクターカードは、単独ではカードにしにくい、出番の少ない脇役達10名前後の情報を、1枚のカードに纏めて載せたもの。
と言っても、ここに載せられるキャラのほとんどは、ファンブックでのみ名前が明かされたモブの様なキャラがほとんどとなっている。
劇中で少なからず出番のあったキャラクターは、ほとんどが単独のカードとなっていると見ていいだろう。
……リカやスラップ村長に関しては、単独のカードをあげても良かった気がするけど。
スキルカードとは、劇中で登場した必殺技10数個の紹介や解説を、1枚のカードに纏めたもの。
例えばスターターに封入される「ゴムゴムの実vol.1」では、ルフィが使用したゴムゴムの実の技が登場順に14種、解説されている。
そして3種の中でも主軸となるのが、キャラクターカード。
両面印刷のうち表面にはプロフィールや全身イラストなどのデータ要素が、裏面には紹介文や初期設定画、キャラ毎の略歴などが記載されている。
記載されている内容をまとめると、それぞれ以下の通り。
【表面】
・キャラクター名(日本語表記と英語表記の両方が記載されている)
・通し番号(基本的に初登場順に番号が振られている)
・全身のカラーイラスト
・一人称(原作カラー版のコマ画像つき)
・笑い方(同上)
・口調(同上。一部のキャラのみ)
・プロフィール
性別、所属船、誕生日、年齢、身長、星座、血液型、出身、好物
・スリーサイズ(おそらく、既に判明しているキャラのみ)
・懸賞金
・CV(TVアニメ版における声優を記載)
・初登場の巻数および話数
・異名
・食べた悪魔の実の名前
・使用できる覇気の種類
・種族などの特記事項
・海賊旗など、所属勢力のアイコン
・所属勢力と役職(「麦わらの一味/船長」「海軍本部/曹長」など)
【裏面】
・エッセンス
原作カラー版の画像を引用した、キャラクターの紹介文
・ギャラリー
設定画や没設定など、原作者のラフイラスト
・ヒストリー
キャラクター毎の経歴を簡単にまとめたもの
・登場エピソード
各キャラクターが登場するエピソードを、大まかに区分けしたもの
・身長何ルフィ?
2年後のルフィを基準に、各キャラクターの身長を比べたもの
その身長差を元に、「1.0ルフィ」「1.4ルフィ」などの倍率も記載される
・手配書の画像
海賊など、手配書が出回っている(と思われる)人物のみ
金額が判明していない場合、金額の部分のみが塗りつぶされた形となっている
また、顔写真が空白となっている人物も存在する
カード毎に記載される内容としては、だいたいこんな感じ。
細かい部分について見ていくと、
通し番号に関しては「基本的に初登場順」だが、麦わらの一味に関しては例外的に、1~9番のナンバーが優先的に振られる形となっている。
ちなみに原作で一番最初に登場したキャラクターであるロジャーのナンバーは14番であり、9番のブルックから4人分、枠が空いている。
この4人という枠が意図して空けられたものなのか、今後仲間が増えた際に対応できるように適当に確保された数なのかは分からないが、個人的にはジンベエ、ビビ、メリー号、サニー号辺りのカードを振り分けるのが丁度いい、かな。ジンベエがこのまま仲間になる、という前提での話にはなってしまうが。
あとビビや船達も、大事な仲間なので。一味としてのナンバーでカード化してあげて欲しい気がする。
……しかしそうすると、カルーがハブられちゃうんだよな……。
まあ彼は、「超カルガモ部隊」としてのカードになるっぽいから……ね?
笑い方の部分は、「劇中でそのキャラが笑っているコマ」を抜き出して掲載されている。
ただ、ルフィやバギーの様に特徴的な笑い方を持つキャラだけではなく、劇中で笑った事があればとりあえず掲載される形となっているため、いまいちピンと来ないものも多い。
これはベックマンなどが顕著で、彼は声を出して笑うシーンが無かったのか、山賊達をライフルで殴り倒した時の「笑みを浮かべたシーン」が採用されている。これはセリフのないコマなので、「笑い方」というよりは「笑った時の表情」という感じだ。
まあ、載せないよりはマシだろう。
あ、ちなみに一人称もそうなんですが、「一度も一人称を使っていないキャラ」「一度も笑っていないキャラ」に関しては、当然ながらこの項目の掲載自体がされない方針っぽいです。
……笑ってる表情くらいは明らかに見せてるヤソップに「笑い方」の項目がない辺り、基準はイマイチ分からないけど。
プロフィールの欄は、この「VIVRE CARD」において最も新情報の多い項目であると思われる部分。
年齢や身長、出身地など、キャラクターを彩る情報が満載である。この商品において最も大事な箇所であると言ってもいい。
これらは原作者である尾田さんの監修のもとに製作されているため、基本的には公式の情報であると考えていい。
ただ、こういう膨大な文章量・情報量を扱う商品において、記載のミスは往々にして発生するモノであるため、過度な信用は厳禁かもしれない。実際、「SBSで既に明かされた内容と食い違っているキャラ」なども存在はしている。
と言っても、まあ普通にファンアイテムとして楽しむ分には問題のない範囲だとは思うけど。
またプロフィールのうち年齢に関しては、特別な表記がない限り「新世界編における年齢」が表記されている。
バギーやコビーに関しては、紹介文やイラストは2年前のものとなっているため、少々ややこしいかもしれない。
懸賞金に関しても、一部だがこの書籍で初めて判明する人物もちょくちょく現れている。
ただ、例えばシャンクスなど、原作本編で金額が明かされる可能性がある人物に関しては、ここは空欄となっている。
上のプロフィール欄なんかもそうだが、基本的に「原作内で知りたい情報」に関しては、下手に先出しして楽しみを奪わない様にしているそうだ。
悪魔の実や覇気の有無についても同様で、既存の情報で「〇〇〇〇の実の能力者」と判明していない人物に関しては、仮に能力者であること自体は確定していても空欄となっている。
ただし、「武装色は使用したが見聞色を使った描写がない」人物に関して、ここで初めて「見聞色も使用できる」と明かされているパターンは存在している。
また覇気の有無の下の欄には、キャラクター毎に属する特記事項が書かれている。
例えば2年後のルフィであれば「Dの一族」「最悪の世代」、モーガンであれば「元海軍」などだ。
ただコレに関してはあくまでオマケで、まったく記載のないキャラクターも多い。……シャンクスに関しては、「四皇」の記載があっても良いと思うが、何故か書かれていなかった。
登場エピソードの欄は、ONE PIECEの約90巻分のエピソードを、
東の海編、アラバスタ編、空島編、W7編、スリラーバーク編、頂上戦争編、魚人島編、パンクハザード編、ドレスローザ編、ゾウ編、WCI編、世界会議編、ワノ国編の13のエピソードにざっくりと分け、
各キャラクターが「どのエピソードに登場していたか」を示すモノとなっている。
これは物語の主人公であるルフィのカードに書かれたもの。当然、全てのエピソードに顔を出しているという事になっている。
レヴェリーに登場しているという扱いには「?」となるかもしれないが、これは恐らくWCIを脱したあとの第903話、“5番目の皇帝”辺りからを「世界会議編」と定義しているからだろう。
これが例えばWCI編に登場していないゾロのカードであれば、WCIのアイコンの欄が暗く書かれており、「WCI編には登場していない」という事を示す様になるのだ。
また、どうも「回想シーンでの登場」はカウントされない様になっているみたいで、物語の開始時点でご逝去なされているロジャーは東の海編でのみの登場(原作第1話冒頭の処刑シーンをカウントしてるんだと思う)になっていたり、コウシロウがアラバスタ編で未登場になっていたりする。
ただし、ゾロの回想にて登場したくいなを初めとする「初登場が回想シーンであった人物」は例外の様で、くいなは東の海編に登場した、という扱いになっている。
まあ、「原作のどこにも登場していません」みたいな扱いになるのも、妙な話だしね。
こうして纏めて見ると、超新星編の頃のエピソードに関しては、少々区分けの仕方が粗い事になっている。
「アラバスタ編」は偉大なる航路突入からアラバスタ終了まで、「空島編」はジャヤ編からデービーバックファイト辺りまで、「頂上戦争編」はデュバル率いるトビウオライダーズとの戦闘から超新星編の完結辺りまでを指すんだろう。
正直、エピソードの区分としては乱雑で分かりにくく、たびたび誤表記も見つかったりとデータとしての精度は低いと思う。
が、そのエピソードにちらっとしか出ていないキャラクター……たとえばW7編(エニエスロビー編)完結前後にちらっとだけ登場したゼフなどのページを見て、「あ、そういえば出て来てたんだっけ」と思い出すのには使えたりするのかな。
「VIVRE CARD」という商品の概要については、ひとまずこんなところ。他に個々のカードで気になったところ等は、後で各カードの感想なんかも書いていこうと思うのでそちらで触れていく。
長々と書いて来たが、それだけこのグッズは情報量の多いブツなのだ。
ONE PIECEという漫画は、なんといってもキャラクターの人数がケタ違いに多い。
普通にONE PIECEを好きで一通り読んできた人でも、「この人、どこで出て来たっけ?」「どんなヤツだっけ?」と、再登場した重要キャラクターをすっかり忘れてしまっているなんて事は少なくないだろうな、とも思う。
原作で最近再登場したミョスガルド聖なんて、ツイッターなんかでも「誰?」っていう声をめちゃくちゃ多く見たし。
そういうライトな層にとって、バインダーを開いただけで主なキャラクターの顔と名前、所属勢力や能力などが一発で飛び込んでくるのは、大きな価値を持つだろうと思う。
またディープなファンからしても、各キャラクターの年齢や誕生日、好物などの細かい設定を全て把握している、なんて人はごく一握りだろう。
これらの情報は、主にSBSで発表される事が多い。そのため、気になった時に調べようと思っても、「何巻のSBSに載っていたか」を探し当てるのはかなり時間のかかる作業となってしまう。
「一冊のバインダーに大量の情報が存在」し、なおかつ「その掲載順を自分で入れ替えられる」VIVRE CARDは、これらの確認作業にかかる時間を大きく短縮してくれるのだ。
そしてやはり目玉となるのは、VIVRE CARDで初めて明かされるキャラクターのプロフィールの存在。
スターター封入分だけでも、「バギーの出身地」「アルビダの年齢」「シャンクスの好物」など、「え、そうだったん!?」と意外に思える内容が目白押しだった。
俺自身はかなり楽しめたグッズだし、毎月の新弾発売を楽しみに待っている身なのだが、しかし同時に「ひとつの商品としてのツメの甘さ」が存在するのもまた事実。
これに関して一番に槍玉に挙げられるのが、やはりデータブックとしてのミスの多さ、信憑性の不明瞭さとなっている。
(店舗限定特典の存在が、発売前日になるまで一切周知されていなかった、なんて問題も起きてプチ炎上と化したりもしていたが、すでに対策が取られたことなので深くは掘り下げないでおく)
このデータブックにはミスが多い。
たとえばヒストリー欄における2年前サンジの出生地が「南の海」と誤記されている、ロビンがWCI編やレヴェリー編に登場した事になっているなど、細かいところを挙げていくと中々の量になる。
ミスが多い、というのは情報を扱うグッズとしては致命的で、どうしても「これ、新情報だけど本当に正しいのかな?」という疑いの目を向けてしまう事にも繋がる。
これらのミスはハッキリ言って「マトモに校正していれば防げるもの」も多く、余計に信憑性を薄れさせてしまう要因となってしまっている。
原作者の監修が入ったグッズとはいえ、あくまでも多忙な尾田さんが「チェックをする」という形の監修であるため、確認漏れが発生する事も起こってしまうだろうし。
原作からして膨大な情報量を持つマンガであるゆえ、隅々まで目を通すのは中々に難しいのだろうが、グッズとしてのデキに直結する箇所であるため、編集さんや校正さんにはもう少し気合を入れ直して欲しいところだ。
ネガティブ評ついでにもうひとつ言わせて貰うと、このバインダーは正直言って扱いづらい。
肝心のカードが、かなりめくりにくいのだ。
原因は割とハッキリしていて、このカードを綴じるためのリング部分にある。
画像を見れば分かる通り、このバインダーに採用されているのは、いわゆる「Dリング」。見た目の通り、アルファベットの「D」の形状をしたリングだ。
商品の規格上もっとも適していると踏んだのか、「Dの意志」を模したオシャレポイントなのかは知らないが、これが『VIVRE CARD』のカード達とまあ相性が悪い。
ページをめくろうとするとリングの角張った箇所に引っかかり、スラスラとページをめくれる様な作りにはなっていない。それどころかページをめくるたびに、そう丈夫ではないカード達の綴じ穴部分に大きな負担がかかる。
発売からひと月あまりが経過し、徐々にヘタれてきた我が家のVIVRE CARD1ページ目
カードは「大事に扱えばそうそう痛まない」のかもしれないが、仮にも書籍に近い扱いをする商品である以上「ページをめくるたびに気を付けて扱わなければいけない」のは大きなストレスだ。
せっかく見返したくなる記述がたくさん載っているのに、「読み返すたびにカードに負担がかかる」事を恐れて気軽にページをめくれない、という本末転倒な事態にもなりかねない。
製作や予算上の都合などもあったのだろうが、こういうデリケートな部分に関しては、出来れば機能性を重視した作りとして欲しかった。
多少値段が底上げされても、リングの形状をもっと扱いやすいモノに変更した公式バインダーを追加で発売してくれたりすれば、嬉しいのだけれど。
ちなみにこれに対しては、紙素材の綴じ穴部分を補強するシールなんかも一般に販売されている様で、それを使う事で負担を和らげる事もできるらしい。
また、カード自体を「綴じ穴つきのファイルに入れてバインダーに綴じる」事でも対策は可能。見栄えは損なわれそうだけど、1枚1枚にシールを貼るよりはこっちの方がラクかな。
ちなみに俺の場合は、いっそカード自体を「消耗品」と考えて、破損したら買い足せばいいか、と開き直る事にした。
そう高いもんじゃないしね、個々のカードパック自体は。
こんな感じで、ハッキリ言って不満点も多々あるVIVRE CARDだが、同時に個人的にはONE PIECE史上でも例を見ないくらいに「眺めていて楽しいグッズ」であったのも間違いはない。
やはり「情報量が毎月増えていく」というワクワク感は良いものだし、記載される内容もかなり密度が濃く、ファン同士で盛り上がれる内容になっていると思う。
当然ながら、これらのカードは「すべてのカードをコンプリートする」事を前提とした作りにはなっていない。自分の好きなキャラクターが登場する分のブースターだけを購入する事も可能であり、ちょっと手を出してみる分にはハードルも低い。
「どこまでが原作者の考えた設定か」を強く意識するタイプのファンには不向きなアイテムかもしれないが、自分の様にそこら辺をあまり深く気にしない人には、ぜひ手に取ってみて欲しい。