遂に始まったおでんの過去編……なのは良いのだけれど、諸事情により現在わたくし通院&療養の期間に入っとりまして、しばらく簡易的な感想更新が続くかもしれない。よろしく。
扉絵連載は、ドレスローザにてローラを探すベッジの図。
ベッジさん、なんかニューゲートみたいな白ひげくっつけてる……? グラサンと合わせて、一応変装のつもりなんだろうか。賞金首だしな。
頂上戦争じゃ、「ニューゲートが仲間を売った」という報に対し、「それをしないから奴は生ける伝説なんだ」と怒鳴っていたけれど、案外憧れの海賊だったりするんだろうか。
本編の方は、光月おでんの過去編突入。
41年前時点で「18歳」とのことなので、生きていれば59歳の年(享年39歳)か。
世代的にはロジャーよりも1~2回りほど下、サカズキやボルサリーノと同じぐらいの世代ってカンジね。
錦えもん達が絶体絶命の状況からどう立ち直るのかとか、オロチが得ている情報の元は誰なのかとか、気になる事は山積みながら、ひとまずはお預けか。
オロチの策は徹底しているけれど、「兎丼の制圧状況」については正しい情報を得ていないし、その一点が相当致命的なので、やはりそこからひっくり返されるのかなぁ。
お玉の洗脳能力、おそろしい。
さて、82巻辺りで名前を出されて以来、10数巻越しに初登場を果たしたおでんだが、その経歴が凄まじすぎる。悪い意味で。
10歳辺りまでに起こした事件の数々を見るだけでも、既に父親に「妖怪のやること」扱いを受けるほどに人間離れしている。モモの助やルフィは元より、エース辺りと比べても遥かに怪物なのでは……?
あ、でも6歳にして遊郭に入り浸る女好きの片鱗は、モモの助にも受け継がれてるな。もっと受け継ぐべきものはあったと思うけど。
まあやり口が無茶苦茶な人ではあるが、『ハーレムの乱』については攫った女に何か無理強いをしていたワケではなかったみたいだし、勝ぞう爺さんの葬儀での狼藉も、彼なりの流儀に則った弔いだったという事で、根っからの悪党ではないんだろう。
……ほんとか?
ほんとに悪党じゃないか? コレ。
なんかイイ話風のノリで纏めにかかってないか?
火葬場でおでん食うのはともかくとして、遺骨の上に鍋置く必要あるか? いくら強制はされてないからって、こんなバケモノに攫われた女が自ら脱走とか、恐ろしくて出来なくないか?
なんかおでんの傾奇具合にダマされてる様な気もして来た。
まあ冗談はさておき、光月家と言えばあの『歴史の本文』を加工する技術や、そこに刻む古代文字の読み書きを受け継ぐ石工の一族。
おでんもまた光月の血を継ぐものらしく、14歳の頃には石工の棟梁にまで上り詰めていたと。
この時点でのおでんに『歴史の本文』関係の技術が伝えられていたとは思えないし、これはおでん自身の才能なんだろう。
やっぱ環境さえ整えば、モモの助にもこの才能は伝わってるのかな?
しかし川の水を流し込んで水害を起こしてしまうなど、知識面ではざんない結果を引き起こしている模様。
まあ名門の出とはいえ学問なんかロクに修めていないだろうし、当たり前っちゃ当たり前だけど。
この2年後に20歳となったおでんは、九里のならず者達に「働く事を覚えさせ」「町や城を築き」「桃源農園を作る」という功績を挙げることになる。(第920話より)
この頃のおでんの能力ではとても出来そうもないが、都を追放されてから、知識を蓄える機会にでも出会ったんだろうか。それとも、彼の頭脳となる人間にでも恵まれたのかな。
今回の回想で初登場となった傳ジローは知能面に優れたタイプっぽく描かれているので、彼を仲間に加えた事で町興しがスムーズにいったのかもしれない。
おでんの無茶苦茶っぷりは今までにも示されて来た事だが、のちにその家臣となる錦えもんも思ってたよりヤバい奴だった。
幼馴染から金を掠めるわ、金になる白猪の持ち主をボコッて強盗するわ、やりたい放題。悪行が地味に小さめな分、おでん以上にアレかもしれない。
そして若かりし日のお鶴さんも、鶴女として登場。茶屋の看板娘って事で、今でいう菊之丞のポジションだったのね。まああっち、娘ですらないけど。
クセの強い顔立ちになっている現代と比べ、この時代の鶴さんは割と正統派な美形キャラ……っつーかなんか骨格から変わってません? 整形ショットでも喰らった?
と言ってもまあ、マザー・カルメルの例とかも考えると今更か。ONEPIECEキャラは加齢で顔や身体の骨格が変わる。
それはともかくとして、現代のお鶴さんも外見的にそこまで老けた印象はなく、40歳前後ぐらいかなと言った印象だったのだけれど、41年前の姿を見ると錦えもんとそう年齢差はなさそう。
VIVRE CARDによれば、錦えもんの実年齢は36歳。
20年分のタイムスリップを加味すると生まれ自体は56年前であるため、41年前を描いた今回の回想時点では……15歳!?見えねぇ!!
なんかサラッと読んでた時は、20歳前後ぐらいかなと……え、じゃあ何、「兄貴分」というフレーズから錦よりは年下であるハズの鶴は、14歳以下ってこと? 子供じゃないっすか。
えらくしっかりした子供や……。身内に対して「身ぐるみ置いてけ」というセリフは多々聞くも、本当に身ぐるみ剥ぎ取って追い出してるもの。そりゃ50代まで年を重ねた現代じゃ、強いお人に育つわ。
赤鞘九人男の中で、結局討ち入りの当日に至るまでその正体が不明なままだった傳ジローも、回想にて初登場。錦えもんよりは少し年下っぽい。
おでんや錦えもんのアレっぷりに比べると大分真っ当に見えるけど、道具屋で普通に代金チョロまかしてる辺り、まあ真人間ではない。
と言ってもまあ、孤児の身で生き延びようと思うと、このぐらいの不正は致し方ないところなのかもしれないけど。
傳ジローと言えば、現代において既に登場している人物なのか、それとも討ち入りの場にて初登場を果たすのかは気になるところ。
人斬り鎌ぞうが全くの別人であった以上、ワノ国内における候補は居眠り狂死郎ぐらいしか見当たらないが……うーん。似てるかどうかで言えば、あまり似てるとは思わない……かな……?
ただ、初登場一発目のエピソードが「金のやり取り」に纏わるものであったというのは、表向きには「両替屋」を営むヤクザである狂死郎との共通点といえば共通点。
髪色が違うという点に関しても、錦えもんが金髪?から黒髪に変わっている以上、特に問題にはならない。
どうなんだろう。
仮に傳ジロー=狂死郎なんだとして、オロチがそれに気付かないのも謎だし。
何らかの手段で顔を変えてるんだろうか。
正体はともかく、ここまで本筋にまったく登場して来ないのは、その頭脳派っぽい一面を駆使して、裏でオロチの策を崩すために動いているポジションなのかなって印象。
内通者を警戒して他の者には伝えていないだけで、水面下では錦えもんと既にコンタクトを取っていたり?
そして錦えもんが強奪した白猪の子を探し、都に突っ込んで来た巨大猪によって町がやべぇ、ってとこで今週は終了と。
神と呼ばれる猛獣・珍獣の類によって人の生活が脅かされてる感じは、400年前のジャヤにあったカシ神信仰を連想しなくもない。まあワノ国じゃ、山の神はあんま信じられてなかったっぽいけど。
おでんがこれを退治して、民衆から少し見直されるカンジになるんですかね、来週は。