週刊少年ジャンプ2019年39号分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
扉絵連載
霜月牛マル
河松の過去
牛鬼丸の正体  



扉絵連載

ベッジ、敵船を奪取するの巻。

あの小さなタルト軍艦で航海を続けるのは流石に無理があったのか、きちんと船は新調した様で。
船取られるわ、テロップに隠れて顔も見えないわで散々な目に遭ってる敵船長さんかわいそう。


船を手にしたという事で、いざローラのいるウォーターセブンへ……ではなく、目的地はスリラーバーク
そういや、ナミから「スリラーバークでローラに会った」事は聞いていても、今現在の滞在地なんか分かるワケないか。リンリンでさえ掴めて無かったんだから。


ベッジ達の目指す場所は、正確に言えば「2年前にスリラーバークがあった『魔の三角地帯』」という事になるんだろうけど、実際には現在、魔の三角地帯にスリラーバークは存在していない。

92巻 第925話にて、モリアは『スリラーバーク海賊団』の船長として再登場したが、その際に使用していた船はスリラーバークそっくりの外見をしていた。
近くに浮かんでいる船とのサイズ比を考えても、2年前にルフィ達が上陸したスリラーバークそのものだと思う。

第658話扉絵でペローナがクマシーを回収→療養を終えたモリアがスリラーバークに戻る→ハチノス島へ という流れだったんだろう。


という事で、このまま行くとベッジ達の海を跨いだ航海は途方もない空振りに終わってしまいそう。
と言っても、漫画の都合上「ローラを探しに行ったけど見つかりませんでした、ちゃんちゃん」で終わるワケは無いので、何らかの偶然で再会するんだろうけど。

魔の三角地帯が存在するのはウォーターセブンから見て新世界側にある海なので、偶然の再会があるなら「ローラも新世界へ向かおうとしている最中」という形になるのかな?




霜月牛マル

かつて『白舞』の郷を治めていた大名の名は、霜月康イエ。
そしてその北側にある郷、『鈴後』は、同じく霜月の姓を持つ霜月牛マルが治めていたとの事。


牛マルとはまた、モロに『牛若丸』イメージの名前が出て来たなぁ。
牛鬼丸がすでに弁慶と牛若丸をセットにしたキャラクターなのかと思ってたけど、別でも出てくるか。

しかしこの『牛鬼丸』という名前、元はと言えば河松が鈴後の墓を守る際に名乗った名前だったみたいですね。
どう見ても『牛マル』と『オニ丸』を足しただけの名前だし、元は牛マルが名乗っていた名前だったりするのかな?


しかし、霜月姓の大名が白舞だけでなく鈴後までをも治めていた、というのは、驚きつつも納得のカンジ。
以前発売された『VIVRE CARD』のリューマのカードには、その出生地が『鈴後』であることと共に『霜月リューマ』という名も書かれていたからだ。

霜月の名が書かれているのはカード内の異名の欄だけだが、まあたぶん本名なんだろう。
『白舞』を治めていたハズの霜月家の祖先であるリューマが、『鈴後』に住んでいた。数百年の歴史の中で移住したのかな?なんて思っていたが、単純に1つの家が複数の地を治めていたのね。
シルエットに見える髪型も似てるし、むしろ牛マルの直接の祖先がリューマなのかな。


また、数百年前(ONEPIECE magazine情報では400年前)に死んだリューマの遺体が、なぜ朽ち果てもせずに保管されていたのか…という問題に関しても解決。
ついでに彼の墓に、生前使用していた『秋水』が納められていたのも、単なる副葬品ではなく『常世の墓』という土地柄の風習だったのね。

リューマの名そのものは出て来なかったものの、彼を取り巻く色んな事情が一気に解決して、ちょっと気持ちの良い回でした。




河松の過去

日和は「自分のせいで河松が弱っていくのに耐えられなかった」と言っていたが、彼女が姿を消してからの河松は流石に慌て、東奔西走していた様子。
そらそうだ。光月家に命を預けた家臣として、トキから預かった遺児である日和は、何に代えても守らなきゃならない存在だったのだし。


河松に生きて欲しいが為の行動が、河松に切腹さえも決意させかけたというのは本末転倒な話だけれど、日和側の気持ちとしてコレは責められないかな……。
自分を守ってくれる存在が、自分のせいで死ぬなんてそりゃあ怖い。方法は間違えた気もするけれど、気持ちの動きとしてはそう不自然でない気はする。
河松が捕らわれたのも、狂死郎一家とか無関係に「食料を盗み出すのに失敗した」せいっぽいし。

後はまあ、どういう経緯で狂死郎の遊郭に入る事になったのか……というのが気になるけれど、それ次第で彼女が善玉なのか悪玉なのかが決まりそう。
一応、劇中ではまだ「日和=小紫」は明言されてないんだよなぁ。


日和と別れてから、河松は鈴後の墓に立てられた刀剣類を掘り返し、いずれ来る戦いの為に保管していたと。
死者を弔うための墓は大切だけれど、それを重視するあまり今を生きる人たちを救えなかったら元も子もないものなぁ。

墓暴きの汚名を被ってでも、いずれ来る大戦のために出来る事をする河松さん、個人的には好きです。
空腹のあまり、得た刀を金に換えようか迷ってしまう辺りも、潔白なだけではない人間味が溢れていて良い。彼、人間なのか知らないけど。


ってか、河松に追われてる本物の墓荒らし、小紫に搾り取られてたブン業・凡ゴウ・びん豪の3人組じゃん。墓荒らしまでやってたのか、コイツら。
河松に追い払われた悪党が、回り回って日和によって都落ちさせられるたぁ、また因果なモンですね。その裏で、この人らの家族とか売っ払われてるのがアレだけど。




牛鬼丸の正体

河松が『牛鬼丸』として集めた刀剣は、せいぜい数百人分。
しかしそれから13年間、その『牛鬼丸』の名を引き継いだ者によって集められた刀は数千本にも上り、決戦における懸念材料であった「武器不足」は一気に解消されたと。

おいはぎ橋にて、その刀を集めていた牛鬼丸……その正体はキツネ
ちょっと小さめに見えるけど、これはオニ丸張本人で良いのかな?
ゾロから秋水を盗み出した際も、このキツネの姿で近付いたから、気づかれる事無く奪えたみたい。


元々『オニ丸』として生まれた狛狐が、13年間の内に悪魔の実を食べ、人間に変身する能力を得たのかな。
牛マルとも河松ともずっとキツネの姿で居たんだろうから、「実は人間が真の姿」って事もないだろうしなぁ。

だとすれば、随分と多弁なキツネさんだ。
というか、めちゃくちゃ賢い。河松の意志を継いで刀を集め続けるだけならまだしも、リューマに纏わる細かい情報とか、ゾロに喋りまくってたし……。
高名な大名の相棒を務める存在として、ワノ国の歴史についても叩き込まれてたのかな。


それはともかく、何で河松と顔を合わせずに逃げるんでしょうね。
河松は「愛想をつかした事でしょう」と言っていたものの、オニ丸の河松に対する想いは恐らく今も健在。顔を合わせにくい理由でもあるのかな?
河松が捕まった原因は「油揚げの盗みがバレたこと」みたいだけれど、自分の好物を盗りに行ったせいで捕まってしまったと解釈したとか? うーん。



そして更に、ゾロの刀新調フラグ。

秋水がワノ国の国宝である以上、ワノ国編終了後にそれを返却するのか否か……というのは注目も集まっていた所。
二代鬼徹も登場した為、秋水と二代の交換になるのか……とかいろいろあったが、ここに来て光月おでんが使っていたという名刀の存在が明かされた。


名を『閻魔』
仰々しい名前だが、あのカイドウに傷をつけた伝説の刀であるらしい。

伝説……?
カイドウがワノ国に来たのって20年前かそこらのハズだけど、伝説と呼ぶには年季が浅い様な……?
と思ったけど、10数年前ぐらいのシャンクスとミホークの決闘も「伝説」扱いだし、大した問題じゃなかったわ。


この閻魔という名前、第950話でゾロがお庭番衆と戦っていた、『閻魔堂』という場所とも関係がありそう。
閻魔堂はおでんが治めた九里ではなく、白舞の地にあったもの。閻魔という刀がこの閻魔堂に奉られていたものなら、元はおでんが康イエから託された刀なのかな。


個人的には、二代鬼徹がゾロの手に渡るなら、秋水ではなく三代鬼徹との交換が良いかな、と思っていた。
3本中2本が鬼徹というのはバランスも良くないし、なんか妖刀使いみたいなイメージになりそうだし、そもそも三代鬼徹はただの「業物」に過ぎず、和道一文字や秋水に比べれば少々力不足なところもあったからだ。

しかし今回、更に閻魔という刀の登場。
これによって、場合によっては秋水と三代鬼徹、双方ともお役御免となる可能性も出てきたのかな。
「黒刀は自分の力で成してこそ一流」という感じらしいので、戦いの後あえて秋水を返却し、のちに自身の力で和道を黒刀と成し、最強へと近づく……という流れが綺麗な気がする。