週刊少年ジャンプ2018年49号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
ぐるわら&ハートの安否?
お玉とスピード
ルフィVSカイドウ
 




ぐるわら&ハートの安否?

カイドウ必殺の“熱息ボロブレス”の直撃を喰らったおでん城跡地。城の残骸は跡形もなく消し飛んだ……かと言えば、立ち込める煙に包まれてイマイチ確認できず。

 同様に、城の傍にいたはずのナミ、サンジ、チョッパー、ブルック、キャロット、ベポ、シャチ、ペンギン、モモの助、しのぶら10名の安否も、今回は分からないままだった。
 錦えもんと菊は、鶴を心配して下山中だったからたぶん無事かな。


 まあメタ的に考えて、十中八九死んじゃいないだろう。
 が、あのカイドウの攻撃は、仮に喰らってしまえばケガじゃ済まなそう。よって何らかの手段で「攻撃自体を回避した」と考えた方が良いと思うが……流石のサンジも、あの人数を抱えて空を跳ぶとか、難しいしな。
 ナミの蜃気楼で、攻撃対象自体を逸らしていたとかも、厳しいものがあるか。ローが城に残っていれば、シャンブルズでどうにでもなったんだが。

 可能性として高そうなのは、やっぱりしのぶの忍術かなぁ。忍術に見せかけた、ただの悪魔の実の能力かもしれないけど。
 またはおでん城周辺に、地下へと潜るための仕掛けが用意されているとかもあるかも。忍専門の抜け道とか。



■人間達に関しては無事だろうが、城跡の方までを守り切るのは流石に難しいものがある。
 まあすでに主を失い、役割の無くなった城なのだから、その跡地が消し飛んでしまっても大きな問題があるワケでもない。
 ただ、かつては城が見えた山を懐かしげに語る鶴さんを見るに、あの跡地は光月一派の帰りを待ち侘びる人々にとって、象徴的な存在であった様にも感じる。その下に遺体があるのかはともかく、おでんやトキの墓が建てられているのもあの場所だし。

 それらを吹き飛ばされたとあり、怒りの表情を見せていた酒天丸
 部下達を山(頭山を拠点とするから「頭山盗賊団」なのかな?)に返し、この場に留まる模様。
 跡地の様子を見に行くかと思いきや、ルフィとカイドウの戦いを静観するつもりなのね。


 拳の乱打をブチ当ててカイドウを吹き飛ばすルフィの様子を見て、「何だあいつは」と。
 カイドウを相手に一発応戦する事も考えていた酒天丸だが、流石にあのカイドウを相手にここまで全力の攻撃を仕掛ける男が現れるのは想定外だったらしい。

 個人的には、光月家の新たな「大将」として、酒天丸に在りし日の志を思い出させるのはモモの助の役割……と思っていたんだが、このルフィの雄姿を前に、酒天丸の気持ちに何か変化が起きたり……という事もありえるのかな。
 まあ結局のとこ、ルフィはカイドウに痛手を与える事は出来ていないんで、このイベントだけでは少し弱いかもしれないけど。





お玉とスピード

■ルフィ渾身の拳を頭上に受け、町へと転落したカイドウ。お陰で建物は大惨事や。
 まあそれは良いとして、その衝撃でカイドウのマントから転げ落ちて来たのは、玉を送り届けていたハズの真打ち・スピードさん

 ……マント? マントなんか羽織ってたのか。あの背中でゆらゆらしてたの、自前のパーツじゃなかったのね。


 どうもスピードさん、編笠村へと向かう際中にカイドウと鉢合わせになり、玉を守り切れず敗れてしまったらしい。

 戦ったのか、スピードさん……。カイドウに対し「カイドウ様」と仕える意志を失わないまま、玉への忠義の方が打ち勝ったんだな。
 本来ならスピードさんの忠誠心を褒めてあげたいところだが、この場合どちらかと言えば玉の能力が恐ろしい。
 四皇の一角に対する裏切りを行わせ、なおかつ挑ませる程の洗脳能力。並外れたものじゃねぇぞ。


 SMILE能力者を集めた軍隊を持つ者として、天敵となる玉の存在を流石に恐れたのか、カイドウは玉を「利用する」のではなく「消してしまう」方向に出たらしい。
 コマに映るのは潰されたリンゴと滴る血、そして地に倒れた玉らしき子供の姿。

 とはいえ、スピードにかけた玉の能力が今も有効であるという事は、玉に関しても恐らく生きていると見ていいのかな。
 基本的に「能力者が死ねば、かけた能力も解けてしまう」というのは、ロシナンテの死亡シーンなんかでも語られていたし。

 あの状況でどうやって助かってるのか、正味見当もつかんが……飛徹さん辺りが、なんとかしてくれてるかな。カイドウも酔っぱらってるし、死亡確認を取らずに飛び去っちゃっても仕方ないよな、うん。
 しかしスピードさんが「守れなかった」と認識している以上、玉がカイドウの攻撃を受けたのは間違いない……のかな?
 正味、四皇の一撃を受けて8歳の少女が無事に生きてるとも思い難いんだよな……個人的にはあの流血も、倒れている玉もミスリードな気がするんだけど、どうか。



■今回のこれによって、「洗脳中とはいえ四皇の部下に玉を預けちゃって大丈夫なのか」という問題に関しては、ある意味で解決された形になるかな。
 まさか能力の有効時間切れとかでなく、カイドウに直接奪い返されるという結末を見せるとは思わなかったけど。

 分かり切っちゃいたけどカイドウさん、部下だろうが容赦ないっすね……。酔っ払いの逆ギレで部下1人を殴り飛ばしたりもしてたし、まあ元々そういうヤツなんだろう。

 ボロボロになっちゃったスピードさんだが、彼女は今後どうするんだろう。
 いくら能力の影響とはいえ、カイドウに歯向かってしまった以上、もう百獣海賊団へと帰る事はできなさそうだし。ちょっと可哀想だが、今後の出番があるなら、ルフィや玉の陣営として頑張って貰うしかなさそうだ。
 ポジティブに考えれば、ドレスローザにおけるベビー5の様な「敵組織の幹部なのになんかちゃっかり許されちゃった組」になれるかもしれないと思っておこう。



■しかしこのカイドウとスピードの戦い、一体どんな状況で行われてたんだろうね。
 ルフィがスピードを見送ってから、ジャックと酒天丸の激突の間……時間軸的にはルフィがおでん城跡地で錦えもんの話を聞いていた頃には、カイドウはすでに龍の姿でワノ国を訪れていた事になる。
 あの大きさの龍がとうにワノ国に姿を見せていたのなら、あの分かりやすい現れ方でなくとも相当に目立ちそうだ。

 誰かに目撃されていてもおかしくなさそうだが、おこぼれ町へと降臨するまで、カイドウがワノ国へ来ている事はジャックを含め誰も知らなかったっぽい。カイドウが現れりゃ町もただじゃ済まないんだから、部下の誰かが気づいていればジャックにも連絡が通っているハズ。
 いくら地面に近い場所に現れたからって、あの巨体に誰も気づかないものかね。カイドウの部下達、だいぶガバガバな警備体制だったのかもしれん。


■そしてカイドウさん、動きの流れとしては、

 鬼ヶ島からワノ国へ
→スピードと交戦
→スピードを捕らえ、一度天へと姿を消す
→ジャックと酒天丸の前へ姿を現す

 という事になるか。
 普通に登場すりゃいいのに、一度わざわざ天まで昇っているのね、カイドウさん。
 四皇の一角をとっ捕まえてこの言い草もあんまりだけど、やっぱこのオッサン目立ちたがりなのかな。
 スピードとの交戦場所から直接飛んでくるより、天から出て来た方がカッコいいものな。明王としての箔も付くってものですよ。

 スピードを捕らえたのちに一度天へと昇る姿を誰も目撃していないのなら、龍への変身能力に付随して「瞬間的に天上へと昇る能力」でも獲得しているのかな。
 不死鳥の能力が、変身に加え自他の傷を癒す効果を持っているのと似た様な感じで。




ルフィVSカイドウ

■ホールケーキアイランドにて、四皇の一人であるビッグ・マムと対峙したルフィ。しかしあの時は、茶会にて1、2発拳を交えた程度で、本格的なバトルとまでは至らなかった。

 よって、今回のカイドウとの衝突が、ルフィの物語史上初めての四皇との対決。
 が、大方の予想の通り、戦いはカイドウの圧勝という形で幕を閉じた。
 

 しかも、数々の決め技をブチ込んだ上で、まともにダメージも通らない完璧な敗北。
 ギア4での攻撃なんか、武装覇気でガード体勢を取ったカタクリにすら有効打を与えていたのに……。
 流石に四皇、圧倒的な強さを見せたハズのカタクリと比べても、異次元の戦闘力を持っていそうな感じだった。

 攻撃が「当たらない」のなら、まだ「当たれば何とかなる」という希望もある。事実、カタクリ戦がそうだった。
 けど今回の様に、渾身の連撃が何度もヒットしているにも拘わらずマトモに通用していないというのは、どう考えても話にならない。
 いやホント、どうやって攻略するんだコレ。
 

■カイドウの使用した技は“雷鳴八卦”。
 手にした金棒で、相手をとりあえず全力でブン殴るという超絶脳筋技。

 カイドウの持つ金棒はトゲの先端が丸まった形状で、アルビダが持っていたものと似たタイプ。
 ゆえにミノタウロスやポルシェ―ミが使う様な鋭利なトゲを持つタイプの武器とは違い、本来ならばゴム人間を相手に有効な打撃を与えられる武器ではない。にもかかわらず、耐久度にも優れるギア4状態のルフィをたった一撃で沈めてしまえたのは、カイドウが圧倒的な武装色の覇気の使い手だからだろう。

 ……なんだけど、もうなんか「覇気とか使わなくてもゴム人間に効いちゃうんじゃね?」とかいう意味不明な考えに至っちゃうくらい、無茶苦茶な戦闘力に見えるよね。
 流石に、カタクリと互角に張り合ったギア4を、一撃でブチ破るとは思うとらんかった。アニメ放送じゃちょうどカタクリ相手に闘う意志を見せた辺りの段階だと言うのに、原作がまたひとつ戦闘の次元を上げてしまった。


 個人的に「“『雷』鳴八卦”という『打撃』の技」という、本来ならばルフィに通用する筈がない攻撃の要素を盛り込んだ技を使い、一撃をもって叩き伏せてしまう、というのは、カイドウの圧倒的な強さの演出に一役かっていた様な気がする。
 名前の通りに雷を纏ってる、ってワケじゃないのかもしれないけど、演出的にね。


■というわけで、カイドウの力の前にあっさりとねじ伏せられてしまったルフィ。
 気絶状態となってしまったが、この後どうするんだろう。

 叩きのめしたキッドを殺さずに幽閉している辺り、ルフィもそうなるのか。でもルフィのそばには逃走にうってつけの能力を持つローもいるんで、この場は辛くも脱出という流れになるのかもしれないが。

 というか、このまま2週間を囚われの身で過ごす、という事になると、本当に勝ち目がまったく浮かばないんだよな……。
 何らかの手段で強化方法を身に着けるなり、カイドウの弱点を探るなりしないと。仮に大船団の面々が集まったところで、どうにかなるレベルではなさそうだ。


 個人的には、この場は何とか離脱し、カイドウの過去や弱点を知る人物と出会う流れなんかを期待したい。
 誰かって? かつてカイドウと渡りあったというモリアさんですよ!
 まあ渡り合ったってのは噂だけで、実際は惨敗だったんだろうけど。それでも、何らかの突破口を見つけ出している可能性くらいはある。
 
 SBSでもあえて生存を確定させられ、ワノ国編でも「海賊騒ぎ」や「遺体泥棒」なんかの関連ワードを出されたモリアさん。再登場の機会はここしかないハズ。
 ぜひ出て来て欲しい。そして、本気になればこのぐらいやれるんだぞ、ってトコを見せてやって欲しい
 バギーを除く七武海最弱とか、そんな風評を跳ね返してやって欲しい。