第877話
「惜別の時 プリン最後の“お願い”」
【原作の対応話数】
90巻 第902話
もくじ
・あらすじ
・原作からの変更点
・感想・妄想
・登場した技
・声の出演
・あらすじ
・原作からの変更点
・感想・妄想
・登場した技
・声の出演
【あらすじ】
ジェルマ66やタイヨウの海賊団の護衛により、ビッグ・マム海賊団の追撃を振り切ったルフィ達。戦士たちが命懸けの攻防を繰り広げる中、プリンは未だ、カカオ島の路地裏から動けずにいた。実の母から“操り人形”として扱われて来た彼女は、サンジとの出会いや茶会での出来事を思い返す。そして別れの瞬間、サンジから抜き取った「最後のお願い」の記憶を目にし、彼女は一人、涙を流すのだった。
鏡世界を訪れたブリュレは、背をついて倒れるカタクリのもとへ歩み寄る。彼が本来、完璧な男などではない事、そして自分達を守るため、完璧な姿を演じてくれている事を、ブリュレは知っていたのだ。
ルフィのその後を問うカタクリに対し、「聞いたら“良かった”って思うんでしょ」と言葉を濁すブリュレ。ルフィが無事に逃げ切った事を知ったカタクリは、ブリュレが想像した通り、ふっと笑みを浮かべるのだった。
麦わらの一味のナワバリ脱出。その報告は、ビッグ・マム海賊団だけでなくジェルマ66やタイヨウの海賊団のもとにも届いていた。目的の達成を知り、撤退を開始する彼ら。しかしその眼前に、敵の総大将である四皇ビッグ・マムの姿が迫る。
死んでも死ぬな。自身の船長と交わしたその約束を果たすため、ジンベエ達は今一度、ビッグ・マムと対峙する。彼らは果たして、無事にナワバリを抜ける事ができるのか。
一方、ナワバリを無事に脱したサニー号では、サンジがメシの用意を提案する。久方ぶりのサンジのメシに、喜び沸き立つルフィ達。時を同じくして、海上レストランバラティエには、今日も海賊たちが訪れていた。いずれ敵となり得る者たちへの料理の提供を渋るパティとカルネ。だが店長のゼフは、そんな海賊達に自ら腕を振るう。
食いてェ奴にゃ食わせてやる。場所を違えど、サンジが受け継いだ食に対する信念は、今も変わる事なく彼らの中に生き続けるのだった。
ジェルマ66やタイヨウの海賊団の護衛により、ビッグ・マム海賊団の追撃を振り切ったルフィ達。戦士たちが命懸けの攻防を繰り広げる中、プリンは未だ、カカオ島の路地裏から動けずにいた。実の母から“操り人形”として扱われて来た彼女は、サンジとの出会いや茶会での出来事を思い返す。そして別れの瞬間、サンジから抜き取った「最後のお願い」の記憶を目にし、彼女は一人、涙を流すのだった。
鏡世界を訪れたブリュレは、背をついて倒れるカタクリのもとへ歩み寄る。彼が本来、完璧な男などではない事、そして自分達を守るため、完璧な姿を演じてくれている事を、ブリュレは知っていたのだ。
ルフィのその後を問うカタクリに対し、「聞いたら“良かった”って思うんでしょ」と言葉を濁すブリュレ。ルフィが無事に逃げ切った事を知ったカタクリは、ブリュレが想像した通り、ふっと笑みを浮かべるのだった。
麦わらの一味のナワバリ脱出。その報告は、ビッグ・マム海賊団だけでなくジェルマ66やタイヨウの海賊団のもとにも届いていた。目的の達成を知り、撤退を開始する彼ら。しかしその眼前に、敵の総大将である四皇ビッグ・マムの姿が迫る。
死んでも死ぬな。自身の船長と交わしたその約束を果たすため、ジンベエ達は今一度、ビッグ・マムと対峙する。彼らは果たして、無事にナワバリを抜ける事ができるのか。
一方、ナワバリを無事に脱したサニー号では、サンジがメシの用意を提案する。久方ぶりのサンジのメシに、喜び沸き立つルフィ達。時を同じくして、海上レストランバラティエには、今日も海賊たちが訪れていた。いずれ敵となり得る者たちへの料理の提供を渋るパティとカルネ。だが店長のゼフは、そんな海賊達に自ら腕を振るう。
食いてェ奴にゃ食わせてやる。場所を違えど、サンジが受け継いだ食に対する信念は、今も変わる事なく彼らの中に生き続けるのだった。
【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介
・ナミとブルックの、ナワバリに残ったジンベエ達の身を心配する会話追加。
・ルフィ達がナワバリを抜けるシーン及び、ジンベエ達のもとにビッグ・マムが到来するシーンのナレーションが、
壤晴彦氏、野々村彩乃氏、ホーミーズの歌う「ソウルポーカス~女王の言葉 ~」という挿入歌に。
・上記挿入歌の最中、ジャッジがジェルマ王国の城の前に立つカット追加。
・崩壊したホールケーキ城の残骸の中に置き捨てられた一丁の銃が描かれるカット追加。以前の登場時とは細部が異なるデザインとなっているが、プリンがサンジ暗殺のために使用したウォーカーという銃だと思われる。
・カカオ島の路地裏で泣くプリンのもとに、一粒のわたあめ雪が降り注ぐ描写追加。
・原作の同シーンでは海中で戦うのみだったジンベエが、敵船の上にて武装色の覇気と魚人空手を用いて敵兵を圧倒する描写追加。
その後“魚人空手奥義 武頼貫”を放ち、敵船を破壊している。
・麦わらの一味の所在を問うモンドールに対する船員の返答が、原作の「見失いました!!」から「追撃隊からの応答なし! どうやら見失った模様です!」という推測を交えたものに変更。
・サンジにキスをしたと思われる瞬間のシーンにて、瞑られたプリンの第3の目および、サンジの背に回した腕の描写が追加。
・麦わらの一味がナワバリを脱出したという報告を聞いた際、モンドールが絶叫するシーンおよびオーブンが怒りの形相を浮かべるカット追加。
・イチジからの撤退命令を聞き、戦闘中のニジ、ヨンジ、レイジュが「了解」と返答するシーン追加。
この際、ニジは合体した10つ子と戦っていた事が判明している。
・ブリュレがカタクリの応急処置をするシーンにて、タオルを枕替わりとしカタクリの頭に挟ませてやる描写および、カタクリの身体を拭く描写追加。
・幼少期のカタクリが「フクロウナギ」と罵られた際、笑みを浮かべながら「ぶっ飛ばす」と追いかけるシーン追加。
・カタクリがブリュレのケガを知る際のシーンが、ドーナツを食べている最中に偶然騒ぎを聞きつけるという描写に変更。
・自分の行動がきっかけでブリュレが傷つけられた事を知ったカタクリが、手にしたドーナツを握り潰してしまう描写追加。
・ブリュレにケガを負わせた犯人達は、原作ではカタクリが姿を現した時点で怯えた様子を見せていたが、アニメでは「待ってたぜカタクリ」と武器を構えて応戦する対応を取っている。
またカタクリが彼らに仇討ちをする際、覇王色の覇気の片鱗と思われる赤黒いエフェクトを纏う演出が追加。
・イチジ達がジェルマの城へと帰還するシーン及び、ジェルマ66とタイヨウの海賊団がそれぞれ撤退を開始するシーン追加。
この際、ジャッジは守備が手薄となった南側の隙を突き、撤退を行おうとしている。
・ビッグ・マム到来を確認したジンベエが、「わしは生きて戻るとルフィに約束した」と、皆で生きてナワバリを脱する事をアラディン達に告げるシーン追加。
・撤退を始めるジェルマ66やタイヨウの海賊団に対し、スムージー、ダイフク、オーブンがそれぞれ攻撃を仕掛ける描写追加。
・敵のパドルシップからの砲撃を受け、ジェルマ66の旗が吹き飛ばされる描写追加。
・ナワバリ脱出に成功した麦わらの一味のシーンのナレーションにて、「強力な後ろ盾を得て」という部分が「タイヨウの海賊団、ジェルマ66、そして命を散らした者たちの思いを背負い」という文言に変更。
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介
・ナミとブルックの、ナワバリに残ったジンベエ達の身を心配する会話追加。
・ルフィ達がナワバリを抜けるシーン及び、ジンベエ達のもとにビッグ・マムが到来するシーンのナレーションが、
壤晴彦氏、野々村彩乃氏、ホーミーズの歌う「ソウルポーカス~女王の
・上記挿入歌の最中、ジャッジがジェルマ王国の城の前に立つカット追加。
・崩壊したホールケーキ城の残骸の中に置き捨てられた一丁の銃が描かれるカット追加。以前の登場時とは細部が異なるデザインとなっているが、プリンがサンジ暗殺のために使用したウォーカーという銃だと思われる。
・カカオ島の路地裏で泣くプリンのもとに、一粒のわたあめ雪が降り注ぐ描写追加。
・原作の同シーンでは海中で戦うのみだったジンベエが、敵船の上にて武装色の覇気と魚人空手を用いて敵兵を圧倒する描写追加。
その後“魚人空手奥義 武頼貫”を放ち、敵船を破壊している。
・麦わらの一味の所在を問うモンドールに対する船員の返答が、原作の「見失いました!!」から「追撃隊からの応答なし! どうやら見失った模様です!」という推測を交えたものに変更。
・サンジにキスをしたと思われる瞬間のシーンにて、瞑られたプリンの第3の目および、サンジの背に回した腕の描写が追加。
・麦わらの一味がナワバリを脱出したという報告を聞いた際、モンドールが絶叫するシーンおよびオーブンが怒りの形相を浮かべるカット追加。
・イチジからの撤退命令を聞き、戦闘中のニジ、ヨンジ、レイジュが「了解」と返答するシーン追加。
この際、ニジは合体した10つ子と戦っていた事が判明している。
・ブリュレがカタクリの応急処置をするシーンにて、タオルを枕替わりとしカタクリの頭に挟ませてやる描写および、カタクリの身体を拭く描写追加。
・幼少期のカタクリが「フクロウナギ」と罵られた際、笑みを浮かべながら「ぶっ飛ばす」と追いかけるシーン追加。
・カタクリがブリュレのケガを知る際のシーンが、ドーナツを食べている最中に偶然騒ぎを聞きつけるという描写に変更。
・自分の行動がきっかけでブリュレが傷つけられた事を知ったカタクリが、手にしたドーナツを握り潰してしまう描写追加。
・ブリュレにケガを負わせた犯人達は、原作ではカタクリが姿を現した時点で怯えた様子を見せていたが、アニメでは「待ってたぜカタクリ」と武器を構えて応戦する対応を取っている。
またカタクリが彼らに仇討ちをする際、覇王色の覇気の片鱗と思われる赤黒いエフェクトを纏う演出が追加。
・イチジ達がジェルマの城へと帰還するシーン及び、ジェルマ66とタイヨウの海賊団がそれぞれ撤退を開始するシーン追加。
この際、ジャッジは守備が手薄となった南側の隙を突き、撤退を行おうとしている。
・ビッグ・マム到来を確認したジンベエが、「わしは生きて戻るとルフィに約束した」と、皆で生きてナワバリを脱する事をアラディン達に告げるシーン追加。
・撤退を始めるジェルマ66やタイヨウの海賊団に対し、スムージー、ダイフク、オーブンがそれぞれ攻撃を仕掛ける描写追加。
・敵のパドルシップからの砲撃を受け、ジェルマ66の旗が吹き飛ばされる描写追加。
・ナワバリ脱出に成功した麦わらの一味のシーンのナレーションにて、「強力な後ろ盾を得て」という部分が「タイヨウの海賊団、ジェルマ66、そして命を散らした者たちの思いを背負い」という文言に変更。
【感想・妄想】
■ホールケーキアイランド編・エピローグ
ONE PIECEの物語においては、章ごとの戦いが終わった後にナレーションによるエピローグが語られる事が多い。
今回のWCI編に関しては、そんなエピローグの中でもかなり特殊……というか、語られる内容が全てミュージカル調の楽曲と化した。
原作においても言葉の語尾に「♪」がついていたため、これは原作をそのまま踏襲した演出であると言える。
楽曲のタイトルは「ソウルポーカス~女王の言葉~」。
歌っているのは壤晴彦さんと野々村彩乃さん(+ホーミーズ)で、壤さんと言えばビッグ・マム海賊団総料理長であるシュトロイゼンの声優を務めるお方。
本人の出番は全然なかったけど、まさかこの最終局面で大役を果たす事になるとは。
楽曲の内容に関しては、これはもう実際に聞いて貰う他にないので多くは語らないが、個人的に言えるのは、ミュージカル風の世界観を幾度も構築してきたWCI編のクライマックスとしては最高峰の仕上がりだったんじゃないかな、と。
物語全体を通して明るくも狂気を孕んだ雰囲気の楽曲が多かった中、トリを務める今回の曲は、「ペドロの死」「プリンの悲恋」「ジンベエ達の安否」など、ONE PIECEという作品を通しても珍しい程に「気持ちの良い大団円」とは行かなかったWCI編の物語を象徴する様に、重たく切ない曲調となっていた。
普段のONE PIECEとは一線を画した演出だが、ホールケーキアイランド編との相性は中々に良いものだったと思う。
音楽をバックにしたシーンが多かった影響もあって、普段に比べて目立った原作との差異は少なめ。
ゆえに、ぶっちゃけるとそんなに語る事がない。
いや勿論、キャロットの泣きのシーンとかプリンの別れとかカタクリとブリュレのアレとか、見どころはいっぱいあるし気合いの入った作りになってはいるんだけど、これらは「原作の良さをそのままに、より良い演出で描く」みたいな雰囲気なんで、今になってあえて喋る事もないのよね。
良いクライマックスを迎えてくれたのは視聴者としては嬉しいところだが、感想を書く身としてはツッコミ所が少なくて辛いところがあるというジレンマね。
■ジェルマ王国に立つジャッジ
こないだまでは元将星のスナックさんと戦ってたハズのジャッジだが、今回は歌の中で城をバックに佇んでいたり撤退指示を出したりするぐらいで、戦闘描写はなかった。
この雰囲気だと、既にスナックとの戦闘は終了していそうな感じ。スナックさん自身には出番がなかったけれど、まさかジャッジ、スナックを跳ね除けたのか……?
レイドスーツを着ているとはいえ、ジャッジ自身の戦闘力はイチジらには及ばないものだと思う(ジャッジが彼らより強かったら改造手術の意味がない)けれど、それで元将星と互角以上に戦えたのだとしたら凄い。
カタクリ相手にはボロ敗けだったイチジだが、クラッカーぐらいだったら普通に倒せちゃったんじゃないだろうか。
逆に言えば、現時点でのスナックさんの実力としてはジャッジ相手に押し切る事ができない程度という事なのかもしれない。
まあ、キッドやウルージとの戦いで受けたダメージが治りきっていないんだと、寛大な目で見ておこう。
……いや、ジャッジもだいぶ手負いの身なんだけどね。
■打ち捨てられたウォーカー
エピローグの楽曲シーンにて、サンジとプリンのカットが入る直前に差し込まれた、崩壊したホールケーキ城の中に置かれた拳銃。
何故か細部の色合い等が微妙に違っているが、銃の模様や演出的にも、これはプリンが茶会でサンジを暗殺する為に使用したウォーカーという銃だと思われる。
ダイフクに引っ叩かれた時に落として、そのまま放置されたんだろう。
ビッグ・マムの操り人形として、サンジを殺そうとしたプリン。今回2人の姿が映される前に、置き捨てられたこの拳銃が描かれたのは、暗にビッグ・マムの操り人形として生きて来たプリンが、サンジとの出会いによって操り人形からの脱却の意志が芽生えた事を示しているんではないかと思う。
蔑まれて来た過去の体験から、自分を「醜いバケモノ」と認識していた彼女は、自分を偽り、ビッグ・マムの言いなりに動く以外の生き方を知らなかった。だがそのトラウマのきっかけである額の瞳を、サンジから「美しい」と称された事で、彼女の心にも少なからず変化が訪れているんだろう。単に仲良くメロリンしてるだけのお笑いカップルではなかったのだ。
とはいえ、その反抗の意志はまだ小さなものだろうし、サンジが旅立ってしまった今、彼女個人の力でビッグ・マムに抗う事ができるのかと言えば、難しいところなのだろうけど。
プリンが真に救われるには、やはりサンジとの再会は必須事項だと思われる。
今回をもってサンジはトットランドを脱し、プリンともしばらくの別れという事になる。
アニメではここで、ナワバリの出口付近に降るはずのわたあめ雪が、一粒だけプリンのもとにも降り注ぐという演出が施されていた。
サンジの頭上に降っていた筈の、わたあめ雪。これがプリンのもとにも現れる……というのは、あくまでも演出上のものに過ぎないのだろうけれど、離れた場所にいても、記憶の一部を抜き取られても、心の繋がりまでは途切れてはいないという感じがして、少しだけ救われた気がしたかな。
■ニジ VS 10つ子
あ、キミ達まだ戦ってたのね。
てっきりイチジの火花フィガー喰らってノックアウトしてたのかと。
ていうかこの子ら、何気にタフですよね。スーロン化したペコムズの攻撃をモロに喰らって、そこからずーーっとジェルマと戦いっぱなしだし。
やっぱ合体の影響で、スタミナとかも10倍になってるのかしら。
まあ、ぶっちゃけ出番の割に、めぼしい戦果は全然あげられてないんだけどね。
合体すると喋らなくなっちゃうもんで、個々に存在してた時の様な愛嬌がなくなるのも痛い。やっぱバラバラに戦ってくれた方が良かったのかもしれない。強くはないけど。
■フクロウナギ
カタクリが口元を隠すのも、完璧な男を演じるのも、自らのためではなく弟妹達を守るためだった。
子供の頃には口を隠す事もなく、ありのままの自分として生きていたカタクリ。「笑うやつはぶっ飛ばす」とは言っていたが、実際に「フクロウナギ」と暴言交じりに逃げていくチンピラ達に対しては笑みを浮かべながら追撃していたところを見ると、バカにされた事にムカついてぶっ飛ばしていた、という感じはしない。
どちらかと言えば、ケンカを売ってくる者や笑ってくる者を叩きのめすのも、楽しんでいたんじゃないだろうか。ルフィとのバトルをあそこまで楽しんでいた辺りを見ても、元々の気質が戦闘狂タイプなのは間違いないだろうし。
しかし、その生来の気質が思わぬ不幸を生む。
彼が叩き潰したチンピラ達の反撃の矛先が、妹のブリュレに向いたのだ。
アニメ版の雰囲気では、腹いせや仕返しというよりはブリュレを傷つける事でカタクリを誘き出したという感じなのかもしれない。まあ、カタクリが復讐に来た段階でビビり散らかしてた原作の描写だと、「いや妹に手出せばそういう結果になるの目に見えてるでしょ」感があったので、こっちの方が説得力はある。
そしてこの日から、カタクリは変わった。
自分が嘲笑われる要因であった口を隠し、鬼神の如き圧倒的な強さと冷酷さを見せつける事で、誰も自分の大切な人に手出しのできない状況を作り上げた。
それは勿論、家族を守りたいという思いからだった。
だがそこには、自分への戒めの様なものもあったんじゃないだろうか。自分を嘲笑う者を叩き潰す事を楽しんでいた……いうなれば、自分のエゴの様なものが原因で、家族を傷つける結果となってしまった。
彼が他者の前において自分を律し、約40年にも渡り偽りの姿を演じ続けるという苦難の道を選んだのは、その事に対する自責の念も含まれていたのかもしれない。
……あとどうでも良いけど、子供の頃に持ってた“土竜”の柄、ずいぶんと短いっすね。
アレ意外と、魔法の天候棒よろしく長さ調節が可能なのかしら。だからあんな長さなのに、腕に収納したり出来る様になってたのかな。
■ホールケーキアイランド編・エピローグ
ONE PIECEの物語においては、章ごとの戦いが終わった後にナレーションによるエピローグが語られる事が多い。
今回のWCI編に関しては、そんなエピローグの中でもかなり特殊……というか、語られる内容が全てミュージカル調の楽曲と化した。
原作においても言葉の語尾に「♪」がついていたため、これは原作をそのまま踏襲した演出であると言える。
楽曲のタイトルは「ソウルポーカス~女王の言葉~」。
歌っているのは壤晴彦さんと野々村彩乃さん(+ホーミーズ)で、壤さんと言えばビッグ・マム海賊団総料理長であるシュトロイゼンの声優を務めるお方。
本人の出番は全然なかったけど、まさかこの最終局面で大役を果たす事になるとは。
楽曲の内容に関しては、これはもう実際に聞いて貰う他にないので多くは語らないが、個人的に言えるのは、ミュージカル風の世界観を幾度も構築してきたWCI編のクライマックスとしては最高峰の仕上がりだったんじゃないかな、と。
物語全体を通して明るくも狂気を孕んだ雰囲気の楽曲が多かった中、トリを務める今回の曲は、「ペドロの死」「プリンの悲恋」「ジンベエ達の安否」など、ONE PIECEという作品を通しても珍しい程に「気持ちの良い大団円」とは行かなかったWCI編の物語を象徴する様に、重たく切ない曲調となっていた。
普段のONE PIECEとは一線を画した演出だが、ホールケーキアイランド編との相性は中々に良いものだったと思う。
音楽をバックにしたシーンが多かった影響もあって、普段に比べて目立った原作との差異は少なめ。
ゆえに、ぶっちゃけるとそんなに語る事がない。
いや勿論、キャロットの泣きのシーンとかプリンの別れとかカタクリとブリュレのアレとか、見どころはいっぱいあるし気合いの入った作りになってはいるんだけど、これらは「原作の良さをそのままに、より良い演出で描く」みたいな雰囲気なんで、今になってあえて喋る事もないのよね。
良いクライマックスを迎えてくれたのは視聴者としては嬉しいところだが、感想を書く身としてはツッコミ所が少なくて辛いところがあるというジレンマね。
■ジェルマ王国に立つジャッジ
こないだまでは元将星のスナックさんと戦ってたハズのジャッジだが、今回は歌の中で城をバックに佇んでいたり撤退指示を出したりするぐらいで、戦闘描写はなかった。
この雰囲気だと、既にスナックとの戦闘は終了していそうな感じ。スナックさん自身には出番がなかったけれど、まさかジャッジ、スナックを跳ね除けたのか……?
レイドスーツを着ているとはいえ、ジャッジ自身の戦闘力はイチジらには及ばないものだと思う(ジャッジが彼らより強かったら改造手術の意味がない)けれど、それで元将星と互角以上に戦えたのだとしたら凄い。
カタクリ相手にはボロ敗けだったイチジだが、クラッカーぐらいだったら普通に倒せちゃったんじゃないだろうか。
逆に言えば、現時点でのスナックさんの実力としてはジャッジ相手に押し切る事ができない程度という事なのかもしれない。
まあ、キッドやウルージとの戦いで受けたダメージが治りきっていないんだと、寛大な目で見ておこう。
……いや、ジャッジもだいぶ手負いの身なんだけどね。
■打ち捨てられたウォーカー
エピローグの楽曲シーンにて、サンジとプリンのカットが入る直前に差し込まれた、崩壊したホールケーキ城の中に置かれた拳銃。
何故か細部の色合い等が微妙に違っているが、銃の模様や演出的にも、これはプリンが茶会でサンジを暗殺する為に使用したウォーカーという銃だと思われる。
ダイフクに引っ叩かれた時に落として、そのまま放置されたんだろう。
ビッグ・マムの操り人形として、サンジを殺そうとしたプリン。今回2人の姿が映される前に、置き捨てられたこの拳銃が描かれたのは、暗にビッグ・マムの操り人形として生きて来たプリンが、サンジとの出会いによって操り人形からの脱却の意志が芽生えた事を示しているんではないかと思う。
蔑まれて来た過去の体験から、自分を「醜いバケモノ」と認識していた彼女は、自分を偽り、ビッグ・マムの言いなりに動く以外の生き方を知らなかった。だがそのトラウマのきっかけである額の瞳を、サンジから「美しい」と称された事で、彼女の心にも少なからず変化が訪れているんだろう。単に仲良くメロリンしてるだけのお笑いカップルではなかったのだ。
とはいえ、その反抗の意志はまだ小さなものだろうし、サンジが旅立ってしまった今、彼女個人の力でビッグ・マムに抗う事ができるのかと言えば、難しいところなのだろうけど。
プリンが真に救われるには、やはりサンジとの再会は必須事項だと思われる。
今回をもってサンジはトットランドを脱し、プリンともしばらくの別れという事になる。
アニメではここで、ナワバリの出口付近に降るはずのわたあめ雪が、一粒だけプリンのもとにも降り注ぐという演出が施されていた。
サンジの頭上に降っていた筈の、わたあめ雪。これがプリンのもとにも現れる……というのは、あくまでも演出上のものに過ぎないのだろうけれど、離れた場所にいても、記憶の一部を抜き取られても、心の繋がりまでは途切れてはいないという感じがして、少しだけ救われた気がしたかな。
■ニジ VS 10つ子
あ、キミ達まだ戦ってたのね。
てっきりイチジの火花フィガー喰らってノックアウトしてたのかと。
ていうかこの子ら、何気にタフですよね。スーロン化したペコムズの攻撃をモロに喰らって、そこからずーーっとジェルマと戦いっぱなしだし。
やっぱ合体の影響で、スタミナとかも10倍になってるのかしら。
まあ、ぶっちゃけ出番の割に、めぼしい戦果は全然あげられてないんだけどね。
合体すると喋らなくなっちゃうもんで、個々に存在してた時の様な愛嬌がなくなるのも痛い。やっぱバラバラに戦ってくれた方が良かったのかもしれない。強くはないけど。
■フクロウナギ
カタクリが口元を隠すのも、完璧な男を演じるのも、自らのためではなく弟妹達を守るためだった。
子供の頃には口を隠す事もなく、ありのままの自分として生きていたカタクリ。「笑うやつはぶっ飛ばす」とは言っていたが、実際に「フクロウナギ」と暴言交じりに逃げていくチンピラ達に対しては笑みを浮かべながら追撃していたところを見ると、バカにされた事にムカついてぶっ飛ばしていた、という感じはしない。
どちらかと言えば、ケンカを売ってくる者や笑ってくる者を叩きのめすのも、楽しんでいたんじゃないだろうか。ルフィとのバトルをあそこまで楽しんでいた辺りを見ても、元々の気質が戦闘狂タイプなのは間違いないだろうし。
しかし、その生来の気質が思わぬ不幸を生む。
彼が叩き潰したチンピラ達の反撃の矛先が、妹のブリュレに向いたのだ。
アニメ版の雰囲気では、腹いせや仕返しというよりはブリュレを傷つける事でカタクリを誘き出したという感じなのかもしれない。まあ、カタクリが復讐に来た段階でビビり散らかしてた原作の描写だと、「いや妹に手出せばそういう結果になるの目に見えてるでしょ」感があったので、こっちの方が説得力はある。
そしてこの日から、カタクリは変わった。
自分が嘲笑われる要因であった口を隠し、鬼神の如き圧倒的な強さと冷酷さを見せつける事で、誰も自分の大切な人に手出しのできない状況を作り上げた。
それは勿論、家族を守りたいという思いからだった。
だがそこには、自分への戒めの様なものもあったんじゃないだろうか。自分を嘲笑う者を叩き潰す事を楽しんでいた……いうなれば、自分のエゴの様なものが原因で、家族を傷つける結果となってしまった。
彼が他者の前において自分を律し、約40年にも渡り偽りの姿を演じ続けるという苦難の道を選んだのは、その事に対する自責の念も含まれていたのかもしれない。
……あとどうでも良いけど、子供の頃に持ってた“土竜”の柄、ずいぶんと短いっすね。
アレ意外と、魔法の天候棒よろしく長さ調節が可能なのかしら。だからあんな長さなのに、腕に収納したり出来る様になってたのかな。
【登場した技】
・魚人空手奥義 “武頼貫”
使用者:ジンベエ
※アニメオリジナルシーン
サニー号を逃がすための殿としてナワバリ内に残ったジンベエが、ビッグ・マム海賊団との戦いにて使用。跳躍と共に空中から拳を繰り出し、敵のパドルシップを破壊した。
・熱海万来
使用者:オーブン
※アニメオリジナルシーン
※技名の宣言なし
ビッグ・マムの到来後、撤退を開始するタイヨウの海賊団への攻撃として使用した。
・魚人空手奥義 “武頼貫”
使用者:ジンベエ
※アニメオリジナルシーン
サニー号を逃がすための殿としてナワバリ内に残ったジンベエが、ビッグ・マム海賊団との戦いにて使用。跳躍と共に空中から拳を繰り出し、敵のパドルシップを破壊した。
・熱海万来
使用者:オーブン
※アニメオリジナルシーン
※技名の宣言なし
ビッグ・マムの到来後、撤退を開始するタイヨウの海賊団への攻撃として使用した。
【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・岡村明美
サンジ・・・・・・平田広明
チョッパー・・・・大谷育江
ブルック・・・・・チョー
ビッグ・マム・・・小山茉美
ジンベエ・・・・・宝亀克寿
プリン・・・・・・沢城みゆき
キャロット・・・・伊藤かな恵
ペドロ・・・・・・三木眞一郎
カタクリ・・・・・杉田智和
ブリュレ・・・・・三田ゆう子
ペロスペロー・・・内田夕夜
モンドール・・・・伊丸岡篤
ジャッジ・・・・・堀秀行
レイジュ・・・・・根谷美智子
イチジ・・・・・・杉山紀彰
ニジ・・・・・・・宮内敦士
ヨンジ・・・・・・津田健次郎
ニトロ・・・・・・粗忽屋東品川店(山口勝平)
ラビヤン・・・・・岡本寛志
アラディン・・・・長嶝高士
ブラウニー・・・・宮崎寛務
ゼフ・・・・・・・樋浦勉
パティ・・・・・・稲田徹
カルネ・・・・・・里内信夫
船長・・・・・・・藤原貴弘
チンピラボス・・・川原慶久
女性・・・・・・・祖山桃子 鶴田真希
男の子・・・・・・石橋桃
兵士・・・・・・・荒井聡太 新井良平
ナレーション・・・大場真人
ルフィ・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・岡村明美
サンジ・・・・・・平田広明
チョッパー・・・・大谷育江
ブルック・・・・・チョー
ビッグ・マム・・・小山茉美
ジンベエ・・・・・宝亀克寿
プリン・・・・・・沢城みゆき
キャロット・・・・伊藤かな恵
ペドロ・・・・・・三木眞一郎
カタクリ・・・・・杉田智和
ブリュレ・・・・・三田ゆう子
ペロスペロー・・・内田夕夜
モンドール・・・・伊丸岡篤
ジャッジ・・・・・堀秀行
レイジュ・・・・・根谷美智子
イチジ・・・・・・杉山紀彰
ニジ・・・・・・・宮内敦士
ヨンジ・・・・・・津田健次郎
ニトロ・・・・・・粗忽屋東品川店(山口勝平)
ラビヤン・・・・・岡本寛志
アラディン・・・・長嶝高士
ブラウニー・・・・宮崎寛務
ゼフ・・・・・・・樋浦勉
パティ・・・・・・稲田徹
カルネ・・・・・・里内信夫
船長・・・・・・・藤原貴弘
チンピラボス・・・川原慶久
女性・・・・・・・祖山桃子 鶴田真希
男の子・・・・・・石橋桃
兵士・・・・・・・荒井聡太 新井良平
ナレーション・・・大場真人