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アニメ版 ONE PIECE
第881話
「動き出す 執念の新元帥サカズキ」 


【原作の対応話数】
90巻 第905話 2P~4P
およびインペルダウン編を元にした総集編

もくじ
あらすじ
原作からの変更点
感想・妄想
登場した技
声の出演



【あらすじ】
 頂上戦争の影響によって半壊した海軍本部に代わり、海軍G-1支部と位置を入れ替える形で新設された、新たなる正義の砦「ニューマリンフォード」。
 そこに君臨する新元帥・サカズキのもとに、一報が届く。

 「藤虎が聖地マリージョアに現れた」。
 その知らせを聞き、サカズキは激怒する。ドレスローザでの一件により、藤虎には「ルフィとローの首を取るまで、軍の敷居は跨がせない」という命令を送っていたからだ。
 サカズキは同じくマリージョアにいるという海軍大将・緑牛に、藤虎を追い返すよう命ずる。

 苛立つサカズキは、ボルサリーノと共に2年前の事件を思い出す。
 大海賊時代を終わらせるべく、海軍本部が総力をもって引き起こした“頂上戦争”。白ひげが死んだ今も、大海賊時代の渦は留まることなく、巨大化していた。
 この荒れ狂う新世界の海に、前元帥センゴクは、穏やかならぬものを感じ取るのだった。



【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介


・サカズキがTボーンから「藤虎がマリージョアに現れた」との報告を受けている際、
 部屋にボルサリーノが同席している様に変更。

・サカズキをからかうセンゴクが、海軍おかきを食べている様に変更。
 また連れているヤギも何かを咀嚼している。

・サカズキがTボーンに対し、マリージョアの緑牛に「藤虎の面見たら追い返せ」との伝言を伝える様に命じるセリフ追加。

・サカズキが「どいつもこいつも…」と言いながら、
 ルフィの手配書およびその下にあった紙を握りつぶす描写追加。
 
・サカズキが部屋で爪切りをしているボルサリーノに、
 「おどれもさっさと戻らんかい」というセリフ追加。

・ボルサリーノの「おかしいよねぇ あの麦わらが15億だもんねぇ」というセリフ追加。
 またその直後、サカズキが自身の拳を燃やしながら、
 「あのガキ…あんとき 何としてもブッ潰しておくべきじゃった」というセリフ追加。

・サカズキの「何が大海賊時代じゃ 2年前のあの日…終わるはずじゃった。わしら海軍が 終わらせたはずじゃった」というセリフ追加。

・エースの死亡シーンの回想追加。
 またニューゲートの死亡直前、「世界中を巻き込む程の巨大な戦い」に関する言葉を遺すシーンの回想追加。

・センゴクがルフィの手配書を破き、連れているヤギに食わせているシーン追加。
 またその際、センゴクの「分かるか? 渦は広がり続けている。2年前はまだ、小さかった渦だ。そして今、大海賊時代の渦が、こうまで大きくなるとは」というセリフ追加。

・エースの手配書が映されたカット追加。
 またそこから、インペルダウン編~マリージョア編の総集編へ突入。

・インペルダウン編を回想しながら、センゴクが
「恐るべきは、やつが動けばおのずと起こる奇跡。その最たるものが正義の門」と語るシーン追加。
 その後、ボン・クレーが監獄に残り正義の門を開けるシーンの回想挿入。


■総集編に使用されたシーン

・ルフィがグロリオーサに、エースを助けに行きたいと懇願するシーン
・ドミノを石化させた後、ハンコックの服の中からルフィが姿を現すシーン
・ルフィとバギーが、同時にブルゴリを殴り飛ばすシーン
・Mr.3およびボン・クレーが、ルフィと合流した際のシーン
・マゼランの“毒の道ベノムロード”使用シーン
・マゼランがツノ状の武器を取り外し、ルフィを攻撃するシーン
・ルフィが腕を失う覚悟で、マゼランに“ゴムゴムのJETバズーカ”を撃ち込むシーン
・ルフィが“毒竜”の前に力尽きるシーン
・イワンコフがルフィに治療を施すシーン
・「“奇跡”ナメんじゃないよォ!!!」のシーン
・ルフィが毒に打ち勝った瞬間
・ルフィ、イワンコフ、イナズマがLEVEL6に到達するシーン
・ルフィとジンベエの出会い
・ルフィが海軍本部へ向かう意志を固めるシーン
・ジンベエ、クロコダイル、ダズを加え、地上へ向けて走るシーン
・ボン・クレーの捨て身の策により、正義の門を開けさせるシーン
・ルフィとボン・クレーの別れの会話
・海軍本部に集結した、三大将、七武海を始めとした戦力が映されるシーン
・センゴクがエースの実父について暴露するシーン
・モビーディック号が海中から姿を現すシーン
・「おれの愛する息子は無事なんだろうな」のシーン
・ニューゲートが“海震”により津波を起こすシーン
・白ひげ海賊団が戦場へと上陸するシーン
・スモーカー、たしぎが海賊の迎撃に出るシーン
・ラクヨウが鉄球を振るうシーンおよびナミュールが海兵を殴り飛ばすシーン
・ミホークの斬撃をジョズが止めるシーン
・ボルサリーノの“八尺瓊曲玉”をマルコが止めるシーン
・ハルタが斬撃により、敵海兵の盾と頭髪を切断するシーン
・ブラメンコが巨大な木槌で敵海兵を薙ぎ払うシーン
・ルフィがマリンフォードの戦場へと落下してくるシーン



【感想・妄想】
■オープニング映像

 本日の週替わり差し替え分はこちら。

・ブチキレるサカズキさんの部屋を覗き込むセンゴク
・爪を切ってるボルサリーノ
・サカズキとボルサリーノが横並びに立っているシーン
・エースの手配書のカット
・インペルダウンでのルフィとバギー
・頂上戦争にて海震を起こすニューゲート
・「お前の父親は“海賊王”ゴールド・ロジャーだ」のシーン

 
■総集編

 前々回やその前など、世界会議編では各キャラクターの回想シーンが多めに含まれる傾向にあったが、
 今回は丸々1話ほとんどが、インペルダウン~マリンフォードの回想シーンとなっている。

 原作の進行度は驚異の3ページ。
 その内容も終始サカズキがブチギレているシーンなので、サカさんの血管が心配になる事請け合いだ。
 結構イイ年齢になってるし、自身の血圧を労わってあげた方が良いと思う。

 回想シーンに関しては、
 一応新規に映像が描き起こされていたシャンクスやコビーの回想とは異なり、
 基本的にTVアニメ版の映像を切り貼りしたものとなっている。
 ので、まあ実質的な総集編って感じですね。
 たぶん、来週も半分くらいはこんな感じだろう。

 音声に関しても、ほとんどが過去のTVアニメそのままとなっている為、
 今は亡きニューゲート役の有本欽隆氏の声をそのまま聴く事ができる。
 ニューゲートは今後もゲームなどに登場するだろうから、
 いつかは新規の役者さんが就く事になるだろうが、今回はまだお預けと言った感じだ。

 ただし、すでに頂上戦争時からキャストが変更済みであるセンゴク、ボルサリーノに関しては、
 回想シーン内のセリフであっても、役を引き継いだキャストによる撮り直しが行われている様だ。



■ボルサリーノ役:置鮎龍太郎

 2018年に亡くなられた石塚運昇氏が役を担当していたボルサリーノだが、
 今回より2代目として置鮎龍太郎氏が声をあてる事となった。
 ONEPIECEではカクの役もやってらっしゃる方ですね。

 この回の原作では登場していなかったボルサリーノをあえて登場させたのも、
 新規キャストとなったボルサリーノを少しでも登場させ、視聴者に馴染ませておきたいという意図があるのかもしれない。
 原作の世界会議編だと一言しか喋らないからね、ボルサリーノ。


 そして役を引き継いだ置鮎氏の芝居だが、
 これがまた見事に旧キャストの特徴を受け継いだものとなっている。
 私が声優事情に明るくないのもあるが、油断してると「え、ほんとに変わった?」と思ってしまう程に似ていると思う。

 別にキャスト変更があったからと言って旧キャストに寄せる事ばかりが全てではないと思うが、
 ボルサリーノはその口調があまりにも特徴的であった為、慣れるまでは違和感が拭い切れないものと思っていた。
 そこに来ての今回の芝居であった為、正直ビックリした。
 回想内の“八尺瓊曲玉”のセリフなど、本放送版と聞き比べてようやく差し替えられている事に気付いたぐらいだった…。

 あくまでも別の役者が演じている以上、もっと長尺のセリフになれば細かい違いが出てくるのかもしれないが、
 少なくとも今回を見た限りでは、「声や芝居が合わない」という不安はなさそうかな。

 ボルサリーノは今後も本編やゲームでの出番が多く訪れると思うので、その時が楽しみ。
 欲を言うなら、カクにもバーター的な出番をあげて欲しい。
 あいつ、人間形態で動かせるゲームが、未だにギアスピリットしかないんだよな……。



■Tボーン大佐

 漫画版ではかなり小さく描かれていた為、「気づく人は気づく」程度の出番だったTボーンさん。
 アニメではきちんとクレジットにも名前が載り、分かりやすい御出演となりました。お久しぶりです。

 まあサカさんへの報告役として出て来た程度で、大した事はしてないんですが、
 イッショウの屁理屈を「完璧なる理論武装」と言ってるのが面白い。
 「曲がった事が大嫌い」なTボーンさん、真っすぐすぎて騙されやすい。詐欺とかに気を付けて欲しい。

 ……というかコレ冷静に考えると、マリージョアでイッショウの応対をしたのはTボーンさん自身って事よね。
 で、そのまま自らニューマリンフォードへ足を運び、サカズキに報告を入れたと。

 マリージョアとニューマリンフォードはパッと見は目と鼻の先にあるとはいえ、わざわざボンドラの上り下りをして要塞へ向かうのは、そこそこの時間がかかりそうだ。
 ニューマリンフォードだって狭かないんだし……電伝虫でも入れて、誰か代わりの者を寄越せば良かったのにな。
 そうしないで自ら報告に向かう辺り、バカ正直なTボーンさんらしい。
 多分、他の者が代わりに怒られる事になるのを嫌ったんだろう。良い人だ。



■サカズキ「何が大海賊時代じゃ…2年前のあの日、終わるはずじゃった」

 そうだっけ!?
 むしろ大海賊時代を激化させる覚悟で、白ひげ討伐に臨んでなかったっけ?

 この口ぶりだと、サカズキの中では「大海賊時代」=「白ひげの時代」……だったのか……?
 いやでもアンタ、ニューゲートのこと「先の時代の敗北者」って……。アレはツンデレか何かだったのか……?



■センゴク「やつが動けば おのずと起こる奇跡」

 センゴクが語る、ルフィが動く事によって起こる「奇跡」。
 その最たる例として紹介されたのが、ボン・クレーによってインペルダウンの「正義の門」が開いた事だったのだが、これに関してはちょっとモノ申したい。

 確かに、正義の門が開いたのはルフィにとって予期しない事だった。
 ルフィだけの力ではどうしようもない事だったし、アレがなければ、ルフィはマリージョアに辿り着くことさえ出来なかった。

 だがコレは、ボン・クレーが決死の想いでルフィを行かせようとした事による、いわば必然
 これまでの旅の中で他者との関係性を育み、またルフィ自身が「命を賭けるに値する」と思わせる様な男であったからこそ起きた、積み重ねの結果であると思う。

 「奇跡」というのは運や偶然がもたらす「本来あり得ない事」を呼ぶのであって、ボン・クレーの捨て身の行動が生み出したこの結果は、奇跡などというぬるい言葉で片づけられるものではないのだ。


 奇跡と呼ぶなら、インペルダウンを脱した先に配置される、マリンフォードへと向かうための正義の門の方が開いた事だろう。

 本来なら、インペルダウン脱獄組の中にあの門をどうにか出来る者はいなかった。
 たまたま黒ひげ海賊団がマリンフォードで事を起こす計画を立てており、
 たまたまラフィットが海兵にかけた催眠が「全ての軍艦を通すこと」という内容だったから、あの門は開いたのだ。
 例えば門を開くタイミングなどの制約をかけていただけでも、ルフィ達はマリンフォードへ向かう事はできなかった。奇跡と呼ぶなら、圧倒的にこっちの方が相応しいだろう。



■サブタイトル

 「動き出す新元帥」という事だが、特に動かなかった。
 ついでに言えば、話も動かなかった。

 ……いや、原作ではイスから一歩も動かずブチギレてただけの出番だった事を思えば、動いた方かもしれない。部屋の中、歩き回ってたし。

 原作からして、ビッグ・マムとカイドウの動きを感知したサカズキが取った結論は「静観」だったので、恐らく当分「動き出す」事はないだろう。
 執念を燃やしながらも冷静でいなきゃならないのが、「元帥」という役職の苦労である。



【登場した技】 
毒の道ベノムロード
使用者:マゼラン

 回想シーン内で使用。
 “毒竜”の内部を経由し、ルフィの前へと瞬時に移動した。
 使用されたシーンは、原作第534話(TVアニメ第435話)のもの。


ゴムゴムのJETバズーカ
使用者:ルフィ

 回想シーン内で使用。
 身体に毒を纏うマゼランに対し、腕を失う覚悟で攻撃を撃ち込み、ヒザをつかせた。
 使用されたシーンは、原作第534話(TVアニメ第435話)のもの。


毒竜ヒドラ
使用者:マゼラン

 回想シーン内で使用。
 “ドクドクの実”の能力で生み出した三つ首の流を象った毒でルフィを飲み込み、その身体を猛毒に犯した。
 使用されたシーンは、原作第535話(TVアニメ第436話)のもの。


八尺瓊曲玉
使用者:ボルサリーノ

 回想シーン内で使用。
 “ピカピカの実”の能力によるレーザーの乱射でニューゲートを狙ったが、マルコに阻まれた。
 使用されたシーンは、原作第553話(TVアニメ第463話)のもの。


大噴火
使用者:サカズキ

 回想シーン内で使用。
 “マグマグの実”の能力により、右腕を巨大なマグマの拳へと変え、ジョズの投擲した氷塊を蒸発させた。
 更に拳から飛んだ多数の火山弾により、モビーディック号に攻撃を加えている。
 使用されたシーンは、原作第554話(TVアニメ第463話)のもの。



【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓

センゴク・・・・・大川透
サカズキ・・・・・立木文彦
Tボーン・・・・・西村知道
黄猿・・・・・・・置鮎龍太郎
藤虎・・・・・・・沢木郁也
白ひげ・・・・・・有本欽隆
エース・・・・・・古川登志夫
ガープ・・・・・・中博史
バギー・・・・・・千葉繁
ミホーク・・・・・掛川裕彦
たしぎ・・・・・・野田順子
ジンベエ・・・・・宝亀克寿
Mr.3・・・・・・・檜山修之
ボンクレー・・・・矢尾一樹
マゼラン・・・・・星野充昭
イワンコフ・・・・岩田光央
イナズマ・・・・・浜田賢二
ジョズ・・・・・・長嶝高士

ナレーション・・・大場真人