週刊少年ジャンプ2018年47号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 



★もくじ
表紙&巻頭カラー
「鬼ヶ島」の決戦準備
錦えもん一家の事情
3人の侍と酒天丸
“ジャック”と“カイドウ”  




表紙&巻頭カラー

 一週間の休載を明け、今週のジャンプはONE PIECEが表紙&センターカラー。

 表紙、むちゃくちゃカッコいいっすね。
 敵の総大将であるカイドウを前に、主人公であるルフィに加えてワノ国で真価を発揮しそうな剣豪ゾロが、互いに持った“鬼徹”を交差させる構図。見栄えが半端ねぇ。

 ……まあルフィさん、鬼徹使いこなせないんですけどね。カッコはつくからええやろ。


 巻頭カラーの方は、東京ガールズコレクションとコラボする形になっている様で、ONE PIECEのガールズ達が普段と違うシャレっけのある(?)衣装に身を包んだ形となっています。

 選抜されたのはナミ、ロビン、ハンコック、ビビ、ペローナ、たしぎ……と、ビッグ・マムオチ担当かよ。

 ちなみに一番左にはしらほし姫もいます。デカすぎて肝心の服がまったく映ってないけど。
 VIVRE CARDの表紙といい、最近見切れ芸が板についてきてないか、この子。

 個人的には、ビビの服装がお気に入りですかね。全体的に青を基調としたカラーリングが、髪の色ともマッチしてて。
 王女としてアラバスタへ帰還してからは中々見なかったショートパンツも、本人の活発なイメージに似合う感じ。
 なんやかんや、冒険心にとんだじゃじゃ馬姫やからね。


 しかしこう女性陣が立ち並ぶと、割と本気でロビンとハンコックの見分けづらさが目立ちますね。
 究極的な話、「分けた前髪の長さが頬の辺りまで、かつ一直線に揃えた形になっている」のがハンコック、と見分ければ良いんだけど、ロビンの髪型、ひたすら安定しないからなぁ。
 まあ今回は、服に思いっきり九蛇のマークが描かれてるんで、まだ見分けやすい部類だけど。

 ワンピースの女性陣、顔のパーツがある程度パターン化されてる上、イラストとかだと髪型を結構イジられてる事も多いから中々難しいのよね。
 あまり詳しくない人だと、黒髪の女性陣は誰が誰だか分からなくなるかもしれん。……というか俺も、人の顔を見分けるのがめちゃめちゃ苦手なタイプなんで、たまに苦戦する。


 そしてナミさんの羽織ってる赤いヒラヒラ、ドフラミンゴにしか見えねェ。 




「鬼ヶ島」の決戦準備

 2週間後の“火祭り”の夜、カイドウの住まう鬼ヶ島へと討入りを仕掛ける計画を立てた錦えもん。
 火祭りってのは、カイドウとオロチの両軍が鬼ヶ島へ集結する日なのね。敵の全軍が集結し、宴でハメを外したところで一気に総大将を狙うと。
 この流れなら、オロチとも鬼ヶ島で決着をつける事になるのかな。彼がそこまで強い人物なのか、現時点では微妙なトコだけど。

 鬼ヶ島はワノ国本土と陸繋ぎになっているわけではないが、あくまでワノ国の一部っぽい。まあ日本国内にも、本州の他に島とかあるしね。
 第824話でも、鬼ヶ島と思われるカイドウのいる島が「ある国」と説明されていたが、アレもワノ国のことを指していたんだろう。



 作戦決行の日となる2週間後までに、なんとか理想の兵力5000名を集めたい同盟軍。
 決起の日取りを示した暗号図は、パッと見には難解すぎて解読困難だが、錦えもんが「ワノ国の住民なら理解できる」というのだからそうなんだろう。

 と言っても、暗号ってのは「敵の手に渡った時、そうそう計画の全容がバレない様にするため」に使うもんであって、誰でも簡単に解けてしまうんじゃ意味がない。同じワノ国に住む人間でも、常に決起の時を待ちわび、備えている同志達だからこそ意志を受けとってくれると信じている、って事でもあるんかな。
 カイドウやオロチの一派は、そもそも光月残党の生存を半信半疑であるため、警戒心も薄まった状態かもしれないし。

 ……しかし、赤鞘の侍達はともかく、ルフィ達が暴れまくった今となっては、カイドウ達が都合よく気を抜いていてくれる、ってのは難しそうだなぁ。
 ルフィがワノ国を訪れている事は、すでにジャックに知られてるワケだし。ドフラミンゴを倒し、自身の取引を邪魔した怨恨のある相手が国内にいるってのに、呑気に宴なんぞ開いていてくれるだろうか。
 火祭りの夜を狙うっていう作戦も、あまり上手くいく気がしない。作戦が読まれる、もしくは筒抜けになった結果、万全の防備が敷かれた鬼ヶ島にルフィ達が斬り込んでいく、って流れになりそう。



 国中に潜む反乱の意志を持つ者達に、暗号図は少しずつ配られている。左足に“逆三日月”の刻印がある人物こそが、反乱の意志を持つ同志達。この見分け方、なんとなくアラバスタでの「仲間の印」を思い出すかもね。

 そしてその任務には、本来であればゾロやウソップも加わっていたと。ウソップが「ガマの油売り」に扮していたのも、人目を集める事で多くの人間の「印」を確認する事ができるという意味もあったのかもしれない。

 いやしかし、ウソップはともかくゾロにその任務を与えるのは人選ミスだと言わざるを得ない
 バレたらオシマイの重要任務を、あの暴れ狼にたくすとか、無謀だから。「役に立ってない」で済んだだけ、奇跡的だから。
 この感じだと、錦えもんはゾロが指名手配されてる事もまだ知らないのかな。ここ数日の錦えもん、完全におでん城跡に潜伏状態だったっぽいな。まあ顔も割れてるだろうし、下手に国内をうろついて気づかれたらマズイか。


 ……っつーかどうでも良いけど、フランキーが弟子入りしたみなともさん、カイドウの屋敷の設計者だったんですね。
 あの屋敷がいつ頃建てられたものかは知らんけど、たぶん20年前の前後ってとこでしょ。つまりこの人、カイドウの屋敷を建てた後にふらっとフーシャ村まで来てたって事になる。
 すげぇよみなともさん……どんだけ自由人だよ……鎖国の禁にも縛られないこの姿勢……もはやお前が海賊王だよ……。
  



錦えもん一家の事情

 初登場から約20巻以上が経過し、未だに悪魔の実の名称が分かっていなかった錦えもん。
 今回、ナミ達の衣服を変化させた際に使われた術の名称は「フクフクの術」。どうも、錦えもんの食べた悪魔の実の名はフクフクの実で確定っぽいね。

 後発のワノ国到着組にそれぞれの任を与え、適した衣服に着替えさせた錦えもん。ナミのくノ一だけは明らかにおかしいけど。
 錦えもん、やっぱりただのエロ侍だった。そらナミも関西弁にもなりますわ。レア属性のツッコミも繰り出しますわ。

 落ち武者の亡霊と化したブルックは食料集め、サンジは料理でひとを集め同志の捜索、チョッパーとキャロットは菊と共にイヌアラシのもとへ向かうと。
 チョッパー、完全にミンク族扱いだな。まあ少なくとも20年前の時点では、ミンク族は畏怖の対象となっていたっぽいし、下手にこの姿で国内を歩き回るのもマズイか。新世界編じゃ人型形態も、全然人間に見えんくなったし。

 ルフィとローにはこれと言って役割が振られていないが、同盟の代表格となる彼らにはまた別の任があるんですかね。
 まあ、ルフィに役割なんか与えてもロクな事にならないだろうけど。



 ……と、錦えもんの能力が判明した裏で、彼に関してもう一つの新事実が。
 お鶴さん錦えもんの妻だったのね。

 錦えもんは20年前の世界から老いる事無く時を越えてきたが、鶴は普通に20年をワノ国で過ごして来たはず。そう考えると、鶴さんはかなり若い内に錦えもんと結婚したっぽい。
 今の鶴さんが40代くらいだとして、20歳くらいの年の差婚だったんだろうかね。まあ大大名直属の家臣という錦えもんの身分を考えたら、若い女を娶っていても自然。
 「旦那の姿は変わらないのに、自分だけが20年も老け込んでしまった」という状況は鶴さんにとってちょっと酷な気もするが、逆に同世代くらいの年齢になれたって意味ではプラスでもあったり……するかもしれないし、しないかもしれない。

 で、帰還した錦えもんはまだ彼女には会っていないと。というかこの分だと、鶴はまだ旦那の生存の事実を知らない可能性が高そうね。生きていると信じてはいるかもだけど。
 まあ赤鞘九人男の親族って事になればオロチ一派にも狙われかねないし、余計な苦労をかけないためにも無闇な接触は避けた方が無難か。

 鶴が他のおこぼれ町の住民に比べ小綺麗な衣服を着ていたのも、元は身分の高い武士に嫁いだ身だったからなのかな。
 うーん……現時点では他の住民達とさして変わらない身分となっているっぽいし、あまり理由にはならないか。なぜか特効薬である邪含草をたくさん所持しているのも、この出自が関係してるのかなぁ。

 

 約1か月ほど前から、鶴の茶屋で働き始めた菊。
 錦えもんは「菊と鶴が接触した」事に驚いており、潜伏先に鶴の茶屋を選んだのは、どうも菊の独断行動だったっぽい。
 不測の事態が起きた時、錦えもんに代わって鶴を守れるよう傍に身を置いたんだろうか。

 菊は20年前から鶴の事を知っていたっぽいが、それでも鶴が菊の正体に気づかなかったのは「20年」という月日の重さと、菊が当時と雰囲気が違っている事もあるのかな。
 回想シーンの菊は長髪を一つ結びにし、衣服も武士らしい恰好となっており現在の姿とはかなり異なる印象だった。確かに、気づかないのも無理はないかもしれない。
 にしても、「菊」って名前をそのまま名乗ってたり剣術が使える事を隠してなかったり、危なっかしいところはちょくちょくあるけど

 錦えもんに恋い焦がれる……とまでは明言されなくとも、彼を強く慕っている菊だが、本妻である鶴への嫉妬心的なものは特になさそう。
 まあワノ国だし、一夫多妻の価値観が定着していて、菊としても愛人的な位置に収まる事への抵抗がないのかもしれない。つっても、菊が単純に色んな意味で錦えもんと結婚できる人物にない可能性もあるけど。ホラ、立場とか、性別とか。
 菊は錦えもんを慕っているが、それが恋愛的な感情だと決まったわけでもないのかもしれんし。


 ……しかしまあ、錦えもんからすればアレね。
 菊が錦えもんを「異性として」好いているとして、そんな人物が知らぬ間に自分の妻と接触していたって事よね。
 菊にやましい部分がないにせよ、錦えもんからすれば胃を痛める思いだろうな……。あ、それで腹下したんか(違う)。 




3人の侍と酒天丸

 錦えもんが探して欲しいという3人の侍。
 “河松”、“傳ジロー”、“アシュラ童子”なる彼らは、見つければ100人力にもなるおでんの元家臣であるという。
 サンジが1000人力でゾロが2000人力だから、それらにはだいぶ劣りますね!(難癖)

 河松、傳ジローの名は初登場だが、アシュラ童子というのは前回も登場した名前。20歳にしておでんが統一した悪党どもの中でも、最も危険な男と称された人物ね。
 おでんが「討ち取った」と言われていたのでてっきり戦死したものかと思っていたけれど、おでんの家臣になっていたのね。
 自分を打ち負かした男の実力にホレ込み……みたいなエピソードがあったんだろう。

 彼らもやっぱり、赤鞘九人男に数えられる侍達なのかな。
 前回の回想シーンにて、焼け落ちるおでん城に姿は確認されながらも何故か時を「飛ばなかった」笠の侍も、この3人のうちの誰かなのかもしれん。3人のうち左側の人物は、笠っぽいシルエットになってるし。


 
 で、今回は以前から名前が出ていた、頭山盗賊団の棟梁である酒天丸も登場。
 義賊的な側面など欠片もない、純度100%の暴徒集団でした。貧しい町民からも普通に食い扶持奪ってやがる。

 とはいえ酒天丸もタダモノではない様で、だらしない寝姿や体形とは裏腹に、あのジャックを相手に先制でキズを与えるというとんでもない力量を持っていらっしゃる。

 っていうかそれ、滅茶苦茶強いやん。
 ジャックの実力はカタクリ等には及ばなそうなイメージだが、腐っても10億の賞金首。そのジャックの得物を叩き折り、一撃を加える……超人的だぞ、それ。錦えもん達よりも遥かに強いんじゃないか。

 そしてその語り口調もどこか悟り諦めた感じというか、民衆を困らせる賊の身でありながら、ワノ国の現状や行く末に絶望した様子がある。 
 「こん国にはもう…強き『侍』を従えられる様な 本物の男もおらん!!! 
  ワノ国は終わったんだど…!!」

 この言い回しからして、おそらく酒天丸は、かつてワノ国には『本物の男』が存在した事を知っている。
 酒天丸本人も「侍ナメんなよ…!!!」と侍を自称している以上、彼もまた、以前はその男に付き従った『強き侍』なんだろう。
 そしてその人物がいなくなってしまったからこそ、ワノ国の未来に対する希望を失い、ただの賊徒にまで落ちぶれてしまったと。

 
 順当に考えれば、その今は亡き『本物の男』とは、腕っぷしにより悪党達を改心させ、凄腕の侍達を家臣に置いた光月おでんの事。
 そして酒天丸と、錦えもんが挙げた『3人の侍』のシルエットとの一致具合を考えても、この酒天丸こそがアシュラ童子の現在の姿である可能性が高い。 

 前回の時点ではアシュラ童子はおでんによって討ち死にしたものだと思っていたので、「酒天丸」はアシュラの子息か元子分だったりするのかな、と思っていたけど、張本人が生きているなら話は別。
 酒天丸がかつておでんの家臣であったというなら、917話にてその名を聞いた時の菊の険しい顔の意味も分かる。
 アレは恨みや憎しみから来る表情ではなく、共におでんに従った同胞の落ちぶれた現在に対する悔しさによるものだったのだ。

 一度はおでんによって改心し、しかしそのおでんの死によって再度悪党と化してしまった……という事実には少し虚しさもあるが、彼の中にある侍としての誇りは燻ってはいない様なので、やり様によっちゃあ改めて光月のために戦ってくれる可能性もあるかもしれない。

 が、どうもアシュラ童子は「光月家」というよりは「光月おでん」その人自身に敬意を持ち、従っていた様子。それでは、おでんを欠いた今の光月一派のために協力してくれるかは微妙なところかもしれない。
 「大将もおらず戦になるか!!」と酒天丸は言うが、今の同盟軍の大将はおでんの子息である光月モモの助。おでんの血を継いではいるが、まだ子供であるモモの助はハッキリ言って弱く、アシュラが納得する様な「大将」となれるかは怪しい。
 野盗へと落ちぶれたアシュラが再起するには、アシュラが「おでんの息子」というだけでモモを大将と認めてくれる人物であるか、モモの助が彼をホレ込ませるほどの気概を見せるか……といった条件が必要になってきそうだ。



 ……と、勝手に「酒天丸=アシュラ童子」と決めつけた上でくっちゃべってたが、それにしては今回の酒天丸に刃を向けられた婆ちゃんの反応は妙な気がする。
 
 死を前にした状態でトキの名を口にするくらいなのだから、この婆ちゃんは光月家の結構な信奉者なんだろう。なら、赤鞘九人男の名前と顔くらい、一致していても不思議はない。酒天丸がかつておでんの家臣であったなら、この婆ちゃんもまずはそれに言及しても良さそうなモノだ。

 それどころか、婆ちゃんは酒天丸に対して「九人の侍が~」と、赤鞘九人男の事を話している。酒天丸が仮に九人男に数えられる人物だとすれば、この会話は変。九人の内一人が目の前で暴徒と化してるのに、想いを遂げるも何もあるかい

 そして酒天丸も、「九人の侍」というワード自体には反応を見せていない。大将のいない戦、というものを嘲笑うばかりだった。もし彼が九人男の一人なら、その言葉に怒るなりたじろぐなり、何かしらの反応を見せても良さそうなものだ。

 それに、酒天丸が光月由来の元家臣だったら、カイドウもわざわざ彼を引き抜こうとは思わないだろう、って気もする。
 確かにカイドウは、ホーキンスやドレークという「かつて自分に挑もうとした海賊」を引き入れてはいるけど、光月の家臣という明確な反乱の火種に関しては別のハズ。でなきゃ不確定な情報のために、わざわざ幻の土地まで雷ぞうを探してジャックを派遣したりしないでしょう。
 光月の残党を殲滅するのに必死だからこそ、3災害っていう最大クラスの戦力を動かしたワケで。たとえ賊に身を落とした酒天丸とはいえ、あえて生かしておく意味はないと思う。



 ……この様になんだか引っかかる部分もあるが、しかしここまでの実力を持った侍が、光月にもオロチにも無関係なまったくの第3勢力として出て来るとは、中々考えにくい。話として、すごい取っ散らかりそうだし。
 「死に損なった」というイヌアラシと似た様な言葉が飛び出す辺りからも、彼がおでんのため、命を散らす事が出来なかったのを悔いていると受け取れる。結局のところ、彼がおでんの家臣であり、アシュラ童子その人である可能性が高いのも事実なのだ。

 まあ、なんだ。次週に持ち越し、って事で。(丸投げ)




“ジャック”と“カイドウ”

 久々登場の大看板、ジャックさん。博羅町で暴れたルフィを探し、おこぼれ町までやってきました。
 ホーキンス、結局あの後、普通にジャックに報告してたのね。最初はルフィの上陸をカイドウに知らせず、自分で処理しようとしていただけに彼の思惑も気になる。
 まあルフィがホールデムを潰すほどに暴れた時点で、下手に隠し立ても出来ないか。報告せずに隠そうとしていたら、今度は自分が裏切りを疑われるものな。

 というわけで、ズニーシャのワンパンチで海底に沈められたジャックさん。すでに全快バリバリで職務復帰してるという驚異のアグレッシブさを発揮してくれてますが、登場早々酒天丸の一太刀を貰ってしまうという悲劇。

 いや、その後普通に打ち合ってるし、斬り返してもいるんで互角の戦闘ではあるんだけども。ショーテルっぽい独特な形状をした二振りの湾曲剣も、片っぽがへし折られてしまうという。
 同じような懸賞金がかけられたカタクリとは違って、ジャックさんはどうも強敵っぽさが足りないなぁ。まあ初登場の時点で、渾身の象鼻パンチをイヌアラシに片手で受け止められるという悲しさだったんだけども。ここまで噛ませ犬化が進むと、正直決戦の火祭り前に敗退してそうな印象すらある。

 まあ……アレね。ジャックさん、どっちかというと耐久性能が強みのタイプっぽいんで、持久戦になれば強いんじゃないかな……たぶん。ゲーム的に言えば、見かけの割りに攻撃力や防御力はズバ抜けたワケではないけど、体力がすさまじいタイプ。自動回復能力つき。
 昼夜交代で襲い来るミンク族相手に、5日5晩戦い抜いた実績はすごいよ、うん。
 ここは素直に、酒天丸の強さがハンパなかったと解釈しておきましょう。
 


 そしてハイレベルな死闘を演じるジャックと酒天丸の上空、天を裂きながら現れたのは一体の巨大な龍。その正体は四皇の一角、百獣のカイドウ

 つ、遂に出たー!
 ていうかでっけぇー! サイズ比よく分かんないけど、なんか無茶苦茶でかそうー!!
 そらワノ国の人達も、「国を守る『明王』」なんて言われて納得するわ。こんなんがただの海賊だとか、思えませんわ。神格化もされるわ。

 これで以前錦えもんが言っていた、「親の仇同然」という言葉の意味が分かりましたね。敬愛する主君であるおでんを処刑した人物が「龍」であったからこそ、パンクハザードの「ドラゴン」に対しても八つ当たりじみた怒りをブツけてたのか。
 正味、龍の能力者は将軍オロチの方かと思ってた。オロチって、いかにも「ヤマタノオロチ」から取ったっぽい名前だし。

 龍と言えば、モモの助が食べた人造悪魔の実によってもたらされた能力も、竜へと変身する能力。錦えもんが「こう来たか!!」なんて言ってた辺り、竜と光月家には何か縁の深いものがありそうだけれど、カイドウが龍の姿を持っているのは単なる偶然なんだろか。 
 「竜」と「龍」って表記を、あえて使い分けてるっぽいのも気になるし。

 っていうかコレ、動物系の能力……なんですかね?
 あまりにも規模がデカすぎて、もはやよく分からない。単なる変身能力だったら、わざわざ天から降りて来る必要性が分からないし。
 変身と同時に天へと昇る能力なのか、明王としての威厳を保つための演出なのか……。

 ……まさか、能力でもなんでもなくこの龍こそが真の姿ってこたぁないだろうな……?
 

 カイドウの言う「ガキ共」ってのは、ワノ国への侵入がすでにバレているルフィとローの事かな。
 もはや正攻法で挑んで勝てる相手とは、とても思えない。オーズを倒してきたルフィ達にとって「でかいから強い」とは単純には言えないにせよ、この存在感はあまりにも規格外すぎる

 ハッキリ言ってカイドウの持つ勢力は、ビッグ・マムに比べれば遥かに劣る印象があるが、これはむしろ同盟軍の全戦力を注ぎ込んでも、カイドウ1人倒せるかどうかっていうレベルに達している気がするぞ……。
 この巨躯を誇る上、カイドウ本人はどういうワケか死のうにも死なないらしいので、本格的に打つ手がない。
 あの不死の力も、龍の姿に由来するモノなんだろうか。


 いやホント、どうすんねん、これ。
 勝てるのか?