週刊少年ジャンプ2019年22・23合併号分の感想です。
 ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
「九里」の山火事
兎丼の処刑
北の墓場
“丑三つ小僧”の正体  



「九里」の山火事

 第929話にて、ミンク族達が百獣海賊団の資源を盗み出した際、
 あたかもアシュラ童子たち「頭山盗賊団」の仕業であるかの様に見せかける策を取っていたが、今回はその策に進展が。

 策は見事にハマッた様で、盗みの犯人を勘違いしたホールデムの部下が放った火により、盗賊団のアジトは焼失。
 怒ったアシュラ童子は、何も知らぬままホールデムのいる博羅町を潰しに向かうと。

 この策はイヌアラシ錦えもんの合同策なんですかね。
 オロチに頭脳の方を買われていた錦えもんだが、なんだか初めて参謀らしい働きを見せた気がする。

 
 しかしこの作戦はそもそも「アシュラ童子を味方に引き込む」という目的の為に実行されているが、この流れで彼は味方側についてくれるんだろうか。
 博羅町に手を出させ、カイドウと戦う以外の道をなくさせるつもりなのかもしれないが、
 アシュラ童子にとって「カイドウと対立する=錦えもん達と協力する」という図式はそう簡単に成り立ちそうもないなぁ。
 彼に協力を承諾させる手立ては、何か用意されてるんだろうか。

 
 まあ何にしても、ジャックと互角にやり合っていたアシュラ童子をホールデムが止められるワケはないので、流石に今度ばかりはリタイアの運びになりそうですね。
 ルフィにブッ飛ばされた後もしぶとく生き残ってたけど、まあよく耐えた方だよ。

 博羅町はジャックの管轄だったけれど、
 アシュラVSジャックの再戦が博羅町で描かれる可能性もあるのかな。
 しかしそうなると、錦えもんとイヌアラシもそちらへ向かっている以上、戦局としては非常にジャックの不利。
 クイーンさんの生存率の方も非常にヤバい状況だし、
 流石に決戦前に大看板3人のうち2人が落ちるのは流石にないと思うが……。

 ジャックOUTの、クイーンは何とか生き残るパターンもありうるかな。
 暴走ビッグ・マムが勝手に敵幹部を倒しちゃうよりは、
 きちんとイヌアラシがジャックにリベンジする展開の方が、見てて気持ち良くもあるし。




兎丼の処刑

 ただでさえビッグ・マムの接近によって危うい状況にある兎丼の囚人採掘場だが、
 ルフィとヒョウ五郎がおしるこを食い尽くしてしまった事でより絶望的な流れに。
 たぶん、雷ぞうが盗み出して来たのかな。

 ヤバすぎる状況なのに、現場の誰一人としてその事に気付いていないというのが、
 何が起こるか分からない緊迫感を高めていて面白い。
 「目当ての食べ物が食べられない」時のビッグ・マムの恐ろしさはよく分かっているので、
 後はその習性が、記憶喪失中の今も発揮されるか否かですかね。


 兎丼内で起こっている危機はそれだけではなく、
 カイドウからの通信により小紫の死をクイーンが知ってしまった。
 正直今のところ全然そんな印象はないが、キレたクイーンは何をするか分からないという事なので、
 ルフィ達は「記憶喪失のビッグ・マム」「ブチギレたクイーン」の板挟みになっていくんだろう。

 当初の予定ではジワジワといたぶっていく予定だったが、ルフィ達がおしるこを盗み食った事を知ったクイーンが、
 ババヌキやダイフゴーを飛び越して処刑場に立つ事も考えられるかなぁ。
 で、キレたクイーンと互角に戦っている内に、ビッグ・マムが乱入すると。

 仮にビッグ・マムが食いわずらいを起こした場合、
 ルフィの性格的を考えるとおしるこを食べつくしてしまった罪滅ぼしから、ビッグ・マムの目を自分に引きつけて戦いになる可能性もあるかも。
 まあ、あくまでも敵地ち割り切って、気にせず撤退するかもしれないけど。




北の墓場

 ワノ国動乱図では「ウソップ達と共にえびす町にいる」事になっていたブルックさん、北の墓場にいました。
 ナミ達を追って花の都へ→会えずに墓場に戻る
 という流れだった様なので、どうやらえびす町には一度も寄って無さそうですね。

 これにより動乱図の間違いは、「日和=小紫」の事実を先走ってしまった事に加えて2つ目となりました。おめでとうございます。
 ……大丈夫なんだろうか。編集さん、疲れてんのかな。


 話を戻すと、北の墓場ではなんかゾロがラブコメ主人公みたいな状態になっていた。
 ハンコックやプリンとの色恋に纏わる絡みがあったルフィ・サンジに比べ、
 ゾロはあまり浮いた話がなかったからなぁ。たしぎ、ウィッカ、ペローナなんかとの関わりがあるぐらいで。

 話が進んでいくと、日和がゾロにとってのヒロイン枠になったりするのかしら。
 ……うん、微妙に無さそうだな。
 なんか日和さんも、「自分の添い寝の価値をきっちり理解している」という小紫の片鱗を覗かせて来てるし。
 この子の本性はどちらにあるのか。


 そんな日和&トコだが、都で捕まったという“丑三つ小僧”の正体を聞くや否や、北の墓場を飛び出して行ってしまった。

 個人的には、ゾロがおいはぎ橋を訪れた(=日和と出会った)のはトの康の計算によるものという説を推しているのだが、
 日和がゾロに護衛をお願いするでもなく飛び出してしまった辺り、ゾロと出会ったのは「日和の視点では」偶然という事なのかな。
 まあ、ゾロの性格を何となく察し、「頼まなくても追って来てくれる」と考えたのかもしれないけど。
 その辺りは、前回の感想を参照。




“丑三つ小僧”の正体

 ワノ国のスーパースターである“花魁”こと小紫の葬儀が執り行われる中、都では更なる騒動が。
 金持ちから盗んだ金を貧乏人にバラ撒いていた盗っ人・丑三つ小僧が捕まったとの事だった。

 丑三つ小僧の正体がトの康さんである事は、まあ想定通り。
 しかしそのトの康さん、かなりのお偉いさんだった。
 
 “白舞”の元大名康イエ
 かつて“ハリネズミの康”と呼ばれ、光月おでんと並び、光月家に仕えた大名の1人であったのだ。

 
 おおう、そう来たか。
 カン十郎達への(一方的に)親し気な様子から、光月家の家臣っぽい感じはしていたけれど、まさかおでんと同格の人間だったとは。
 九里のおでん、白舞の康イエと来たのだし、他に希美や鈴後の大名も登場するんですかね。兎丼はちょっと微妙な気もするけど。


 カン十郎達が気づけなかったのは、性格がかなり丸くなっていた事に加え、
 あの特徴的過ぎるヘアスタイルが隠されていたからなのね。

 まあ確かに、これはとっても人目を引く。
 第一印象としてあまりに強烈すぎて、これが無くなると誰だか分からなくなるのも頷ける。
 ブルックの髪を剃ったら、そこらの白骨死体と見分けがつかなくなるのと一緒だ。ごめん、完全に例えを間違えた。


 前回の時点では、トの康は「狂死郎と小紫による計画にトコが巻き込まれている事を知り、トコを守る為にゾロを意図的に差し向けた」というシナリオを想像していたが、
 トの康が光月家と強い結びつきを持つ人物だった事で、やはりその行動には「日和の身を守らせる為」という思惑が含まれている可能性が強まったかな。

 「いくら日和を逃がす為とはいえ、実の娘が巻き込まれる様な作戦に手を貸すか?」という疑問は残るんだが……
 これに関しては、「トコをきちんと守り切れる可能性が高い」「遊郭に1人で残しておくよりはマシ」という判断だったのかもしれない。


 しかしそもそも、トの康は何故丑三つ小僧として捕まったんだろう。
 オロチ主催の宴会の直前、都に現れていた様なので、その時に正体がバレたんだろうか。

 仮説に仮設を連ねる様でアレだが、もしも
 「小紫の死を偽装する役を狂死郎が担っていた」
 「小紫・トの康の間に繋がりがあった(もしくはトの康が一方的に小紫とトコに救援を送っていた)」のであれば、
 トの康の正体を知りえたのは小紫と狂死郎の2人という事になる。

 その中でも、小紫がトの康を裏切る事に(少なくとも現状は)メリットが無いし、
 丑三つ小僧の正体をバラしたのは狂死郎なんじゃないかな。

 というか狂死郎、ここに来てなお立ち位置が読めない。
 単純に光月側につく、というのも、中々考えにくい気がするんだよなぁ……。

 実は腹の中にいろんな策謀を隠し持っており、
 小紫を逃がす策に協力したのも、彼女を利用し光月側に何らかのトラップを仕掛ける腹積もりでもあるのかもしれない。