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アニメ版 ONE PIECE
第883話
「夢の一歩 しらほし太陽の下へ!」 


【原作の対応話数】
90巻 第905話 7P~14P、16P~17P
及びゴア王国でのサボとの出会いを元にした総集編

もくじ
あらすじ
原作からの変更点
感想・妄想
登場した技
声の出演



【あらすじ】
 世界会議に向け、赤い港レッドポートに集結した各国の王族達。
 その中にはサボの義弟である、ステリーの姿もあった。ゴア王国の王女と結婚する事で国王の座に上り詰めたステリーは、自国の出身であるガープに対しても権力を誇示。天竜人になるという野心を叶えるべく、ガープのコネクションを要求するが、神をも恐れないガープの奔放さに振り回されてしまう。

 その頃、赤い港レッドポートにはサボを始めとした革命軍の幹部達も潜んでいた。天竜人への宣戦布告のため、マリージョア潜入を計画するサボは、「ゴア王国」という名を聞き、ルフィとの出会いに思いを馳せる。

 集結した王族達を乗せ、聖地マリージョアへと昇るボンドラが動き始めた。
 少しずつ近づいて来る、本物のタイヨウ。その美しさに見惚れたしらほしは、いつか叶うのであれば、このタイヨウの下に住んでみたいとの思いを強くするのだった。



【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介


・マリージョア侵入の為に潜伏したリンドバーグとサボが、ステリーとガープの会話を目撃するシーン追加。
 またその際、横にいたサボに対し
「ステリーってのは確か、お前の義弟だったな、サボ」とリンドバーグが語りかけるシーン追加。

・上記シーンの後、サボがゴア王国でのルフィとの出会いを思い返す回想シーン追加。
 回想に使用されたシーンの詳細は後述。

・回想シーンの節目節目に、サボのナレーションが挿入。

・準備を終えたリンドバーグとサボが、
 マリージョアへの潜入を開始しようとするシーン追加。

・ルフィがナミやキャロット達に、
 サボとの出会いや彼の生還についてを語る描写追加。

・サボが死んだと思われた際の話をルフィから聞いたキャロットの、
「私、ペドロのときいっぱい泣いたもん、その時のルフィの気持ち分かるよ」というセリフ追加。
 またその後、ルフィ視点の回想シーンへ突入。

・ルフィからサボの話を聞いたブルックの、
「ルフィさんの旅立ちに、サボさんとエースさんが影響を与えていたんですね」というセリフ追加。

・ナミやサンジが、サボ、ドラゴン、エースのルフィとの関係性やそれぞれの肩書をおさらいするセリフ追加。
 その中で、サンジがエースの父親の名を「ゴール・D・ロジャー」と呼んでいる。

・チョッパーがルフィに、
「義理の兄貴が、自分の父ちゃんと一緒にいるのって、変な感じじゃねェのか?」と問うシーン追加。
 これに対し、ルフィは父親には会った事がないからよく分からないとした上で、
「おれがどこにいても、サボとはつながってる気がするんだ」と答えている。

赤い港レッドポートへと忍び込んだサボが、甲冑を奪う為に衛兵の1人に奇襲をかけるシーン追加。

・ボンドラに乗ってマリージョアへと昇るステリーが「巨人族を見た」と騒ぐシーンにて、実際にモーリーが赤い土の大陸レッドラインの中から顔を覗かせる描写追加。



■総集編に使用されたシーン

 サボによる回想

・幼少期のサボとエースが、奪った金を“海賊貯金”に仕舞い込むシーン
・「いつか海賊船を買う」という2人の会話を、ルフィが聞きつけるシーン
・3人が兄弟杯を交わすシーン
・サボの父(アウトルック3世)とブルージャムにより、サボが連れ戻されるシーン
・サボとステリーの出会い
・サボがステリーから、グレイ・ターミナルの火災計画を聞くシーン
・サボとドラゴンの出会い
・サボが1人、海へと出るシーン
・ジャルマック聖の砲弾により、サボの船が沈められるシーン
・大ケガを負ったサボが、ドラゴンによって救い出されるシーン
 (ドレスローザ編のもの)


 ルフィによる回想

・サボの死に涙するルフィが、エースに「もっと強くなりたい」と吐露するシーン
・エースがルフィに対し、決して死なない事と“くい”のない様に生きる事を誓うシーン
・ルフィの出航シーン(TVアニメ第504話のもの)




【感想・妄想】

■オープニング映像

 本日の週替わり差し替え分は以下の通り。

・しらほしの姿を見て沸き立つ民衆
・ガープの無礼さに言葉が出ないステリー
・ナミ達にサボの事を話すルフィのカット
・サボがマリージョアへの潜入を始めようとするシーン
・カマバッカ王国のベティやコアラのシーン
・しらほしが本物の太陽を目にするシーン


■リンドバーグ「ステリーってのは確か、お前の義弟だったな」

 あ、ステリーの事、仲間に話してるのね。

 元々サボは自分や近辺者に関わる記憶を失っていたので、2年前の頂上戦争以降に、改めて自分の過去を仲間達に語ったって事かな。

 ルフィやエースの事は耳にタコが出来る勢いで話してるだろうけど、両親やステリーに関する話はあまりしたがらなさそうなイメージだったので、ちょっと意外でした。
 リンドが平然とその話題をサボに振っている辺り、サボ本人的にとっても別に地雷というワケではないんだろう。

 ただ、このリンドバーグの言葉に対しサボはコレと言った反応を返していないどころか、その後のモノローグでも彼の関心は「ゴア王国」という言葉から連想されるルフィとの出会いにばかり向いている。
 どうもサボくん、ステリーに対しては本格的に関心が薄そうな感じ。

 多分、世界政府を率いる“天竜人”を打ち倒すというあまりにも巨大な目標を掲げた今のサボに、幼少期のちょっとした因縁など、気に留める程のことでも無くなっているんだろう。
 よく考えると、サボ自身ステリーには特別何もされてないしな。両親はともかく。

 ……ま、ステリーの思想は革命軍が打倒を目論む天竜人の予備軍というべきものになっているし、彼には先代国王を殺害したという疑いもあるので、どの道革命軍が天竜人に勝利した未来では、このまま国王を続けられるとも思いにくいのだけど。


■サボとの出会いを語るルフィ

 サボがルフィとの出会いを回想するのと同時刻に、ルフィもまた、ナミやキャロット達にサボとの出会いを語っていたと。

 そういや原作じゃ、ゾウに先行したナミ達がサボについて知っている事は「ドレスローザで再開した事」と「革命軍の参謀総長である事」ぐらいだったっぽいので、ここで理解度の差が埋められる補完がされたのは良かったかな。


■エースの肩書き

 今回の話では、ルフィからサボとの出会いを聞かされたナミ達が、改めてルフィの身辺者であるドラゴン、サボ、エースの情報を整理する描写がある。

 その中でサンジがエースの肩書きを並べ挙げるシーンがあるのだが、その際、サンジはエースの事を「ルフィのもう1人の兄貴」「元白ひげ海賊団の2番隊隊長」、そして「海賊王 ゴール・D・ロジャーの息子」と評しているのだ。

 この「D」の名を持つロジャーの本名は今でこそ当然の様に広まっているが、それはあくまでも「読者視点で」の話。
 劇中世界の人物達は、ニューゲートやくれは達の様な当時を知る人間を除きほとんどが彼の名を「ゴールド・ロジャー」と認識している。
 ロジャーと直接やり合った経験があるらしいビッグ・マムの息子であり、現在38歳になるモンドールでさえ、情報操作を受けた後の名でロジャーを呼んでいた。

 まあ少なくともロビンは、ロジャーの書き残した古代文字を読む事で明確に彼の本名を目にしているし、他の仲間達も、ゾウにて錦えもんの口から「ゴール・ディー・ロジャー」という呼び名を聞いているので、本名を知っているのはおかしくない。

 が、ことサンジに関しては一味で唯一その現場に立ち会っていなかった為、そもそもロジャーの本名を知っているのか微妙なところ。

 ついでに言えば、錦えもんから「ゴール・ディー・ロジャー」の名を聞いた後も、ルフィ達は頑なに「ゴールド・ロジャー」という呼び名を貫いていた。
 生まれる前からの伝説的な存在だったので、今更呼び名を変えるのは難しいんだろう。ビビが「Mr.ブシドー」呼びを貫いたのと似た様なもんだ。


 そんなこんなで、機械的な説明の言葉とはいえ、サンジが普通に「ゴール・D・ロジャー」という呼び名を使うのには微妙に違和感があるかもしれない。
 レイリーと会った第506話でも、サンジは「ゴールド・ロジャー」と呼んでるし。

 他、サンジ達がロジャーの本名を聞いたり言ったりする描写ってあったっけ?
 パッと思いつかないだけで、もしかしたら他にも発言してたのかも。


■ルフィ「分かんねェ。父ちゃんとは一度も会った事ねェし…」

 こちらはチョッパーに「義理の兄であるサボと、実の父親であるドラゴンが一緒にいる事」についての感想を問われた際の解答。

 トットランドへと向かう最中で「バルティゴ壊滅」の記事を見た時とかもそうだけど、ルフィって根本的にドラゴンに対する興味が薄いのよね。
 W7でガープから父の素性を聞かされた時は流石に深刻そうな顔をしていたけど、どちらかと言うと周囲のオーバーリアクションの方が気になってた感じだったし。

 何となく、実際に出会って友情を育んだ人達に対しては情が深いけれど、そうでない人に対しては地味に淡泊なルフィの性格がよく表れてる気がする。
 毛色は違うけど、「なんだバギーか…」に近いテンションと言うか。

 エースやサボ、仲間達という血よりも濃い繋がりを持つ人々に囲まれて生きてきてるから、今更「本当の父親である」というだけの人物に強い関心もないんですかね。

 今後ルフィとドラゴンが本格的に出会う瞬間が訪れるとは思うので、その時、この親子関係がどう動いていくのかが楽しみ。


■サボの甲冑強奪

 原作では「いつの間にか衛兵の恰好をして潜り込んでいた」サボだが、アニメでは道行く衛兵を路地裏に引きずり込み、ノックアウトして甲冑を奪うという過程が描かれた。
 結構強引!!

 人通りもそこそこある港で、あんな動くたびにカシャカシャ音が鳴る甲冑を奪うとは……中々に大胆というか、逆によくバレませんでしたね。脱がすのも大変そうだし。
 前を行く衛兵達の注意力、ガバガバか。

 処刑人に紛れ込んでいたMr.3もアニメで過程が加筆されてたけど、アレは意外と上手い事潜入してた方だったのかもしれない。


■壁面から顔を出すモーリー

 こっちはこっちでよくバレなかったな!!

 というかバレてる!!
 バレたのがステリーだったから助かった!! 奇跡!!
 オオカミ少年万歳!!

 潜入したサボ達の様子でも見ようとしてたのかもしれないけど、モーリーさんはもうちょっと「自分の体格は滅茶苦茶に目立つ」という事実を客観的に認識した方が良いと思う。


■タイヨウを目の当たりにするしらほし

 魚人島編において、しらほしは地上に対する好奇心は持てど、「太陽」というものへの関心をそこまで示してはいなかったのよね。
 実際、ルフィとの約束も、「いつか地上に連れ出して本物のを見せる」というものだった。

 ルフィと出会った時に「“太陽”をご覧になった事がおありですか?」と聞いたぐらいで、しらほしにとっての「太陽」とは、「地上に対する好奇心のひとつ」という程度に収まっていたのだと思う。

 オトヒメの死後はしらほしもモニターを通じて署名の呼びかけに参加していた様だが、これも「母の想いを遂げてやりたい」という気持ちから来るものであり、しらほし本人に「地上への移住」に対する強い望みがあったワケではないのだろう。
 世界会議へ訪れる前の様子を見るに、恐怖心の方が勝っていたみたいだし。

 しかしこの時、マリージョアへと赴く際中に本物のタイヨウの美しさに触れた事が、彼女の心境に変化をもたらした。
 狭い硬殻塔の中で10年間を過ごしてきた人魚姫が、広い地上へと飛び出してその美しさを知ったのだ。

 そして、彼女は「地上への移住」という望みを心に浮かべた。
 愛するリュウグウ王国の人々にも、その美しき世界に生きて欲しいと願う様になった。
 母の想いは娘の想いへ、受け継ぐべき意志が受け継がれる瞬間が、訪れたのである。


 ……ただ、その移住問題も、簡単に行くものじゃないんだろうね。
 人魚や魚人を平然とコレクション扱いにする天竜人の存在もあるし、何より「麦わら帽子を被った人間が、が魚人島を滅ぼす」というシャーリーの予言が現実になるなら、それが幸にせよ不幸にせよ、移住前の段階で魚人島には何かが起こる。
 
 この辺りが描かれるのは、多分まだ暫く先になるかな。
 物語全体……というか、ONEPIECEという世界の歴史が大きく動く瞬間のお話になるんだろう。





【声の出演】
ルフィ・・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・・岡村明美
サンジ・・・・・・・平田広明
チョッパー・・・・・大谷育江
ブルック・・・・・・チョー

サボ・・・・・・・・古谷徹
ドラゴン・・・・・・柴田秀勝
ガープ・・・・・・・中博史
コアラ・・・・・・・ゆきのさつき
キャロット・・・・・伊藤かな恵
モルガンズ・・・・・加瀬康之
しらほし姫・・・・・ゆかな
ネプチューン・・・・稲葉実
フカボシ・・・・・・伊藤健太郎
マンボシ・・・・・・間宮康弘
ステリー・・・・・・鳥海浩輔
サリーナントカネット・・・小松由佳
ベティ・・・・・・・甲斐田裕子
リンドバーグ・・・・菅沼久義
サボ(子供)・・・・竹内順子
エース(子供)・・・坂口大助
サボの母・・・・・・進藤尚美
ブルージャム・・・・石住昭彦
ジャルマック聖・・・増谷康紀
ハンバーガー王・・・北島淳司
炎のアタッチャン・・松山鷹志

カメラマン・・・・・宮崎寛務
部下・・・・・・・・蟹江俊介
ナレーション・・・・大場真人