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アニメ版 ONE PIECE
第890話
「滝登り! ワノ国の海域大航海!」 
放送日時:2019年 6月 30日


【原作の対応話数】
90巻 第910話 2P~14P
およびゾウ編を基にした錦えもん達の総集編


もくじ
あらすじ
原作からの変更点
感想・妄想
登場した技
声の出演



【あらすじ】
世界会議開幕の報道は、新聞を通してルフィ達のもとにも届いていた。ルフィ達は久しぶりに目にする、冒険の中で出会ってきた人々の姿を懐かしむ。そして一行を乗せた船は、遂にワノ国の海域へと到達するのだった。

ワノ国の近海は常に悪天候に見舞われており、波風も特殊で入国は困難を極めていた。安全な入国方法を思案しようとするナミだが、船はすでに海流に捕まり、引き返すことのできない状況に。更に登場した巨大な鯉の群れに仰天する一行の前に立ちはだかったのは、遥か上空から流れ落ちる巨大な滝だったのだ。

ワノ国へと入るには、この滝を登るしかない。ルフィは鯉を捕えるべく腕を伸ばすが、それにより、サニー号は鯉に引かれながら、一気に滝を駆けのぼる。その先では目的としていたワノ国の存在が確認できた。
目的地への到着に一安心するルフィ達。だが息をついたのも束の間、サニー号の目の前には、船を呑み込む渦潮が広がっていたのだった。



【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介


・ワノ国へ向かうサニー号にて、キャロットが見張り台から周囲を確認している描写追加。

・ネプチューンやしらほし達がマリージョアを訪れたというニュースを読むシーン
原作でナミが発した「…大きな一歩ね!」というセリフが、アニメでは「魚人族 地上移住という夢に向かって、大きな一歩ね!」と補足されている。

・ビビの姿が写った新聞記事に興奮するサンジのシーン
ナミが邪魔なサンジを殴る際の殴打音追加。
原作では後頭部に1つタンコブが出来ているだけだったが、アニメでは殴打音が十数回に渡って響き、サンジの身体が床板を貫いて地下に埋まるほどになっている。

・ルフィ達が新聞に載ったビビの姿を見るシーン
ビビと面識のないブルックが会話に混ざる様に変更。
「ほう、これがビビさんですか。お会い出来た暁には、ぜひ、パンツを……」と言いかけ、サンジ同様ナミに殴打されている。

・新聞に写るワポルの姿を発見するシーン
「げっ!! ワポルだ!!」という原作のセリフが、ルフィからチョッパーのものへ変更。
またナミが「えっ、ワポル!? 復活したの?」と怪訝な顔をする描写追加。

・繋がらない電伝虫のシーン
電伝虫に反応がない為、連絡を諦めようとするルフィに、サンジが「おい良いのか? ワノ国に近づいたら、一旦錦えもんに連絡する手筈だったんだろ?」と尋ねる描写追加。
だがルフィは「いいよ。早く行こうワノ国!」と、やはり連絡を放置している。

・『ワノ国』に関する説明のナレーション追加。
またゾウ編のシーンを中心にした、錦えもん達の回想が追加。
使用されたシーンの詳細は後述。

・サニー号に乗り込む謎のタコ
原作ではいつの間にか一味の中に紛れ込んでいたが、アニメではタコが海を泳ぎ、一味が気づかない内にサニー号に忍び込んでいる描写が追加。

・ワノ国の海域への突入時
風や波の様子から、ナミが「やな予感しかしないのよね」というシーンにおいて、船員それぞれが神妙な表情を浮かべるカットが挿入されるなど、原作に比べシリアスさの増した演出に。
ただしルフィとキャロットだけは、ワクワク感から満面の笑みを浮かべている。
またこの際、船員達に交じってタコの顔アップのカットも挿入されている。

・ワノ国の海域

2019年07月12日(Fri)23時42分31秒
(TVアニメONEPIECE 第891話より)

ワノ国の海域への突入以降、海の色合いや描き方が普段とはまったく異なるものに。

・船に乗り込んだタコの存在に気付くシーン
ナミがワノ国へ安全に上陸する方法を考えようとする描写追加。その矢先、タコの存在に気付く様になっている。
またタコの存在に気付く頃には、すでに船がワノ国の海域へと引き込まれつつある状態になっている。

・船の上を逃げ回るタコを、ルフィが追いかけるシーン追加。

・鯉の群れが現れるシーン
船底に集まる魚群の影を、ナミとチョッパー、キャロットが見下ろす描写追加。
2人が得体の知れない魚影に戸惑う一方で、キャロットは「サメかなぁ!?」とワクワクした表情を浮かべている。

・サンジが鯉料理を思案するシーン
『鯉の洗い』『鯉こく』を提案するサンジに、キャロットが「食べるなら洋食じゃないと!」と言うシーン追加。
キャロットの「ようしょく」のセリフは「養殖」かと思われるが、一応、TV字幕では「洋食」となっている。

・ルフィが鯉を獲ろうとするシーン
キャロットが「鯉は小骨が多いんだよ!」と忠告し、チョッパー「小骨とかそういう次元じゃねェし!」とツッコまれるシーン追加。

またサンジの「大丈夫だナミさん!!あいつは何とでもなる!!」というセリフが、ナミの「サンジ君!あんたにも責任がある!あいつを連れ戻して来て!」というセリフを受けてのものになっている。

・高波から船を守るシーン
ブルックが操舵を行う描写追加。
それに合わせ、水の透明度を指摘するブルックのセリフが、サンジのものに変更。

・『ワノ国』が滝の上に存在する事に気付くシーン
ナミのセリフを受け、ブルックが「上ーー!?どうやってーー!?」と驚く描写追加。

・ルフィが掴んだ鯉に船を引かせるシーン
ルフィがサニー号の船首に足をグルグル巻きにし、船と身体を固定する描写追加。
また鯉の力で引かれた船が、滝壺を飛び越えて滝に着地する描写追加。

・滝を登り終えた先のシーン
原作ではすぐに逆流にさしかかり、渦潮に飲まれそうになるが、アニメでは逆流の場面が削除。
滝を登った事で死にかけているナミ、チョッパー、ブルックに対し、キャロットはケロッとした様子で「楽しかったね!チョニキ!」と笑っている。

・逆流の場面に代わり、一行がワノ国の陸地を視認する場面が追加。
ワノ国への到着を喜ぶ一行だが、その直後、渦潮に呑まれそうになる。

・渦潮に呑まれかけてなお鯉を離そうとしないルフィに、ナミが真横まで瞬間移動してパンチを喰らわせる描写追加。

・船が渦に引き込まれる描写ののち、ルフィが水底に沈んでいくシーン追加。



■ゾウ編の総集編に使用されたシーン

・モモの助の正体が九里の大名である事を、錦えもんが告げるシーン
・処刑時のおでんのセリフ
・おでんがカイドウおよびワノ国の将軍の手により処刑された事を、涙ながらに告げる錦えもん達
・錦えもんらの志願が「ワノ国の開国」である事を告げるシーン
・錦えもんがルフィとローに、カイドウと将軍を討つ戦いへの助太刀を願うシーン
・モモの助が自らの口から、ルフィに助力を願い出るシーン
・忍者海賊ミンク侍同盟の結成



【感想・妄想】
■オープニング映像

本日の週替わり映像差し替え部分は以下の通り。

・鯉に船を引かせているルフィのカット
・ワノ国の海域へと突入するサニー号
・船が滝を昇る際の、船体にしがみ付く船員達
・滝を昇るサニー号

公式には次回からワノ国編、って事みたいだけれど、内容的には実質今回からがワノ国編突入と考えても良いかな。

第856話から約9か月間使用されてきたオープニング曲、「Super Powers」も今回でラスト。
次回からはきただにひろし氏の歌う新OPに移行します。
っても、コレ書いてる頃にはとっくに放映済みで、話題を呼んでたんだけど。



■世界会議開幕

新聞を通して、久しぶりにビビの姿を見るルフィ達。
仮にも王族なんだし、新聞に載る機会ぐらい定期的にありそうなものだけど、あまり報じられる事もないのかな?
コブラが病に伏した事ぐらいは報道されてそうだけど、2年の修業期間中の事だろうしな。

ビビとの面識がないためか蚊帳のソト感が出ていたブルックも、アニメでは会話に混ざらせて貰えた。良かったね。

ブルックさん、仲間に入るのが遅めだったモンで、あまり王族との接点がないのよね……ドレスローザでも待機組だったから、レベッカともヴィオラとも会ってないし。しらほし姫ぐらい?(レイジュやプリンみたいなイレギュラーは除く)
過去には自身も『とある王国の護衛団長』を務めた経歴があるらしいけど、その辺の話に掘り下げが入る事はあるんだろうか。


■タコ

音を使って鯉の群れを呼び寄せてるっぽいあのタコ、アニメではサニー号に忍び込む姿がしっかり描き加えられてますね。

原作のアレは本当にビビッた。気付いたらナミの後ろにでっかいタコが立ってるのに、クルーの誰もその事に触れずにページが進むんだもの……。
アニメじゃ船員1人1人の顔をアップで順番に映したカットに、しれっと紛れ込んでるのがシュールっぷりを誘っている。


船体に足を這わせて登っている辺りを見ると普通のタコっぽいんですけど、実際にはコイツ、足の先端だけ地面につけて器用に直立するんですよね。
足の作り、どうなってるんだろう。



■ワノ国の海域

滝上から流れ込む淡水と混じり合って(?)作られるワノ国の海域。
上の方に貼った画像が分かりやすいけど、水の色からして普段の海とはまったく違う描かれ方になってますね。

ワノ国周辺の海は常に悪天候で大荒れ、しかも上陸の為に、巨大なコイに船を引かせて滝を登らなくてはいけないという無茶っぷり。
リヴァースマウンテンや突き上げる海流を彷彿とさせる光景だけれど、「船で滝を登る」という事柄に突き上げる海流を経験していないブルックが一番ビビッてたのがちょっと面白かった。
まあ彼、西の海出身なんで、リヴァースマウンテンは経験して来てるハズなんだけどね。


一方で冒険のワクワク感に胸を躍らせるキャロットだけは、一気にテンションを爆上げしてらっしゃる。
あまりの出来事に度肝を抜かれる一味に交じって、1人だけ両手を天に掲げて目をキラキラさせ、「すゴイ!すゴイ!」と大はしゃぎする姿に笑う。

ちなみに、「すゴイ」というセリフの表記はTV字幕そのままです。
「す」だけがあえて平仮名にされている。コイだけに。…………うん。

ペドロの死によって消沈していた彼女だけれど、ある程度は元通りになった様で、何よりです。



■化け物ゴイ


とにかく食いたがるルフィ、異常生物にも食材としての理屈をつけようとするサンジ、妙に細かいところでコイの豆知識を披露するキャロットと、各人の個性が出まくってるリアクションでした。
毛のある動物を食べないミンク族だから、食用魚に関する知識も得ておかないとマズイんだろう、多分。


「食べるなら洋食じゃないと」というセリフは……たぶん「養殖」だよな正しくは……。
TV字幕じゃ「洋食」になってたけど、ONEPIECEに和食とか洋食とかある気がしないし……。

ちなみに軽く調べたところ、天然のコイは食べるのには適さないものの、食用として特別に養殖されたものならば食べられるそうな。
キャロットが言ってたのはそういう事なんだろうが、サンジなら天然のコイでも上手いこと料理できそうな気がするから不思議だ。



■剃使い、ナミ

渦に呑まれかけてなおコイを離さないルフィに、ナミがゲンコツを見舞う……といういつもの流れなんですが、その際のナミの動きが瞬間移動の如き速さ。
わずか1フレームの間に、画面外からルフィの真横に飛び出して来るという人知を超えたアクションを見せてくれました。


こ、この動きは……六式の体技が1つ、『剃』!!

……いやただのギャグシーンなのは分かり切ってるんだけど、それにしても凄ェ速度だ。
最近スピンオフ漫画の『恋するワンピース』で、菜美が50m走をやる話があったけど、このナミなら2秒台も夢じゃないかもしれない。



■ワノ国到達

コイに船を引かれ、一行は遂にワノ国へ……という目前で、渦潮に呑まれてしまいました。

海底へと沈んでいくルフィの姿で締めくくられる演出は、パッと見バッドエンドそのものだな……。

まあ、勿論「あわれルフィ達は死んでしまいました」なんてオチにはならないので、ご安心を。
次回からは遂に、ワノ国編本格始動でございます。





【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・岡村明美
サンジ・・・・・・平田広明
チョッパー・・・・大谷育江
ブルック・・・・・チョー

ロー・・・・・・・神谷浩史
キャロット・・・・伊藤かな恵
錦えもん・・・・・堀内賢雄
モモの助・・・・・折笠愛
カン十郎・・・・・山崎たくみ
雷ぞう・・・・・・江原正士
おでん・・・・・・石丸博也
タコ・・・・・・・粗忽屋東品川店(山口勝平)

ナレーション・・・大場真人