週刊少年ジャンプ2019年52号分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
扉絵連載
イヌネコ&カッパ
“侍”になる
白ひげ海賊団、上陸  




扉絵連載

泥酔したキュイーンが騒ぎを起こす一方で、ドレスローザにはある脅威が迫っていた。

その名も『バイキン海賊団』
海賊から連想しやすい「バイキング」から名を取って……いると見せかけ、容貌からしてそのものズバリの「ばい菌」から取られていそうな、なんだか哀れな連中だ。
銃を持った女性メンバーなんて、髪型がモロに典型的なバイキンキャラだよ。なんだか、服装が若干ステューシーに似てる気がしないでもない。


扉絵連載にて突然現れた弱そうなゲスト海賊団には、過去ジャンゴの連載に登場したチューリップ海賊団、CP9の連載にいたキャンディ―海賊団なんかもいた。
そしてその悉くが、章の主役によって容易く討ち滅ぼされている。扉絵連載は多くの場合に「劇中でルフィ達に敗北したキャラ」が主役になるので、負けはしたけど結構強いんだぞ!というアピールもかねて投入されてるんだと思う。

今回のバイキン海賊団もその系譜のキャラクター達だと思われるので、さして見せ場を貰う事なく、数週後にはベッジの手によって散っている事だろう。合掌。


……しかし言ってはナンだけど、国王不在の間を守る海兵達は本当に役に立たないな。
懸賞金5200万と新世界レベルではそう高くない桃ひげに簡単に侵攻されてみたり、精神攻撃しか繰り出してないキュイーンに蹂躙されてみたり……。

もし革命軍が「天竜人」ではなく「世界政府」を倒そうとするテロ組織なら、世界会議の隙をちょっと突くだけで加盟国がいくつも滅ぼされてそうだ。
ロックスとかならやりかねない気もするが、今もシステムが変わってない辺り、世界会議の実施中に致命的な攻撃を受けた国はそう存在していないんだろうか。奇跡としか言いようがない気がする。




イヌネコ&カッパ

ワノ国に漂着してきたイヌアラシ・ネコマムシの2人だが、なんと本当に2人だけで海に出ていたらしい。
なんてアグレッシブさだ。外海に興味を持つのは分かるが、そのまま勢いで出て来ちゃったのか。
あのキャロットでさえ麦わらの一味というきっかけを得てようやく外の世界に出たのに、7歳にして行動力が鬼なのよ。

ワノ国に漂流後そのままおでんの家臣となったため、ゾウにも全然帰ってないと思われる。
のちにロジャー海賊団がゾウに立ち寄っているため、その時に彼らも一緒に帰郷したと思われるが、それまでゾウの人らとしては完全に死んだものと思ってたろうな……。
親御さんも大騒ぎだったんじゃなかろうか。親いるのか知らんけど。


前回時点ではイヌネコを気味悪がっていた河松も、案の定同じ妖怪扱いとして取っ捕まってしまっていた。そらそうだ。
彼の出生についても明かされたが、河松はそもそもワノ国の生まれではなかったらしい。航海中、母親と2人でワノ国まで流されて来たのね。


カッパを名乗る彼の正体についても、明言こそされなかったものの、少なくともワノ国の人間からは「魚人」と扱われていた様で。何の魚人なのかは、VIVRE CARDの新弾が出たら明かされるかな?

シャボンディ諸島以外で魚人族への迫害が生き残っているのは珍しいけれど、鎖国によって過去の文化がそのまま残ってしまっているのね。世界で魚人族への差別が薄れていったのも、200年前の世界政府と魚人族の交友がきっかけだし。
ワノ国だけでなく、河松の母も「魚人族は世界で差別されている」と思っていた様だけれど、非加盟国の出身なのかな?


迫害を受け、行く当てもなかった所をおでんに救われたのを機に、彼ら3人はおでんの家臣になったと。
この辺のくだりについては前にイヌアラシが涙ぐみながら語っていたが、実際のところ、イヌネコ達が無理やり押し掛けた様な形だったのね。

まあ最初の錦えもん・傳ジローの時から、同行者が増える時のおでんはとっても嫌そうだったので、性格的にも本来ならあんまり家臣を増やしたくなかっただけだと思う。
にも関わらずこうやって「ついて行きたい」と思う者達がどんどん出て来るのも、おでんの人柄、そして覇王の才が成せる業なんだろう。「お前らがいい」と思える出会いに恵まれて良かったね。



……どうでも良いけど、イヌネコ達を迫害する人らが「この浜は呪われてんのか!?」とか言ってるが、のちにこの九里ヶ浜にはエースやルフィ、リンリンと言った大悪党たちが立て続けに流されてくる事になるので、あながち間違ってはいないと思います。




“侍”になる

康イエの回想にもあった、錦えもんらが金を盗もうと、白舞の屋敷に忍び込んだ時のお話。
エピソードの内容としては既に分かっていた事だが、全体の流れを通して改めて見ると、また違った印象を受ける。

元はチンピラ、ゴロツキの類でしかなかった錦えもんやカン十郎達が変われたのは、おでんとの出会い以上に、この康イエの言葉と援助の力が大きかったのだ。

敬愛するおでん様の為にも、今のままではいけない。康イエによってそう気付かされたからこそ、錦えもん達は“侍”になれた。
彼らを家臣に迎え入れる時、おでんは「おれの“侍”になれ」と言ったが、これを果たせたのは康イエの存在があってこそだったのだ。


3年が経った頃には、彼らの風貌も現代のものに近しい大人びたものになっている。
成長したのは勿論、錦えもんの髪色も黒に変わっていて、だいぶ完成形に近い感じかな。

一方で、すでに女形のような口紅を塗っているイゾウに対し、この頃の菊の丞はまだ化粧を行っていない様子。
20年前からタイムスリップして来た時も口紅はしていなかったっぽいし、モモの助が「菊」と呼ぶ一方で日和は「菊の丞」と呼んでいた辺り、女装をして「お菊」を名乗り始めたのは現代にやって来てからの事なのかな。

錦えもんとのやり取りを見ていると、幼少期から振る舞い自体は女子っぽいんだが、あくまでも「おでんの侍」として、人前では男らしくあろうとしてたんだろうか。
お鶴の茶屋に看板娘として入っていたのも、この姿ならバレないだろうという目論見あっての事なのかな。まあ、見抜かれてたんだけど。



回想内では今のところ目立った出番のないオロチだが、おでんが康イエのもとを去った後も交流があり、おでんから度々金を借りていたらしい。
康イエから金を盗んでいた疑惑といい、この頃のオロチは妙に「金」についてピックアップされる事が多いな……のちのクーデターのために、細々と金をため込んでるんだろうか。

数年の内に康イエのもとからは独立していた様だが、スキヤキの屋敷にいるところを見ると、光月家の家臣として働いてるのかな。
おでんとスキヤキの「2人が言葉を交わす最後の日となった」という語りが物悲しいが、その要因となったオロチをメインに置いたコマになってるのが何とも言い難い。



……ほんでどうでも良いっちゃ良いんだけど、山の神、生きてたんかい。
親イノシシの方が『山さん』、子供の方が『小山』として、おでんのお供になっている様子。
口元からお尻までバッサリと斬られた部分の縫い後が痛々しいが、特に不都合もなく生きている様子。どんな生命力やねん。お前は男塾の藤堂兵衛か。

過去、ONEPIECEにおいて不自然な生還を遂げたキャラとしてよく名が挙げられていたペルだが、この山さんには敵うまい。
真っ二つに斬り裂かれたにも関わらず、奇跡の縫合技術で蘇ってしまった。ドクトル・ホグバックもびっくりだと思う。




白ひげ海賊団、上陸

結構なハイペースで話が進んでいるおでん回想だが、ついに来ました白ひげ海賊団。
ワノ国に漂流して来たのを機に、おでんと知り合ったのね。

時代は30年前という事で、この頃のニューゲートは44歳。ロックス壊滅の8年後なので、独立後の年季としては中堅ぐらいの海賊かな。言うほど若い世代ではないね。
なんかよく見ると、帽子のマークにヒゲが描かれていない。0巻のシキとの会話シーンでは描かれているが、この頃はシンボルが違ったんだろうか。まあ、たぶんミスだとは思うけど。


ニューゲートと一緒に、彼の仲間や傘下の海賊も多く登場している。
今回描かれたのはマルコ、ジョズ、ビスタ、ラクヨウ、ホワイティベイ、アンドレ、エポイダ、フォッサ、キングデュー、アトモス

のちの隊長達が中心だが、この内ホワイティベイ、アンドレ、エポイダに関しては、少なくとも頂上戦争時点においては白ひげ海賊団の「傘下海賊」であり、直属の仲間ではなかった。この時は一緒の船で航海していたんだろうか?

まあベッジなんかも、傘下の身でありながらシーザー捕縛任務の時にはペコムズ達と一緒にシャンテ号に乗っていたし、傘下が行動を共にしていること自体は珍しくないんだろう。

ただ、あくまで傘下に過ぎないなら、ベイがマルコに「あんたまだ見習いでしょ」という物言いをしているのは少し不自然……な気がしなくもないので、もしかしたら本船の仲間から傘下として独立するケースもあるのかも?
ニューゲートを「親父」、仲間達を「息子」と例えるなら、息子の巣立ちを見送るのもまた親の務めだしな。


……しかし、30年前か。
上記の内マルコ、ジョズ、ビスタの年齢は判明しているが、現在の歳から30年を引くとマルコが15歳、ジョズが12歳、ビスタが17歳。みんなまだまだルーキーですね。
マルコはともかく、ジョズとビスタは尋常ではなく老けている気がしないでもない。ガタイのでかさと胸毛のせいかな。

逆に、マルコが見習いってのはちょっと意外。
てっきり際古参のメンバーだと思っていたのだが、意外にも後発だったんだなぁ。


そんなニューゲートに、ド頭からケンカを吹っ掛けるおでんさん。
あのニューゲートが焦りを浮かべている辺りに、その実力の異常さが窺える。覇王色の衝突らしきものも起こしているし、この時点ですでに覇王色に目覚めていたのね。

何気に、ニューゲートの覇王色がハッキリと描かれたのは原作だと初か? 使えるとは言われていたけど、シャンクスとの激突の時も、それらしいエフェクトとかは無かったからなぁ。


大名の地位について数年だと言うのに、もう海賊として海に出ようとしている自由っぷりも中々にアレだが、このまま彼がワノ国を発ってしまうのだとすれば、少し意外な事にもなる。
のちの妻であるトキとの出会いが、ワノ国ではなかった事だ。

時間移動ギミックの要因である重要人物だが、現時点では影も形も登場していない。
かつ今から28年前、つまり今回のエピソードの2年後にはもうモモの助が生まれていなくてはいけない。その更に2年後には日和だ。
話の流れからするに、2人の出生地はワノ国ではなく船上、あるいは船が立ち寄った先の、ワノ国とは別の島である可能性が高そうか?


まあ、トキの出身地がワノ国では無かったとして、割と納得ではある。
お鶴、お玉、お菊のようなワノ国の女性名とは少し異なる名前だったし、何よりワノ国という狭い枠組みを「窮屈」と言っていたおでんの事。
生涯の伴侶となる人物を国内だけから選ぶよりは、広い外の世界で出会った人物と、という方が自然ではある気がする。


おでんの航海にはイヌアラシ、ネコマムシ、そして恐らくイゾウのみが同行する事になるので、錦えもんらの出番は一旦お休みかな。
トキとの出会いやロジャー海賊団への移籍なんかも気になるが、ニューゲート信者の自分としてはイゾウがなぜ白ひげ海賊団に残る道を選んだのかという方も気になる。

彼はおでんの死やカイドウの支配に対して、どう思っていたんだろう。あまり知らなかったのかな。
ワノ国編第3幕ではイゾウの出番もあるんじゃないかと思うので、その辺の心境が語られる時も楽しみだ。






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