怒涛の新事実。

週刊少年ジャンプ2019年44号分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
七武海撤廃と『SSG』
ロックス海賊団
ロックス VS ガープ
伝説級の懸賞金
その他  



七武海撤廃と『SSG』

世界会議を経て、遂に撤廃が確定された『王下七武海』制度。
その代わりとして投入された海軍の新戦力は、特殊化学班『SSG』なるもののようで。


以前イッショウが「すげェもんが完成してやした」と言っていたけれど、SSGってのはその発明品そのものではなく、新造されたチームを指す言葉なのね。
以前戦桃丸が隊長を務めていた『科学部隊』というチームも存在していたけれど、これを例の発明品によって強化したものなのかな。それとも全く別のチームなんだろうか。


イッショウ曰く「SSGを信じやしょう」、ブランニュー曰く「今後のSSGの働き如何」など、SSG投入の代わりに七武海が撤廃されるのは、1つの大きな賭けだったことが分かる。
SSGは現状、何か実績を上げたというワケでも無さそうね。
時系列が微妙に分からないが、どうも旧七武海の討伐に、SSGは動員されなかったっぽいかな?


というか、旧七武海達の懸賞金額の更新が検討されている辺り、やっぱ取り逃がしたんだろうか。
まあ……軍艦こそ大量に率いていたものの、戦力としては中将クラスが精々で、ハンコックやミホーク、ウィーブルを相手に出来る戦力とは思えなかったからなぁ。
誰か1人ぐらいはとっ捕まえて、海軍の威厳を見せつけて欲しいところではあったんだが、SSGを投入しない限りは難しいか。


他に細かいところで言うと、「世界会議での王達の決定を、海軍本部は覆す事ができない」と。
力関係としてちょっと意外だったけど、まあそりゃそうか。
50もの王族が集うリスクを背負ってるのに、そこで決まった事が海軍の意向1つで「ダーメ」とかなってたら意味分かんないですもんね。
天竜人の意向を跳ね除けるほどの力は無いんだろうけど、彼らはそもそも、政治に絡んで来るイメージも無いしな。(五老星を除く)


意外と言えば、サカズキが七武海撤廃に反対だったというのも意外。
海賊嫌いの彼の事だから、海賊の手を借りにゃならん七武海という制度も、内心よく思ってないものかと……。「悪を討つための海賊」は必要悪として容認するタイプなのか。
FILM GOLDじゃ険悪そのものだったけど、案外根っこの部分で、ルッチとは近い思想を持ってるのかもしれん。




ロックス海賊団

以前からその存在について触れられて来た伝説の海賊団だが、今週はその全貌が明らかに。
船長ロックス・D・ジーベックを筆頭に、のちに四皇に名を連ねる怪物共を束ねていた、強大な海賊団だったと。


カイドウ、リンリンがロックスの一味なのはほぼ確定的だったが、やっぱりニューゲートもそうだったのね。
マルコ曰く、ウィーブルの母であるバッキンは昔「ニューゲートと同じ船にいた」との事だったので、彼女もまたロックスの一味なんだろう。
約40年前にガープに追われていたというシャクヤクもそうかな?



ロックスは凶暴かつ強力な海賊団でありながら、その構成員たちは極端に仲が悪かったと。
仲間殺しが平然と行われる一味というのは、白ひげ海賊団とは真逆の性質。きっとニューゲートは、このロックスの一味にいた頃の経験をふまえて、船内に鉄の掟を敷いたんだろう。


……というか、カイドウやリンリンは分かるとして、ニューゲートは何故こんな一団に入っていたのかが謎。
少なくとも船長は「世界の王」を目論みテロ行為を繰り返していたらしいし、ニューゲートがそんな輩に、進んで力を貸すとも思えない。


元を辿れば、ロックス海賊団は儲け話に乗っかった連中によって結成された一団らしい。
過去、確かにニューゲートは「財宝には興味がない」と言っていた。
しかしアレは、「自分が得るだけの金に興味がない」という話であり、金や宝を得る必要性自体はあったハズ。ニューゲートには、故郷を守るため、物資や金を送り続けなければならなかったからだ。


故郷の惨状を考えると、ニューゲートに金を得る手段を選んでいる余裕はなかったと思われる。
実際、マルコはネコマムシとの会話の中で、ニューゲートが「汚れた金と物資を放り込んだ」という話をしている。
この「汚れた金」というのは、単に海賊行為によって得た金のことだけを指すのではなく、ロックスという非道の集団に身を置いてまで得た金の事も指しているんじゃないかと思う。


ロックスが政府や民衆に与えた被害はとんでもないものだったろうし、それはニューゲートという偉大な男にとって、一番の汚点ともいえる経歴だろう。
けれど、それでいいんだ。英雄たる男の辿って来た人生に、綺麗な事ばかりが書かれていないのが逆に良い。

若かりし頃、ロックスの仲間として悪行に手を貸していた人物が、のちに自身の名と力で島々を海賊から守る様になる。そんな過去が加えられた事で、ニューゲートという人物の偉大さに、また1つ色が加わった様な気がした。



ちなみに、ロックス時代のイメージ図を見るに、ニューゲートは38年前(36歳頃)の時点であの特徴的な白ひげを蓄えていたらしい。
死の間際に描かれた若かりし日の姿には、まだあのひげは無い。マルコ曰く幼少期から海賊になっているので、ロックスに至るまでに様々な船を渡り歩いていてもおかしくはないし、あの船はロックスよりも更に前に在籍していた海賊団だったのかな。
仲間殺しが絶えない、ってほど殺伐とした雰囲気もないし。


ロックスは四皇クラス以外の構成員も粒ぞろいで、見知った名の中には『金獅子のシキ』『キャプテン・ジョン』など……ってキャプテン・ジョン!?
あいつそんな大物だったの!? ってかそんな近代の海賊なの!?

一応説明を挟んでおくと、キャプテン・ジョンは25巻にて、バギーがその隠し財宝を探していた伝説の海賊。
財宝の為に残忍の限りを尽くしたそうだが、スリラーバーク編ではその肉体をモリアによってゾンビ化され、使役されていた。


そのジョンが、過去にはロックス海賊団に在籍していたと。
シキと並んで名を挙げられるぐらいだし、相当強かったのか……? いやでも、モリアにはそこらの将軍ゾンビとあんま変わらない扱いで使われてたな……。

流石に四皇達に比べれば数段劣る存在なんだろうけど、こんなところでジョンの名が出るとは思わなかったので、相当ビックリしたのでした。




ロックス VS ガープ

ロックスが40年前(厳密には38年前)、ガープによって崩壊したというのは以前から語られていた事だが、その戦いにはロジャーも参戦していたと。

ガープがいくら強くても、流石に個人の力だけであの大戦力を相手に打ち勝てるとは思えなかったし、協力者がいたのは納得かな。その相手がかの海賊王……ってのは驚かされたけど。


いくら海賊の助力を借りたとはいえ、誰も手出しができなかった最強の一団を崩壊させた実績は素直に凄い。
伝説と呼ばれるのも、息子や孫の悪行の責任を取らされないのも、無茶苦茶な素行がすべて不問になってるのも素直に頷くしかないですね。


しかしガープはともかく、ロジャーが天竜人やその奴隷達を守ったというのは少し意外。
まあ天竜人の方は「結果的にそうなってしまった」だけなんだろうけど、ロジャーにあまり民衆を守る様な行動を取るイメージがなかったなぁ。
「支配に興味がない」と語るロジャーだし、逆に奴隷の身分から解放する様なことなら、やりそうな気はするのだけど。


その決戦が行われたゴッドバレーという土地も、ONEPIECE世界全体の根幹に関わって来そうな雰囲気がすさまじい。
島自体が跡形もなく消され、地図からも姿を消したというのはバスターコールっぽい雰囲気もあるが、どうもそれ以上の何かが行われていそうな。


政府が隠したかった島であるとの事だが、奴隷を連れた天竜人がいたという事は、天竜人達が住まう島でもあったんだろうか。
「神の谷」なんて仰々しい名前だし、神を自称する天竜人が住んでいてもおかしくはないが……。仮に住んでいたのだとしても、わざわざそんな島を地図から消し去った事への説明はつかない。謎だ。


Dの一族や空白の100年、ひとつなぎの大秘宝なんかにも纏わる超重要な島なのだとは思うが、逆に「島を消すこと自体は可能だったのに、事件の発生までは放置していた」のも謎。
存在するだけなら問題はなくとも、ロックスが禁忌に触れ、明るみに出そうになってしまった事で、消さなければ不都合になったという事になるか。


分からない事だらけだけれど、ロジャーにとって最強の敵であったとされるロックスもまた、Dの名を持つ者であったというのは面白い。
ロジャーが待つ者とは異なると明言されたティーチがいたように、Dの意志も一枚岩ではないのね。

仲間殺しのタブーを破り、今はハチノスを根城とするなど、ティーチとロックスには共通点も少なくない。
ロジャーとロックスがぶつかった様に、それぞれの意志を継いだルフィとティーチがぶつかる……という形になるんだろうか。




伝説級の懸賞金

これに関しては、とりあえず詳細な金額は伏せておきます。ジャンプ買って見てみてね。

ハッキリ言ってしまえば、ぶっちゃけ発売日前からネタバレを踏みまくっていたため、金額がドドン!と出た時に感じたのは「驚き」ではなく「確認」だった。
SNSでの早バレも勿論だけど、オリコンさん、公のルートからの0時解禁は流石にヤリスギですって。


なので衝撃度は散ってしまったが、まあ確かに金額自体はすさまじい。
ティーチとの金額の差を見ても、やはり懸賞金というのは個人の強さや起こした事件以上に、海賊としてのキャリアも重要なのだなと思わされた。


他のメンツはともかく、正直シャンクスの金額がここまで高いのは予想外だった。
組織としてのバランスの良さが挙げられているが、まだ年齢的にも若く、自ら際立った事件を起こす様にも見えなかったし。(五老星との癒着も気になるし。)

ただ、その五老星曰く「暴れさせればこそ手に追えない」と語っていた以上、実際にシャンクスが大暴れして始末に負えなくなった前例があったのだろうし、その時にもたらした被害から懸賞金が跳ね上がったのかなあ。


シャンクスが四皇と呼ばれる様になったのは6年前からの事だそうで、12年前である第1話の時点では、いち海賊団に過ぎなかった事も発覚。
ヒグマさんが彼のことを全然知らなかったのも、単なる勉強不足ではなかったらしい。良かったねヒグマさん。まあ分からん殺しのまま触っちゃいけない相手にケンカ売った不幸は、どうにもならんけど。

彼が6年前から四皇と呼ばれる様になったという事は、逆に言えば6~8年ぐらい前のタイミングで、当時の四皇が1人陥落したのではないかと思われる。
ティーチがニューゲートを討った事で他の海賊達から先んじたように、シャンクスも当時の四皇を討った事で、大きく名を挙げたんじゃないだろうか。


……あとどうでも良いけど、シャンクスの四皇入りのタイミングが判明した事で、VIVRE CARDのミスが1個増えましたね。
あっちの年表じゃ12年前時点で四皇入りしてる事になってたからなぁ。いくらなんでもそりゃ無茶だろうとは思ってたけど。原作者に確認の取れてない部分を、推測で書くんじゃないよ。




その他

■イッショウの船

帆にでっかく「一生」の字が書かれているのがシュール。
「一升」じゃないのね。地味に意外だわ。

なんだか海王類と戦っているみたいだけれど、何やってんだろコレ。
七武海討伐の加勢に行ったんだろうか。いくら海楼石の敷き詰められた軍艦とはいえ、長く停泊していれば海王類にも気づかれてしまうらしいし。

海王類、七武海といえば凪の海を拠点にするハンコックだが、流石に大将格に出張ってこられると、戦力的にも厳しい気はする。
革命軍の追撃に向かってるのかもしれないけど、どうなんだろう。



■SSG

字面がスーパーサイヤ人ゴッドにしか見えない。
ちょっと前の巻頭カラーで、ルフィの髪が赤く描かれていたけれど、あれはSSGの伏線だった……?



■SWOADの情報


ドレークからコビーへと伝えられた「四皇同士の同盟」だが、本部にもきちんと伝わっていた。
サカズキは相変わらず「ワノ国は放置」の一点張りで、すでに海兵(ドレーク)が潜入している事を喋らないけれど、流石にサカズキは知っていると見ていいのかな……?

コビーからいきなり「四皇が同盟します」なんて言われても、「どこ情報?」ってなりますもんね。

あとサカさん、いつの間にか赤服に戻ってますね。
映画じゃよくこっちの衣装になってたけど、「元帥だから白」と決めてるワケでもなく、気分で着替えてるのか。



■元白ひげ海賊団隊長

そうだろうなという気はしていたけれど、光月おでんが白ひげの元隊長である事が確定。
エースの入団時、2番隊隊長の座が空いていたんで、元はおでんがそうだったんだろうか。つっても、流石に長いこと席を空けすぎな気はするけど。

気になるのは、やっぱりおでんと同じワノ国の出身で、16番隊の隊長を務めるイゾウ。
回想では赤鞘の侍たちと一緒に彼らしき姿も映っていたし、おでんの関係者じゃないかと思うのだけど。
おでんの付き添いで船に乗ったものの、そこでニューゲートに惚れこんで別の道へ、って感じですかね。隊長になったおでんをホイホイとロジャーの方に行かせてやったり、フットワークが軽い。



■ワノ国

大物達が集まる何かがあるらしい。
歴史の本文を作った石工がいるぐらいだし、重要な存在ではあるんだろうが……何だか一層謎が深まった感じ。

次回はおでんやワノ国に関わる、大物達の話が聞けるのか……と思わせて、全然違うところに視点が切り替わるのがONEPIECEの常っすからね。
気長に待つよりない。