2号連続ONE PIECE表紙。
2冊のジャンプを並べて見ると、1枚の絵になる作りになってます。
左側になる前回の表紙には、ゾロ、ナミ、サンジ、ロビンと、麦わらの一味のビジュアル担当が描かれてた。
ならば今回はウソップ、チョッパー、フランキー、ブルックのイロモノ担当が描かれる……のかと思いきや、実際にはロー、サボ、ハンコック、ルッチの劇場版メンバーが描かれました。
イロモノ組、見事にハブられた。
やはり世の中見た目が大事。
週刊少年ジャンプ2019年35号分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。
★もくじ
・扉絵連載
・キッドとキラー
・ゾロ十郎VSオロチお庭番衆
・捕らわれたロー
・兎丼の囚人達
・酒天丸の20年
第24弾となる扉絵連載のタイトルは、『ギャングベッジのオーマイファミリー』。
ビッグ・マムのナワバリを抜け出したベッジ達だが、どうもシフォンが「ローラに会いたい」という旨の事を言い出したらしい。
……え、ローラ、偉大なる航路前半にいるよ?
新世界抜けちゃうん?
66巻 第654話にて描かれた扉絵連載によれば、ローラを始めとしたローリング海賊団の面々は、ウォーターセブンにあるモズとキウイの酒場を訪れていた。
ウォーターセブンと言えば、ローラが初登場したスリラーバークより一歩手前の島。
本来なら、ウォーターセブンから出るログを辿って行った先で、スリラーバークのあった『魔の三角地帯』に行き当たる順序だった。
つまりローラの行動を纏めるなら、
エルバフ王子ロキとの縁談を断り、トットランドを出国
→ローリング海賊団を結成
→魚人島を通過
→スリラーバークにて影を奪われる(5年前)
→ルフィ達と出会い影を取り戻す(2年前)
→ウォーターセブンに滞在(新世界編突入時点)
という流れになる。
ローラはこの偉大なる航路を逆走しているのだ。
しかも2年をかけてスリラー→ウォーター間の航海しかしていないのだから、その歩みはめちゃくちゃ遅い。
たぶん、明確な目的地を持って海賊をやっているワケでも無いんじゃないかな。
そうなると、ローラが自分から新世界に戻って来る可能性はかなり薄そう。
シフォン達がローラに会おうと思えば、一度魚人島を通って偉大なる航路前半の海に逆戻りしなければならない事になってしまう。
……まあ、漫画的な都合もあるし、ひょっこりとローラが新世界に帰って来ている、という可能性も無くはないが、そうでないならばコレはかなりの大仕事だ。
確かに、ファイアタンク海賊団はアットホームな一味。
妻想いのベッジの事だし、シフォンの願いは叶えてやりたいと、この申し出を承諾するかもしれない。
けど、コレをシフォンの方から言い出すのはどうだろう。
ただでさえ、ホールケーキアイランド編ではシフォンのエゴともいえるケーキ作り&運搬の為、船も失い、仲間を危険に晒したばかり。
その一悶着がようやくひと段落したところに、更なる我を貫こうとするのは、流石に……。
ファイアタンク海賊団、シフォンのワガママによって成り立ってるのか?って印象になってしまったかもしれない。
まあ、この一味の中にある繋がりってのは、我々の常識で計れるもんでは無さそうなので、気にしないかもしれんですけどね。
ベッジ辺りが「会いたいんじゃねェのか?」って切り出す形だと、また印象も違ったかなぁ。
個人的に、ちょっと引っかかりを覚えてしまう話の導入でした。
雷ぞうより受け取った鍵によって、自由の身となったキッド達。
打倒カイドウを掲げる者同士、ルフィと共闘する……という流れにはならず。
元はと言えば、ホーキンス、アプーと同盟し、赤髪のシャンクスを討とうと言う目論見を持っていたキッド。
しかし途中、偶然にもカイドウに出くわしてしまい、惨敗した上に同盟相手はカイドウに寝返ってしまうという最悪の結果となってしまっていた。
端的に言ってしまえば「同盟相手に裏切られた」状態のワケだから、そりゃあそう簡単に共闘とは行かないか。
仲間達を取り戻しに行くという事だけれど、アテはあるんですかね。
鎌ぞう……もといキラーも、キッドに同行する様子。
他のSMILE患者と比べると、明らかに様子がおかしかったキラーだけれど、キッドの事はきちんと認識出来ているのね。
てっきり精神ごとどっか逝っちゃってて、自我が崩壊した状態なのかと。
オロチに従って下手人を装ってたのは……仲間を人質に脅されていた感じなのかなぁ。
だとすれば、オロチを問い詰めれば仲間の居場所も分かるかもしれない。まず行くべき先は、オロチの城って事になるかな。
狂死郎らの守りもあるだろうし、すんなりとは行きそうにないけれども。
どこかでルフィ達と協力する結果にはなりそうだし、「仲間達を取り戻す為に共闘する」って形に落ち着くかな?
ルフィ&キッド&ローVSカイドウという対戦カードも見たいけれど、キッドが誰かとタイマンを張るなら、キラーにSMILEを投与した犯人……という事になるんですかね。
ゾロの仲間との疑惑をかけられ、お庭番衆から狙われる身となった日和。
日和を守りながら忍者たちと戦っていたゾロは、花の都のはずれにある森に辿り着いていたらしい。
ゾロを追っていた忍者達は、皆ゾロにやられてしまったっぽい。
女を斬りたがらないゾロに対し、女性忍者を差し向けなかったのが運の尽きだったな。
リーダーである福ロクジュの姿こそないが、お庭番衆、個々人の力で言えばそこまで強力な戦力というわけではなさそうね。
まずは牛鬼丸から秋水を奪い返す旨を口にしつつ、「オロチを許さない」と漏らすゾロ。
ゾロがここまで怒るの、本当に珍しい。
空島編でのオームとの戦いでは、「敵討ち」という戦いの動機に対し「あまり好きじゃない」と発言していたゾロ。
これは仲間であるチョッパーがやられた事に対する言葉だったので、「誰がやられたか」はあまり問題じゃないんだろう。
ゾロが本来好まない「敵討ち」という動機を持ち出した要因は、オロチのやり方の卑劣さにあると思う。
戦いの中で敗れたチョッパーとは異なり、康イエは身体を磔にされたまま、その死を見世物にされた。そしてオロチがえびす町の人々に行った、SMILEによる仕打ち。
これらのやり方が、ゾロの逆鱗に触れたんだろう。
この流れだと、ゾロと戦う相手はオロチという事になるのかな。
これまでの描写だと若干力不足な感は否めないけれど、幻獣種の能力者だし、戦えばそれなりの強さはあるんだろうか。
「竜を斬った」というリューマ伝説の再現にもなるが、正直オロチ様の龍はあんまりカッコ良くないので、その意味ではちょっと……アレかもしれない。アレ。
その頃、ホーキンスに仲間を人質に取られていたローは、そのまま身柄を拘束されてしまっていた。
身動きを封じられながら、不敵に笑うロー。一方で、何か様子のおかしいドレーク。
ローとドレークと言えば、ロシナンテが命を落としたミニオン島での一件で繋がりがある。
あの時、ドレークはロシナンテの襲撃をきっかけに、バレルズのもとから脱走する事に成功した。逆にそのドレークが海軍に保護され、ドフラミンゴがその保護された少年をローだと勘違いした事で、ローは逃げ延びる事ができた。
数奇な繋がりこそあるものの、2人は直接出会ったワケではないく、あの場所にお互いが居た事すらも知らなかっただろう。
ローの姿を見て、様子をおかしくする理由にはならない。
ローの態度からして、何か策を仕込んでるのかな。
シャンブルズの能力は確かにトリッキーだが、海楼石と思われる錠をつけられた時点で、能力の行使はできない。
何か策があるのか?
それとも、ホーキンスを言いくるめる算段があるのか?
というところで、次回に続く。
個人的には、ホーキンスとローの戦いをちょっと見たかったけれど、まあ人質を取られた状態だったし仕方ないか。
ルフィのもと、看守達への反逆を決意し、実行した囚人達。
しかし一度は折れてしまった囚人達の心を完全に復活させるには至らなかった様で、若干の内輪揉め状態。
しれっと顔までディスられてる雷ぞうさんに笑った。苦労人枠が板につきつつあるのを感じる。
一方でミイラのウイルスに立ち向かったルフィは、身体を焼かれ当然の如く瀕死状態。
無謀とも言える行動だったが、アレも「たとえウイルスに打ち勝てなくてもチョッパーがいる」という安心感からの行動でもあったのかもしれない。
病やケガに関しては、チョッパーがいれば大抵の事は何とかなるという信頼ね。
前回はアレだけ啖呵を切ってたのに、仲間に対しては「ごめん助けて苦しい」と素直に弱音を吐きながら助けを求める辺りがルフィらしい。
この期待に応えなきゃならない仲間達は大変だけど、それが麦わらの一味という組織の在り方なので、チョッパー君には何とか抗体を見つけられる様に願っておきましょう。
さて、看守達の支配からは脱却したものの、イマイチ纏まりを見せない兎丼の囚人達。
そんな状況を打ち破ったのは、『光月モモの助』という人物の存在だった。
ウィルスに焼かれながら、初期コビーやしらほし姫に対するものを思い出させる暴言を連発するルフィ。
ゾウ編の同盟結成の時もそうだったけれど、組織の大将という立場でありながら、自分から行動を起こそうとせず他人の助けを待つだけのモモの助の姿勢を、ルフィは許そうとしないのですね。
勿論、モモの助はまだ幼く、戦える身ではない。そんな事はルフィにも分かっている。
しかし、非力で戦えない人物にも、仲間の為にやれる事はある。
モモの助には、生存する事そのものが、『光月家』を信じる侍達に希望を与える力があるのだ。
ルフィの言う、「あいつらが待ってんのはお前だろうが」というのは、半分は正しく、半分は間違いなんだろう。
モモの助も言っている様に、侍達がモモの助にひれ伏すのは、何もモモの助当人が何かを成したから、というワケではない。
侍達はみな、モモの助の偉大なる父親の影を見、長くワノ国を築いて来た光月家を見ている。彼らが待っているのは「光月モモの助」というよりは、「光月家の跡取り」という肩書きなんだろう。
その存在が居なければ、仮にワノ国を取り戻せたとしても、その後に続く希望がない。彼らが愛し、取り戻したいと願ったのは、「光月家の治めるワノ国」なのだ。
そして今回、彼らが待つ者と、その想いの重圧を、モモの助は正面から受け止めた。
その姿に、20年ぶりに彼の姿を見た河松も、「モモの助様のたくましき姿に安心した」と漏らしている。
河松にとっては20年越しの事だが、時を渡って来たモモの助にとってはつい最近の話。いつも誰かの陰に隠れ、怯えていただけだったモモの助は、ルフィと出会い、自らの意志を言葉にする事を学んだ事により、当主として大きく成長したのだ。
いずれモモの助が、他の誰でもない、「光月モモの助」として侍達に必要とされる存在となる日も、そう遠くないのかもしれない。
おでんの死から20年後の、光月家の復活。
その予言を、侍達も当初は信じ、その時を待っていたと言う。
しかし当然だが、その余りにも根拠に乏しい伝説を信じ、20年という長い時を待ち続けるのには、限界があった。
時を経れば身体も老いる。国を統べるカイドウに反目しながら、20年を生き延び続けるだけでも容易い事ではない。
10年が経過した頃、侍達の多くは剣を取り、侍としての死を遂げたのだと言う。
まあ……当然と言えば当然の話だよなぁ。
食糧すらマトモに得られない中での20年という歳月の重さなんて、想像する事すら簡単じゃない。
サンジとゼフが無人島に漂流していた時間。アレも相当な苦痛を伴う一件だったが、それでさえ85日間の出来事だった。
食糧などの状況に違いがあるため直接比較できるものではないが、それにしたって20年は長すぎる。10年間耐え続けられただけでも、精神的には屈強な方だと思う。
死んでいった侍達の墓を、アシュラ童子は錦えもん達に見せる。
一度はモモの助達との共闘を拒否したアシュラ。その気持ちも分かる。
彼は長い年月を耐え続け、無駄に命を散らそうとする仲間を止める事もできず、その死を見届けてきた。
何をする事もできず、ただ「待つ」だけの20年。
あまりにも辛い。辛すぎる20年だ。
自分達が心を潰して生き延びて来たこの歳月を、ただの一瞬で飛び越えて来た錦えもん達に、すぐに心を開けるほど、人の気持ちと言うのは単純じゃないんだろう。
しかしそれでも、彼は死ななかった。
盗賊に身を落としてでも生き延び、自らが剣を捧げた当主を信じ、いずれ来る戦いの時を待った。
康イエの死を目の当たりにした事で、気持ちは固まっていたんだろう。
この20年という長い歳月には、何の意味があったのか。その答えを知る為にも、アシュラ童子は赤鞘九人男の1人として、錦えもん達と共にカイドウを討つ事を決意するのだった。
何やこの熱い男は……。
見た目あんまりカッコいい方じゃないけど、背負っているものの「重み」が凄まじい。それでいて10億ベリーの大看板と互角にやり合える程に強いんだから、そりゃ魅力的な人物にもなるってもの。
一度協力すると決めれば、ついこないだまでガチの斬り合いをやってたイヌアラシとも肩を組んで笑う辺り、サバけた性格をしていそうなのも良い。
けどキンさん、イヌアラシをジジイ呼ばわりはヤメてあげて。その人、今の実年齢で言っても貴方と4つしか違わないから。
さて、そんなアシュラ童子の回想シーンだが、10年前に命を散らした侍達の口から、『捨名知』なる言葉が登場した。
これは『スナッチ』と読み、名を捨て、知を捨て、頭を空にして向かっていく際の掛け声なのだという。
スナッチと言えば、ゾロがモモの助に教えていたまじないと同じ言葉。
菊によれば九里の古い方言にも同音の言葉があり、モモの助が使うには相応しくない言葉だったと言う。
なるほど、それを聞いた時はあまり良い意味ではない、暴言に近い言葉なのかと思っていたけれど、そうではなかったらしい。
モモの助は光月家の跡取り。
当主というのは、その名において家臣を引っ張る者。家臣や民にとっての象徴であり、誰よりも「生きる」事を重視しなければならない存在。
そんなモモの助が使うには、自分の身を軽んじた度胸試しの言葉は、適しているとは言い難い。
モモの助はその生存と名により、侍達を統率しなければならないのだ。菊が『スナッチ』という言葉の使用を禁じたのも頷ける。
後は、ワノ国の住民でないゾロが何故、『スナッチ』というまじないを知っていたのかだが……ここは、もっと後に分かるかな。
・扉絵連載
・キッドとキラー
・ゾロ十郎VSオロチお庭番衆
・捕らわれたロー
・兎丼の囚人達
・酒天丸の20年
扉絵連載 |
第24弾となる扉絵連載のタイトルは、『ギャングベッジのオーマイファミリー』。
ビッグ・マムのナワバリを抜け出したベッジ達だが、どうもシフォンが「ローラに会いたい」という旨の事を言い出したらしい。
……え、ローラ、偉大なる航路前半にいるよ?
新世界抜けちゃうん?
66巻 第654話にて描かれた扉絵連載によれば、ローラを始めとしたローリング海賊団の面々は、ウォーターセブンにあるモズとキウイの酒場を訪れていた。
ウォーターセブンと言えば、ローラが初登場したスリラーバークより一歩手前の島。
本来なら、ウォーターセブンから出るログを辿って行った先で、スリラーバークのあった『魔の三角地帯』に行き当たる順序だった。
つまりローラの行動を纏めるなら、
エルバフ王子ロキとの縁談を断り、トットランドを出国
→ローリング海賊団を結成
→魚人島を通過
→スリラーバークにて影を奪われる(5年前)
→ルフィ達と出会い影を取り戻す(2年前)
→ウォーターセブンに滞在(新世界編突入時点)
という流れになる。
ローラはこの偉大なる航路を逆走しているのだ。
しかも2年をかけてスリラー→ウォーター間の航海しかしていないのだから、その歩みはめちゃくちゃ遅い。
たぶん、明確な目的地を持って海賊をやっているワケでも無いんじゃないかな。
そうなると、ローラが自分から新世界に戻って来る可能性はかなり薄そう。
シフォン達がローラに会おうと思えば、一度魚人島を通って偉大なる航路前半の海に逆戻りしなければならない事になってしまう。
……まあ、漫画的な都合もあるし、ひょっこりとローラが新世界に帰って来ている、という可能性も無くはないが、そうでないならばコレはかなりの大仕事だ。
確かに、ファイアタンク海賊団はアットホームな一味。
妻想いのベッジの事だし、シフォンの願いは叶えてやりたいと、この申し出を承諾するかもしれない。
けど、コレをシフォンの方から言い出すのはどうだろう。
ただでさえ、ホールケーキアイランド編ではシフォンのエゴともいえるケーキ作り&運搬の為、船も失い、仲間を危険に晒したばかり。
その一悶着がようやくひと段落したところに、更なる我を貫こうとするのは、流石に……。
ファイアタンク海賊団、シフォンのワガママによって成り立ってるのか?って印象になってしまったかもしれない。
まあ、この一味の中にある繋がりってのは、我々の常識で計れるもんでは無さそうなので、気にしないかもしれんですけどね。
ベッジ辺りが「会いたいんじゃねェのか?」って切り出す形だと、また印象も違ったかなぁ。
個人的に、ちょっと引っかかりを覚えてしまう話の導入でした。
キッドとキラー |
雷ぞうより受け取った鍵によって、自由の身となったキッド達。
打倒カイドウを掲げる者同士、ルフィと共闘する……という流れにはならず。
元はと言えば、ホーキンス、アプーと同盟し、赤髪のシャンクスを討とうと言う目論見を持っていたキッド。
しかし途中、偶然にもカイドウに出くわしてしまい、惨敗した上に同盟相手はカイドウに寝返ってしまうという最悪の結果となってしまっていた。
端的に言ってしまえば「同盟相手に裏切られた」状態のワケだから、そりゃあそう簡単に共闘とは行かないか。
仲間達を取り戻しに行くという事だけれど、アテはあるんですかね。
鎌ぞう……もといキラーも、キッドに同行する様子。
他のSMILE患者と比べると、明らかに様子がおかしかったキラーだけれど、キッドの事はきちんと認識出来ているのね。
てっきり精神ごとどっか逝っちゃってて、自我が崩壊した状態なのかと。
オロチに従って下手人を装ってたのは……仲間を人質に脅されていた感じなのかなぁ。
だとすれば、オロチを問い詰めれば仲間の居場所も分かるかもしれない。まず行くべき先は、オロチの城って事になるかな。
狂死郎らの守りもあるだろうし、すんなりとは行きそうにないけれども。
どこかでルフィ達と協力する結果にはなりそうだし、「仲間達を取り戻す為に共闘する」って形に落ち着くかな?
ルフィ&キッド&ローVSカイドウという対戦カードも見たいけれど、キッドが誰かとタイマンを張るなら、キラーにSMILEを投与した犯人……という事になるんですかね。
ゾロ十郎VSオロチお庭番衆 |
ゾロの仲間との疑惑をかけられ、お庭番衆から狙われる身となった日和。
日和を守りながら忍者たちと戦っていたゾロは、花の都のはずれにある森に辿り着いていたらしい。
ゾロを追っていた忍者達は、皆ゾロにやられてしまったっぽい。
女を斬りたがらないゾロに対し、女性忍者を差し向けなかったのが運の尽きだったな。
リーダーである福ロクジュの姿こそないが、お庭番衆、個々人の力で言えばそこまで強力な戦力というわけではなさそうね。
まずは牛鬼丸から秋水を奪い返す旨を口にしつつ、「オロチを許さない」と漏らすゾロ。
ゾロがここまで怒るの、本当に珍しい。
空島編でのオームとの戦いでは、「敵討ち」という戦いの動機に対し「あまり好きじゃない」と発言していたゾロ。
これは仲間であるチョッパーがやられた事に対する言葉だったので、「誰がやられたか」はあまり問題じゃないんだろう。
ゾロが本来好まない「敵討ち」という動機を持ち出した要因は、オロチのやり方の卑劣さにあると思う。
戦いの中で敗れたチョッパーとは異なり、康イエは身体を磔にされたまま、その死を見世物にされた。そしてオロチがえびす町の人々に行った、SMILEによる仕打ち。
これらのやり方が、ゾロの逆鱗に触れたんだろう。
この流れだと、ゾロと戦う相手はオロチという事になるのかな。
これまでの描写だと若干力不足な感は否めないけれど、幻獣種の能力者だし、戦えばそれなりの強さはあるんだろうか。
「竜を斬った」というリューマ伝説の再現にもなるが、正直オロチ様の龍はあんまりカッコ良くないので、その意味ではちょっと……アレかもしれない。アレ。
捕らわれたロー |
その頃、ホーキンスに仲間を人質に取られていたローは、そのまま身柄を拘束されてしまっていた。
身動きを封じられながら、不敵に笑うロー。一方で、何か様子のおかしいドレーク。
ローとドレークと言えば、ロシナンテが命を落としたミニオン島での一件で繋がりがある。
あの時、ドレークはロシナンテの襲撃をきっかけに、バレルズのもとから脱走する事に成功した。逆にそのドレークが海軍に保護され、ドフラミンゴがその保護された少年をローだと勘違いした事で、ローは逃げ延びる事ができた。
数奇な繋がりこそあるものの、2人は直接出会ったワケではないく、あの場所にお互いが居た事すらも知らなかっただろう。
ローの姿を見て、様子をおかしくする理由にはならない。
ローの態度からして、何か策を仕込んでるのかな。
シャンブルズの能力は確かにトリッキーだが、海楼石と思われる錠をつけられた時点で、能力の行使はできない。
何か策があるのか?
それとも、ホーキンスを言いくるめる算段があるのか?
というところで、次回に続く。
個人的には、ホーキンスとローの戦いをちょっと見たかったけれど、まあ人質を取られた状態だったし仕方ないか。
兎丼の囚人達 |
ルフィのもと、看守達への反逆を決意し、実行した囚人達。
しかし一度は折れてしまった囚人達の心を完全に復活させるには至らなかった様で、若干の内輪揉め状態。
しれっと顔までディスられてる雷ぞうさんに笑った。苦労人枠が板につきつつあるのを感じる。
一方でミイラのウイルスに立ち向かったルフィは、身体を焼かれ当然の如く瀕死状態。
無謀とも言える行動だったが、アレも「たとえウイルスに打ち勝てなくてもチョッパーがいる」という安心感からの行動でもあったのかもしれない。
病やケガに関しては、チョッパーがいれば大抵の事は何とかなるという信頼ね。
前回はアレだけ啖呵を切ってたのに、仲間に対しては「ごめん助けて苦しい」と素直に弱音を吐きながら助けを求める辺りがルフィらしい。
この期待に応えなきゃならない仲間達は大変だけど、それが麦わらの一味という組織の在り方なので、チョッパー君には何とか抗体を見つけられる様に願っておきましょう。
さて、看守達の支配からは脱却したものの、イマイチ纏まりを見せない兎丼の囚人達。
そんな状況を打ち破ったのは、『光月モモの助』という人物の存在だった。
ウィルスに焼かれながら、初期コビーやしらほし姫に対するものを思い出させる暴言を連発するルフィ。
ゾウ編の同盟結成の時もそうだったけれど、組織の大将という立場でありながら、自分から行動を起こそうとせず他人の助けを待つだけのモモの助の姿勢を、ルフィは許そうとしないのですね。
勿論、モモの助はまだ幼く、戦える身ではない。そんな事はルフィにも分かっている。
しかし、非力で戦えない人物にも、仲間の為にやれる事はある。
モモの助には、生存する事そのものが、『光月家』を信じる侍達に希望を与える力があるのだ。
ルフィの言う、「あいつらが待ってんのはお前だろうが」というのは、半分は正しく、半分は間違いなんだろう。
モモの助も言っている様に、侍達がモモの助にひれ伏すのは、何もモモの助当人が何かを成したから、というワケではない。
侍達はみな、モモの助の偉大なる父親の影を見、長くワノ国を築いて来た光月家を見ている。彼らが待っているのは「光月モモの助」というよりは、「光月家の跡取り」という肩書きなんだろう。
その存在が居なければ、仮にワノ国を取り戻せたとしても、その後に続く希望がない。彼らが愛し、取り戻したいと願ったのは、「光月家の治めるワノ国」なのだ。
そして今回、彼らが待つ者と、その想いの重圧を、モモの助は正面から受け止めた。
その姿に、20年ぶりに彼の姿を見た河松も、「モモの助様のたくましき姿に安心した」と漏らしている。
河松にとっては20年越しの事だが、時を渡って来たモモの助にとってはつい最近の話。いつも誰かの陰に隠れ、怯えていただけだったモモの助は、ルフィと出会い、自らの意志を言葉にする事を学んだ事により、当主として大きく成長したのだ。
いずれモモの助が、他の誰でもない、「光月モモの助」として侍達に必要とされる存在となる日も、そう遠くないのかもしれない。
酒天丸の20年 |
おでんの死から20年後の、光月家の復活。
その予言を、侍達も当初は信じ、その時を待っていたと言う。
しかし当然だが、その余りにも根拠に乏しい伝説を信じ、20年という長い時を待ち続けるのには、限界があった。
時を経れば身体も老いる。国を統べるカイドウに反目しながら、20年を生き延び続けるだけでも容易い事ではない。
10年が経過した頃、侍達の多くは剣を取り、侍としての死を遂げたのだと言う。
まあ……当然と言えば当然の話だよなぁ。
食糧すらマトモに得られない中での20年という歳月の重さなんて、想像する事すら簡単じゃない。
サンジとゼフが無人島に漂流していた時間。アレも相当な苦痛を伴う一件だったが、それでさえ85日間の出来事だった。
食糧などの状況に違いがあるため直接比較できるものではないが、それにしたって20年は長すぎる。10年間耐え続けられただけでも、精神的には屈強な方だと思う。
死んでいった侍達の墓を、アシュラ童子は錦えもん達に見せる。
一度はモモの助達との共闘を拒否したアシュラ。その気持ちも分かる。
彼は長い年月を耐え続け、無駄に命を散らそうとする仲間を止める事もできず、その死を見届けてきた。
何をする事もできず、ただ「待つ」だけの20年。
あまりにも辛い。辛すぎる20年だ。
自分達が心を潰して生き延びて来たこの歳月を、ただの一瞬で飛び越えて来た錦えもん達に、すぐに心を開けるほど、人の気持ちと言うのは単純じゃないんだろう。
しかしそれでも、彼は死ななかった。
盗賊に身を落としてでも生き延び、自らが剣を捧げた当主を信じ、いずれ来る戦いの時を待った。
康イエの死を目の当たりにした事で、気持ちは固まっていたんだろう。
この20年という長い歳月には、何の意味があったのか。その答えを知る為にも、アシュラ童子は赤鞘九人男の1人として、錦えもん達と共にカイドウを討つ事を決意するのだった。
何やこの熱い男は……。
見た目あんまりカッコいい方じゃないけど、背負っているものの「重み」が凄まじい。それでいて10億ベリーの大看板と互角にやり合える程に強いんだから、そりゃ魅力的な人物にもなるってもの。
一度協力すると決めれば、ついこないだまでガチの斬り合いをやってたイヌアラシとも肩を組んで笑う辺り、サバけた性格をしていそうなのも良い。
けどキンさん、イヌアラシをジジイ呼ばわりはヤメてあげて。その人、今の実年齢で言っても貴方と4つしか違わないから。
さて、そんなアシュラ童子の回想シーンだが、10年前に命を散らした侍達の口から、『捨名知』なる言葉が登場した。
これは『スナッチ』と読み、名を捨て、知を捨て、頭を空にして向かっていく際の掛け声なのだという。
スナッチと言えば、ゾロがモモの助に教えていたまじないと同じ言葉。
菊によれば九里の古い方言にも同音の言葉があり、モモの助が使うには相応しくない言葉だったと言う。
なるほど、それを聞いた時はあまり良い意味ではない、暴言に近い言葉なのかと思っていたけれど、そうではなかったらしい。
モモの助は光月家の跡取り。
当主というのは、その名において家臣を引っ張る者。家臣や民にとっての象徴であり、誰よりも「生きる」事を重視しなければならない存在。
そんなモモの助が使うには、自分の身を軽んじた度胸試しの言葉は、適しているとは言い難い。
モモの助はその生存と名により、侍達を統率しなければならないのだ。菊が『スナッチ』という言葉の使用を禁じたのも頷ける。
後は、ワノ国の住民でないゾロが何故、『スナッチ』というまじないを知っていたのかだが……ここは、もっと後に分かるかな。