元号も次の時代へ移行しましたが、相も変わらずワールドシーカーです。
 プレイ日記、第19回目となります。




■第12話 “君のもとへ”■

 第12話となる今回のエピソードのタイトルは、「君のもとへ」

 このゲームの主題歌である、
 ケツメイシが歌う楽曲のタイトル「君のもとへ」と同一の題名となっているのである。

 つまりこの章はこのゲームのストーリー全体のテーマとなる、山場の一つとして作られている事が期待される。



 前回はアイザックの生い立ちや思惑が少しずつ明かされて来たものの、
 その思想は妹であるジャンヌの考えとは全くもって正反対のものであり、
 兄妹の関係性に生じた亀裂は決定的なものとなってしまった。

 
 傷心のままに町へと帰ったジャンヌを追って来ると、
 ソーギョク町にはジャンヌではなく、サボの姿が。

 革命軍の一員として島の調査にあたっていたサボは、
 どうやらこの島に起きている「異変」の正体を掴みつつある様だった。


 即ち、この島の監獄長・アイザックを中心とし、様々な思惑が渦巻いているという事実を。



 サボ「まだ“何も起きてはいない”。
    だが 直に動き出すだろうな……この島の“核”が」



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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


 ルフィ「島の……カク……?」






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(「ONE PIECE サウザンドストーム」より)





 ……キリンジャーは置いておくとして、この島には今、様々な勢力が集っている。



 派閥の割れた島民。
 海軍に海賊。
 革命軍。
 CP0。
 そして“戦争屋”と呼ばれるジェルマ66。


 これだけの状況が整ったこの島で、これから起こる事など、1つしかなかった。



 イマイチ状況を把握しきれないルフィだが、
 サボはルフィが助けを求めれば、「立場を押してでも駆けつける」と、
 相変わらずの溺愛っぷりを発揮するのであった。




 そして、事態は大きく動き出す。



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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


アイザック「……機は熟した。
      あとは引き鉄をひき 計画を開始する」



 「創作上ではよく聞くけども現実で使う機会の全くない言葉」ランキング首位をキープし続けそうなフレーズ「機は熟した」を発しながら、神妙な面持ちを浮かべるアイザック




 そして一方、海軍本部の元帥・サカズキのもとにも、ある知らせが届いていた。


 各地の海軍基地が、何者かによって一斉攻撃を受けている。

 更にその襲撃には、海軍が管理している筈の“ダイナ岩”が用いられ、
 基地のいくつかは既に消滅状態になっているというのだ。


 ダイナ岩――。
 かつてNEO海軍を率いた男、ゼファーによって盗み出された岩が、再度何者かの手に渡った。



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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


 その事実に憤慨するサカズキだったが、
 今回用いられたダイナ岩は、海軍が管理しているものではなかった。

 海軍で保管しているダイナ岩に、盗み出された形跡はなかったのだ。
  


 海軍の管理外に存在するダイナ岩。
 その情報から、サカズキは今回の事件と監獄島を結びつける。


 監獄島には今、海軍大将のボルサリーノが派遣されていた。
 しかし幾度となく連絡を試みるも、ボルサリーノに応答の様子はなかった。
 島に集結するいくつもの勢力の対処に追われているのだろうというのが、下からの報告だった。



 監獄島に集う、数多の勢力。
 革命軍にジェルマ66……そして“麦わらのルフィ”


 報告を受けたサカズキは、なんと元帥自ら、監獄島へと出向く決断を取るのだった――。



 
 ダイナ岩を用いて、各地の海軍基地を破壊する者……。
 その正体は勿論、十中八九アイザックの手の者だろう。

 ダイナ岩を求める者すべてを消し去る事で、ダイナ岩を守る。
 アイザックの語った野望が真意であるとすれば、
 彼は海賊を討つ為にダイナ岩を求めていた海軍本部までをも、敵と見据えているという事になる。


 また「ボルサリーノとの連絡がつかない」という件に関してだが、
 第8話で敵として登場したボルサリーノは、戦闘後に電伝虫による海軍本部との通信を行おうとしていた。
 だが、通信は繋がらなかったのだ。

 これはもう、恐らくアイザックの手により、
 監獄島は外部との通信を遮断された状態にあると思って良さそう。
 いよいよアイザックの野望も、実行段階に移されて来た感じだ。

 この分だと、物語もだいぶ佳境に入って来てるのかな。





 海軍側でのいざこざが発生している頃、島の内部でも事件が起きていた。

 海軍派の島民が、反海軍派の島民に対して発砲したと言うのである。


 以前は「反海軍派の島民が発砲した事をきっかけに、暴動事件に発展した」
 という出来事も起きていたが、今度は真逆のシチュエーション。
 あちらの事件は仕組まれたものだったが、今回に関しても陰謀の臭いがしますねぇ。



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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


 この一件は、兄との擦れ違いに胸を痛めるジャンヌの耳にも行き届いていた。
 騒ぎは肥大化し、このままでは島民間での戦争にまで発展しかねない。



 島民のレイモンよりこの一件を聞きつけたルフィは、広場にいるジャンヌのもとへ急ぐ。
 ジャンヌは反海軍派のリーダーとして、必死に皆を抑えようとしていた。


 だが反海軍派の面々は、「先に仕掛けて来たのはあいつらだ」と、全面抗争の姿勢を崩そうとはしない。
 更にマズイ事に反海軍派の島民達は、ジャンヌも知らぬ内に武器を用意していたのだった。


 武器の出所を問おうとするジャンヌだが、
 彼らによれば、海軍派の島民達は更に上質な武器を所持している筈だと言う。

 海軍によって金を得ている海軍派の人々は、その資金を利用して武器を得ていた。
 今までも海軍派の島民から、武器で脅された事があるという者もいた。

 

 互いに武器を持ち、異なる思想をブツけ合う両者。
 もはや戦争の幕開けは、必然のものとなってしまっていた。


 「あいつらは敵だ」
 「やられる前にやっちまえ」


 そう叫ぶ反海軍派の者たちを、ただひたすらに止めようとするジャンヌ。
 そんな彼女の姿に、島民達は徐々に苛立ちを募らせていく。


 「やめてって、おれ達に言うだけかよ!
  お前の母親なら、もう少し何とかしてくれたぞ!」


 島民のその言葉が、ジャンヌの心を揺さぶった。
 偉大だった母と比べ、自分を卑下していたジャンヌにとって、その言葉はトドメともなる一言だったのだ。



 反海軍派の島民達は武器を持ち、海軍派の島民達のもとへと向かってしまった。

 このままでは、本当に戦争が始まってしまう。
 一部始終を目撃したルフィは、ジャンヌに彼らを止めに行こうと言う。

 が、ジャンヌは動けなかった。

 無力さから目に涙を浮かべた彼女は、ルフィに一言「ごめんなさい」と言うと、その場から走り去ってしまうのだった。


 

 反海軍派、民度低いなぁ~……。
 まあ事態が事態なんで、頭に血が上っちゃってるんでしょうけど。
 自分らでどうにか動こうって意志がある分、ドレスローザ民よりはマシ……か?





 いなくなってしまったジャンヌを探すべく、麦わらの一味は手分けして塔内を捜索する。
 基本、このゲームの麦わらの一味は人探し要因である。


 というワケで、まずは島中を駆け巡ってジャンヌを探すことに。
 探索範囲はコハク港、ソーギョク町、オーギョク鉱山、鉱山町、墓地、ヒスイ橋とかなり広い。




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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


 途中、何の気なしに入った海軍基地内に、
 スモやんとたしぎさんがいたので、軽率にボコッておきました。


 一度倒したボスも、こういう形で特定の場所で再登場したりするんだろうか。
 特にイベントとかは無かったけどね。
 倒したら逃げ帰っちゃうだけで。


 っていうかキミ達、各地の海軍基地が被害に遭ってるって事は、
 G-5支部も襲われてるかもしれないけど、大丈夫なんだろうか。

 外部と通信が出来ないから、海軍基地が襲撃されているという事実も知らないのか。




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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


 ……とか思ってたら、ヒスイ橋にも現れました。
 キミらレアリティ皆無か。

 どうもこの2人、各地にちょいちょい現れて来る中ボスみたいな扱いなのね。
 そういや、「幻のグランドライン冒険記」なんかでも、ランダムに現れてはケンカ吹っ掛けてきたりしたなぁ。


 まあこの2人、今作に登場するボスの中でも、原作中での格としてはかなり下層……というか、
 たしぎに関してはブッ千切りの最弱キャラなので、何かと出しやすいんだろう。




 わざわざヒスイ橋に来てみたのは、
 電伝虫の通信でナミがこの辺りを探しているっぽい事を言っていたからなのだが、
 どうも見当たりませんでした。
 キッチリと探したらどっかにいるんだろうか?


 で、ジャンヌの行き先なのだが、これはまあストーリーをちゃんと追っていればすぐに予測できる。




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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


 ジャンヌの母が眠る、島の墓場。
 母の墓石の前に座る彼女は、「私じゃ母さんみたいにはなれない」と、1人俯いていた。



ジャンヌ
「ルフィ……
 ごめんなさい…… 島のみんなが仲良くできるように
 あんなに一生懸命 手伝ってくれたのに……」


ルフィ
「別にいいだろ
 あいつらのやりたいように やらせとけよ」


ジャンヌ
「……何言ってるの? 戦争が始まるんだよ?  
 みんな 怪我だけじゃすまないかもしれないのに……」


ルフィ
「あいつらが好きでやりあうんだ
 それで死んでも おれ達には関係ねェ」

ジャンヌ
「……ッ!」




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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)



ジャンヌ
死ぬなんて簡単に言わないで!!!
 島のみんなは 私の家族なの……!
 母さんも兄さんもいなくなって
 ひとりぼっちの私の傍にいてくれた 大切な……
 誰にも傷ついてほしくない……
 誰にも死んでほしくない……

 家族がいなくなるのは もう嫌なの……!!」


ルフィ
じゃあなんで お前はここにいるんだ
 戦争が始まるって もうダメだって諦めてんのは
 お前じゃねェか!!
 お前があいつらの命を 簡単に諦めるなよ!!」


ジャンヌ
「諦めてない!!
 家族の命を 私は 諦めない!!!」




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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)


ルフィ
だったら おれを呼べよ!!!
 今までと一緒だ!!!
 お前が呼べば おれはどこだって飛んで行く!!!
 お前が諦めねェなら おれも絶対に諦めねェ!!!
 だから ひとりで泣くな!!!」



ジャンヌ
「……うん……っ
 ルフィ……ありがとう……!!」



ルフィ
「行くぞ ジャンヌ!!!
 この戦争を 止める!!!」
    




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(「ONE PIECE WORLD SEEKER」より)

 


 自分の無力さから、行動を諦めようとしてしまった人物を、ルフィが奮い立たせる。

 エピソードの副題でもある「君のもとへ」というフレーズともマッチしているし、
 「挫折」からの「立ち上がる」エピソードを描く事で、
 ジャンヌのキャラクター性にも、ひとつ個性が付く事にもなる。





 悪くない。
 悪くない……んだが……




 妙に取って付けた様な印象になってしまうのは何故なんだろう。




 原因は何となくわかる。

 まず1つ、このルフィとジャンヌの会話劇が、8割型アラバスタ編のオマージュである事。


 原作でも印象深いシーンだったのでピンと来る人は多いと思うが、
 これは原作第166話、「ルフィVSビビ」を元にしたシナリオだろう。


 「戦争」という事態に対して見せるルフィのドライな反応、
 「誰にも死んでほしくない」というヒロインの思想、
 ルフィに対するビンタ、
 そして最後にはルフィが「自分達を頼れ」と言う点など共通点が多く、参考にしている事はほぼ間違いないと言っていい。


 「じゃあなんでお前はここにいるんだ」というセリフも、
 原作にあった「じゃあ何でお前は命賭けてんだ」というセリフのオマージュだろう。
 


 「名エピソードをオマージュして新たな物語を作る」というのは二次的な創作物の常套手段だと思うし、
 実際ONEPIECEでも、劇場版「ねじまき島の冒険」なんかは、敵幹部とのバトルシーンのほとんどが、アーロン編の戦いを参考にしたものになっていたりもした。



 なので「アラバスタ編という屈指の人気エピソードをオマージュする」という発想は悪いモノじゃないと思うんだが……

妙に取って付けた印象になってしまうのは、
ルフィとジャンヌの結びつきが、イマイチ描き切れなかったせいなのかなぁ。



 そりゃあルフィは少し交流しただけの相手でも「友達」と呼べる人間だし、実際シャボンディじゃ、出会って間もないケイミーの為に必死で動いたりもした。
 その為、別に「ジャンヌの為に命をかける」こと自体に不自然さはない。

 

 しかし、ビビという劇中においても唯一、麦わらの一味以外で「仲間」と明言されている人物の代役を務めるには、まだ決して関わりが深いとは言えないジャンヌでは、荷が重すぎるのかなという印象になってしまった。

 ゲームのシステム上、「ジャンヌがルフィ以外の麦わらの一味とほとんど関わらない」という点も、積み重ねの希薄さに拍車をかけているかもしれない。
 

 さらに言えば、「ルフィが自ら、他人に麦わら帽子を被らせる」というイベントの重要性は原作読者ならばよく分かる事であり、ここでも、「ルフィが帽子を預ける程に深い絆があるの?」という疑問が湧いてきたりもする。
(ちなみに、ルフィが帽子を被らせた人物の1人として名前が挙がるお玉ちゃんの時は、よく見ると帽子の紐部分はきちっとルフィの首にかかっている。)



 たぶん、しらほしやレベッカ辺りのヒロインとの会話をオマージュしていたなら、そこまで違和感もなく飲み込めたんじゃないかなぁ。

 ビビはちょっと、「単なる章ヒロイン」として扱うには、関係性が特殊だからね。




 

 ……と、まあ個人的に受けた印象を抜きにするならば、今回のエピソードによって「ルフィがジャンヌの為に動く」という意志は明確なものになったと言える。
 物語としても、戦争を止める事……ひいてはその裏にあるアイザックの野望を打ち砕く事へと向けて、進んでいくのだろう。


 戦争を止めるには、まずは「ジャンヌの声が島民達に届く」状況を作らなければならない。


 彼女の声を届ける為の術は、1つだけあった。
 島に存在する、放送塔
 これを利用し、島全域に、ジャンヌの声を響き渡らせる。


 だが放送塔は、島の中でも特に海軍の警備が厳重な場所であった。
 たった2人で乗り込んで、簡単に突破できる場所ではない。


 しかし、この島にいるジャンヌの味方は、ルフィだけではなかった。

 麦わらの一味。
 ルフィは、「あいつらなら絶対に頼みを聞いてくれる」と、仲間達に手伝いを頼む様に薦める。

 それを受け、ジャンヌは自らの口から、彼らに協力を願い出る事を決めるのだった。