★もくじ
・扉絵連載
・討ち入り前日!
・内通者
・ワノ国の刀剣と霜月家
赤い土の大陸への接近が敵わなかったベッジは、ひとまず近隣の島で食糧の補給を行うことに。
……ってこの島、ドレスローザじゃねぇか!!
遠目なので分かりにくいが、この海面にそびえたつガケや、王の台地らしきオブジェは間違いなさそう。
ドレスローザは新世界に入ってすぐの島という程でもないだろうけど、まあ魚人島から伸びる指針の先にあるライジン島なんかに比べ遥かに安全だし、補給には適しているか。
ベッジの航路がルフィ達の冒険と重なるのは面白い……が、ドレスローザって今、主要な登場人物はほとんど出払っちゃってるハズなんですよね。世界会議がまだ終わってないor中断されている途中だとすれば。
なのであんまり話の大筋に絡んで来る気はしない……ものの、やはり報道の都合上、ベッジ達はドレスローザの民衆にルーシーの仲間として認識されている可能性がある。
ルフィの辿った航路を逆走するという事は、「ルフィ達に恩ある人々と次々に関わっていく」ことにもなるので、ベッジが彼らにどういった扱いを受けるのかが地味に楽しみ。
兎丼編(と言うのか?)辺りから若干スローモーになった展開がウソの様に、前回から引き続きポンポンと日付が進んで行く。
気付けば討ち入りを前日に控え、堂々の第二幕完結。
討ち入り前にもうひと波乱起こるモノかと思っていたけれど、意外にもテンポよく進んで行ったなぁ。
しかし逆に言えば、「本来討ち入り前に解決すべき問題」を残したまま、決戦の場へと進んでしまっている事も事実。
所在すら分からぬ傳ジロー、未だ合流できないネコマムシ達、連絡のつかないロー。
結局何気に正体が分からず仕舞いの丑三つ小僧や、ワノ国で落ち合う約束をしたジンベエ、捕らわれたままの羅刹町の侍達。
そして何より、オロチに情報を手引きした内通者の存在。
これだけの問題を抱えたままの決戦なので、一筋縄で行くものにはならなさそう。
こちらの総兵力は、現段階で4200名と。牢屋敷に捕まった約1000人は、救出不可と判断された為数には含めないのが勿体ない。
ロビンが得た情報では、敵の兵力は合計で約3万人との事だが、実際にはここに同盟軍であるビッグ・マム海賊団が入る。1隻の船に乗って来た人員だけと考えれば、人数的にはそこまで増加しないものの、四皇2人を相手取らなきゃならない時点でもう人数がどうこうと言うレベルの話ではなくなって来ている。
とはいえ、肝心の首魁の首を取るのが超難易度である以上、ある程度の時間と人員をかけた消耗戦となる事は覚悟しておかなければいけないと思う。
ただでさえ『ナンバーズ』という強敵の存在が明らかになり、更にビッグ・マム海賊団との同盟……つまりペロスペローやダイフク、スムージー姐さんといった大戦力も敵に回る以上、総兵力だけではなく「主力級」の頭数においても遅れを取りかねない。
流石にこの状況で、約7倍以上の兵力差を跳ね返すというのは相当キツい戦いになりそう。
やっぱりここは必要だろ……麦わら大船団の力が。
ルフィがカイドウに敗北した事でビブルカードに異変が起きていれば、「何かありゃ勝手に命かけて参上する」と言った彼らはワノ国へと向かって来るハズ。
ついでにベラミーや、マリージョアでのいざこざを終えたサボなんかも駆けつけてくれるかもしれない。そうなれば心強さもあるし、何より「第2の頂上戦争」とも呼べる盛り上がりに大きく貢献してくれると思われる。
そういやナンバーズが「1~10」の数字を持つ10人の海賊だとすると、最悪の世代であるアプーを除けば傘下船長+ベラミー、サボの9人とちょうど人数が合うんだな。
ナンバーズVS麦わら大船団なんて組み合わせも、それはそれで面白そうだし見てみたい……とは思うものの、オオロンブスやイデオ、ベラミー辺りは現状だと力不足……かな。
ベラミーは海賊辞めちゃったし、パワーアップの見込みも薄いだろうからなぁ。
後は、康イエの回想にそれらしい姿が描かれたイゾウの関与とかにも期待したい。
マルコはウィーブルへの警戒があるので無理だったけれど、イゾウにとっては自分の故郷の話だからなぁ。
……ところで、決戦に赴く赤鞘達の姿と共に流れるナレーションの中に、「九人の影」ってフレーズが出てますね。
亡きトキの予言じみた遺言の中には、「二十年を編む月夜に九つの影を落とし」という一節があった。
っても、今回の「九人の影」にはモモの助やしのぶも含まれているんで、直接的には関係ないんだろうけど。流石に話の流れ上、モモの助が予言上の「九人」に含まれる事はないだろうし。
少なくない読者がこの予言の事を忘れているタイミングだろうし、一旦こういうフレーズを挟む事で思い出させておこうって意図かな。
光月派閥の中に、オロチと内通するスパイがいる。
これは最初に計画が露見した時からずっと仄めかされて来たことだが、今回それが確実なものとなった。
討ち入りの集合場所が『刃武港』から『常影港』に変更になった事も筒抜けであり、康イエの命を賭した覚悟も、ほぼ水の泡となってしまっている。
うーん、これは正直なところ、錦えもん達の対応が甘かったと言わざるを得ないかも。
「内通者がいる」可能性が示された時点で、決戦までに何としても手を打っておかなければいけない所だった。
ただ、劇中でまだ明かされていないだけで実際には既に内通者への対応を行っている可能性も、考えられはする。
あえて未対処のまま決戦に臨むと思わせておき、その上で敵や内通者の動きを予測し、その上を行く行動を取る……というのは、このテの裏切りへの対応としてはよく使われる手だし。
読者からはあまりそうは見えないが、錦えもんは切れ者で通っていたらしいし、そのぐらいの策略は見せて欲しいところだ。
……で、誰が内通者なんだろう。
内通者がオロチに伝えた情報として確実なのは、「足首の逆さ三日月は反逆の意思を示す事」「彼らに判じ絵が配られている事」「当初の集合地が刃武港だった事」、
そして新たに、「兎丼の採掘場が敵によって制圧された事」「集合地が常影港に変更された事」「光月日和が生存し、北の地に身を隠している事」。
ほとんどの情報が筒抜けとなってしまっている中で、内通者は1つ、正確ではない情報をオロチに流してしまっている。
兎丼の制圧後、看守長のババヌキがルフィ達に降った事を、伝えられなかった。
つまり内通者は、お玉がババヌキを手懐ける現場を見ていない者……となるため、その時兎丼にいたお玉、菊、雷ぞう、カリブーではあり得ない。
河松はその現場こそ見ていないものの、そもそもつい先日まで獄中に囚われていたのだから、可能性として厳しい。
個人的には菊が内通者だったら楽しいと思ってた(あの般若の面とか、敵方にいた方が映えそう)ので、その可能性がほぼ無くなったのはちょっと残念……ではあるが、まあ普通に味方として戦ってもカッコよくはあるので、別に良いか。
最近では女性陣(ビッグ・マムを除く)のタイマン戦闘はあまり見られなくなって来ているけれど、菊ならまあ、何とかなるでしょう。
オロチが内通者からの情報を読み上げるコマの隣では、何やらローが意味深な表情を浮かべている。が、「光月日和の生存」が知らされた場面に同席していない以上、ハートの海賊団側に内通者がいる事もありえない。
日和の生存が河松より報告されたのは、討ち入り5日前の編笠村。
なので、内通者はその場にいた錦えもん、モモの助、カン十郎、アシュラ童子、イヌアラシ、しのぶ、飛徹、おトコの中の誰かとなる。(麦わらの一味は省略)
その内主君であるモモの助や、オロチに狙われる身であるおトコは取り合えず外して良いでしょう。
また雷ぞうを守る為に片足を失ってまで戦ったイヌアラシが、今更内通者というのも考えにくい。いや、ビックリ具合では群を抜く人選だが、それにしても余程の理由でもつけない限り無理がある。
作戦の立案者である錦えもんや、決起の時を待ち20年間も心を潰して来たアシュラも、内通者の可能性は相当低い。
となると、この中から候補となりうるのは、カン十郎、しのぶ、飛徹の3名。
だが飛徹は、おでんより託された刀をモモの助達に返すためだけに、20年も待ち続けた忠誠心の持ち主。内通者の気配はあまり感じない。
しのぶは、あのローとの口論が演技だった可能性も否定しきれない。
人相書きが出ているものの、20年前の姿を元にした絶対に捕まえられないものなので、警戒されない様にあえて出したものかもしれない。が、正直全体的には微妙。
総合すると、やっぱり一番怪しいのはカン十郎かなぁ。
というかむしろこの人に関しては、内通者じゃないなら存在意義が揺らぐレベルで何もしてないのよね。
ウソップのシュガー撃破に協力して以降では……ゾウ登上時ぐらい……? ワノ国でも、腹に障りそうな鯛を売ってた事ぐらいしか記憶にないぞ。
そういやゾウを登る時も、おでんの仇である龍を出現させて、錦えもんに呆れられてたなぁ……。
アレ、実は龍の側に降ることを暗示していたフラグだったりする……?
ただまあ、カン十郎が内通者だとしても、20年間のタイムスリップに関しては報告されていそうも無い事をふまえて、何らかの事情があってオロチに与している可能性の方が高そうだ。
編笠村にて、「ある人物」を待ち続けていたという天狗山飛徹。
その人物とは、光月おでんより預かった刀を返納するべき相手、モモの助と日和だった。
あー、そういう事か。
おでんは自分の刀を直接日和たちに託したワケではなく、いつか成長した時に渡せるよう、飛徹に預けておいたのね。
現時点で、この場にはゾロの『和道一文字』『三代鬼徹』、新たに加わった『閻魔』、いずれモモの助に渡される『天羽々斬』、飛徹のもとに返ってきた『二代鬼徹』の5本の刀がある。
若干複雑になって来たので、今回明かされた情報を加えつつ、それぞれの刀について簡単に纏めておく。
……さて、今回新たに分かった事と言えば、まず『天羽々斬』と『三代鬼徹』が、天狗山飛徹によって打たれたものだという事。
またゾロの『和道一文字』は、『閻魔』と同じ霜月コウ三郎なる人物によって打たれた刀だという。
和道一文字のルーツは、ワノ国にあった。
鎖国国家であるワノ国に住む飛徹が知っているという事は、和道一文字はコウ三郎のワノ国在住時に打たれ、50年以上前にコウ三郎と共に東の海へと渡ったんだろう。
三代鬼徹も、その時に運び出されローグタウンへと渡ったのかな。
霜月コウ三郎、という名前は、物凄く分かりやすい形でコウシロウと被っている。
ここに引っかけを仕込んで来るとも思えないし、コウ三郎はコウシロウの父であり、くいなの祖父なんだろう。
おそらく50年以上前、ワノ国を発った霜月コウ三郎らによって、東の海にシモツキ村が作られた(または村の名が変えられた)。
ゾロがワノ国の血を引いているのか、外から移住して来た人の子なのかまでは断定できないが、少なくともゾロとワノ国に大きな繋がりがあったのは確実だと。
またゾロがモモの助に教えた「スナッチ(捨名知)」という掛け声も、元はシモツキ村の爺さんから教わったものらしい。
薦めてはみたものの自分では一度も言った事がないという辺り、神頼みを信じないゾロらしくて笑えるが、この「村のジジー」というのが他ならぬ霜月コウ三郎なのかな。
しかし閻魔の暴れ馬っぷりは凄まじいですね。
秋水も、ゾロが得たばかりの頃は『百八煩悩鳳』の斬撃を呑み込んで1つにしてしまう扱いづらさを発揮していたけれど、その比じゃない。
使用者の覇気を勝手に放出してしまうという、もはや刀が意志を持っているとしか思えない暴走っぷりだった。
「“妖刀”と理屈は同じ」という飛徹の言い方からして、妖刀とはまた異なる存在らしいが、確かに、これだけの斬れ味や、流桜(覇気)の放出に長けた性質を持つ刀なら、あのカイドウの鱗に傷をつけたという功績も納得がいく。
妖刀と言えば、いっぽんマツ曰く「鬼徹一派の刀はことごとく妖刀だった」らしい。
二代鬼徹を生んだ古徹の子孫であるだけでなく、実際に三代鬼徹を世に生み出している以上、飛徹もまた「鬼徹一派」に連なる刀鍛冶なんだろう。
とすれば、『鬼徹』の名こそ冠していないものの、同じく飛徹が打った『天羽々斬』も恐らくは妖刀である可能性が高い。
……が、そんな危険な刀を、まだ年端も行かないモモの助に平然と渡そうとするだろうか。
いくらおでんから仰せつかった事でも、「いずれ大人になってから」ぐらいの事を言っても良いんじゃないだろうか。
曰く天羽々斬は、飛徹にとっての「傑作」であるらしい。
もしかしたら天羽々斬は、鬼徹一派にとって超希少な、呪いを得ずに生み出された名刀なのかもしれない。
そして業物の位列というのは、やはり『黒刀』と成る事で上昇するものらしい。
つまり、ゾロが自らの手で『和道一文字』や『閻魔』の様な大業物を黒刀と成らせることができれば、晴れて最上大業物の使い手となる事ができるのだ。
……そう考えると、やっぱり『三代鬼徹』の業物という位列は物足りない気がする。
黒刀と成る事で1段階位列が上昇すると考えても、雪走と同等の『良業物』。うーん。
やっぱり、どこかのタイミングで二代鬼徹との交換イベントがあっても良い気がするなぁ。
「一介の業物に過ぎない三代鬼徹を、最上大業物にまで育て上げた剣士」って箔の付け方もできるけど、そんなに後付けで何段階も上げられるものとは思いにくいし。
まあ何にせよ、閻魔という刀を扱い切れる様になれば、刀の強化だけでなくゾロ自身の実力も飛躍的に上がるハズ。
未だに新世界編において、苦戦らしい苦戦はイッショウとの小競り合いぐらいだったゾロなので、これは正に鬼に金棒。
海賊王の右腕を務める男として、申し分ない実力を発揮してくれる事だろう。
……ところで、日和様に関しては本当に信用して良いんですかね……?
ここに来て「幼少期との変化」がピックアップされる辺り、やっぱり怪しく見えて来たぞ。
内通者とはまた別だとは思うのだけれど、小紫としての顔を見てしまうと、今ゾロ達に見せている日和の性格が「素」だとは、あまり思えない。
そもそも「狂死郎に斬られた時、どうやって生き残ったの?」という問題が解決していないからなぁ。
幼少の思い出を語られ、改めて不穏さを感じるのでした。
何か日和の行動が元となって、決戦に影響を与える事になりそうな気がする。
・扉絵連載
・討ち入り前日!
・内通者
・ワノ国の刀剣と霜月家
扉絵連載 |
赤い土の大陸への接近が敵わなかったベッジは、ひとまず近隣の島で食糧の補給を行うことに。
……ってこの島、ドレスローザじゃねぇか!!
遠目なので分かりにくいが、この海面にそびえたつガケや、王の台地らしきオブジェは間違いなさそう。
ドレスローザは新世界に入ってすぐの島という程でもないだろうけど、まあ魚人島から伸びる指針の先にあるライジン島なんかに比べ遥かに安全だし、補給には適しているか。
ベッジの航路がルフィ達の冒険と重なるのは面白い……が、ドレスローザって今、主要な登場人物はほとんど出払っちゃってるハズなんですよね。世界会議がまだ終わってないor中断されている途中だとすれば。
なのであんまり話の大筋に絡んで来る気はしない……ものの、やはり報道の都合上、ベッジ達はドレスローザの民衆にルーシーの仲間として認識されている可能性がある。
ルフィの辿った航路を逆走するという事は、「ルフィ達に恩ある人々と次々に関わっていく」ことにもなるので、ベッジが彼らにどういった扱いを受けるのかが地味に楽しみ。
討ち入り前日! |
兎丼編(と言うのか?)辺りから若干スローモーになった展開がウソの様に、前回から引き続きポンポンと日付が進んで行く。
気付けば討ち入りを前日に控え、堂々の第二幕完結。
討ち入り前にもうひと波乱起こるモノかと思っていたけれど、意外にもテンポよく進んで行ったなぁ。
しかし逆に言えば、「本来討ち入り前に解決すべき問題」を残したまま、決戦の場へと進んでしまっている事も事実。
所在すら分からぬ傳ジロー、未だ合流できないネコマムシ達、連絡のつかないロー。
結局何気に正体が分からず仕舞いの丑三つ小僧や、ワノ国で落ち合う約束をしたジンベエ、捕らわれたままの羅刹町の侍達。
そして何より、オロチに情報を手引きした内通者の存在。
これだけの問題を抱えたままの決戦なので、一筋縄で行くものにはならなさそう。
こちらの総兵力は、現段階で4200名と。牢屋敷に捕まった約1000人は、救出不可と判断された為数には含めないのが勿体ない。
ロビンが得た情報では、敵の兵力は合計で約3万人との事だが、実際にはここに同盟軍であるビッグ・マム海賊団が入る。1隻の船に乗って来た人員だけと考えれば、人数的にはそこまで増加しないものの、四皇2人を相手取らなきゃならない時点でもう人数がどうこうと言うレベルの話ではなくなって来ている。
とはいえ、肝心の首魁の首を取るのが超難易度である以上、ある程度の時間と人員をかけた消耗戦となる事は覚悟しておかなければいけないと思う。
ただでさえ『ナンバーズ』という強敵の存在が明らかになり、更にビッグ・マム海賊団との同盟……つまりペロスペローやダイフク、スムージー姐さんといった大戦力も敵に回る以上、総兵力だけではなく「主力級」の頭数においても遅れを取りかねない。
流石にこの状況で、約7倍以上の兵力差を跳ね返すというのは相当キツい戦いになりそう。
やっぱりここは必要だろ……麦わら大船団の力が。
ルフィがカイドウに敗北した事でビブルカードに異変が起きていれば、「何かありゃ勝手に命かけて参上する」と言った彼らはワノ国へと向かって来るハズ。
ついでにベラミーや、マリージョアでのいざこざを終えたサボなんかも駆けつけてくれるかもしれない。そうなれば心強さもあるし、何より「第2の頂上戦争」とも呼べる盛り上がりに大きく貢献してくれると思われる。
そういやナンバーズが「1~10」の数字を持つ10人の海賊だとすると、最悪の世代であるアプーを除けば傘下船長+ベラミー、サボの9人とちょうど人数が合うんだな。
ナンバーズVS麦わら大船団なんて組み合わせも、それはそれで面白そうだし見てみたい……とは思うものの、オオロンブスやイデオ、ベラミー辺りは現状だと力不足……かな。
ベラミーは海賊辞めちゃったし、パワーアップの見込みも薄いだろうからなぁ。
後は、康イエの回想にそれらしい姿が描かれたイゾウの関与とかにも期待したい。
マルコはウィーブルへの警戒があるので無理だったけれど、イゾウにとっては自分の故郷の話だからなぁ。
……ところで、決戦に赴く赤鞘達の姿と共に流れるナレーションの中に、「九人の影」ってフレーズが出てますね。
亡きトキの予言じみた遺言の中には、「二十年を編む月夜に九つの影を落とし」という一節があった。
っても、今回の「九人の影」にはモモの助やしのぶも含まれているんで、直接的には関係ないんだろうけど。流石に話の流れ上、モモの助が予言上の「九人」に含まれる事はないだろうし。
少なくない読者がこの予言の事を忘れているタイミングだろうし、一旦こういうフレーズを挟む事で思い出させておこうって意図かな。
内通者 |
光月派閥の中に、オロチと内通するスパイがいる。
これは最初に計画が露見した時からずっと仄めかされて来たことだが、今回それが確実なものとなった。
討ち入りの集合場所が『刃武港』から『常影港』に変更になった事も筒抜けであり、康イエの命を賭した覚悟も、ほぼ水の泡となってしまっている。
うーん、これは正直なところ、錦えもん達の対応が甘かったと言わざるを得ないかも。
「内通者がいる」可能性が示された時点で、決戦までに何としても手を打っておかなければいけない所だった。
ただ、劇中でまだ明かされていないだけで実際には既に内通者への対応を行っている可能性も、考えられはする。
あえて未対処のまま決戦に臨むと思わせておき、その上で敵や内通者の動きを予測し、その上を行く行動を取る……というのは、このテの裏切りへの対応としてはよく使われる手だし。
読者からはあまりそうは見えないが、錦えもんは切れ者で通っていたらしいし、そのぐらいの策略は見せて欲しいところだ。
……で、誰が内通者なんだろう。
内通者がオロチに伝えた情報として確実なのは、「足首の逆さ三日月は反逆の意思を示す事」「彼らに判じ絵が配られている事」「当初の集合地が刃武港だった事」、
そして新たに、「兎丼の採掘場が敵によって制圧された事」「集合地が常影港に変更された事」「光月日和が生存し、北の地に身を隠している事」。
ほとんどの情報が筒抜けとなってしまっている中で、内通者は1つ、正確ではない情報をオロチに流してしまっている。
兎丼の制圧後、看守長のババヌキがルフィ達に降った事を、伝えられなかった。
つまり内通者は、お玉がババヌキを手懐ける現場を見ていない者……となるため、その時兎丼にいたお玉、菊、雷ぞう、カリブーではあり得ない。
河松はその現場こそ見ていないものの、そもそもつい先日まで獄中に囚われていたのだから、可能性として厳しい。
個人的には菊が内通者だったら楽しいと思ってた(あの般若の面とか、敵方にいた方が映えそう)ので、その可能性がほぼ無くなったのはちょっと残念……ではあるが、まあ普通に味方として戦ってもカッコよくはあるので、別に良いか。
最近では女性陣(ビッグ・マムを除く)のタイマン戦闘はあまり見られなくなって来ているけれど、菊ならまあ、何とかなるでしょう。
オロチが内通者からの情報を読み上げるコマの隣では、何やらローが意味深な表情を浮かべている。が、「光月日和の生存」が知らされた場面に同席していない以上、ハートの海賊団側に内通者がいる事もありえない。
日和の生存が河松より報告されたのは、討ち入り5日前の編笠村。
なので、内通者はその場にいた錦えもん、モモの助、カン十郎、アシュラ童子、イヌアラシ、しのぶ、飛徹、おトコの中の誰かとなる。(麦わらの一味は省略)
その内主君であるモモの助や、オロチに狙われる身であるおトコは取り合えず外して良いでしょう。
また雷ぞうを守る為に片足を失ってまで戦ったイヌアラシが、今更内通者というのも考えにくい。いや、ビックリ具合では群を抜く人選だが、それにしても余程の理由でもつけない限り無理がある。
作戦の立案者である錦えもんや、決起の時を待ち20年間も心を潰して来たアシュラも、内通者の可能性は相当低い。
となると、この中から候補となりうるのは、カン十郎、しのぶ、飛徹の3名。
だが飛徹は、おでんより託された刀をモモの助達に返すためだけに、20年も待ち続けた忠誠心の持ち主。内通者の気配はあまり感じない。
しのぶは、あのローとの口論が演技だった可能性も否定しきれない。
人相書きが出ているものの、20年前の姿を元にした絶対に捕まえられないものなので、警戒されない様にあえて出したものかもしれない。が、正直全体的には微妙。
総合すると、やっぱり一番怪しいのはカン十郎かなぁ。
というかむしろこの人に関しては、内通者じゃないなら存在意義が揺らぐレベルで何もしてないのよね。
ウソップのシュガー撃破に協力して以降では……ゾウ登上時ぐらい……? ワノ国でも、腹に障りそうな鯛を売ってた事ぐらいしか記憶にないぞ。
そういやゾウを登る時も、おでんの仇である龍を出現させて、錦えもんに呆れられてたなぁ……。
アレ、実は龍の側に降ることを暗示していたフラグだったりする……?
ただまあ、カン十郎が内通者だとしても、20年間のタイムスリップに関しては報告されていそうも無い事をふまえて、何らかの事情があってオロチに与している可能性の方が高そうだ。
ワノ国の刀剣と霜月家 |
編笠村にて、「ある人物」を待ち続けていたという天狗山飛徹。
その人物とは、光月おでんより預かった刀を返納するべき相手、モモの助と日和だった。
あー、そういう事か。
おでんは自分の刀を直接日和たちに託したワケではなく、いつか成長した時に渡せるよう、飛徹に預けておいたのね。
現時点で、この場にはゾロの『和道一文字』『三代鬼徹』、新たに加わった『閻魔』、いずれモモの助に渡される『天羽々斬』、飛徹のもとに返ってきた『二代鬼徹』の5本の刀がある。
若干複雑になって来たので、今回明かされた情報を加えつつ、それぞれの刀について簡単に纏めておく。
■和道一文字 持ち主:くいな→ゾロ 刀鍛冶:霜月コウ三郎 位列:大業物21工 50年前、ワノ国を違法出国した霜月コウ三郎の打った刀。 シモツキ村のくいなの愛刀だったが、彼女の死後、その父コウシロウを通してゾロに渡される。 ■三代鬼徹 持ち主:ゾロ 刀鍛冶:天狗山飛徹 位列:業物 ローグタウンのいっぽんマツの店で売られていた妖刀。 いっぽんマツには一時売る事を拒否されるが、その呪いに打ち勝った事でゾロの持ち物となる。 ■閻魔 持ち主:おでん→(日和)→ゾロ 刀鍛冶:霜月コウ三郎 位列:大業物21工 ワノ国において、おでんを除き手懐けられた者がいないとされる刀。カイドウに傷をつけた事がある。 持ち主の覇気を勝手に放出し、並の剣士では一振りで干からび倒れてしまうという。 和道一文字とは刀鍛冶を同じくしており、ゾロの手になじむ。 ■天羽々斬 持ち主:おでん→(モモの助) 刀鍛冶:天狗山飛徹 位列:大業物21工 飛徹曰く「わしの傑作」。 おでんから飛徹を通し、モモの助に渡される予定だったが、本人が拒んだためまだ受け取ってはいない。 ■二代鬼徹 持ち主:天狗山飛徹 刀鍛冶:古徹 位列:大業物21工 飛徹の先祖である古徹が打った刀で、妖刀。 飛徹の家に保管されていたが、妖刀であるため、本人は使いたがらない。 ルフィに持ち出された後、ルフィが収容されると同時に兎丼の採掘場に保管されていたが、菊によって飛徹のもとに返ってきた。 |
……さて、今回新たに分かった事と言えば、まず『天羽々斬』と『三代鬼徹』が、天狗山飛徹によって打たれたものだという事。
またゾロの『和道一文字』は、『閻魔』と同じ霜月コウ三郎なる人物によって打たれた刀だという。
和道一文字のルーツは、ワノ国にあった。
鎖国国家であるワノ国に住む飛徹が知っているという事は、和道一文字はコウ三郎のワノ国在住時に打たれ、50年以上前にコウ三郎と共に東の海へと渡ったんだろう。
三代鬼徹も、その時に運び出されローグタウンへと渡ったのかな。
霜月コウ三郎、という名前は、物凄く分かりやすい形でコウシロウと被っている。
ここに引っかけを仕込んで来るとも思えないし、コウ三郎はコウシロウの父であり、くいなの祖父なんだろう。
おそらく50年以上前、ワノ国を発った霜月コウ三郎らによって、東の海にシモツキ村が作られた(または村の名が変えられた)。
ゾロがワノ国の血を引いているのか、外から移住して来た人の子なのかまでは断定できないが、少なくともゾロとワノ国に大きな繋がりがあったのは確実だと。
またゾロがモモの助に教えた「スナッチ(捨名知)」という掛け声も、元はシモツキ村の爺さんから教わったものらしい。
薦めてはみたものの自分では一度も言った事がないという辺り、神頼みを信じないゾロらしくて笑えるが、この「村のジジー」というのが他ならぬ霜月コウ三郎なのかな。
しかし閻魔の暴れ馬っぷりは凄まじいですね。
秋水も、ゾロが得たばかりの頃は『百八煩悩鳳』の斬撃を呑み込んで1つにしてしまう扱いづらさを発揮していたけれど、その比じゃない。
使用者の覇気を勝手に放出してしまうという、もはや刀が意志を持っているとしか思えない暴走っぷりだった。
「“妖刀”と理屈は同じ」という飛徹の言い方からして、妖刀とはまた異なる存在らしいが、確かに、これだけの斬れ味や、流桜(覇気)の放出に長けた性質を持つ刀なら、あのカイドウの鱗に傷をつけたという功績も納得がいく。
妖刀と言えば、いっぽんマツ曰く「鬼徹一派の刀はことごとく妖刀だった」らしい。
二代鬼徹を生んだ古徹の子孫であるだけでなく、実際に三代鬼徹を世に生み出している以上、飛徹もまた「鬼徹一派」に連なる刀鍛冶なんだろう。
とすれば、『鬼徹』の名こそ冠していないものの、同じく飛徹が打った『天羽々斬』も恐らくは妖刀である可能性が高い。
……が、そんな危険な刀を、まだ年端も行かないモモの助に平然と渡そうとするだろうか。
いくらおでんから仰せつかった事でも、「いずれ大人になってから」ぐらいの事を言っても良いんじゃないだろうか。
曰く天羽々斬は、飛徹にとっての「傑作」であるらしい。
もしかしたら天羽々斬は、鬼徹一派にとって超希少な、呪いを得ずに生み出された名刀なのかもしれない。
そして業物の位列というのは、やはり『黒刀』と成る事で上昇するものらしい。
つまり、ゾロが自らの手で『和道一文字』や『閻魔』の様な大業物を黒刀と成らせることができれば、晴れて最上大業物の使い手となる事ができるのだ。
……そう考えると、やっぱり『三代鬼徹』の業物という位列は物足りない気がする。
黒刀と成る事で1段階位列が上昇すると考えても、雪走と同等の『良業物』。うーん。
やっぱり、どこかのタイミングで二代鬼徹との交換イベントがあっても良い気がするなぁ。
「一介の業物に過ぎない三代鬼徹を、最上大業物にまで育て上げた剣士」って箔の付け方もできるけど、そんなに後付けで何段階も上げられるものとは思いにくいし。
まあ何にせよ、閻魔という刀を扱い切れる様になれば、刀の強化だけでなくゾロ自身の実力も飛躍的に上がるハズ。
未だに新世界編において、苦戦らしい苦戦はイッショウとの小競り合いぐらいだったゾロなので、これは正に鬼に金棒。
海賊王の右腕を務める男として、申し分ない実力を発揮してくれる事だろう。
……ところで、日和様に関しては本当に信用して良いんですかね……?
ここに来て「幼少期との変化」がピックアップされる辺り、やっぱり怪しく見えて来たぞ。
内通者とはまた別だとは思うのだけれど、小紫としての顔を見てしまうと、今ゾロ達に見せている日和の性格が「素」だとは、あまり思えない。
そもそも「狂死郎に斬られた時、どうやって生き残ったの?」という問題が解決していないからなぁ。
幼少の思い出を語られ、改めて不穏さを感じるのでした。
何か日和の行動が元となって、決戦に影響を与える事になりそうな気がする。