週刊少年ジャンプ2019年45号分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
扉絵連載
20年以上先の未来
作戦崩壊
その他  



扉絵連載

>「姉妹なのかい!! ローラなら数日前にドレスローザへ」

来てんの!?
新世界突入してたの!?


立ち往生のまま食糧補給に立ち寄ったドレスローザで、目的のローラとばったり行き会うという。なんという豪運。

まあ、これでベッジの方も、新世界の情勢から姿を消す必要がなくなりましたね。
ストーリー的には、この後ローラと再会するまでに一悶着あったり、何らかの事件に巻き込まれたりするんだろうけれども。


しかしローラ、2年の間にスリラーバーク→ウォーターセブンの短い航路しか進んでなかったのに、この数か月で一気にドレスローザまで進出したのね。

何か思うところでもあったのか?
ルフィとリンリンの間で起きた事件を聞きつけての事にしては、動きが早すぎる気がするしなぁ。
時期的には、麦わらの一味復活~ドフラミンゴ陥落の報道が出る間ぐらいだろうか。
うーん、ルフィ達の復活に触発されての事なのかな……?


ローラの懸賞金は2400万ベリーと、ハッキリ言って新世界でやっていくにはかなり物足りない部類なのだが、あれから強くなったりしたんだろうか。




20年以上先の未来

>おでん「『ワノ国』を開国し!! 20年以上先の!! “未来”を待つとしよう!!!」

25年前のある日、ロジャー海賊団の一員として旅を続ける光月おでんは、宴会の席でこう高らかに宣言します。

その後にはロジャーと共に、「やろうぜ!!」と。
つまりワノ国の開国はおでんの悲願であるだけでなく、ロジャーにとっても成し遂げなくてはいけないお話だったという事に。


「20年以上先の未来」といえば、光月トキがその能力により、モモの助や錦えもんを送り込んだ時代とも概ね一致する。

だがこれはカイドウによって城を攻め落とされた後の苦肉の策であり、25年前のこの段階から、モモ達をこの時代に送る事を考えていたワケではないだろう。
これはモモ達を送るべき未来の話ではなく、いわゆる「ロジャーが待ってる男」が現れるであろう時代の話を指すのだと思われる。

ニューゲート「ロジャーが待ってる男は… 少なくともティーチ お前じゃねェ…」
ONEPIECE 59巻 第576話より

ロジャーは自身の死後、自らが待ち望む何者かが世に台頭し、『ひとつなぎの大秘宝』を見つけ世界を『ひっくり返す』ことを期待していた。

その時代こそが、20数年先の未来。
つまりルフィ達が台頭した現代の事を指し、またおでんやトキは、カイドウによって城が攻め落とされた時、あえてその時代を狙ってモモの助や錦えもんを送り込んだのだと思われる。



ロジャーには、自らの待つ人物が現れる時代が、いつ訪れるのか、おそらく分かっていた。
これは何故なんだろう。

自らが作り上げた『大海賊時代』の開幕から、何年かければ『ひとつなぎの大秘宝』を見つける者が現れるかという予測だろうか。
しかしコレではアバウトすぎる。「20年以上先」と年数を指定している以上、もっと確信に近い理由があったハズだ。


自身の意志を継ぐ息子…エースが一人前の大人になる時代だろうか。
だがこれも難しい。25年前では、エースはまだルージュの腹の中にさえ生まれていない時代だ。いくらなんでも、孕むかさえ分からない子供に期待をかけるのは、無計画にも程があると言うものだ。


なら麦わら帽子を受け継がせたシャンクスだろうか。
確かに25年後の彼は大きく成長し、世界中でも屈指の大海賊となる。ロジャーの望みを託す人物としては、十分な人物だ。

だが彼は20代という若い時代に、自らの片腕を失ってまで、「新しい時代への賭け」を行った。
これは要するに、シャンクスは「事を成し遂げるのは自分ではなく、次の世代」だと悟ったという事。もしかしたらロジャーが期待をかけたのは彼だったのかもしれないが、現実問題としては、彼はその役目を担う宿命にはなかったという事になる。



25年前と言えば、ロジャー達が偉大なる航路を制し、世界の秘密を知った年と重なる。
おでんのセリフからしても、この回想はラフテル到達から、ロジャー海賊団解散までの期間内の話だろう。

つまりロジャーは歴史の本文をラフテルへと導き、世界の秘密を知った後の状態であると思われる。
その過程で、ラフテルにひとつなぎの大秘宝を遺し、自身の意志を継ぐ者の到来を待つ決断を下したと。

20数年先というタイミングは、歴史の本文を読み解く事で発覚したものと考えるのが、一番自然か。
800年も前に書かれた文章にしては、ヤケに年数の指定が細かい。そのものズバリの「海円歴〇〇年」みたいな正確な年数まで書かれてたんだろか。まあ別にどうでもいいか、それは。



ともかく、ロジャーとおでんは自分達が待つべき時を知り、そこに希望を託した。
この後ロジャーは、自らの命と引き換えに大海賊時代を築き上げ、それはルフィという大海賊を排出する事にも繋がる。
そしておでんの方は、カイドウさえワノ国に現れなければ、20数年後を待たずに開国を成すつもりでいた様だ。


話の流れとしては、ロジャーの待つ男が現れたとして、ワノ国が開いていなければ意味がないという事か。
おでんは結局、志半ばにして倒れてしまうが、彼が言うにはワノ国の開国は『光月』の名を持つ者がやるべき事だと。
つまり現代に生き残った者で言えば、モモの助日和、そのどちらかに与えられた使命という事になる。


思えば、ルフィとモモの助は対等の立場で同盟を組んだ、盟主同士の立場となる。
おでんの意思を継ぐモモの助と、ロジャーの意志を継ぐルフィ。
この2人が共に戦い、カイドウを破りワノ国を開くこと。それこそが先人たちの悲願とも言える結果であり、かつ世界をひっくり返すほどの巨大な戦いの前触れとなる事件になるのかもしれない。




作戦崩壊

第二幕の終了時点では「討入りの前日」という時間軸だったが、第三幕の開始となる今回は、討ち入りの当日に。
だが事件は前日の内に起き、錦えもん達が練っていた作戦は、瓦解した後であったと。

錦えもん「なぜ誰も来ぬ!!? 一体どこへ消えたのだ!!?
     たった一日の間に…………!! 何が起きた……!!?」


けどまあ、コレは流石にフェイクでしょう。
確かにオロチは、何者かを通じて情報を入手し、討ち入り作戦の全貌を把握していた。
しかし、錦えもん達からしても、集合場所が一度バレたのは周知の事。内通者の可能性は当然、視野に入れていただろうし、何の対策も打たずに決起の時を迎えたとは思えない。


……っつーかむしろ、コレで完全にオロチにしてやられていたんだとしたら、流石に「キレ者」って何だったのってなるし……。
事実上の総大将としてはお粗末すぎる。ので、すでに事前に手は打ってあり、この狼狽した語り口調も、内通者を炙り出すための演技であると考えられる。


大雨の中に立ち並ぶ侍達の姿を見ると、しのぶの過剰な泣きっぷりは気になる。
955話感想の時点では「内通者はカン十郎かしのぶか」というところで、個人的にはカン十郎の方が怪しいかなと言った印象だったんだが、今回のしのぶはどうも演技演技して見えた。
ハートの海賊団に疑いの目を向けていたのも、内紛を誘発させるための演技だったり…?



その他で言うと、オロチ一派の中でも狂死郎は都に留守番と。
これはもう、オロチの意図に反する動きを狂死郎が見せる大フラグじゃないですかね。
討ち入りを目前にした今になって、今更ルフィ達の戦う舞台が都に戻るとは思えないし。都の方で、狂死郎や日和(+丑三つ小僧)あたりが動いて、オロチ達の予測のつかない結果を生むと。


狂死郎の立ち位置は未だによく分からないが、光月寄りの人なのかなぁ。
個人的には、日和と共謀して何かを企てる第三者側の存在だったら面白いかなぁとか思ってたけど。どうなんでしょね。




その他

■ロジャー海賊団

クルーとなっていたのは3年間と短めなクロッカスさんだが、ロジャーと対等にケンカができるぐらいに、仲間として打ち解けてるのが微笑ましい。

おでんはシャンクスにも好かれていたというのはセンゴク談だが、バギーからも慕われていたのね。
しかし「赤太郎」に「バギ次郎」て。すげぇ名付けのセンスだ。
シャンクスは確かに赤髪だが、バギーの鼻も真っ赤なので、最初どっちを指してるのか分からなくなった。


■オーロ・ジャクソン号に積まれた巨大な卵

何なんでしょコレ。
以前から何度も登場してはいるが、ここまでハッキリと描かれたのは、原作だと初めてかな。

正体はサッパリ分からんのでアレだが、この回想が「ラフテル到達以降」のものだとすると、この卵の中身はラフテルで使用したものでも、ラフテルに置いて来たワケでもないという事になる。
当然、『ひとつなぎの大秘宝』の正体でもない。

またこの卵は27年前のエッドウォーの海戦の時から見られるので、ラフテルで入手したものというワケでもない。

……何だコレ。

第3巻のバギーの回想(この頃はまだオーロ・ジャクソン号とは違う船に乗っているっぽい)では見られなかったので、冒険の途中で手に入れたものだとは思うが……謎だ。


■三味線弾き

以前は日和(小紫)が弾いていた三味のシーンだが、第二幕完結の時同様、相変わらず顔が隠されている。
しかも今回は尺八弾きも加わって、演奏が豪華になってるよ。

あえて顔を隠しているのは、意図的な演出なのかなぁやっぱ。
日和には小紫としての顔意外にも、何か秘密がありそうね。


■年に一度の飲酒解禁

ええ!?
ワノ国の一般市民、火祭りの日にしか酒飲めないの!?

なんつーかそりゃあ、やってられんですね……。
私なら1月で禁を破る自身があります。そりゃあもう折り紙付きで。

アニメではゾロが酒屋で飲んでいた描写もあったし、士族の身分ならば許されてるのかな。ワノ国の身分制度、思っていたよりもしんどそう。


■今夜は綺麗な満月

都のモブ女性のセリフより。
討ち入りの日は満月という事で、イヌアラシ達ミンク族にとって非常に有利な日取り。おそらく、そのタイミングを狙って討ち入りの日も設定したんだろう。

現実の周期で言えば、満月の夜から次の満月までは1か月間、つまり
お茶会→2週間→ルフィのワノ国入り→2週間→討ち入り
という計算になる。


が、ONEPIECE世界の月の周期はいまいちハッキリしておらず、「ルフィ達がゾウに入った日」と「WCIでのお茶会の日」という、短いスパンで2度の満月を迎えている。

ルフィ達がゾウ~トットランド間の航海に備えて積み込んだ食料は「1週間分」であり、とてもではないが、月の周期が1か月という間隔であるとは思えない。


……まあ、この辺は割とご都合主義……って事でいいか別に。
単純に、「土地の位置によって月の見え方が違う」という可能性もあるし、深く考えていても仕方がないだろう。


■オロチの接待

オロチが間抜けヅラではべらせてる女たち、遊女ばかりかと思いきや、ギフターズっぽい衣装を着た女も混じってますね。

百獣海賊団の女たち、気の狂った上司とスケベな取引先に挟まれて生きてるのか……大変だな。