週刊少年ジャンプ2018年52号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
スリラーバーク海賊団
黒ひげ海賊団
ワノ国第二幕
3人の大看板  



スリラーバーク海賊団

■ゲッコー・モリア

 頂上戦争の終結後、世界政府の上層部より「力不足」と判断され、ドフラミンゴとパシフィスタの手によって誅殺された……と思われた元七武海、ゲッコー・モリアさんが久々の登場。

 “魔の三角地帯フロリアン・トライアングル”に置き去られていたスリラーバークも、きちんと回収されたみたいね。
 第658話の扉絵連載じゃ、ゾロをシャボンディ諸島まで送り届けたペローナがスリラーバークを訪れ、クマシーの抜け殻を回収したりもしていた。モリア達がスリラーバークへと帰還したのは、これよりも後の事なんだろう。結構最近ね。

 まあ、存命自体はSBSでネタバレ済みなんで、後は「いつ再登場するのか」の秒読み状態だったんだけれど、こういう形で出て来るか。
 かつて四皇カイドウと渡り合ったという因縁や、剣豪リューマの墓荒らし騒動の一件からワノ国に登場するものと思っていたが、彼が現れたのはまさかのもう一人の四皇・ティーチのところだったと。


 報道を見たペローナの反応からして、本格的な活動を再開したのはつい最近の事っぽい。それまではアブサロムがフリーライターとして得た収入から治療に専念していたんで、ようやく傷が癒えたという事かな。懸賞金も、「元」が外れただけで3億2000万のままだし。存命が確認された事で、帳消しとなっていた懸賞金が復活しただけの段階なんだろう。
 ホグバックの医療術をもってしても2年間もかかった辺り、ドフラミンゴがCP0らしき男に言った「もうほぼ命は尽きてた」ってのも、偽りの報告ではなかったのかな。



 四皇・ティーチの本拠地と思われる島に殴り込みをかけるモリアだが、その理由が「アブサロムの救出」ってのは中々カッコいいですね。考えて見りゃ、カイドウとの戦いを経て辿り着いた「仲間など生きているから死ぬ」って思想も、もう仲間の死ぬ姿を見たくないっていうところから来た考えかもしれないしな。
 それにアブサロムと言えば、マリンフォードで死にかけたモリアを救い出した忠臣。その上モリアの医療費も彼の稼ぎから出ていた様だし、モリアにとっても大恩ある部下のはず。そんなアブサロムのため、四皇の一角を相手にケンカ売りに行くってのは熱い。


 やっぱモリアさんの良い所って、この折れない所だと思うんだよな。かつてカイドウに敗戦して仲間を失った事から、四皇のレベルは身をもって知ってるハズなのに、今回自ら挑みに行ってるワケでしょ。形は歪んだものになってたけど、海賊王になるという野望も捨てていなかったし。

 あの人材マニアのカイドウの事だから、きっとモリアも部下に加えようとはしたハズ。それでも、彼がスリラーバーク海賊団の船長として独立したままだったのは、敗けてなお彼の心が折られなかったために他ならない。たぶん。
 ルフィやキッドと同じ不屈の闘志を、モリアもまた秘めているのかもしれない。


 ……ただ、勝ち目は正直薄いよなぁ。
 いくら復活したからと言っても、この2年間モリアは傷を癒す事に専念していたハズ。となると、戦闘力や能力を磨き、戦力を増強する様なヒマはなかったんじゃないかなぁ。
 他力本願をモットーとしていた彼が、自らの手でティーチに挑みにいったのは進歩だけれど、相変わらずゾンビ以外のお供はいないみたいだし。

 ただ彼、なんとなくだけれど、スリラーバークでルフィ達と戦った時はかなり力が衰えた状態だったんじゃないかな、とも思う。
 カイドウに負けてからの約20年間、表舞台で自ら力を振るう事もなく、部下やゾンビの力を借りる事だけで敵を潰してきたモリアさん。そりゃ、力も鈍って当然ってものよ。
 ルフィに物理的な攻撃を仕掛ける際も覇気を使った様子がなかったのも、単に覇気を扱えなかったのではなく、ブランクが長すぎて覇気使いとしての感覚を取り戻せていなかったから、という説を個人的には推したい。

 ……あ、サブタイトルのブランクって、そういうダブルミーニングか。(こじつけ)



 このタイミングで再登場した辺り、ワノ国への介入も可能性はありそう。ティーチとの会話で「ワノ国」「カイドウ」「麦わら」って単語も出て来てるし。カイドウとビッグ・マムの通信が政府に傍聴されていた事で、状況は全て報道されてしまった様で。
 しかしモリアがワノ国へ行くとしても、どういう流れになるんだろう。アブサロムの事があるのに、それを放置して20年以上も前の因縁を晴らしに行くとも思えないし。

 ティーチにも勧誘を受けているし、部下や傘下としてワノ国の視察に向かう……とかの流れも有り得るが、若干釈然としないものも残るよなぁ。アブサロムの仇討を目的に、寝首を掻くために一時傘下へ……というのも、なんか飽和して来てる展開だし。
 彼の再起を知ったペローナがモリアのもとへ向かったが、これがプラスに働いて来るんだろうか。
 そういやホグバックの姿も見えないけど、こっちはスリラーバークの中に残ってるのかな。戦闘で大戦力になるタイプとは言い難いし、彼。
 


 余談だが、モリアとティーチという組み合わせは、PS3で発売されたゲーム「海賊無双2」のオリジナルストーリーでも実現していたチーム。あの時はここにエネルを加えての同盟軍という形になっていたが、まさか本編では敵対する形で絡みが描かれるとは。
 海賊無双シリーズは個人的にもかなり好きなタイトルなんで、それを連想させる組み合わせの登場にちょっと嬉しかったのでありました。



■アブサロム

 モリア復活の立役者にして、サンジも熱望した“スケスケの実”の能力者、フリーライターアブサことアブサロムさん……だが、ティーチの本拠へと足を踏み入れてしまったのが運のつき、能力者狩りの犠牲者となってしまたったらしい。

 何てこった 殺されたのかあの求婚男!!
 変態だけど、主君への忠義にあついイイ奴だった……変態だけど。

 FILM GOLDにちらっと出て来た時には、「あんな良い雰囲気の店で1人で飯食ってる求婚男、悲しすぎでしょ」とか悪口言ってごめんね、アブサロムさん。



 っていうか、勝手に「能力を奪われた=殺された」って前提で話してるけど、実際のとこどうなんだろう。能力者狩り、まだ明確にその手段が語られたワケじゃないからなぁ。
 
 触れた相手の能力を無効化できるティーチの“ヤミヤミの実”の力なら、鍛えれば能力の吸引みたいな事ができてもおかしくなさそうな気はする。が、ドレスローザじゃバージェスが単独で能力を奪おうとしていたし、ティーチの能力が必須の手段というワケではなさそう。

 やっぱ、能力者が死んだ際の、悪魔の実の復活経緯を知っているからこそ可能な手段なんだろか。それだとアブサロムは死亡確定って事になっちゃうんだが、その線が一番濃厚だよなぁ。
 デボンも「死体ならある」って言ってるし。これが単なる煽りである可能性もなくはないが、能力を奪った相手をあえて生かしておく意味なんてないだろうしな……。

 最近ではペドロやパウンドなど、命を落とした可能性の高い人物は時々出てきているが、まさか仮にも名前付きのキャラが描写すらされない場所で死んでいるとは思ってなかった。回想以外での死人が出にくい事で有名だったワンピースだが、流石に四皇クラスが絡んで来ると、犠牲者の数も増えていくな……。
 モリアの能力でゾンビとして復活する事は可能でも、人格の方は投入した影のものが反映されちゃうしなぁ。



■ペローナ

 相変わらずミホークの居城に居候を続けてたスリラーバーク海賊団のゴーストプリンセス様だが、モリア存命の記事を見てようやく城を出て行く事に。
 今回は扉絵もペローナなんで、ペローナファンの人には嬉しい回かもしれない。

 ……今更ながら、「スリラーバーク海賊団」って名前、初めて聞いた気がするぞ? 2年前時点じゃ「モリア一味」くらいの書き方しかされてなかったと思うが、再起にあたって団名を改めたんかな。でもそれだと、復活した一味にはまだ関わっていないペローナの肩書までが変わっているのは妙だしな……作中で語られてなかっただけで、元々こういう海賊団名だったのかしら。 


 そしてミホークとのやり取りは完全にただの夫婦漫才。でもミホークさんのやり口、なんか定期的に優しさを見せるDV夫みたいや。

 世界会議で出た議題から、今ここを出るのは良い判断だと言うミホーク。
 これは、やっぱ藤虎が提唱する七武海の撤廃論の事なのかな。頂上戦争への招集の連絡はミホークへと伝わっていたんだし、政府も彼の所在はきちんと掴んでいるんだろう。であれば、七武海制度が無くなってしまえば海軍はミホークを捕らえにシッケアール王国を襲撃するかもしれない。その辺りを心配しての事かな。




黒ひげ海賊団

■海賊島“ハチノス”

 黒ひげ海賊団が本拠地としていると思われる島。
 ドクロの形をした岩山の主張が激しい。まさに海賊達のための島、って感じ。

 海賊島と言えば、第306話にてロビンの口から同名の島の名が語られていた。

ロビン「海のどこかにあるという海賊達の楽園
    『海賊島』でその昔生まれたというゲーム…」
ONE PIECE33巻 第306話より

 つまりルフィ達がフォクシー海賊団と争ったゲーム、「デービーバックファイト」発祥の地こそが、このハチノスという島だったと。
 ティーチも同様に、この島を「海賊達の楽園」と言ってますね。

 楽園と言えば、新世界の過酷さを経験した海賊達にとって、偉大なる航路前半の海もまた「楽園パラダイス」なんて呼ばれ方をしていた。海賊達にとって、このハチノスは新世界の海にあって唯一心身を落ち着けられる「楽園」だったのかな。



■アバロ・ピサロ

 これと言って何もせず、肉を食ってるだけの王様。一丁前に王冠かぶってらっしゃる。

 別段活躍はないんだが、肩書が「黒ひげ海賊団2番船船長」2ページ後に出て来たシリュウと被ってしまっている。
 シリュウが2番船を率いているのは第803話の時点で明確になっているし、今月発売されたVIVRE CARDではピサロは4番船の船長という事になっている。
 デボンが6番船船長というのは本編とVIVRE CARDで共通してるし、ピサロのこれは原作側のミスかな。

(追記)
 スタッフのツイッターで、誤植の訂正が出てました。やっぱミスだったっぽいですね。



■シリュウ
 
 アブサロムの“スケスケの実”を食べ、透明化の能力を得たシリュウ。
 今月出たばかりのVIVRE CARDの情報にいきなり更新が。発売が一歩早かった。

 スケスケの実で身体を透明にしたとしても、見聞色によって気配を読まれてしまえばその位置は把握されてしまう。しかしどうも、感情を平静に保ち、神経を研ぎ澄まさなくては発動しない見聞色を、互角以上の相手との戦闘中にも満足に扱える人間はそう多くない印象がある。
 シリュウ程の速度を備えた居合術があれば、例え気配を読めても、姿の見えないままその出足の速さを捉える事は難しいだろうし。案外相性の良い能力なのかもしれん。

 っていうか、葉巻の煙まで見えなくなってるっぽいのは普通にスゴイっすね。でも戦闘中くらい、葉巻やめた方がいいと思うよ。臭いで居場所、察知されちゃいそうだし……。

 凄腕の剣豪、って事で、戦闘の際にはゾロとぶつかる事になると思ってたシリュウだが、スケスケの実を手に入れたという事はサンジとの因縁も同時に生まれたという事になる。意外と、タイマンをやる事になったらサンジと戦う可能性もあるのか……? 見聞色を得意とし、スケスケの能力を知り尽くすサンジなら、透明化の利を多少なりとも軽減できるかもしれないし。



■カタリーナ・デボン

 紅一点ながら巨『漢』扱いを受ける事でおなじみの、黒ひげ海賊団6番船船長。
 頂上戦争後は囚人服に飽き飽きして服を欲しがってたが、今回は中々に様になった『女海賊』然とした姿で再登場してくれた。

 この人、確かに容姿は美女とは言えないかもしれないけど、妙にしゅっとした体格もあってか普通にカッコいいな。悪役だって事もパッと見で分かるし、下手にありきたりな美女として出さなかったのは正しかったんだなと思わされる。


 更にこの人、なんと動物系幻獣種の能力者と。九尾の狐という妖怪をモデルにした“イヌイヌの実”の能力者なのね。

 九尾と言えば、中国に生まれ日本へと渡り棲んだ妖怪。狛犬なんかも存在してたワノ国じゃ、普通に生き物としていてもおかしくない気もする。『幻獣種』ってのは人間が勝手に分類した区分けだろうし、一般的に存在が確認されていない生物を勝手に幻獣と分類してるだけかもしれんし。
 “古代種”に分類される恐竜が現存する島があるんだから、幻獣種の動物が実在する島があったって良いんじゃないかな。


 ……って言っても、流石に変身能力まで持っているとくれば紛れもない幻獣か。
 能力の詳細までは不明だが、基本的にはマネマネの実の上位種と考えて良いのかな。九尾の狐の伝承から考えると、「誰かに化ける」というだけでなく、自分の姿を自在に変化させられるものなのかな。

 VIVRE CARDによれば彼女、美に対する執着心が強いそうだけど、もっと美女の姿に化けたいとかそういう欲求、ないのかな。顔立ちの美しさにはそこまで興味がないのか、自分を美女だと考えているアルビダタイプか。
 まあ正直、デボンの場合今のままの外見の方がキャラに合ってて良いと思うんだけど。



■マーシャル・D・ティーチ

 遂に新世界編においても本格登場、黒ひげことティーチ。
 ドレスローザでバージェスと通信を行っていた時の電伝虫同様、長く伸びたヒゲを編んでらっしゃる。これはやっぱり、史実上のエドワード・ティーチの姿が元だろう。エドワード・ニューゲートの能力を手に入れ1つとなった事で、エドワード・ティーチの姿に近づいたって感じか。 


 そして彼の懸賞金も判明。四皇に名を連ねる人物としては、作中初の金額公開か。
 その額なんと22億4760万ベリー。うーむ、端数半端!!

 流石に四皇の一角と言うべきか、15億となったルフィを軽く超え、判明している中ではぶっちぎりの作中トップ。
 これでも四皇の中では最もキャリアの少ない人物なので、ビッグ・マムやカイドウは30億くらい行っちゃうのかしら。


 ハチノスにてリゾート気分を満喫中の彼。両脇の美女は分かるんだが、その更に右のオッサンは誰やねん。
 なんでこんなトコに紛れ込んでるんだ、こいつ。えらく楽しそうにしてるけど、こいつも幹部なのか……? 確かに「10人の巨漢船長」には2年前のメンバーだけでは1人足りないが……いやにしたってこいつはないだろ。まだクザンが船長の1人って方が現実味がある。


 宴会に紛れ込んだ謎のオッサンは置いとくとして、ティーチもこの激動の世界情勢には注目している様子。
 最悪の世代を含む強者達の戦いを「“王”の座をかけた」と表現する辺り、彼の場合ビッグ・マムやカイドウとは違い、最悪の世代の面々を多少は買ってるのかな。まあ、自分もその世代の1人なんだから当たり前か。
 ルフィ達を「若僧」と呼ぶティーチだが、マムやカイドウからすればティーチも十分若僧の世代なんだよなぁ。

 革命軍の元本拠地・バルティゴから大量の武器を手に入れたハズの黒ひげ海賊団だが、そろそろ本格的な動きを見せて来るタイミングなのかな。
 そしてドレスローザじゃ失態続きだったバージェスは無事に一味に戻る事が出来たのか。気になるところだ。


 またマリージョアの地では、くま奪還のために革命軍が行動を起こした後らしい。
 「軍隊長共が」って事は、サボはまだ動きを見せてないのかな。隊長達が大将を引きつけて、その隙にサボが計画を実行する腹積もりなのかもしれない。

 もしくはタイミング的に、ビブルカードの反応からルフィの窮地を知り、一人マリージョアを離れたんだろうか。サボとしてもくまを放ったらかしてルフィを救いに行くのは心苦しいだろうが、そこは隊長達が背中を押してくれた感じで。
 
 何にせよ、まだ両者の決着がついた段階ではないのかな。世界会議中に起こす革命軍の行動は、あくまでも「宣戦布告」に過ぎないハズだし。




ワノ国第二幕

 前回の第一幕完結から、一旦世界会議か何かの話を挟むかな?と思ったのだが、意外とすぐに再開した。
 幕間に挟まれたのは、スリラーバーク海賊団や黒ひげ海賊団のエピソードのみ。これは彼らがワノ国の戦いに絡んで来る可能性濃厚なのでは。


■九里“頭山”

 名前からして、酒天丸……もといアシュラ童子率いる頭山盗賊団の本拠地となる場所なんだろう。

 ここではイヌアラシとアシュラ童子が交戦している。と言っても、本気の殺し合いとは少し違うみたいだが。
 片足を失ってなお、ジャックと互角に戦ったアシュラ童子と打ち合えるのか……。イヌアラシ、ジャックの攻撃を片手で受け止めただけあって、流石にバケモノじみた戦闘力だ。

 あと何気に、イヌアラシが使う得物もジャック戦の時とは変わってますね。あの時使っていた西洋風の剣に比べ、こちらは刀。
 これは「モコモ公国の昼の王」としてでなく、「光月家家臣」としてアシュラと刃を交えているからこそ、ワノ国らしい武器を使って戦っているのかな。

 
 結果、勝負は引き分けに。
 光月という一族に対してではなく、おでんその人に忠誠を誓ったアシュラ童子は、簡単には錦えもん達に協力してくれなさそうな感じ。
 やはりここは、おでんの子息であるモモの助が、再度アシュラに大将たる気概を見せつける必要があるかな。
 まだ子供でしかないモモには自力で戦う事は無理だが、彼はあのズニーシャをも従わせる男。アシュラがモモの中に、おでんから受け継がれた意志のようなものを感じれば、あるいは…?



■編笠村

 カイドウによって殺されかけた玉だが、殊の外あっさりと復活。
 ミヤギやトリスタン、ヨモ牧師まで、ワノ国に来てたのね。この感じだと、ゾウに住んでいたミンク族達は全員ワノ国へきている感じなのかな。
 全住民が生まれついての戦士である彼らの事、一見して非戦闘員っぽい人物でも、足を引っ張る様な事にはならなそうかな。

 本来の予定であればイヌアラシのもとに向かうハズだったチョッパーも、今は編笠村へ。同じ九里の中だし、ミヤギ達も一緒に来ているあたり結構近いのかしら、編笠村と頭山。

 ルフィの救出には、雷ぞうが向かった模様。いつの間にか合流していたのね。
 一味は並外れた回復力を信用し、自分達の役割についたみたいだが、脱獄は上手い事いくんだろうか。
 チョッパーの言う「心が折れる事もない」って言葉、フラグにならなきゃいいが。まあそれはそれで、ゾロ達がルフィを立ち直らせる展開でも面白そうではあるけど。




3人の大看板

 ジャックに続く残り2人の「災害」が、一気に登場。

 名前は順当にというか、疫災のクイーン火災のキング。若干安直な……というか示し合わせたかの様なネーミングだが、本名なのかな?
 ドンキホーテ海賊団の最高幹部達から引き続きトランプを元にしたネーミング(トレーボル、ディアマンテ、ピーカは、それぞれスペイン語でクラブ、ダイヤ、スペードの意)だが、コラソン(ハート)を含めた全員コードネームだったりするんだろか。

 ジャックには「兄御」と呼ばれ、どうも関係性としては彼らが上に立っているみたい。
 最近じゃかませ犬感がにじみ出て来ていたジャックさんだが、戦闘力的にも大看板の中じゃ一番下だったのかな。ズッコケ呼ばわりだし。

 五日間にも渡り、ミンク族の戦士達を相手に大暴れした男が最弱扱いだと言うなら、かなりの大戦力だ。ぶっちゃけ今までに登場した真打ち達、若干戦力的には心許ないところがあるんで、彼らが四皇一味の底力を見せてくれる事に期待。



 外見としては、キングは顔をトゲつきのマスクで覆い、黒い衣装に黒い翼を身に着けた真っ黒ずくし。
 マスクの雰囲気はどことなくピーカっぽく、衣装はシリュウに似たデザインになっている。

 マスクはともかく、服の全体像やドクロの意匠なんかに関しては相当似てる気もする。と言っても、シリュウの服装はインペルダウン時代に来ていた署長服(?)の、シンボル部分をドクロマークに挿げ替えた様なもの。
 署長時代から着ていた服というわけではないんで、インペルダウンに所縁のある服装やマークとは違うのかな。

 最初見た時は、「キング、もしかしてマゼランの前のインペルダウン署長だったりするのか?」とか思ったりもしたんだけれど、仮に署長が歴史上2人も四皇幹部に鞍替えしてたりしたら、インペルダウンの権威も何もなくなりそうだ。大量脱獄も許してしまったばかりだし。



 キングは比較的、中二病感が溢れまくっててカッコいい感じのデザインだったが、クイーンの方はあまり大物オーラはないかもしれない。
 1人目が「ジャック」って時点で、残る2人がクイーン、キングである事は予想されていたが、クイーンが普通に男だとは思ってなかった。口調的に、オカマやニューカマーってワケでもなさそうだし。
 ……というか、オッサンだね。ただの変態臭いオッサンだね。本当の変態は拷問狂のキングらしいけど。
 ルフィやキッドの戦意を折る役割を任されているらしいので、ジャックが九里の担当なら、クイーンは兎丼の担当なのかな。

 左腕が義手になっているみたいだが、これも戦闘力の強化に一役買っているんだろうか。
 というか、“疫災”って。ただえでさえ汚染毒に蝕まれたこの国に、更に病毒を持ち込みますか。
 一方のキングは“火災”の異名を持つが……正直、炎熱系の能力者ってもう飽和状態なんだよなぁ。サボ、サカズキ、オーブン、それに悪魔の実とは違うがサンジやルフィ、フランキーにゾロの飛竜火焔なんかも発火効果持ちだし。
 端役でも、バスカルテやホールデム、それに今後登場するであろう、キッドの部下であるヒートも炎を吐く能力を持ってるらしいし。

 まあジャックの“干害”の異名は、あくまでもジャックが戦った後の戦場の様子を指してのものだったし、キングの“火災”もそれ自体が能力ってワケじゃないのかもしれない。 
 刀を所持しているし、彼がゾロと戦う相手になるのかな。どうもオロチじゃ、力不足っぽい印象も出て来てるしね。


 ドフラミンゴ政権の崩壊を受け、百獣海賊団は次の取引先を決めたらしい。キングの口ぶりからして、中々の大物を相手にしているんだろう。
 しかし先日「来るなら殺すぞ」とまで言ったビッグ・マムが相手という可能性は低そうだし、「強者共の潰し合い」を予想したティーチが四皇同士の取引に応じるのも微妙に考えづらい。マリンフォードでも漁夫の利を狙って白ひげを討ったティーチの事だし、今回もある程度潰し合いが進行するまで泳がせておくって策を取っているかもしれないけど。

 あるとすれば、思惑の読みにくいシャンクスか……CP0や革命軍との取引が発生していれば、彼らがワノ国に関わるきっかけを作れそうな気もするが、どうだろ。
 でも革命軍とカイドウが組んでたりしたら、ちょっとサボが可哀想だな。ルフィと軍の板挟みになってしまう。仮にそうなったら、立場よりもルフィを選びそうだけど、彼の場合。