★もくじ
・扉絵連載 第34弾
・兎丼の囚人達
・横綱河松
・その他
第919話で完結した『押し掛け麦わら大船団物語』以来、約30話ぶりの扉絵連載。
主役は……ベッジ達ファイアタンク海賊団の面々の様。
25番のタルト船で脱出を果たしていたのは第901話で確認できるし、何よりシフォンのシルエットがとってもわかりやすい。
個人的には、次の扉絵連載はシーザーが主役のものになると予想していたのだけれど、彼の再登場はいつになるんだろう。
第902話では09番のタルト船が、ホールケーキアイランドから単独で船を出している様子が描かれているので、コレに乗って脱出したんじゃないかと思うのだけど。
VIVRE CARDでも「享年」の表記が書かれなかった、ペドロの行く末なんかも気になるところ。
クイーンとリンリンという2大脅威が去った兎丼にて、ルフィは覇気の更なる向上の為、修練を積む。
今は目立った成果は出ていないものの、収容所には(雑魚ばかりとは言え)腐るほど敵はいるのが有難いところ。
しかし見た感じ、兎丼に今残っている百獣海賊団の戦力は、SMILE能力を持たない『プレジャーズ』または『ウェイターズ』ばかりな感じかな?
主要な戦力はリンリン輸送の為に駆り出されてしまったので、残された人員は真打ち達を除けば、実力的に1歩劣る者達ばかりなのかもしれない。
実戦の緊張感に欠ける修行相手ばかりだと、『覇気の開花』には若干不向きな気がしないでもないな。
ただでさえ、今回で味方側には十分すぎる戦力が整ってしまったワケだし。
さて、海楼石や鋼鉄の首輪と言った枷から逃れ、喜々として暴れ回る15億の男を、クイーン抜きで対処しなければならなくなった悲劇の看守長、ババヌキ。
正攻法ではとても無茶な仕事だが、彼には秘策があった。
それは兎丼に囚われた、数多の囚人達を利用する作戦。
敵でも悪人でもない囚人達に邪魔をされてしまえば、流石のルフィも無闇に暴れ回る事もできなくなってしまう、と。
元々が心を折られた囚人達。
それも20年前の絶望を思い出させられたばかりの彼らを利用し、一切の戦力を割かずにルフィを封じ込めようとする辺り、ババヌキさんも狡猾と言えば狡猾ですね。
まあルフィが自分を抑え込もうとする囚人を薙ぎ倒せば解決できてしまう話なのだけど、そうなった場合でもクイーンお手製の『疫災 弾』によってジワジワと仕留められると。
『疫災のクイーン』の異名、この自らが作り出した兵器の性質から来ていたのね。
独力で強力な感染ウィルスまで作り出せる技術力は何気に凄い。やっぱ見た目にそぐわない頭脳派っぽいですねこの人。
ウィルスの他に「カラクリ武器」の製作も行っているらしいけれど、ホールデムが使っていた『絡繰刀』なる武器も、クイーンお手製だったりするのかしら。
大相撲インフェルノに使われた爪の飛び出す首輪も、クイーンが自ら作り上げたものなのかも。
■河松登場
シルエットでのみ登場していた河松が、いよいよ本格登場。
その姿は……まさに河童。
それも割と可愛い系の。
この姿は……うん、完全に人外だな。
手の平には水かきまでついてるし。
河童と言えば頭部の皿だが、これは笠を被っているため見えず。笠取ったらついてるのかな、やっぱ。
しかし、これは「こういう種族」なんだろうか。
または河童「っぽく見える」だけの魚人族?
ワノ国には狛犬の様な珍獣もたくさんいたが、ホーキンスが乗っていた『狛鹿』含め、アレはもう「ああいう動物」みたいだしな…(93巻SBS参照)。
幻獣種系の能力者というのもあり得るのかと思ったけれど、20年前に日和を連れて脱出を図った際には水路を泳いで通っているので、その可能性は無いか。
■横綱
その河松さん、横綱らしい。
横綱といえば、現在では浦島がその座についている、国技の星。
そういえばこの方、ルフィが『大相撲インフェルノ』で暴れている時も、「おれも相撲やりてェなァ……」と呟いていた。光月家が将軍を務めていた20年前までは、彼が大相撲の『横綱』だったのね。
確かに浦島、お世辞にも強敵ではなかったからなぁ。
人格面でもアレだったし、河松さんには是非、本来の横綱かくありきと言ったところを見せていただきたい。
まあ私、相撲ぜんぜん知らないんですけど。
■赤鞘の1人
河松が赤鞘九人男の1人である事は、オロチ達も知っていたらしい。
そのオロチの指示により、「毒魚を与え続ける」という処刑が決行されたのが13年前。しかし何度毒を食わせても、河松は死なず今日まで生き続けていると。
ババヌキの「今なら「事故死」で片付く」という発言からして、毒魚を与える以外の方法で河松を殺す事は許されていないという事かな。
そしてその制約が今も続いているという事は、オロチは赤鞘の1人である河松が、今も生きている事を知っていたんだろう。
カイドウは酒天丸の正体にも気づいていたし、その情報がオロチにも行き届いているなら、9人中の2人が生存している事になる。そりゃまあ他の7人の生存も疑って当然だし、いつか光月を蘇らせる為に牙を剥いて来ると用心するのも納得。
赤鞘生存の事実を家臣達に知らせていなかったのは、それが下手に広まる事で、潜伏している光月派の侍達に希望を与える事を恐れたからかな。
河松を毒によって処刑しようとしたのは、オロチの判断。
つまりアシュラやルフィ達とは違い、カイドウは河松を味方に引き込もうとはしなかったんだと思われる。
クイーンやキングの手による拷問にもかけられていない以上、「他の赤鞘の情報を引き出す為に生かされていた」とかでもないハズ。
毒魚の投与は、純粋な処刑手段として選ばれたやり方なんだと思う。
オロチの残忍な性格を考えると、できるだけジワジワと、苦しませながら殺したかったという事なのかもしれない……のだが、アレだけ光月家の復活を恐れていた「小心者」のオロチが、折角捕らえた赤鞘の1人をそんな不確実な手段で仕留めようとするか……?という疑問はある。
実際、13年経っても殺し切れてないワケだし。
これはオロチの見通しが甘かっただけ……なのかなぁ。でも13年も放置しとくのは、流石に違和感もあるなぁ。何か理由があっての事なんだろうか。
単にババヌキとの意思疎通が上手く行ってなかっただけで、オロチからしても「別に手段は良いからさっさと殺せよ」と思ってるのかもしれないな。
■河松の戦い
雷ぞうが鍵と共に奪ってきたのは、河松の愛刀『外無双』。
……13年も保管してくれてたの!?
百獣海賊団、良い奴らかよ。名刀なんだろうし、おれだったら適当な幹部の武器にあてがっちゃうなぁ……。
やっぱ、あわよくば部下として迎え入れようとも企んでたんだろうか。
浮かせた敵を空中で追撃する『河童流』と呼ばれる剣術の使い手らしいのだが、その重要な「敵を浮かせる」ための技、『櫓流桜』には、ワノ国における覇気の呼称である『流桜』の名が冠されている。
いわゆる「外に大きく纏う覇気」を放出して、敵を上空に打ち上げる技……って感じかな?いよいよドラゴンボールじみて来たな。
ルフィの覇気の向上にも、河松の技がヒントとして一役買うのかもしれないですね。
■ヒラ船員たち
「河松を仕留めろ」との命令に、手柄を求め我先にと走り寄る百獣海賊団船員達。
なんか……世知辛い。
魚の骨を刺された時のリアクションなんかを見るに、彼らはSMILEを投与されていない『ウェイターズ』達だろう。
言ってしまえば、「未だギフターズ昇格のチャンスすら回ってきていない」連中という事で、団内での立場もかなり低いんだと思われる。
そんな彼らが、地位の向上を目指して戦功を立てようとする。健気だ。
まあ、既にSMILEの製作は停止してしまっているので、どんだけ頑張っても彼らが『ウェイターズ』を脱する事は未来永劫ないんですけどね。
世知辛ぇ……世知辛ぇなぁ……。
■残雪の菊の丞
菊の性別確定。
以前から匂わされてはいたが、菊の性別(肉体的な方)はやはり男性だったらしい。
何かとえるじーびーてぃーとやらに敏感な昨今だけれど、ONEPIECEにおいて「心が女の男性」が主要キャラとして登場するのは、何気に珍しい。
というのも、イワンコフを始めとした『ニューカマー』達は、「性別という境界線を超越した存在」として描かれていたからだ。
ニューカマーという言葉に先駆けて登場した『オカマ』であるボン・クレーも、自身を「男で女」と呼称したり、「男なんだか女なんだか『あやふや』」と言ってみたり、挙句女性であるビビに対しても「好み」と言ってみたりと、内面的にも自信を「女性」として認識しているワケではないのが分かると思う。
そんな中で登場した菊の丞は、「心は女です」と明言している。
今までONEPIECEの作中に登場した『ニューカマー』『オカマ』のキャラクター達とは、また異なる概念の人物として描いているんだろう。
奇抜な容姿で描かれる事が多かった彼らとは違い、明確に美形キャラとして登場しているのもそう言った雰囲気を感じる。
……まあ正直、そっちの気が全くない錦えもん(既婚)に平然と抱き着きに行ったりするの、冷静に考えたらちょっとアレな気がしないでもないけど……まあアレか、ニューカマーのティバニーとかに比べたらマトモな部類って事で、ここは1つ。
性別云々の話を置いておくと、菊の戦闘モードとも言える面を被った姿がかなりカッコいい。
濃ゆい面々の多い赤鞘の中では薄味に思えた印象も、何となく払拭できた様な気がする。
そういえば錦えもんの妻である鶴は、面識があってもおかしくない菊の正体に気付いていなかった様だけれど、この面を被った姿の方が印象的だったせいもあるのかなぁ。
「見たからにはその口閉ざして貰います」なんて言い草も、博羅町でのオドオドとした立ち振る舞いとは全く印象が違う。
ネコを被っておく必要がなくなったからなのか、あの面を被ると好戦的な性格になるのか。
しかしまあ面を被った姿、外見的にはどっからどう見ても悪役ですね。
個人的に、光月派に内通者がいるとすれば菊なんじゃないか、と思ってたのだけれど……どうなんだろう。
「見た目が怪しい人は逆に怪しくない」という逆説思考が働いてしまう、そんな朝なのでした。
・扉絵連載 第34弾
・兎丼の囚人達
・横綱河松
・その他
扉絵連載 第34弾 |
第919話で完結した『押し掛け麦わら大船団物語』以来、約30話ぶりの扉絵連載。
主役は……ベッジ達ファイアタンク海賊団の面々の様。
25番のタルト船で脱出を果たしていたのは第901話で確認できるし、何よりシフォンのシルエットがとってもわかりやすい。
個人的には、次の扉絵連載はシーザーが主役のものになると予想していたのだけれど、彼の再登場はいつになるんだろう。
第902話では09番のタルト船が、ホールケーキアイランドから単独で船を出している様子が描かれているので、コレに乗って脱出したんじゃないかと思うのだけど。
VIVRE CARDでも「享年」の表記が書かれなかった、ペドロの行く末なんかも気になるところ。
兎丼の囚人達 |
クイーンとリンリンという2大脅威が去った兎丼にて、ルフィは覇気の更なる向上の為、修練を積む。
今は目立った成果は出ていないものの、収容所には(雑魚ばかりとは言え)腐るほど敵はいるのが有難いところ。
しかし見た感じ、兎丼に今残っている百獣海賊団の戦力は、SMILE能力を持たない『プレジャーズ』または『ウェイターズ』ばかりな感じかな?
主要な戦力はリンリン輸送の為に駆り出されてしまったので、残された人員は真打ち達を除けば、実力的に1歩劣る者達ばかりなのかもしれない。
実戦の緊張感に欠ける修行相手ばかりだと、『覇気の開花』には若干不向きな気がしないでもないな。
ただでさえ、今回で味方側には十分すぎる戦力が整ってしまったワケだし。
さて、海楼石や鋼鉄の首輪と言った枷から逃れ、喜々として暴れ回る15億の男を、クイーン抜きで対処しなければならなくなった悲劇の看守長、ババヌキ。
正攻法ではとても無茶な仕事だが、彼には秘策があった。
それは兎丼に囚われた、数多の囚人達を利用する作戦。
敵でも悪人でもない囚人達に邪魔をされてしまえば、流石のルフィも無闇に暴れ回る事もできなくなってしまう、と。
元々が心を折られた囚人達。
それも20年前の絶望を思い出させられたばかりの彼らを利用し、一切の戦力を割かずにルフィを封じ込めようとする辺り、ババヌキさんも狡猾と言えば狡猾ですね。
まあルフィが自分を抑え込もうとする囚人を薙ぎ倒せば解決できてしまう話なのだけど、そうなった場合でもクイーンお手製の『
『疫災のクイーン』の異名、この自らが作り出した兵器の性質から来ていたのね。
独力で強力な感染ウィルスまで作り出せる技術力は何気に凄い。やっぱ見た目にそぐわない頭脳派っぽいですねこの人。
ウィルスの他に「カラクリ武器」の製作も行っているらしいけれど、ホールデムが使っていた『絡繰刀』なる武器も、クイーンお手製だったりするのかしら。
大相撲インフェルノに使われた爪の飛び出す首輪も、クイーンが自ら作り上げたものなのかも。
横綱河松 |
■河松登場
シルエットでのみ登場していた河松が、いよいよ本格登場。
その姿は……まさに河童。
それも割と可愛い系の。
この姿は……うん、完全に人外だな。
手の平には水かきまでついてるし。
河童と言えば頭部の皿だが、これは笠を被っているため見えず。笠取ったらついてるのかな、やっぱ。
しかし、これは「こういう種族」なんだろうか。
または河童「っぽく見える」だけの魚人族?
ワノ国には狛犬の様な珍獣もたくさんいたが、ホーキンスが乗っていた『狛鹿』含め、アレはもう「ああいう動物」みたいだしな…(93巻SBS参照)。
幻獣種系の能力者というのもあり得るのかと思ったけれど、20年前に日和を連れて脱出を図った際には水路を泳いで通っているので、その可能性は無いか。
■横綱
その河松さん、横綱らしい。
横綱といえば、現在では浦島がその座についている、国技の星。
そういえばこの方、ルフィが『大相撲インフェルノ』で暴れている時も、「おれも相撲やりてェなァ……」と呟いていた。光月家が将軍を務めていた20年前までは、彼が大相撲の『横綱』だったのね。
確かに浦島、お世辞にも強敵ではなかったからなぁ。
人格面でもアレだったし、河松さんには是非、本来の横綱かくありきと言ったところを見せていただきたい。
まあ私、相撲ぜんぜん知らないんですけど。
■赤鞘の1人
河松が赤鞘九人男の1人である事は、オロチ達も知っていたらしい。
そのオロチの指示により、「毒魚を与え続ける」という処刑が決行されたのが13年前。しかし何度毒を食わせても、河松は死なず今日まで生き続けていると。
ババヌキの「今なら「事故死」で片付く」という発言からして、毒魚を与える以外の方法で河松を殺す事は許されていないという事かな。
そしてその制約が今も続いているという事は、オロチは赤鞘の1人である河松が、今も生きている事を知っていたんだろう。
カイドウは酒天丸の正体にも気づいていたし、その情報がオロチにも行き届いているなら、9人中の2人が生存している事になる。そりゃまあ他の7人の生存も疑って当然だし、いつか光月を蘇らせる為に牙を剥いて来ると用心するのも納得。
赤鞘生存の事実を家臣達に知らせていなかったのは、それが下手に広まる事で、潜伏している光月派の侍達に希望を与える事を恐れたからかな。
河松を毒によって処刑しようとしたのは、オロチの判断。
つまりアシュラやルフィ達とは違い、カイドウは河松を味方に引き込もうとはしなかったんだと思われる。
クイーンやキングの手による拷問にもかけられていない以上、「他の赤鞘の情報を引き出す為に生かされていた」とかでもないハズ。
毒魚の投与は、純粋な処刑手段として選ばれたやり方なんだと思う。
オロチの残忍な性格を考えると、できるだけジワジワと、苦しませながら殺したかったという事なのかもしれない……のだが、アレだけ光月家の復活を恐れていた「小心者」のオロチが、折角捕らえた赤鞘の1人をそんな不確実な手段で仕留めようとするか……?という疑問はある。
実際、13年経っても殺し切れてないワケだし。
これはオロチの見通しが甘かっただけ……なのかなぁ。でも13年も放置しとくのは、流石に違和感もあるなぁ。何か理由があっての事なんだろうか。
単にババヌキとの意思疎通が上手く行ってなかっただけで、オロチからしても「別に手段は良いからさっさと殺せよ」と思ってるのかもしれないな。
■河松の戦い
雷ぞうが鍵と共に奪ってきたのは、河松の愛刀『外無双』。
……13年も保管してくれてたの!?
百獣海賊団、良い奴らかよ。名刀なんだろうし、おれだったら適当な幹部の武器にあてがっちゃうなぁ……。
やっぱ、あわよくば部下として迎え入れようとも企んでたんだろうか。
浮かせた敵を空中で追撃する『河童流』と呼ばれる剣術の使い手らしいのだが、その重要な「敵を浮かせる」ための技、『櫓流桜』には、ワノ国における覇気の呼称である『流桜』の名が冠されている。
いわゆる「外に大きく纏う覇気」を放出して、敵を上空に打ち上げる技……って感じかな?いよいよドラゴンボールじみて来たな。
ルフィの覇気の向上にも、河松の技がヒントとして一役買うのかもしれないですね。
その他 |
■ヒラ船員たち
「河松を仕留めろ」との命令に、手柄を求め我先にと走り寄る百獣海賊団船員達。
なんか……世知辛い。
魚の骨を刺された時のリアクションなんかを見るに、彼らはSMILEを投与されていない『ウェイターズ』達だろう。
言ってしまえば、「未だギフターズ昇格のチャンスすら回ってきていない」連中という事で、団内での立場もかなり低いんだと思われる。
そんな彼らが、地位の向上を目指して戦功を立てようとする。健気だ。
まあ、既にSMILEの製作は停止してしまっているので、どんだけ頑張っても彼らが『ウェイターズ』を脱する事は未来永劫ないんですけどね。
世知辛ぇ……世知辛ぇなぁ……。
■残雪の菊の丞
菊の性別確定。
以前から匂わされてはいたが、菊の性別(肉体的な方)はやはり男性だったらしい。
何かとえるじーびーてぃーとやらに敏感な昨今だけれど、ONEPIECEにおいて「心が女の男性」が主要キャラとして登場するのは、何気に珍しい。
というのも、イワンコフを始めとした『ニューカマー』達は、「性別という境界線を超越した存在」として描かれていたからだ。
ニューカマーという言葉に先駆けて登場した『オカマ』であるボン・クレーも、自身を「男で女」と呼称したり、「男なんだか女なんだか『あやふや』」と言ってみたり、挙句女性であるビビに対しても「好み」と言ってみたりと、内面的にも自信を「女性」として認識しているワケではないのが分かると思う。
そんな中で登場した菊の丞は、「心は女です」と明言している。
今までONEPIECEの作中に登場した『ニューカマー』『オカマ』のキャラクター達とは、また異なる概念の人物として描いているんだろう。
奇抜な容姿で描かれる事が多かった彼らとは違い、明確に美形キャラとして登場しているのもそう言った雰囲気を感じる。
……まあ正直、そっちの気が全くない錦えもん(既婚)に平然と抱き着きに行ったりするの、冷静に考えたらちょっとアレな気がしないでもないけど……まあアレか、ニューカマーのティバニーとかに比べたらマトモな部類って事で、ここは1つ。
性別云々の話を置いておくと、菊の戦闘モードとも言える面を被った姿がかなりカッコいい。
濃ゆい面々の多い赤鞘の中では薄味に思えた印象も、何となく払拭できた様な気がする。
そういえば錦えもんの妻である鶴は、面識があってもおかしくない菊の正体に気付いていなかった様だけれど、この面を被った姿の方が印象的だったせいもあるのかなぁ。
「見たからにはその口閉ざして貰います」なんて言い草も、博羅町でのオドオドとした立ち振る舞いとは全く印象が違う。
ネコを被っておく必要がなくなったからなのか、あの面を被ると好戦的な性格になるのか。
しかしまあ面を被った姿、外見的にはどっからどう見ても悪役ですね。
個人的に、光月派に内通者がいるとすれば菊なんじゃないか、と思ってたのだけれど……どうなんだろう。
「見た目が怪しい人は逆に怪しくない」という逆説思考が働いてしまう、そんな朝なのでした。