週刊少年ジャンプ2019年4・5号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
「兎丼」の採石場
キッドの敗戦
海楼石の個体差



「兎丼」の採石場

■騒ぎのウワサ

 副看守長のドボンをブチのめした事で、囚人採掘場「兎丼」内でのルフィの評判は鰻登りになってしまったらしい。

 囚人達もドボンに逆らえずにいたんだろうけど、「胸がすっとした」という思いが浮かんでいる辺り、意外と兎丼の囚人達、心のへし折れてない人らが多いのかな。完全に絶望しちゃってたら、「どうせクイーンやキングに報復されるぞ、終わったなあの麦わら」なんてネガティブな意見の方が先に出て来そうな気もするし。

 環境的にはかなりキッツいんだろうけど、支配者に逆らうルフィ達をヒーローの様に見る事が出来る辺りは、少なからず希望を残して生きている人達でもあるのかな。
 いざルフィが脱獄する段階になったら、彼らを巻き込んでインペルダウンの大脱獄再び~~という流れにもなりそう。決戦の日までに頭数を増やさなきゃいけないし、それなりには戦えそうな荒くれも混じってそうだし。ヒョウじいは土地勘に優れた知識担当ポジションとかで。


 生来のスタンスとして「ヒーロー」の様に担ぎ上げられる事を嫌うルフィだけれど、直接救われたヒョウじいや鬱憤の溜まっていた囚人達からすれば、その行いは普通にヒーロー善としたもの。
 ルフィ、ヒョウじいに飯の引換券まであげちゃってる。おこぼれ町の一件はあくまでも「恩返し」だったけれど、ヒョウじいに関する施しはもう完全にルフィの思う「ヒーロー」像そのものですね。魚人島で言ってたやつ。

 メシそのものじゃなく、現時点ではただの紙切れだからルフィ的にはセーフ?



■兎丼のメシ引き換え券

 引換券、英語表記なんですね。「UDON」って。
 町の看板とかに書かれている言葉は基本的に漢字や平仮名が多かったけれど、海外から来た百獣海賊団はワノ国の中でも英語の文字を扱うのね。
 日本語以外の文字を扱う文化がなさそうなイメージのワノ国だけに、囚人達は何のこっちゃ読めてなさそう。百獣海賊団的には、機密保持とかのために英語を使う事もあったりして。



■雷ぞう、潜入

 ルフィ救出のために動いているとは言われていたけれど、すでにルフィと合流済みだったのね、雷ぞう。
 ほっかむりつけて労働者に紛れ込んでるけど、バレますってアンタの図体じゃ。自分をもっと客観的に見てくれ。


 ルフィにつけられた手錠の鍵を奪おうと画策するも、中々に苦戦している様子。
 番人はともかく、鍵が海楼石の箱にしまわれている事も障害になっているみたいだけれど、これは雷ぞう自身も悪魔の実の能力者だから苦戦してるって事なのかな。
 単に「海楼石製ゆえにめちゃくちゃ硬いから破壊出来ない」って意味合いかもしれないけれど、それだけなら解決策は他にもありそうだし。

 確かに錦えもんやカン十郎、しのぶの術は悪魔の実でなければ説明のつかないものだったけれど、雷ぞうが今のところ見せた術って、煙幕や分身、姿くらましと、正味超スピードの類でも実現出来そうな部類のものだったから、微妙なところだったのだけれど。
 1人ぐらい本物の忍術使いがいても良い気はするけど、ONE PIECE的には「忍術や妖術=ワノ国での悪魔の実の能力の通称」ぐらいのイメージなのかな。

 しかしただでさえ外国との交流が少ないワノ国だというのに、光月家の家臣だけでもコレだけの能力者を抱えているというのは凄い話だ。「世に珍しき果実」なんて漠然とした名称で呼んでいる辺り、ワノ国の中においそれと生えている様なモンでもなさそうな気はするけれど。
 おでん公、ロジャーや白ひげとの冒険時に、悪魔の実を乱獲でもしてきたのか?



■濡れ髪のカリブー

 ルフィやキッド大暴れの回に、モブに紛れてしれっと再登場していたヌマヌマ男。あなた、手錠かけられた状態でも、袖で手首を覆ってるのね……。
 ツルハシとか滅茶苦茶扱いにくそうだけど、ペコムズ戦ではこの状態のまま鎌を振るったりもしていたんで、問題ないんだろう。以外と器用なヤツだ。


「“財宝の山”と“人魚姫の秘密”を手土産にすりゃ~~
 おれァあの人に必ずや気に入って貰えるのに」
ONE PIECE66巻 第652話より

 魚人島じゃ、人魚姫の秘密と財宝を奪い取ろうとしていた際、何やら大物との繋がりを仄めかすセリフを吐いていたカリブー。しかしギャグキャラと化した彼は「巷の噂に流されるしょうもない奴」という属性まで与えられ、ルフィにすら呆れられる始末。ジャブラかキミは。

 クラーケン遭遇時なんかは、麦わらの一味よりずっと常識的なリアクションを取ったりもしてたんだけどねぇ。なんかキビだんごがどうとか、桃太郎の家来達みたいな事を言ってるけど、彼を家来にして頼りになるんだろうか。
 ていうかルフィ、どっちかと言えば桃太郎(モモの助)にとっての猿的な位置づけだけど。

 けどまあ、こういうコメディ要因のしょうもない奴が、突然カッコよく動いたりもするのがONE PIECEだからね。何だかんだ、脱獄には彼も参加する事になりそうだが、その際にはかつてのMr.3の様な輝きを見せてくれる事に期待しよう。
 どっかのタイミングで、コリブー達も駆けつけるかもしれんしね。


 しかし単なる労働者ではなく海賊である彼がこの採掘場にいるって事は、カイドウはカリブーの心もへし折って部下に加えようとしてたのかな。
 まあ結果としてはドレークに瞬殺されたとはいえ、仮にも2億越えの賞金首にして自然系能力者、そしてスコッチを倒して武器生産工場を潰すという功績を残してるのは事実だし、人材マニアのカイドウが欲しがってもおかしくはないかもしれん。
 性根が曲がってるのが難点だけど、それこそ心をへし折って裏切る気持ちを失くしてしまえば良いワケだし。




キッドの敗戦

■手負いにした将星

 カリブー曰く、現在の新世界におけるキッドは、世間の評判としてはそれほど目立つ存在ではないらしい。まあ、所詮ウワサはウワサって感じみたいだけど。

 ルフィ達がホールケーキアイランドに踏み込む前、ベッジやアプー、そしてキッドが将星の一角に挑み敗北した事は、すでにブリュレの口から語られていた。

ブリュレ「ママの顔を見る事もなく…
     一言の声を聞く事もなく!! ハジキ出されたよ!!」
ONE PIECE83巻 第837話より
 
 ブリュレは彼らがそれぞれ、四皇であるビッグ・マムの首を狙って仕掛けて来たものと思っていた様だが、少なくともキッドに関しては違っていたらしい。
 何らかの「奪うべきもの」を狙い、その狙いは実現していたと。更に将星の一角にも、敵いはせずとも手負いの状態にはしていた様だ。
 元々「討伐」そのものが目的ではなかった為、やろうと思えば倒しきれた可能性もあるのかな。リスクが大きいからやらなかっただけで。

 ルフィ達がホールケーキアイランドを訪れた際は、カタクリは元よりスムージー姐さんも、何か大きな負傷を抱えている様には見えなかった。
 クラッカーの右目には大きなキズがあるが、どうやらコレも、キッドがつけたものではなさそう。古傷っぽい描かれ方をしているのもあるが、彼のこのキズはビスケット兵のデザインにも反映されていて、これは手配書の写真に写ったビスケット兵についても同様。

 ルフィやゾロ、サンジ等も、2年後の一味復活時を除き、懸賞金が上昇しても手配写真はそのまま使いまわされていたし、長らく手配を受け続けているクラッカーの場合も、ずっと前に撮影された写真がそのまま使われている可能性が高い。よってあの大きなキズも、キッドとの戦いでつけられたものというワケではなさそう。

 という事で、やっぱりキッドが手負いにした将星、というのは、ウルージに敗北して将星の座から蹴落とされたスナックさんの事なのかな。

 懸賞金的にもパッとせず、能力もどちらかと言えばパワータイプで、「相性次第で化ける」タイプのものとは思い難かったウルージが、どうやって将星に打ち勝ったのか……というのは正直疑問だったんだが、キッドとの戦闘で受けたダメージがまだ残った状態での戦闘だったのね。

 ……それはそれで、スナックさん可哀想だな。多分ナワバリに侵入した海賊相手の門番的な役割だったんだろうけど。2番手として出て来るくらいなら、最初から代わってあげなよ、クラッカーさん。 



■奪うべきもの

 タマゴ男爵曰く「我らが傘下の海賊船を2隻沈めやがった」(第651話)らしいキッドさんだが、別に考え無しに暴れ回っていたワケではなく、目的としていたモノがあっての事だったと。

 ビッグ・マムのナワバリにある「奪うべきもの」と言えば、ロード歴史の本文ぐらいしか、現時点では思い当たらない。

 勿論、全く関係のない別のものである可能性もあるが、それっぽいものが浮かばないからな……。タマゴ男爵曰く、キッドはビッグ・マム傘下の船を2隻ほど沈めているらしいけれど、それと関係があるとか…?

 …個人的には、ビッグ・マムがカイドウとの通信で話していた「(麦わらのルフィに)返して貰わなきゃならねェもの」と同じものを指していたりすると、ちょっと面白そうな感じもしてくるのだけれど。
 実はすでにキッドに奪われていたものを、ルフィの襲撃後に初めて「奪われた」と気づいたため、ルフィ達が犯人だと勝手に誤認してしまっているパターンで。


 ひとまずキッドが奪い去ったものがロード歴史の本文の写しであると仮定して、キッドはどこでその重要性を知ったんだろう。

 ルフィ達はロビンやイヌアラシ達との出会いにより、偶然「歴史の本文」の重要性に気付いていたけれど、イヌアラシ曰くそれは本来「ログの終着点で初めて気づく事」であり、ルフィ達はすでにその先の冒険を始めている段階だという。

 つまり「ログを溜めた終着点への到達」だけでは真にグランドラインを制覇したとは言えず、そこで初めてラフテルという場所の存在や到達の仕方を知り、その箇所を示すロードポーネグリフを集め始める……というのが、本来のラフテルへの道筋なんだろう。

 ロード歴史の本文を所持しているビッグ・マムやカイドウは、おそらくすでにログの最終地点にまでは到達した事があると。タマゴ男爵は石の価値をよく熟知している様だったが、それもビッグ・マム海賊団の重鎮として、そこまでの航海に付き添った事があるからなんだと思う。
 イヌアラシの「興味があるのなら行ってみればいい」という口ぶりからすると、その情報さえ手に入れてしまえば、ログの終着点と言うのは必ずしも行く必要のある場所ではないとも思える。


 要は現状のルフィ達は、ラフテルを目指すにあたっての大きなショートカットコースを歩んでいる様な状態で、「ラフテルへの到達にはロード歴史の本文が示す座標が必要」という情報は、一般に知られているものではないハズ。
 ロードポーネグリフの存在はロビンですら知らなかったのだから、ちょっと世情に詳しいぐらいの人間が、これらの事実を知っているとも思えない。少なくとも、海に出て2年やそこらのルーキーが簡単に知れる様な事柄ではなさそうだ。


 キッドが言う「奪うべきもの」がロード歴史の本文であったとするなら、キッドはどこかで、これらの情報に詳しい人物……。ハッキリ言うなら、かつてラフテルへと到達したロジャーと関わりのある様な人物から、コレらの話を聞いていた可能性が高い。


 しかし、キッド、ロジャーの双方と関わりのある様な人物なんて、そう簡単に……。

 って、いるじゃないですか。思いっきり。下記に続く。



■赤髪海賊団との戦闘

 キッドの失われた左腕は、赤髪海賊団との戦闘における負傷だったという。
 ホーキンスやアプーとの同盟は元々シャンクスの首を狙ったものだったけれど、アレは自身のリベンジマッチに近いものだったのね。1人じゃ手も足も出なかったから、しぶしぶ気の合わないヤツらと組んで挑もうとしたという。

 赤髪海賊団の面々はあまり戦闘描写がないため、断定する事は出来ないのだが、少なくともベックマン、ヤソップ、ルウの3幹部がこれまでに使った戦闘方法は揃って「銃」。
 狙撃の名手として有名なヤソップは間違いないし、ベックマンも第1話や頂上戦争でライフルを愛用しているので、これがメインウェポンなんだろう。ルウに関しては描写が少なく何とも言えないが、第1話で山賊を射殺していた。

 つまり、赤髪海賊団の主要陣の中で、斬撃を用いた戦い方を行うのはシャンクスぐらい。おそらくキッドの左腕は、シャンクスとの直接対決にて斬り落とされたものなんだろう。


 シャンクスと言えば、かつてロジャーと共にラフテルへと到達したと思われる人物の1人。登場初期から一貫して「自由を愛する豪快な海賊」というイメージだったのだが、最近では世界政府の最高権力者、五老星との密会が発覚。一転して「舞台裏での暗躍」を感じさせる人物ともなっていた。

 シャンクスとキッドと言えば、その外見的な共通点を指摘される事も多い。
 別に顔立ちや雰囲気なんかは全然似ていないんだが、特徴的な赤髪、左目についたキズ痕、そして失われた左腕。

 これらパーツ毎の特徴に、妙に共通点が多い2人だった。とはいえ、首を狙う相手として選んでいた事ぐらいしか接点がなく、それも未遂で終わったため、あくまでもネタの域を出るものではなかった。
 しかし今回、その共通点の1つである片腕を奪ったのが、他ならぬ赤髪海賊団であるという事が判明。
 2年前時点では左目のキズも存在していなかった事を考えると、コレもこの戦いで出来たキズである可能性が高いかな。


 まあ共通点に関しちゃこじつけっぽいトコもあるというか、目にキズがあるキャラなんて割と何人もいるんでスルーして貰って良いんだが、シャンクスが自身と同じ左腕を失わせたと考えると、コレは何か運命的なもの……というか、作劇上の意図を感じるところではある。

 カリブーが語った「世間的な評判」を見る限り、キッドとビッグ・マム海賊団の衝突は大きく報じられていても、赤髪海賊団との戦いの知名度が低いようなのも気になる。キッドが受けたダメージとしては、どう考えてもシャンクス戦の方が大きいにもかかわらず、だ。

 これに関しては、海賊団同士の大々的な戦闘というよりは船長同士の決闘に近い小規模な形で行われた可能性の方が高いんじゃないかな。
 結果はシャンクスの圧勝に終わるも、トドメまで指す事はなく逃がしてやった。短期間で勝負がついた為、キッドの負傷具合の割に世間に知られる事がなく、次の大きな戦いである将星戦で腕を失ったものと誤解された、という流れだ。


 そしてキッドはおそらく、シャンクスに圧倒的な力を見せつけられてなお、その消える事のない闘志を剥き出しにしていた事だろう。
 シャンクスはそんなキッドの姿に、何か感じるものを見出したんじゃないか。格上の相手であろうが、物怖じひとつする事無く挑んでいく姿勢。若く、無様。亡き白ひげならばそう評するかもしれない彼の姿に対し、シャンクスは何かを感じ取った。

 そしてシャンクスはキッドにロード歴史の本文という存在について伝え、命までは奪わずに追い返したんじゃないか。
 かつてルフィに、ロジャーと関わり深い麦わら帽子を預けた様に、何かの意志を託すように。


 と言っても、シャンクスが次代の海賊王……言ってしまえばロジャーが待っている人物として、真に期待しているのはやはりルフィだと思う。
 その上でシャンクスはキッドに、“ひとつなぎの大秘宝”にまつわる、いわゆる「世界をひっくり返す」という事に必要な素質を見出した。そのため、彼はキッドに情報を与える事で、この世界を取り巻く時代のうねりに一石を投じたんじゃないだろうか。


 しかし、キッドがビッグ・マムからロード歴史の本文を奪ったのだとして、彼はその次に挑む相手として再び赤髪海賊団を指名している。
 ロード歴史の本文は4つコンプリートして初めて意味を成すモノなのだから、本来なら次の標的とすべきは、石を所持しているカイドウであったハズ。期せずしてカイドウとブチ当たる事にはなってしまったが、それは単なる偶然の結果だった。

 純粋に「カイドウが石を持っている事を知らなかった」可能性もあるが、もしかしたら知っていようが知らなかろうが、次の標的はどちらでも問題なかったんじゃないだろうか。
 最後のロード歴史の本文は、赤髪海賊団が所持している。だからこそ、キッドはビッグ・マム海賊団の次の相手に、シャンクスとのリベンジマッチを選んだんじゃないか。

 キッドはシャンクスに敗北し、しかも情報と言う施しまで受け、命をもって帰還する事になった。あのキッドの性格上、こんなにも歯がゆい事はないだろう。だからこそキッドは、まずはビッグ・マム海賊団に挑み、ポーネグリフの写しを奪った。これをもって、シャンクスへのリベンジを挑みに行くつもりだったんじゃないだろうか。

 どうだ、と。お前の言った物は、きちんと手に入れたぞ。これで再び、お前に挑む資格ぐらいはあるはずだ、と。
 しかし単に前と同じ戦いを繰り返したところで、簡単に勝てる様な相手ではない。シャンクス、将星という連戦によって、キッドの身体にもかなりの無理が出ていたハズ。次に敗れてしまえば、流石に今度は命を落としかねない。
 だからこそ、仲間であるキラー達は一計を案じ、キッドに「同盟」という道を提言したんじゃないか。

 これは結果が全ての、海賊同士の戦い。卑怯などという言葉は存在しない。誰かと共闘をはかろうが、勝ちさえ拾えばそれが全て。 
 無論、シャンクスへのトドメは自らが刺すという気概で挑もうとはしていただろう。キッドはこの同盟を、赤髪海賊団を弱らせるための囮として利用しようとしたのだ。同盟相手であるアプーやホーキンスを上手く利用し、赤髪海賊団の戦力を削ぎ、疲弊したところを自らの力で打ち砕く。それが、キッドがキラー達と共に思案した、シャンクスに勝利するための筋道だった。

 しかし不運にも、キッドら同盟軍はカイドウに遭遇。シャンクスとの戦いに向かうまでもなく、四皇相手の2度目の敗戦を迎えてしまう。だがキッドの闘志はなおも折れず、今度は自分をズタボロにしてくれたカイドウへの敵意を露わに……という流れで、ルフィと再び出会ったのだ。
 それほどの闘志を持つ男が、あのONE PIECE界きっての狂人・ルフィと共闘する事となった時、その化学反応はどんなものになるのか……いやはや、楽しみでありますね。

 なお途中から完全にただの妄想ストーリーじゃねぇか!というツッコミは特に受け付けておりません。
 



海楼石の個体差

カリブー「この“海楼石の錠”
     働ける様に多少弱く 作ってあるらしいが…」
ONE PIECE 第928話より

 第926話時点の感想では、海楼石が悪魔の実の能力者に対し及ぼす影響について複数の可能性を挙げてみたが、どうもその内の1つ、「そもそも同じ海楼石でも、個体によって影響の大小は違うのでは?」というのが正解だったらしい。

 そしてこの口ぶりからすると、能力者に及ぼす影響は「手錠の形へと加工される段階」で強弱を調整する事ができるらしい。
 という事は、そもそも海楼石の「悪魔の実の能力者の力を封じる効果」というのは、採掘されたばかりの天然の状態で備わっているものではないという事なのかな。
 「海と同じエネルギー」を持ち、かつ「パイロブロインという粒子を含む」海楼石という鉱石が存在し、それを特定の手段で加工する事によって、初めて能力者の力を奪う効能が付与される……という事なんだろうか。

 まあ何にしても、海楼石の効果に個体差が存在するという事実が分かって良かった。
 正味この辺の力の抜け方、描かれ方が割と毎回違ってたもんで、「パンクハザードのルフィは叫ぶだけでキツそうだったのに、エニエスロビーのロビンさんは結構元気に叫びまくってんなー」とか思ったところもあるんで。アレは囚人を歩いて護送しなきゃいけない分、ちょっと弱めに作られた海楼石だったのかしらね。
 インペルダウンの囚人労働者(ダズとか)がつけてた手錠も、たぶん効力弱めの錠だったんだね。

 この手の疑問が生じやすい箇所に、「そもそも個体によって力の抜け方違うよ」と言われれば、「そういうもんか」と納得せざるを得なくなる。
 ある意味力技だが、そういうもんなのだから仕方ない。これでほとんどの疑問は解決できる。

 今度は「明らかに逃がしたらマズそうな囚人なのに、なんで弱めの錠使ってんねん!!」とかそういう話になって来そうな気もするが、ひとまず問題が起きてから考えよう。ビバ、後回し精神。


 あ、ちょっと今回試験的に、記事を2つに分けようと思います。いや後回し精神とかじゃなくて、単に長すぎて見づれぇなって思ったので。まあ後編は後日に回すつもりなんで、結果後回しですけど。
 というワケで、後編はまた後日。