扉絵 |
クンフージュゴン達に魚人空手を教えるコアラの図。
魚人空手の師範代として、海獣にまで技を教えるコアラさん。指導力の方はどんなもんなんだろうか。
というか『魚人』空手だと言うのに、この場に1人として魚人がいないのはちょっとシュール。
「竜宮」の文字が書かれた道着を来たコアラだけれど、リュウグウ王国の面々とは顔見知りなのかな。幼少期にははっちゃん達タイヨウの海賊団とは仲良しの身だったけれど、革命軍加入後の再会はあったんだろうか。
……というかコアラ、タイガーの一件でせっかく故郷へ帰れたというのに、14歳という幼さで革命軍へ入ったのにはどういう経緯があったんだろう。ハックが連れてきたそうだけど、何らかの理由で、タイガーの死の真相を知ってしまった、と考えるのが妥当なのかなぁ。
だとすれば革命軍という立場ゆえの動きにくさに加え、タイガーが命を散らす一因となってしまった事への罪悪感などから、タイヨウの海賊団との再会はまだ実現していなさそうな気もする。
彼女がサボと共にルフィの窮地に駆けつけるなら、その時はジンベエやアラディンとの再会が描かれたりするのかもしれない。
ドフラミンゴが密売していた武器に含まれた鉱物、「酒鉄鉱」の産出国がワノ国なら、革命軍として行動を起こす可能性もありそうだし。
そしてクンフージュゴン。なんだかんだ、マスコット的な人気が高い様な気もする。ゲーム「スワンコロシアム」なんかでは、無数に現れるクンフージュゴンをひたすらシバキ倒すなんてミニゲームもあったなぁ、という思い出が蘇った。
本来ならばなんぼ強いからって、たかだか海獣に拳法を仕込むなんてそりゃ無茶な、と思うところだけれども、アニメではかつてルフィに弟子入りした個体が武装色の覇気を会得して新世界に乗り込むなんて展開もあったりしたので、指導次第じゃ魚人空手の会得だって可能かもしれない。
水辺の生物として、空気中の水の制圧という魚人空手の奥義には、普通の人間よりも圧倒的に近い場所にいそうだし。
今回は全編通して「カイドウ本格登場・お披露目回」って感じなので、箇条書きでざっくりと行きますよ。
〇カイドウの能力
サブタイトルの時点で、カイドウの『百獣海賊団』内での役職が判明。
シャンクスの「大頭」、ティーチの「提督」と来て、カイドウは「総督」と。
ジャックには「カイドウさん」と呼ばれているが、ホーキンスは「総督」呼びになっとりますね。大看板の様な高位の構成員のみ、さん付けで呼ぶ事を許されてるんかな。
……あれ? でも第911話では、部下からの連絡に対しホーキンスは「カイドウさん」って言ってるぞ?
アプーらしき人物に至っては、電伝虫でカイドウに直接「カイドウさん」と呼んでる。一応の呼称として「総督」が正式なだけで、割となんでもいいのかもしれない。
前回の時点では、カイドウの正体が「龍の能力を持つ人間」なのか「人間の能力を持つ龍」なのかがハッキリしていなかったのだが、錦えもんによればカイドウは「“龍”に化ける」との事。
つまり上記のどちらかで言えば、前者だったという事になる。リューマの竜斬り伝説もあるし、ワノ国には龍が実在している可能性もあったが、とりあえずカイドウは違ったみたいだ。
リューマが斬ったという竜の話も、カイドウの様に「悪魔の実で竜に化けた人間」を斬った事から始まった伝説だったりするのかな。
まあ悪魔の実の能力に明るくない錦えもんが言っているだけなので、まだ龍の能力者で確定、という段階ではないのだけれど。他に判断材料もなさそうなんで、とりあえずは「カイドウは龍の能力者」と考えておくべきかな。
能力名、何になるんだろう。動物系幻獣種なのは確実として、ヘビヘビ?サラサラ?
こういう合成獣みたいな存在は、マルコの不死鳥の能力なんかと違って種別が判断しにくいね。そういや昔のドラえもんの映画では、のび太が「シカとワニとコウモリ」だかを掛け合わせて龍を作り出したりしていたなぁ。
単純なサイズ感もさる事ながら、龍の口から吐き出す炎熱の息、“熱息 ”の威力も中々にすごい。遥か遠方のおでん城を一撃で粉砕してしまう有効範囲と破壊力。もうこいつが古代兵器で良いんじゃないかな。
っても、おでん城自体は20年も前に焼け落ちたまま放ったらかされていて、ズタボロの状態だったハズなのでこれだけでは純粋な破壊力は測れないかもしれない。
単純な一撃の威力だけなら、サカズキのドテッ腹を貫いて海軍本部の要塞を半壊させた白ひげの怒れる拳の方が上かも。勿論、カイドウの場合はコレが全力の一撃というワケではなさそうだけれども。
技の見栄えだけで言うなら、サニー号やフランキー将軍から放たれる“ガオン砲”、“将軍砲 ”辺りと同規模。
これはあの兵器達を導入して、「ロボットVSドラゴン」という世紀の大決闘を繰り広げてもらうよりないな。サニー号達、無事じゃ済まなそうだけど。
……実際、こいつを倒すにはどうするよ? って言われると、あの手の「サイズの不利を少しでも埋められる兵器」を役立てつつ、隙を見せたところにギア4の全霊の一撃を叩き込むぐらいの事しか浮かばないんだよなぁ。
しかしカイドウ、こんな化け物じみた能力を持っておきながら、実際の戦績は何気に芳しくないのも気になる。
第795話によれば、カイドウは「海賊として7度の敗北、18回の捕縛」を経験しているらしい。
勿論、これらは大将クラス、四皇クラスに挑みまくった結果なんだろうが、それにしてもこれだけの負けを喫しまくっている辺り、倒しようが無さそうなカイドウにも何らかの弱点はあるって事なんじゃないかなぁ。
海や海楼石の力に対して、対抗手段は持っているのか、ってのも気になるところだしね。
まあそこまで追い込んで尚、誰も彼を殺せなかったってんだから、規格外のバケモノ野郎なのは間違いないんだけどね。まずもって、今のままのルフィが1人で勝てる様な相手ではない。
自殺が趣味のカイドウの事、入水や複数の実を食す、なんて手段は試し済みなのかもしれないが、それでも死ななかったんやろか。
〇モモの助の能力
今まで、ルビの違いこそあれど、基本的には「竜」という漢字があてられていたモモの助の変身形態。
しかし今回は、カイドウと同様の「龍」という表記に統一されていた。
割と意図を持って使い分けられていた様な気がした「竜」と「龍」の記載だが、基本的には同一の生物を指していると思って良いのかな?
今回のモノが誤植でなければ、カイドウとモモは(人造と本物の違いはあるが)同種の悪魔の実の能力者であるという事になる。「同じ能力は1代に1つまで」という基本原則のある悪魔の実としては、かなり珍しいシュチュエーションかもしれない。
こういう「本来あり得ない状況」が生み出せるのも、人造ならではの強みね。ピカピカの実のレーザーを兵器転用する事には成功していたのだし、能力そのものを完全に複製してしまう様な荒業も、今のベガパンクならやれてもおかしくないかもしれん。
と言ってもモモの助が食べた実は、元はと言えば「ベガパンクの作った失敗作」なので、同じ「龍に変身する能力」とはいえ、全く同種の能力というワケではないのかもしれないけど。
これがどういう意味での「失敗」なのかは分からないけれど……モモの様に「自分の意志で変身を制御できない」という点がダメなんかな?
実用化に向いていないという意味では、「能力の発生が不確実だった」というだけでも、失敗作と言えるかもしれないけど。
カイドウとモモの助が同じ『龍』に変身する能力であったとして、前回の見開き登場シーンや今回の話を見ていると、カイドウは翼も持たずに何故か空をプカプカと浮遊する能力を持っているっぽい。
一方のモモの助も翼を持たないのは同じだが、こちらの場合は空を飛ぶ手段として「雲を掴む」という別の力を使用している。
この突然湧いて来た雲も「龍の能力」ゆえに出現したものなのか、とにかくモモの助の場合、独力で自在に宙を舞う事が出来るワケではなく、「雲を掴んで跳躍する」様にして空を飛んでいるっぽい。
間違ってもカイドウの様に、雲を割いて天に降臨する様なマネゴトは出来ないだろう。
この辺は単に能力の練度の違いなのか、同じ生物に化ける能力であっても、出来る事に違いが出てるっぽい。
前回の時点では「龍」と「竜」で異なる生物だからなのかと思っていたけれど、今回は「龍」で統一されたしな……。
まあカイドウも、雲ではないがオーラみたいなものを身体に纏ってるんで、もしかしたらコレに身体を引っかける事でプカプカと浮かんでいるのかもしれないけど。
〇苦労屋? ロー
ルフィやゾロが起こした騒動に巻き込まれる形で、ホーキンスにその正体がバレてしまったローさん。
その事でサンジに怒られ、静かに恨みをブツけてらっしゃる。
まあポンコツ2人に大人しくしてろとか言っても無理なんで、抑えつけるのは一緒にいたヤツの役目ってところもあるのだけれど。
というか実際、きっかけはルフィ達にあるとはいえ、「ホーキンスに自ら挑んだ結果、消しそびれた上に正体がバレた」というのは自業自得ではあるんだよなぁ。
確実にホーキンスを仕留められていればともかく、実際はそうはならなかったワケで。結果的に、今回のワノ国入りが「ルフィの単独行動」ではなく、「ローとの海賊同盟としての動き」であると確定させてしまった様なものなので。被害は確実に拡大している。
とはいえ、ローが言う様にこれは元々「ルフィとローが挑んだケンカ」であるのも事実。彼ら同盟と赤鞘九人男の関係が明確になっていない以上、カイドウ達は当面の敵を「ルフィとロー」にある程度絞って動いて来るはず。
そうなれば、注意の目が他方に向くおかげで、錦えもん達も逆に動きやすくなったりするかもしれない。……単に警戒の目が強くなるだけに終わる可能性もあるけど。
ジャックやカイドウ達は、手配書から麦わらの一味の顔を知れる状況にあると思うんで、そうなると都の潜入組がピンチなんだよなぁ。
今回ラストでナミ達の安否が不明になったのもあるし、ここから作戦までのしばらくの間、ルフィ&ローとその他の面々は別行動、という事になるのかな?
まあすでに顔の割れてしまった3人が、下手に同盟の作戦下で動くよりはその方が良さそうだ。
ナミ達がアレで本当にやられてしまった……という可能性はまあゼロに近いので、恐らくしのぶの忍法か何かで助かってるんだろう。
前回、サンジ達にわざわざ役割が振られていたんで、次回にはさっさと無事を判明させて、それぞれ散り散りになって2週間を過ごす流れ……なのかな?
〇厄災のおこぼれ町
カイドウの突然の来訪により、てんやわんやのおこぼれ町。
よく見たら、ジャックの部下らしき連中も酒天丸と一緒になって逃げ惑ってる。カイドウが絶賛酔っ払い中な事もあるが、そもそもカイドウ自身が部下の被害なんか気にも留めずに暴れ出す男なんだろう。酔いに任せて部下をぶっ飛ばしちゃう様なヤツだし。
しかしおこぼれ町、この数時間でむちゃくちゃ色んな事が起きてるなぁ。
元々飢えに苦しむ町。そこに突然ルフィ太郎から大量の飯を与えられて大喜びと思いきや、即座に頭山盗賊団が現れ、食料は強奪。更にジャックまで来訪し、酒天丸との激突で町に被害が……と思えば、明王カイドウの登場でもはやそれどころじゃないのターンに突入。
厄日すぎる。
下手にご馳走を与えられ、救われたと思ったところを突き落とされてるんで、余計にキツそう。
で、酒天丸を部下に加えたがっていたカイドウさん。どうも酒天丸が光月主従の一員であるという過去を知った上で、あえて欲しがっていたみたいだ。
やっぱ、酒天丸=アシュラ童子なのかな。それにしちゃ、ちょっと若すぎる気もするけど。
カイドウはロジャーやおでんが知ったという「世界の秘密」を探るため、錦えもん達を狙っていたが、酒天丸を欲しがっているのもそれが一つの理由になってるんかな。部下にしちゃえば、聞き出すのも容易だろうし。
まあ錦えもんにすら「世界の秘密」は伝えられてなかったんで、たぶん酒天丸も知らないんだろうけど。
〇干害のジャック&バジル・ホーキンス
ゾウ編での出番では、「(雷ぞうが)いないのは罪」と暴れ回ったり、ドフラミンゴ奪還のために藤虎・センゴク・つるを含む艦隊に突っ込んでいったりとイカレ具合が強調されたジャック。
が、今回それを更に超える暴狂星っぷりを持つ上司の登場により、むちゃくちゃ常識人に見える。
「九里ごと消す程暴れられたら、労働力が足りなくなる」なんて真っ当な頭の使い方、出来るヤツだったのかお前……。
ホーキンスの方は、酔っぱらったカイドウをどうにかするため、とりあえず矛先をおでん城へ。
完全な口から出まかせだったのだが、そこには実際にナミ達が。
そんなミラクルいらんよホーキンスさん。
個人的にはホーキンスさん、「いずれ離反してカイドウの首を取る事」を目的にしていると決めつけてかかっているので、本来ならルフィ達を生かして利用したいんじゃないかな、と。
であれば、テキトーな出まかせを的中させてナミ達を殺しかけたのは不運だと言わざるを得ない。せっかくの占い師なのに! 今こそ占いの出番だったよ!
まあ逆に、このままカイドウに付き従うつもりでいるなら、能力に見合った幸運っぷりだとも言えるんだけどね。
あ、そーいや、ホールデムも目を覚ましてたね。
まあ今更彼に何が出来るのかってのもあるんだが、意外とタフだな。消される事を恐れていたが、なんとなくなあなあで済まされそうな気がする。
〇炸裂、ゴムゴムの象銃
仲間のいるおでん城を吹き飛ばされ、ルフィ、怒りの一撃。
龍となったカイドウの脳天へと直撃……したが、果たしてどの程度通用してるやら。
ただ一つ言えるのは、酔っぱらった状態で脳天をブン殴られるのはキツすぎるという事。俺なら死にすら至れる自信がある。
まあ十中八九、この戦闘は負け戦orシャンブルズ等で強制的に退散させられる流れだろうが、どういう展開になるだろう。
決戦までの「2週間」という猶予を考えると、何気にこの辺りで窮地が訪れてくれれば、バルトロメオ達が終結する時間が稼げるのよね。
作者の尾田さん曰く、近く「頂上戦争を越える程の規模」の戦いが起きるとか何とか言う話だったので、それがワノ国編であるなら大船団の面々はそこに集合するハズ。
2週間後なら世界会議も終了後の話なので、サボを初めとした革命軍も行動可能。絶好のタイミングだと言える。
なので、ルフィセンパイには申し訳ないが、ここらで一回さくっと死にかけておいて貰えれば、話がスムーズに進んだりもする。
気でも失ってる方が、余計な騒ぎを起こさなさそうっていうのもあるし。
そしてクンフージュゴン。なんだかんだ、マスコット的な人気が高い様な気もする。ゲーム「スワンコロシアム」なんかでは、無数に現れるクンフージュゴンをひたすらシバキ倒すなんてミニゲームもあったなぁ、という思い出が蘇った。
本来ならばなんぼ強いからって、たかだか海獣に拳法を仕込むなんてそりゃ無茶な、と思うところだけれども、アニメではかつてルフィに弟子入りした個体が武装色の覇気を会得して新世界に乗り込むなんて展開もあったりしたので、指導次第じゃ魚人空手の会得だって可能かもしれない。
水辺の生物として、空気中の水の制圧という魚人空手の奥義には、普通の人間よりも圧倒的に近い場所にいそうだし。
本編 |
今回は全編通して「カイドウ本格登場・お披露目回」って感じなので、箇条書きでざっくりと行きますよ。
〇カイドウの能力
サブタイトルの時点で、カイドウの『百獣海賊団』内での役職が判明。
シャンクスの「大頭」、ティーチの「提督」と来て、カイドウは「総督」と。
ジャックには「カイドウさん」と呼ばれているが、ホーキンスは「総督」呼びになっとりますね。大看板の様な高位の構成員のみ、さん付けで呼ぶ事を許されてるんかな。
……あれ? でも第911話では、部下からの連絡に対しホーキンスは「カイドウさん」って言ってるぞ?
アプーらしき人物に至っては、電伝虫でカイドウに直接「カイドウさん」と呼んでる。一応の呼称として「総督」が正式なだけで、割となんでもいいのかもしれない。
前回の時点では、カイドウの正体が「龍の能力を持つ人間」なのか「人間の能力を持つ龍」なのかがハッキリしていなかったのだが、錦えもんによればカイドウは「“龍”に化ける」との事。
つまり上記のどちらかで言えば、前者だったという事になる。リューマの竜斬り伝説もあるし、ワノ国には龍が実在している可能性もあったが、とりあえずカイドウは違ったみたいだ。
リューマが斬ったという竜の話も、カイドウの様に「悪魔の実で竜に化けた人間」を斬った事から始まった伝説だったりするのかな。
まあ悪魔の実の能力に明るくない錦えもんが言っているだけなので、まだ龍の能力者で確定、という段階ではないのだけれど。他に判断材料もなさそうなんで、とりあえずは「カイドウは龍の能力者」と考えておくべきかな。
能力名、何になるんだろう。動物系幻獣種なのは確実として、ヘビヘビ?サラサラ?
こういう合成獣みたいな存在は、マルコの不死鳥の能力なんかと違って種別が判断しにくいね。そういや昔のドラえもんの映画では、のび太が「シカとワニとコウモリ」だかを掛け合わせて龍を作り出したりしていたなぁ。
単純なサイズ感もさる事ながら、龍の口から吐き出す炎熱の息、“
っても、おでん城自体は20年も前に焼け落ちたまま放ったらかされていて、ズタボロの状態だったハズなのでこれだけでは純粋な破壊力は測れないかもしれない。
単純な一撃の威力だけなら、サカズキのドテッ腹を貫いて海軍本部の要塞を半壊させた白ひげの怒れる拳の方が上かも。勿論、カイドウの場合はコレが全力の一撃というワケではなさそうだけれども。
技の見栄えだけで言うなら、サニー号やフランキー将軍から放たれる“ガオン砲”、“
これはあの兵器達を導入して、「ロボットVSドラゴン」という世紀の大決闘を繰り広げてもらうよりないな。サニー号達、無事じゃ済まなそうだけど。
……実際、こいつを倒すにはどうするよ? って言われると、あの手の「サイズの不利を少しでも埋められる兵器」を役立てつつ、隙を見せたところにギア4の全霊の一撃を叩き込むぐらいの事しか浮かばないんだよなぁ。
しかしカイドウ、こんな化け物じみた能力を持っておきながら、実際の戦績は何気に芳しくないのも気になる。
第795話によれば、カイドウは「海賊として7度の敗北、18回の捕縛」を経験しているらしい。
勿論、これらは大将クラス、四皇クラスに挑みまくった結果なんだろうが、それにしてもこれだけの負けを喫しまくっている辺り、倒しようが無さそうなカイドウにも何らかの弱点はあるって事なんじゃないかなぁ。
海や海楼石の力に対して、対抗手段は持っているのか、ってのも気になるところだしね。
まあそこまで追い込んで尚、誰も彼を殺せなかったってんだから、規格外のバケモノ野郎なのは間違いないんだけどね。まずもって、今のままのルフィが1人で勝てる様な相手ではない。
自殺が趣味のカイドウの事、入水や複数の実を食す、なんて手段は試し済みなのかもしれないが、それでも死ななかったんやろか。
〇モモの助の能力
「何たる不覚!!! モモの助が「小さな竜 」に変身していたとは!!」69巻 第690話より引用
「わ!! 何でござるこの竜!! モ…モモの助はどこだ!?」70巻 第698話より引用
今まで、ルビの違いこそあれど、基本的には「竜」という漢字があてられていたモモの助の変身形態。
しかし今回は、カイドウと同様の「龍」という表記に統一されていた。
割と意図を持って使い分けられていた様な気がした「竜」と「龍」の記載だが、基本的には同一の生物を指していると思って良いのかな?
今回のモノが誤植でなければ、カイドウとモモは(人造と本物の違いはあるが)同種の悪魔の実の能力者であるという事になる。「同じ能力は1代に1つまで」という基本原則のある悪魔の実としては、かなり珍しいシュチュエーションかもしれない。
こういう「本来あり得ない状況」が生み出せるのも、人造ならではの強みね。ピカピカの実のレーザーを兵器転用する事には成功していたのだし、能力そのものを完全に複製してしまう様な荒業も、今のベガパンクならやれてもおかしくないかもしれん。
と言ってもモモの助が食べた実は、元はと言えば「ベガパンクの作った失敗作」なので、同じ「龍に変身する能力」とはいえ、全く同種の能力というワケではないのかもしれないけど。
これがどういう意味での「失敗」なのかは分からないけれど……モモの様に「自分の意志で変身を制御できない」という点がダメなんかな?
実用化に向いていないという意味では、「能力の発生が不確実だった」というだけでも、失敗作と言えるかもしれないけど。
カイドウとモモの助が同じ『龍』に変身する能力であったとして、前回の見開き登場シーンや今回の話を見ていると、カイドウは翼も持たずに何故か空をプカプカと浮遊する能力を持っているっぽい。
一方のモモの助も翼を持たないのは同じだが、こちらの場合は空を飛ぶ手段として「雲を掴む」という別の力を使用している。
69巻 第685話より引用
この突然湧いて来た雲も「龍の能力」ゆえに出現したものなのか、とにかくモモの助の場合、独力で自在に宙を舞う事が出来るワケではなく、「雲を掴んで跳躍する」様にして空を飛んでいるっぽい。
間違ってもカイドウの様に、雲を割いて天に降臨する様なマネゴトは出来ないだろう。
この辺は単に能力の練度の違いなのか、同じ生物に化ける能力であっても、出来る事に違いが出てるっぽい。
前回の時点では「龍」と「竜」で異なる生物だからなのかと思っていたけれど、今回は「龍」で統一されたしな……。
まあカイドウも、雲ではないがオーラみたいなものを身体に纏ってるんで、もしかしたらコレに身体を引っかける事でプカプカと浮かんでいるのかもしれないけど。
〇苦労屋? ロー
ルフィやゾロが起こした騒動に巻き込まれる形で、ホーキンスにその正体がバレてしまったローさん。
その事でサンジに怒られ、静かに恨みをブツけてらっしゃる。
まあポンコツ2人に大人しくしてろとか言っても無理なんで、抑えつけるのは一緒にいたヤツの役目ってところもあるのだけれど。
というか実際、きっかけはルフィ達にあるとはいえ、「ホーキンスに自ら挑んだ結果、消しそびれた上に正体がバレた」というのは自業自得ではあるんだよなぁ。
確実にホーキンスを仕留められていればともかく、実際はそうはならなかったワケで。結果的に、今回のワノ国入りが「ルフィの単独行動」ではなく、「ローとの海賊同盟としての動き」であると確定させてしまった様なものなので。被害は確実に拡大している。
とはいえ、ローが言う様にこれは元々「ルフィとローが挑んだケンカ」であるのも事実。彼ら同盟と赤鞘九人男の関係が明確になっていない以上、カイドウ達は当面の敵を「ルフィとロー」にある程度絞って動いて来るはず。
そうなれば、注意の目が他方に向くおかげで、錦えもん達も逆に動きやすくなったりするかもしれない。……単に警戒の目が強くなるだけに終わる可能性もあるけど。
ジャックやカイドウ達は、手配書から麦わらの一味の顔を知れる状況にあると思うんで、そうなると都の潜入組がピンチなんだよなぁ。
今回ラストでナミ達の安否が不明になったのもあるし、ここから作戦までのしばらくの間、ルフィ&ローとその他の面々は別行動、という事になるのかな?
まあすでに顔の割れてしまった3人が、下手に同盟の作戦下で動くよりはその方が良さそうだ。
ナミ達がアレで本当にやられてしまった……という可能性はまあゼロに近いので、恐らくしのぶの忍法か何かで助かってるんだろう。
前回、サンジ達にわざわざ役割が振られていたんで、次回にはさっさと無事を判明させて、それぞれ散り散りになって2週間を過ごす流れ……なのかな?
〇厄災のおこぼれ町
カイドウの突然の来訪により、てんやわんやのおこぼれ町。
よく見たら、ジャックの部下らしき連中も酒天丸と一緒になって逃げ惑ってる。カイドウが絶賛酔っ払い中な事もあるが、そもそもカイドウ自身が部下の被害なんか気にも留めずに暴れ出す男なんだろう。酔いに任せて部下をぶっ飛ばしちゃう様なヤツだし。
しかしおこぼれ町、この数時間でむちゃくちゃ色んな事が起きてるなぁ。
元々飢えに苦しむ町。そこに突然ルフィ太郎から大量の飯を与えられて大喜びと思いきや、即座に頭山盗賊団が現れ、食料は強奪。更にジャックまで来訪し、酒天丸との激突で町に被害が……と思えば、明王カイドウの登場でもはやそれどころじゃないのターンに突入。
厄日すぎる。
下手にご馳走を与えられ、救われたと思ったところを突き落とされてるんで、余計にキツそう。
で、酒天丸を部下に加えたがっていたカイドウさん。どうも酒天丸が光月主従の一員であるという過去を知った上で、あえて欲しがっていたみたいだ。
やっぱ、酒天丸=アシュラ童子なのかな。それにしちゃ、ちょっと若すぎる気もするけど。
カイドウはロジャーやおでんが知ったという「世界の秘密」を探るため、錦えもん達を狙っていたが、酒天丸を欲しがっているのもそれが一つの理由になってるんかな。部下にしちゃえば、聞き出すのも容易だろうし。
まあ錦えもんにすら「世界の秘密」は伝えられてなかったんで、たぶん酒天丸も知らないんだろうけど。
〇干害のジャック&バジル・ホーキンス
ゾウ編での出番では、「(雷ぞうが)いないのは罪」と暴れ回ったり、ドフラミンゴ奪還のために藤虎・センゴク・つるを含む艦隊に突っ込んでいったりとイカレ具合が強調されたジャック。
が、今回それを更に超える暴狂星っぷりを持つ上司の登場により、むちゃくちゃ常識人に見える。
「九里ごと消す程暴れられたら、労働力が足りなくなる」なんて真っ当な頭の使い方、出来るヤツだったのかお前……。
ホーキンスの方は、酔っぱらったカイドウをどうにかするため、とりあえず矛先をおでん城へ。
完全な口から出まかせだったのだが、そこには実際にナミ達が。
そんなミラクルいらんよホーキンスさん。
個人的にはホーキンスさん、「いずれ離反してカイドウの首を取る事」を目的にしていると決めつけてかかっているので、本来ならルフィ達を生かして利用したいんじゃないかな、と。
であれば、テキトーな出まかせを的中させてナミ達を殺しかけたのは不運だと言わざるを得ない。せっかくの占い師なのに! 今こそ占いの出番だったよ!
まあ逆に、このままカイドウに付き従うつもりでいるなら、能力に見合った幸運っぷりだとも言えるんだけどね。
あ、そーいや、ホールデムも目を覚ましてたね。
まあ今更彼に何が出来るのかってのもあるんだが、意外とタフだな。消される事を恐れていたが、なんとなくなあなあで済まされそうな気がする。
〇炸裂、ゴムゴムの象銃
仲間のいるおでん城を吹き飛ばされ、ルフィ、怒りの一撃。
龍となったカイドウの脳天へと直撃……したが、果たしてどの程度通用してるやら。
ただ一つ言えるのは、酔っぱらった状態で脳天をブン殴られるのはキツすぎるという事。俺なら死にすら至れる自信がある。
まあ十中八九、この戦闘は負け戦orシャンブルズ等で強制的に退散させられる流れだろうが、どういう展開になるだろう。
決戦までの「2週間」という猶予を考えると、何気にこの辺りで窮地が訪れてくれれば、バルトロメオ達が終結する時間が稼げるのよね。
作者の尾田さん曰く、近く「頂上戦争を越える程の規模」の戦いが起きるとか何とか言う話だったので、それがワノ国編であるなら大船団の面々はそこに集合するハズ。
2週間後なら世界会議も終了後の話なので、サボを初めとした革命軍も行動可能。絶好のタイミングだと言える。
なので、ルフィセンパイには申し訳ないが、ここらで一回さくっと死にかけておいて貰えれば、話がスムーズに進んだりもする。
気でも失ってる方が、余計な騒ぎを起こさなさそうっていうのもあるし。