第907話
「20周年! 特別編ロマンスドーン」
放送日時:2019年 10月 20日
【原作の対応話数】
『尾田栄一郎短編集 WANTED!』収録
『ROMANCE DAWN』
『ROMANCE DAWN』
もくじ
・あらすじ
・原作からの変更点
・人物・用語紹介
・感想・妄想
・声の出演
・あらすじ
・原作からの変更点
・人物・用語紹介
・感想・妄想
・声の出演
【あらすじ】
大海原を小舟で進む、1人の少年がいた。彼はモンキー・D・ルフィ。ピースメインと呼ばれる海賊を目指し、仲間を探して旅をしている最中であった。
航海の途中、ルフィはバルーンと呼ばれる怪鳥と、巨大な海賊船に出会う。海賊船の船長である六角のシュピールは、求めていた怪鳥の捕獲に協力したルフィに感謝を述べるが、ルフィが彼の髪型を笑った事で激怒。ルフィを牢に閉じ込めてしまう。
ルフィと共に捕まった少女アンは、怪鳥バルーンの友達だと言う。妖術使いであるシュピールは、妖力が宿るという怪鳥の血を欲し、彼女の住む村を滅ぼしてしまったのだ。
一方のルフィは、アンに自身の夢と過去を語る。海賊であったルフィの祖父が、ある日持ち帰ったというゴムゴムの実。食べれば一生泳げない身体になるという魔性の木の実を、幼少時代のルフィは口にしてしまっていたのだ。
憧れた海賊である祖父が被っていた帽子を、宝物として大切にするルフィ。彼は牢から容易く脱出すると、小舟を探して船内を物色。一方バルーンを救うべく動いたアンだが、シュピールに騙され背後から撃たれてしまう。そこに現れたルフィに対し、銃やハンマーによる攻撃を仕掛けるシュピールだが、ルフィには一向に通用する様子がない。ゴムゴムの実を食べた事で、ルフィは全身がゴムで出来たゴム人間となっていたのだ。
伸縮自在の身体で部下達を圧倒するルフィに、勝ち目がないと判断したシュピールは、バルーンを連れ船から逃走。妖術によって船を破壊し、上空へと飛び去ってしまう。
泳げないルフィを救い出したアンは、バルーンが攫われてしまった事を嘆き、涙を流す。そんなアンに、ルフィは「諦めるな」と声をかけると、ゴムの身体を活かし空中へと飛び、シュピールに追いついてみせる。
突然背後に現れたルフィに驚き、近寄らせまいと頭を抑えるシュピール。だが大切な帽子に触れるその行為が、ルフィの怒りを買った。ルフィは大きく背後へと伸ばした腕を引き戻し、その反動を利用した強烈な拳を撃ち込むと、見事シュピールを撃破。バルーンの奪還に成功するのだった。
ルフィによって助けられたアンとバルーンは、ルフィが目標とするピースメインになれる事を願いつつ、別れて行った。ルフィは改めて、小舟を出し航海を始める。
そして数年後、『麦わらのルフィ』と呼ばれる海賊が、この海で大きく名を上げる事になるのだった。
大海原を小舟で進む、1人の少年がいた。彼はモンキー・D・ルフィ。ピースメインと呼ばれる海賊を目指し、仲間を探して旅をしている最中であった。
航海の途中、ルフィはバルーンと呼ばれる怪鳥と、巨大な海賊船に出会う。海賊船の船長である六角のシュピールは、求めていた怪鳥の捕獲に協力したルフィに感謝を述べるが、ルフィが彼の髪型を笑った事で激怒。ルフィを牢に閉じ込めてしまう。
ルフィと共に捕まった少女アンは、怪鳥バルーンの友達だと言う。妖術使いであるシュピールは、妖力が宿るという怪鳥の血を欲し、彼女の住む村を滅ぼしてしまったのだ。
一方のルフィは、アンに自身の夢と過去を語る。海賊であったルフィの祖父が、ある日持ち帰ったというゴムゴムの実。食べれば一生泳げない身体になるという魔性の木の実を、幼少時代のルフィは口にしてしまっていたのだ。
憧れた海賊である祖父が被っていた帽子を、宝物として大切にするルフィ。彼は牢から容易く脱出すると、小舟を探して船内を物色。一方バルーンを救うべく動いたアンだが、シュピールに騙され背後から撃たれてしまう。そこに現れたルフィに対し、銃やハンマーによる攻撃を仕掛けるシュピールだが、ルフィには一向に通用する様子がない。ゴムゴムの実を食べた事で、ルフィは全身がゴムで出来たゴム人間となっていたのだ。
伸縮自在の身体で部下達を圧倒するルフィに、勝ち目がないと判断したシュピールは、バルーンを連れ船から逃走。妖術によって船を破壊し、上空へと飛び去ってしまう。
泳げないルフィを救い出したアンは、バルーンが攫われてしまった事を嘆き、涙を流す。そんなアンに、ルフィは「諦めるな」と声をかけると、ゴムの身体を活かし空中へと飛び、シュピールに追いついてみせる。
突然背後に現れたルフィに驚き、近寄らせまいと頭を抑えるシュピール。だが大切な帽子に触れるその行為が、ルフィの怒りを買った。ルフィは大きく背後へと伸ばした腕を引き戻し、その反動を利用した強烈な拳を撃ち込むと、見事シュピールを撃破。バルーンの奪還に成功するのだった。
ルフィによって助けられたアンとバルーンは、ルフィが目標とするピースメインになれる事を願いつつ、別れて行った。ルフィは改めて、小舟を出し航海を始める。
そして数年後、『麦わらのルフィ』と呼ばれる海賊が、この海で大きく名を上げる事になるのだった。
【原作からの追加点・変更点】
※セリフや演出の変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介
・冒頭部に、「ロマンスドーン 冒険の夜明け。これはONE PIECEとはちょっと違う、もう1人のルフィの物語」というナレーションの語り追加。
・原作ではルフィが起き上がった瞬間から物語が始まるが、アニメでは寝転がっているところから。
・ルフィが「よく寝た いい気分だ!」と起き上がるシーンで、原作では両腕を上に突き上げているが、アニメでは左手で帽子を押さえている。
・バルーンが撃たれた瞬間が、原作では銃声が聞こえるのみだったがアニメでは映像が加筆。
・バルーンがルフィの小舟に落下して来る際、原作では真っ直ぐ落ちて来ていたが、アニメでは羽ばたきながら蛇行して落ちて来るように変更。
・原作ではルフィの背後に落ちて来たバルーンだが、アニメでは正面に落ちて来る。そのため、落ちて来る最中のバルーンの姿がルフィの目に入る様に変更。
・バルーンの身体で小舟の穴を塞ぐ際の、ルフィの「船 沈んだらオレ 泳げないんだっ!!」というセリフが削除され、「船沈んじゃうだろ!!」というのみに変更。
・バルーンの傷を見たルフィが、さっきの銃声によるものだと気付く様に変更。
・シュピールの海賊船が接近してきた際の、ルフィの「びっくりした いつの間に……!!」というセリフが、「でっけー船!!」に変更。
・アンの「飛んで遠くへ逃げるの!!」というセリフの後の、ルフィがバルーンの身体を押さえつける描写削除。
それに伴い、その後のアンの「バルーンを抑えつけてたでしょう!?」というセリフ削除。
・「その鳥を船の上に運んでくれないか」と言うシュピールに対し、ルフィが「分かった」と答えるセリフ追加。
・ルフィの「(バルーンが)ケガしてたぞ」というセリフが「撃たれてたぞ」に変更。
・アンによるシュピールの説明について、原作では「名もない海賊」と言われていたが、アニメでは「残忍な妖術使いで有名なやつ」に変更。
・『怪鳥(ルク)』の名に関して、原作では「怪鳥」のルビとして「ルク」の呼び名が使われていたが、アニメのシュピール登場時のセリフでははそのまま「怪鳥ルク」という名称に。
その後のアンの説明では、「ルクって呼ばれてる怪鳥」と語られている。
・バルーンの捕獲協力への感謝を述べる際、シュピールがルフィに「礼は何が欲しい?」と尋ねるシーン追加。
またこの際、ルフィとシュピールの位置関係が変更されている(シュピールより高い位置にあるマストの傍にルフィがいる)ため、シュピールが「降りてこい」というセリフも追加。
・シュピールに「へんなあたま」と言い放った後、原作では笑いながら涙を流していたルフィだが、アニメでは普通に笑うだけになっている。
・牢の窓から海を眺めている際、原作では「海だ」とだけ言っていたルフィだが、アニメでは「やっぱでっかい船はいいな~!」と感激している。
・『ピースメイン』という言葉の解説時、背景にルフィのじいちゃんの戦う姿が映される演出追加。
・ルフィ幼少期の回想にて、じいちゃんの海賊船が港に帰って来る際の描写が追加。ルフィだけでなく、町の人々が彼らの帰りを歓迎している様子が窺える。
・じいちゃんの海賊船に、麦わら帽子を被ったドクロのマークが確認できるシーンが追加。ONEPIECEにおける麦わらの一味のマークとは、骨が十字ではなく真横に並行な並びになっている点、その骨が腕の形をしている点、ドクロの下あご部分の形状などが異なっている。
・海賊になれというじいちゃんの言葉をルフィが拒否するシーンにて、ルフィの「泳げない」というセリフやじいちゃんとの問答が削除され、「海賊になんかなんないよ」と舌を出すのみになっている。
・仲間達との戦利品の配分時に、じいちゃんがゴムゴムの実を取り分として選び、「今回わしはこいつだけ貰えれば満足だ」と言う描写追加。
それに伴い、仲間の「船長そりゃ取りすぎだぜ」というセリフが「船長そりゃずるいぜ」に変更、じいちゃんと仲間が取り分を巡って決闘するシーンが削除。
・ルフィがゴムゴムの実を食べた後の、じいちゃんの「お前が海を嫌っておったのがせめてもの救い」というセリフが「お前が海賊になりたがってないのが」に変更。
・ルフィが海賊になりたくないというウソをついていた理由に関し、原作では「泳げないから」だったがアニメでは「なれるかどうか分からないから」に変更。
『ONE PIECE』本編同様、アニメではルフィが元々泳げなかったという設定自体が削除されている。
・ルフィが牢の窓からクジラを発見するシーンにて、ONEPIECEにおけるアイランドクジラに似たクジラの群れが加筆。
・ルフィが牢の中で眠るシーンが削除。
また牢を出ようとした理由が「あきた」から「じっとしてらんねェ」に変更。
・アンがバルーンを助けに向かった際の、ルフィの「自分でさんざんこの船の海賊は恐いって言ってたくせに」というセリフ削除。
・船員の昼寝中、原作では物陰からバルーンの姿を確認するだけだったアンだが、アニメでは檻に接近し、鍵をこじ開けようとする様に変更。
それを発見したシュピールが妖術を使い、勝負に使う剣をアンの傍に飛ばす描写追加。
・原作ではコマの間で省略されていた、シュピールがアンに船員との勝負に勝てばバルーンを逃がすという賭けを持ちかけるシーン追加。
・アンと船員の戦闘描写追加。
アンは剣を用いて数度打ち合ったのち、スライディングで転倒させた船員に剣を突きつけ、勝負を決している。
・アンに負けた船員に対し、原作では妖術により火だるまにしたシュピールだが、アニメでは浮遊させ船の外に放り出す形に変更。
・シュピールがアンを銃撃する際、妖術で浮かせた箒の上に立つように変更。
また「お人よしが。海賊が約束なんぞ守るわけないだろう」というセリフ追加。
・撃たれたアンの姿をルフィが発見した際、シュピールの「お仲間がピンチだなぁさあどうする?」というセリフ追加。
・ルフィに「アメンボみたい」と頭をバカにされた後、原作では無言で銃を放つシュピールだが、アニメでは「無礼なガキが…」と呟くシーン追加。
・ルフィが跳ね返した弾丸が、原作では上空へ飛んで行っているがアニメではシュピールの背後の壁に当たっている。
・ルフィが弾丸を跳ね返した事に対し、シュピールの部下達が慌てふためくシーン削除。
・巨大なハンマーで潰されたルフィが原作ではすぐに起き上がっているが、アニメでは潰れた身体全体が平たく伸び、ハンマーと床の間から身体の端が溢れ出すような描写が追加されている。
その後、ハンマーを船の外へと吹き飛ばしながら、元の姿へと戻っている。
・銃弾もハンマーも通用しない事が判明した後、原作ではマストの上に逃げ上ってしまうシュピールだが、アニメでは怯えながら部下達を仕掛けさせている。
またその際、ルフィがONEPIECEで言う『ゴムゴムの鞭』の様な蹴り技で部下達を一掃するシーン追加。
・原作ではマストに昇ったシュピールに向けて放った裏拳が、シュピールの部下達に対するものに変更。
またルフィに敗北した部下の、「やっぱ船長じゃねェとやつには勝てねェよ!!」というセリフ追加。
・シュピールの「オレはもうこの船には用はない」というセリフが、「もう海賊団は解散だ」に変更。
また「最後に少々屈辱を味わったが~~」というセリフ削除。
・妖術によって船を破壊した際、シュピールの「船ごと沈むがいいーーーっ!!!」というセリフ削除。
またルフィの「あいつ仲間まで!!」といいうセリフ追加。
・アンが海に沈んだルフィを引き上げる際、海中に向けて泳いでいく描写追加。
・ルフィの「諦めるな お前の親友だろう」というアンへのセリフおよびシュピールに対する「オレの帽子にさわんじゃねェ!!!」というセリフは、原作では「親友」「帽子」と書いて「たから」と読ませていたが、アニメでは単に「しんゆう」「ぼうし」となっている。
・ルフィがシュピールを追う際、アンに対する「大丈夫 ピースメインに任せろよ」というセリフ追加。
・バルーンを連れ逃げ去ったシュピールの、「海賊団なんざいつでも作り直せばいいのさ」というセリフ追加。
・シュピール撃破後、箒から落下したルフィをバルーンが救助する描写追加。
それに伴い、ルフィの「運んで貰って」というセリフが「助けて貰って」に変更。
・アンと別れた後、ルフィの「よーし 新しい航海の始まりだ」というセリフ追加。
※セリフや演出の変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介
・冒頭部に、「ロマンスドーン 冒険の夜明け。これはONE PIECEとはちょっと違う、もう1人のルフィの物語」というナレーションの語り追加。
・原作ではルフィが起き上がった瞬間から物語が始まるが、アニメでは寝転がっているところから。
・ルフィが「よく寝た いい気分だ!」と起き上がるシーンで、原作では両腕を上に突き上げているが、アニメでは左手で帽子を押さえている。
・バルーンが撃たれた瞬間が、原作では銃声が聞こえるのみだったがアニメでは映像が加筆。
・バルーンがルフィの小舟に落下して来る際、原作では真っ直ぐ落ちて来ていたが、アニメでは羽ばたきながら蛇行して落ちて来るように変更。
・原作ではルフィの背後に落ちて来たバルーンだが、アニメでは正面に落ちて来る。そのため、落ちて来る最中のバルーンの姿がルフィの目に入る様に変更。
・バルーンの身体で小舟の穴を塞ぐ際の、ルフィの「船 沈んだらオレ 泳げないんだっ!!」というセリフが削除され、「船沈んじゃうだろ!!」というのみに変更。
・バルーンの傷を見たルフィが、さっきの銃声によるものだと気付く様に変更。
・シュピールの海賊船が接近してきた際の、ルフィの「びっくりした いつの間に……!!」というセリフが、「でっけー船!!」に変更。
・アンの「飛んで遠くへ逃げるの!!」というセリフの後の、ルフィがバルーンの身体を押さえつける描写削除。
それに伴い、その後のアンの「バルーンを抑えつけてたでしょう!?」というセリフ削除。
・「その鳥を船の上に運んでくれないか」と言うシュピールに対し、ルフィが「分かった」と答えるセリフ追加。
・ルフィの「(バルーンが)ケガしてたぞ」というセリフが「撃たれてたぞ」に変更。
・アンによるシュピールの説明について、原作では「名もない海賊」と言われていたが、アニメでは「残忍な妖術使いで有名なやつ」に変更。
・『怪鳥(ルク)』の名に関して、原作では「怪鳥」のルビとして「ルク」の呼び名が使われていたが、アニメのシュピール登場時のセリフでははそのまま「怪鳥ルク」という名称に。
その後のアンの説明では、「ルクって呼ばれてる怪鳥」と語られている。
・バルーンの捕獲協力への感謝を述べる際、シュピールがルフィに「礼は何が欲しい?」と尋ねるシーン追加。
またこの際、ルフィとシュピールの位置関係が変更されている(シュピールより高い位置にあるマストの傍にルフィがいる)ため、シュピールが「降りてこい」というセリフも追加。
・シュピールに「へんなあたま」と言い放った後、原作では笑いながら涙を流していたルフィだが、アニメでは普通に笑うだけになっている。
・牢の窓から海を眺めている際、原作では「海だ」とだけ言っていたルフィだが、アニメでは「やっぱでっかい船はいいな~!」と感激している。
・『ピースメイン』という言葉の解説時、背景にルフィのじいちゃんの戦う姿が映される演出追加。
・ルフィ幼少期の回想にて、じいちゃんの海賊船が港に帰って来る際の描写が追加。ルフィだけでなく、町の人々が彼らの帰りを歓迎している様子が窺える。
・じいちゃんの海賊船に、麦わら帽子を被ったドクロのマークが確認できるシーンが追加。ONEPIECEにおける麦わらの一味のマークとは、骨が十字ではなく真横に並行な並びになっている点、その骨が腕の形をしている点、ドクロの下あご部分の形状などが異なっている。
・海賊になれというじいちゃんの言葉をルフィが拒否するシーンにて、ルフィの「泳げない」というセリフやじいちゃんとの問答が削除され、「海賊になんかなんないよ」と舌を出すのみになっている。
・仲間達との戦利品の配分時に、じいちゃんがゴムゴムの実を取り分として選び、「今回わしはこいつだけ貰えれば満足だ」と言う描写追加。
それに伴い、仲間の「船長そりゃ取りすぎだぜ」というセリフが「船長そりゃずるいぜ」に変更、じいちゃんと仲間が取り分を巡って決闘するシーンが削除。
・ルフィがゴムゴムの実を食べた後の、じいちゃんの「お前が海を嫌っておったのがせめてもの救い」というセリフが「お前が海賊になりたがってないのが」に変更。
・ルフィが海賊になりたくないというウソをついていた理由に関し、原作では「泳げないから」だったがアニメでは「なれるかどうか分からないから」に変更。
『ONE PIECE』本編同様、アニメではルフィが元々泳げなかったという設定自体が削除されている。
・ルフィが牢の窓からクジラを発見するシーンにて、ONEPIECEにおけるアイランドクジラに似たクジラの群れが加筆。
・ルフィが牢の中で眠るシーンが削除。
また牢を出ようとした理由が「あきた」から「じっとしてらんねェ」に変更。
・アンがバルーンを助けに向かった際の、ルフィの「自分でさんざんこの船の海賊は恐いって言ってたくせに」というセリフ削除。
・船員の昼寝中、原作では物陰からバルーンの姿を確認するだけだったアンだが、アニメでは檻に接近し、鍵をこじ開けようとする様に変更。
それを発見したシュピールが妖術を使い、勝負に使う剣をアンの傍に飛ばす描写追加。
・原作ではコマの間で省略されていた、シュピールがアンに船員との勝負に勝てばバルーンを逃がすという賭けを持ちかけるシーン追加。
・アンと船員の戦闘描写追加。
アンは剣を用いて数度打ち合ったのち、スライディングで転倒させた船員に剣を突きつけ、勝負を決している。
・アンに負けた船員に対し、原作では妖術により火だるまにしたシュピールだが、アニメでは浮遊させ船の外に放り出す形に変更。
・シュピールがアンを銃撃する際、妖術で浮かせた箒の上に立つように変更。
また「お人よしが。海賊が約束なんぞ守るわけないだろう」というセリフ追加。
・撃たれたアンの姿をルフィが発見した際、シュピールの「お仲間がピンチだなぁさあどうする?」というセリフ追加。
・ルフィに「アメンボみたい」と頭をバカにされた後、原作では無言で銃を放つシュピールだが、アニメでは「無礼なガキが…」と呟くシーン追加。
・ルフィが跳ね返した弾丸が、原作では上空へ飛んで行っているがアニメではシュピールの背後の壁に当たっている。
・ルフィが弾丸を跳ね返した事に対し、シュピールの部下達が慌てふためくシーン削除。
・巨大なハンマーで潰されたルフィが原作ではすぐに起き上がっているが、アニメでは潰れた身体全体が平たく伸び、ハンマーと床の間から身体の端が溢れ出すような描写が追加されている。
その後、ハンマーを船の外へと吹き飛ばしながら、元の姿へと戻っている。
・銃弾もハンマーも通用しない事が判明した後、原作ではマストの上に逃げ上ってしまうシュピールだが、アニメでは怯えながら部下達を仕掛けさせている。
またその際、ルフィがONEPIECEで言う『ゴムゴムの鞭』の様な蹴り技で部下達を一掃するシーン追加。
・原作ではマストに昇ったシュピールに向けて放った裏拳が、シュピールの部下達に対するものに変更。
またルフィに敗北した部下の、「やっぱ船長じゃねェとやつには勝てねェよ!!」というセリフ追加。
・シュピールの「オレはもうこの船には用はない」というセリフが、「もう海賊団は解散だ」に変更。
また「最後に少々屈辱を味わったが~~」というセリフ削除。
・妖術によって船を破壊した際、シュピールの「船ごと沈むがいいーーーっ!!!」というセリフ削除。
またルフィの「あいつ仲間まで!!」といいうセリフ追加。
・アンが海に沈んだルフィを引き上げる際、海中に向けて泳いでいく描写追加。
・ルフィの「諦めるな お前の親友だろう」というアンへのセリフおよびシュピールに対する「オレの帽子にさわんじゃねェ!!!」というセリフは、原作では「親友」「帽子」と書いて「たから」と読ませていたが、アニメでは単に「しんゆう」「ぼうし」となっている。
・ルフィがシュピールを追う際、アンに対する「大丈夫 ピースメインに任せろよ」というセリフ追加。
・バルーンを連れ逃げ去ったシュピールの、「海賊団なんざいつでも作り直せばいいのさ」というセリフ追加。
・シュピール撃破後、箒から落下したルフィをバルーンが救助する描写追加。
それに伴い、ルフィの「運んで貰って」というセリフが「助けて貰って」に変更。
・アンと別れた後、ルフィの「よーし 新しい航海の始まりだ」というセリフ追加。
【人物・用語紹介】
【登場人物紹介】
■モンキー・D・ルフィ
物語の主人公。『ONE PIECE』本編とほぼ同様の外見だが、目の下に傷がない。
海賊の祖父を持ち、幼少の頃から自身も海賊になる事を望んでいたが、なれる自信が無かった事から海に興味がないと偽っていた。(嘘をついていた理由がアニメと原作で異なっており、原作での理由は「泳げなかったから」)
少年時代のある日、祖父が持ち帰った戦利品であるゴムゴムの実を口にした事で、ゴムの身体と引き換えに万年カナヅチの身体に。はじめは平静を装っていたが、泳ぐ事が不可能になったショックから祖父に海賊になりたかったという気持ちを吐露した。
その後、経緯は不明だが祖父が被っていた帽子を受け継ぎ、宝物として大切に被る様になる。そして自身も、ピースメインの海賊の仲間になるために海へと出た。
小舟での航海中、バルーンが落下してきた事で船底に穴が空き、船が沈みかけてしまう。そんな折、バルーンを狙っていた海賊シュピールと遭遇し、バルーンを連れ彼の船へ。だがシュピールの髪型を笑った事で怒りを買い、牢に閉じ込められてしまう。
同じく捕らわれていたアンに自身の夢や過去を語ると、伸縮する身体を用いて鍵を奪い取り、牢から容易く脱出。だがアンのバルーン奪還を手伝おうとはせず、船内で小舟を探し、出航を試みる。
小舟を見つけ船から脱出しようとしたところ、シュピールによってアンが撃たれた現場に遭遇。シュピールの銃弾や巨大ハンマーによる攻撃を受けるが、ゴムの身体を活かし、その攻撃を跳ね除け、部下達も一掃してしまう。
シュピールが逃げ際に船を破壊した際は溺れそうになるが、アンによって助けられる。そして攫われたバルーンを思い涙するアンに応え、バルーンを奪還すべくシュピールを追跡。自身の帽子に触れたシュピールに怒りを見せつつ、大きく伸ばした拳による一撃で、彼を遥か彼方にまで吹き飛ばした。
アンやバルーンと別れた後は、再び小舟に乗って航海を再開。そしてその数年後、『麦わらのルフィ』という海賊として、海で名を上げる事となった。
■アン
シュピールの海賊船にて、ルフィと出会った少女。バルーンとは物心ついた時からの友達であり、強い結びつきを持っていた。
ある日、住んでいた村がバルーンを狙うシュピールの海賊団に襲撃される。シュピールの妖術によって村をボロボロにされた上、自身もバルーンもろとも攫われてしまった。
シュピールの海賊船にてルフィと出会い、牢に閉じ込められる。脱出後、船員達が眠っている隙を突いてバルーンを解放しようとするが、シュピールに発見されてしまう。船員との決闘に勝てばバルーンを解放するというシュピールの誘いに乗り、剣を持って船員と戦闘、勝利を収めるが、約束を反故にしたシュピールによって銃撃を受けてしまう。
銃弾は急所を外れていたため、倒れたフリをして隙を伺おうとしていたが、ルフィが現れた事によって事態が変化。船が破壊された際はカナヅチのルフィを救助したが、バルーンが連れ去られてしまった事に涙を流した。
ルフィによってバルーンが救助された後は、彼が目標であるピースメインになれる事を願いつつ、バルーンの背に乗り飛び立っていった。
■バルーン
『ルク』と呼ばれる怪鳥の最後の1羽であり、アンが物心つくころからの友達。だが自身に宿る妖力を求めたシュピールによって村が襲われ、アンも攫われてしまう。
その後シュピールの海賊船付近の空を飛んでいたところ、シュピールの銃弾を喰らい負傷。偶然近くを通りがかったルフィの小舟に落下し、船に穴を空けてしまう。
シュピールに捕らわれた後はルフィ、アンとは別の檻に入れられ、またシュピールが海賊団を捨てて逃亡した際には、首に縄を繋がれ引き連れられていった。
ルフィによって助け出されたのち、落下するルフィの頭部を咥え救出。そのまま崩壊した海賊船のところまで彼を運ぶと、アンを乗せて飛び立って行った。
■シュピール
『六角のシュピール』と呼ばれるモーガニアの海賊であり、何も無いところから物を取り出す、他者を浮遊させる、物体を触れずして破壊するなどの妖術を扱える。原作では無名の海賊だったが、TVアニメ版では残忍な妖術使いとして有名な海賊となった。
『ONE PIECE』本編の劇場版『エピソードオブチョッパー』では彼の手配書が登場しており、350万ベリーの賞金首となっている。
妖力が宿るというルクの血を求め、アンの住む村を襲撃。財宝を奪い村をボロボロにした上、バルーンを呼び寄せるためにアンを攫う。そして逃げようとするバルーンを銃撃した。
落下したバルーンを船に引き上げたルフィに対し、当初は感謝を述べていたが、ルフィが自身の髪型を笑った事で激怒。彼をアンと共に牢へとブチ込んだ。
牢から脱出したアンがバルーンを救出しようとした際には、船員との勝負に勝てば解放してやるとの賭けを持ちかける。だが最初からそんな約束を守るつもりはなく、勝負に勝ったアンがバルーンを救出しようとした際には背後から銃撃した。
その後現れたルフィに対し、銃やハンマーによる攻撃を仕掛けるが、ゴム人間のルフィにはまったく通用しなかった。その強さや能力を恐れ、戦う事に利が無いと判断すると、海賊団を捨てバルーンだけを引き連れて逃亡。しかし追いついてきたルフィの帽子に触れた事で怒りを買い、そのまま拳の一撃を喰らい遥か彼方に吹き飛んでしまった。
■じいちゃん
ルフィの祖父。本名は不明。『ONE PIECE』本編に登場するガープとはうり二つの外見をしており、麦わら帽子を被っている。アニメでは、その麦わら帽子を特徴にいれた海賊旗を掲げていた。
ピースメインの海賊であり、ルフィに海の楽しさや本当のお宝について説いていた。また戦利品として持ち帰ったゴムゴムの実をルフィが食べてしまった際には、海賊になりたかったと言うルフィにゲンコツを振るい、海の厳しさも教えていた。
回想内にのみ登場しており、現在の生死などは不明。だが自身がいつも被っていた帽子はルフィが受け継いでおり、宝物として大切にされている。
【用語紹介】
■妖術使い
六角のシュピールのように、妖術を操る事ができる人間。
劇中で確認できる妖術には、望んだ物体を何もないところから出現させる、箒に乗って空を飛ぶ、物体を触れずして破壊する、人体を発火させる(原作)、物体や人体を浮遊させ操る(アニメ)というものがある。
これらの能力を扱える理由については、劇中では語られていない。
■怪鳥
その血に妖力を宿すと言われる鳥。劇中では、バルーンがその最後の一羽であると語られている。
■モーガニア
世にいる海賊を大きく2つに分けたうちの1つであり、ただ無法に略奪をする者達を示す言葉。
劇中ではシュピールの海賊団がこれに当てはまる。
■ピースメイン
海賊は海賊でも、モーガニアをカモとして冒険を続ける海賊達を示す。
ルフィが目標とする海賊であり、その祖父もこれに該当する海賊だった。
■ゴムゴムの実
売れば50億ベリーにもなるという幻の木の実。食べれば全身ゴム人間となる能力と引き換えに、万年カナヅチの身体となってしまう。
ルフィのじいちゃんが敵船との戦いで得た戦利品であり、幼少期のルフィが食べてしまった。
【登場人物紹介】
■モンキー・D・ルフィ
物語の主人公。『ONE PIECE』本編とほぼ同様の外見だが、目の下に傷がない。
海賊の祖父を持ち、幼少の頃から自身も海賊になる事を望んでいたが、なれる自信が無かった事から海に興味がないと偽っていた。(嘘をついていた理由がアニメと原作で異なっており、原作での理由は「泳げなかったから」)
少年時代のある日、祖父が持ち帰った戦利品であるゴムゴムの実を口にした事で、ゴムの身体と引き換えに万年カナヅチの身体に。はじめは平静を装っていたが、泳ぐ事が不可能になったショックから祖父に海賊になりたかったという気持ちを吐露した。
その後、経緯は不明だが祖父が被っていた帽子を受け継ぎ、宝物として大切に被る様になる。そして自身も、ピースメインの海賊の仲間になるために海へと出た。
小舟での航海中、バルーンが落下してきた事で船底に穴が空き、船が沈みかけてしまう。そんな折、バルーンを狙っていた海賊シュピールと遭遇し、バルーンを連れ彼の船へ。だがシュピールの髪型を笑った事で怒りを買い、牢に閉じ込められてしまう。
同じく捕らわれていたアンに自身の夢や過去を語ると、伸縮する身体を用いて鍵を奪い取り、牢から容易く脱出。だがアンのバルーン奪還を手伝おうとはせず、船内で小舟を探し、出航を試みる。
小舟を見つけ船から脱出しようとしたところ、シュピールによってアンが撃たれた現場に遭遇。シュピールの銃弾や巨大ハンマーによる攻撃を受けるが、ゴムの身体を活かし、その攻撃を跳ね除け、部下達も一掃してしまう。
シュピールが逃げ際に船を破壊した際は溺れそうになるが、アンによって助けられる。そして攫われたバルーンを思い涙するアンに応え、バルーンを奪還すべくシュピールを追跡。自身の帽子に触れたシュピールに怒りを見せつつ、大きく伸ばした拳による一撃で、彼を遥か彼方にまで吹き飛ばした。
アンやバルーンと別れた後は、再び小舟に乗って航海を再開。そしてその数年後、『麦わらのルフィ』という海賊として、海で名を上げる事となった。
■アン
シュピールの海賊船にて、ルフィと出会った少女。バルーンとは物心ついた時からの友達であり、強い結びつきを持っていた。
ある日、住んでいた村がバルーンを狙うシュピールの海賊団に襲撃される。シュピールの妖術によって村をボロボロにされた上、自身もバルーンもろとも攫われてしまった。
シュピールの海賊船にてルフィと出会い、牢に閉じ込められる。脱出後、船員達が眠っている隙を突いてバルーンを解放しようとするが、シュピールに発見されてしまう。船員との決闘に勝てばバルーンを解放するというシュピールの誘いに乗り、剣を持って船員と戦闘、勝利を収めるが、約束を反故にしたシュピールによって銃撃を受けてしまう。
銃弾は急所を外れていたため、倒れたフリをして隙を伺おうとしていたが、ルフィが現れた事によって事態が変化。船が破壊された際はカナヅチのルフィを救助したが、バルーンが連れ去られてしまった事に涙を流した。
ルフィによってバルーンが救助された後は、彼が目標であるピースメインになれる事を願いつつ、バルーンの背に乗り飛び立っていった。
■バルーン
『ルク』と呼ばれる怪鳥の最後の1羽であり、アンが物心つくころからの友達。だが自身に宿る妖力を求めたシュピールによって村が襲われ、アンも攫われてしまう。
その後シュピールの海賊船付近の空を飛んでいたところ、シュピールの銃弾を喰らい負傷。偶然近くを通りがかったルフィの小舟に落下し、船に穴を空けてしまう。
シュピールに捕らわれた後はルフィ、アンとは別の檻に入れられ、またシュピールが海賊団を捨てて逃亡した際には、首に縄を繋がれ引き連れられていった。
ルフィによって助け出されたのち、落下するルフィの頭部を咥え救出。そのまま崩壊した海賊船のところまで彼を運ぶと、アンを乗せて飛び立って行った。
■シュピール
『六角のシュピール』と呼ばれるモーガニアの海賊であり、何も無いところから物を取り出す、他者を浮遊させる、物体を触れずして破壊するなどの妖術を扱える。原作では無名の海賊だったが、TVアニメ版では残忍な妖術使いとして有名な海賊となった。
『ONE PIECE』本編の劇場版『エピソードオブチョッパー』では彼の手配書が登場しており、350万ベリーの賞金首となっている。
妖力が宿るというルクの血を求め、アンの住む村を襲撃。財宝を奪い村をボロボロにした上、バルーンを呼び寄せるためにアンを攫う。そして逃げようとするバルーンを銃撃した。
落下したバルーンを船に引き上げたルフィに対し、当初は感謝を述べていたが、ルフィが自身の髪型を笑った事で激怒。彼をアンと共に牢へとブチ込んだ。
牢から脱出したアンがバルーンを救出しようとした際には、船員との勝負に勝てば解放してやるとの賭けを持ちかける。だが最初からそんな約束を守るつもりはなく、勝負に勝ったアンがバルーンを救出しようとした際には背後から銃撃した。
その後現れたルフィに対し、銃やハンマーによる攻撃を仕掛けるが、ゴム人間のルフィにはまったく通用しなかった。その強さや能力を恐れ、戦う事に利が無いと判断すると、海賊団を捨てバルーンだけを引き連れて逃亡。しかし追いついてきたルフィの帽子に触れた事で怒りを買い、そのまま拳の一撃を喰らい遥か彼方に吹き飛んでしまった。
■じいちゃん
ルフィの祖父。本名は不明。『ONE PIECE』本編に登場するガープとはうり二つの外見をしており、麦わら帽子を被っている。アニメでは、その麦わら帽子を特徴にいれた海賊旗を掲げていた。
ピースメインの海賊であり、ルフィに海の楽しさや本当のお宝について説いていた。また戦利品として持ち帰ったゴムゴムの実をルフィが食べてしまった際には、海賊になりたかったと言うルフィにゲンコツを振るい、海の厳しさも教えていた。
回想内にのみ登場しており、現在の生死などは不明。だが自身がいつも被っていた帽子はルフィが受け継いでおり、宝物として大切にされている。
【用語紹介】
■妖術使い
六角のシュピールのように、妖術を操る事ができる人間。
劇中で確認できる妖術には、望んだ物体を何もないところから出現させる、箒に乗って空を飛ぶ、物体を触れずして破壊する、人体を発火させる(原作)、物体や人体を浮遊させ操る(アニメ)というものがある。
これらの能力を扱える理由については、劇中では語られていない。
■怪鳥
その血に妖力を宿すと言われる鳥。劇中では、バルーンがその最後の一羽であると語られている。
■モーガニア
世にいる海賊を大きく2つに分けたうちの1つであり、ただ無法に略奪をする者達を示す言葉。
劇中ではシュピールの海賊団がこれに当てはまる。
■ピースメイン
海賊は海賊でも、モーガニアをカモとして冒険を続ける海賊達を示す。
ルフィが目標とする海賊であり、その祖父もこれに該当する海賊だった。
■ゴムゴムの実
売れば50億ベリーにもなるという幻の木の実。食べれば全身ゴム人間となる能力と引き換えに、万年カナヅチの身体となってしまう。
ルフィのじいちゃんが敵船との戦いで得た戦利品であり、幼少期のルフィが食べてしまった。
【感想・妄想】
■全体
祝!
TVアニメ『ONE PIECE』放送開始20周年!!
……という事で、原作ONE PIECEに遅れること約2年、アニメ版ONE PIECEも遂に20周年を迎える事となりました。ぱちぱちぱち。
まあ、ウチの更新が遅れに遅れまくってる都合、全然リアルタイム性は無いんだけどね。10月放送なのに、気づいたら年明けてたし。あ、あけましておめでとうございます。
そんな記念すべき20周年を祝って製作されたのが、今回の『ロマンスドーン』。ONE PIECEのプロトタイプとなった読み切り作品を、約23年の歳月を経てアニメ化したものとなる。
よくよく考えると、「ONEPIECEの20周年記念作品がONEPIECEじゃない」というのも中々面妖な話だ。まあ原作ONEPIECEの第1話とか、もうしゃぶり尽くされて味しなくなってると思うから正しい判断だと思うけど。レヴェリーでもリメイクされたばっかだしな。
『ROMANCE DAWN』には内容の異なる2本の読み切り作品が存在するが、今回アニメ化されたのは短編集『WANTED!』に再録されている方。
2作の読み切りはどちらも1996年に発表されたものだが、どうも今回のものの方が後に発表されたものらしい。厳密に言えば、元祖と呼べる作品ではないって事ね。
ちなみにもう一方の『ONE PIECE RED』にも再録された方のロマンスドーンは、2008年に『ロマンスドーンストーリー』として既にアニメ化を経験済み。(ただし、世界観やキャラクターは『ONE PIECE』のものとなっており、あくまでROMANCE DAWNのエピソードをもとにした外伝作品となっている。)
これに加えて『ONE PIECE』第一話のサブタイトルや、それを踏襲したタイトルとなっているゲーム作品『ROMANCE DAWN 冒険の夜明け』……と、世の中にはさまざまなロマンスドーンが溢れかえっている。なんとややこしい。
前置きはこのぐらいにして、今回のTVアニメ版ロマンスドーンのお話。
まず、前述の『RED』版ロマンスドーンが「アニメツアーでの上映」という発表形式が取られたのに対し、今回の『WANTED』版のアニメ化は普段のONEPIECEの時間をそのまま1話分借りる事で放送されている。
……『ロマンスドーンストーリー』がONEPIECEの世界観に沿って作られていた事を考えると、「逆じゃね?」という気持ちにもなるが、気にしないでおこう。
原作の総ページ数は(扉絵を除いて)44ページであるため、20数分という放送枠に収めるにはかなりギリギリの尺。ところどころセリフをハブいたりはしているものの、かなりハイテンポで物語が進んでいく造りとなっている。
普段のアニメONE PIECEが、1話分の放送時間で10ページ程度しか話が進まないことを考えると、単純計算で普段の約4倍のテンポで話が進んでいく事になる。高低差がすごい。
そのため、私のように原作既読で内容を知っている人ならともかく、「今回のアニメ版で初めてROMANCE DAWNに触れる」という視聴者には、少し付いて行きにくいところもあったかもしれない。
とはいえ、原作自体がそう小難しい話ではなく、シンプルな物語を勢い重視で魅せていくタイプのお話となっているため、そう置いて行かれる事はないだろうと思うけど。
全体としては、上の変更点の項目でもつらつらと書いた様に細々とセリフや描写に調整が入っている部分こそあるものの、概ね原作通りの内容となっている。
なので改まって注目するべき点もそう多くはないのだが、やはりと言うか、原作自体の構成がかなり上手く纏まっているので見ていてストレスを感じないのは美点。
主人公のルフィがどんな人間なのか、何を目指しているのか、メインとなる敵は誰なのか、何のために戦うのか。話の中核となる部分を、大きな捻りを加える事なく打ち出していくため、分かりやすく楽しみやすい王道の少年漫画として見れるなというのが純粋な感想だった。
反面、シュピールのボスとしての風格に欠けるデザイン・人物設計や、シンプルさ故にパンチの薄い物語など、現代の目で見るとやや物足りなさを感じる部分も少なくない。
『ゴムゴムの実』という異形のアイテムによって能力を得たルフィに対し、そもそも敵の使う「妖術」というのが何なのか、どうやって身に着けたのか、という部分に説明がまったく入らない点なども、人によっては気になる部分かもしれない。
逆に言えば、説明される設定や頭に入れるべき情報が多くないので、全体の見やすさ、単純娯楽としての完成度に繋がっている側面もある。
全体的には、短い尺の中で原作のシナリオを上手く収めていたと思う。
TVアニメ版ONE PIECEにはパラレルワールドのお話や1話完結の短編回こそあれど、ここまで混じりっけなく「ONEPIECEとは無関係な世界のお話」が描かれる事は稀有なので(当たり前だけど)、肩の力を抜いて見れる感覚は貴重だったかな。
■有名な妖術使い
原作版においては、アンの口から「名も無い海賊」との説明がされていたシュピール。
村を滅ぼされるまで誰もその名を知らなかったと言うが、アニメにおいては元々残忍な妖術使いとして有名な海賊だったという設定に変更された。
まあ単純な話、そりゃあ無名海賊よりは有名海賊の方が敵として箔がつく……というのもあるだろうが、この設定変更に関してはONE PIECE本編の劇場版、『エピソードオブチョッパー』における描写が理由じゃないかと思う。
エピソードオブチョッパーでは作品冒頭に様々な海賊の手配書が登場するのだが、その中にはアーロンやバギーといった有名キャラクターから、ベアキングなどの劇場版オリジナルのキャラクター、果てはギャリーやディーアールと言った尾田栄一郎作の読み切り作品に登場したキャラクターの手配書までが、懸賞金付きで公開されている。
そしてその中には、本作のボスであるシュピールの手配書も、きちんと描かれているのだ。
その手配額は350万ベリー。
決して高いと言える金額ではないが、それでも東の海の平均額を上回る数字。原作通りの「無名海賊団」と呼ぶには、少々無理があるのだ。
本作の世界観はONE PIECEと地続きになったものではないが、それでも形式としてはONE PIECEの第907話として放送され、また関連作品であること自体も揺るぎ様のない事実。
そんな本作の中で、設定に齟齬を出しかねない「無名海賊」というワードを彼に当てはめるワケには行かなかったんじゃないかと思う。
個人的に、原作で妖術という謎の力を持つシュピールが無名海賊だった理由として、「妖術を会得したのがつい最近だったから」という解釈を取っていた。
会得した妖術で海賊として力をつけ、その妖術を更に強力なものとするために怪鳥の血を欲していた……と考えていたのだけれど、アニメの設定では妖術使いとしてそれなりに長いこと海賊家業をやっていたんだろう。
単に怪鳥の存在を知るのが遅れたか、バルーンを探し当てるのに手間取っていたのか。
というか、そもそも妖力とは何なのか。あのパンダ顔の巨鳥になぜそんな力が宿っているのか。
バルーンを除いて絶滅してしまったとの事だが、やはり妖力を求める人間に狩り尽くされてしまったのか。血さえ得られれば、元々妖術など使えない人間でも妖術使いになれるのか。
地味に謎の多い設定だ。考察班の方々は、たまにはONE PIECE本編のお話だけでなく、読み切り版の設定考察なんかもしれみると楽しいかもしれない。
■ピースメインとモーガニア
「読み切り版にあって連載版にない設定」として有名であろう、この「海賊」のジャンル分け。
モーガニアは無法な略奪者であり、ピースメインはそれらを狙う冒険者……というもので、これは2作ある読み切り版両方に登場していた設定なのだが、結局、連載版に採用される事はなかった。
個人的な感覚だが、これらを連載版に活かさなかったのは英断だと思う。
「海賊」という存在を、あまりにも単純に「善悪」で区分してしまうキーワードとなりかねないからだ。
勿論、ピースメインは別に純粋な善人ではないし、『RED』版の読み切りでも「別に正義の味方になりたいわけじゃない」という言葉をルフィは発している。
しかし読者の目線でシンプルに見れば、「ピースメインと呼ばれてる海賊は良い奴なんだな」という認識は、どうしても付き纏ってしまう。
ONEPIECE本編で言うなら、クリークやアーロンなんかはモーガニア、シャンクスやニューゲート(意外にもフォクシーも?)はピースメイン寄りの海賊にあたるのだろうが、そのように極端なジャンル分けで語れる程、彼らの人物像というのは簡単ではない。
善人か悪人か、冒険者か略奪者か、ピースメインかモーガニアか。安易に分類しにくい造形を築き上げられているからこそ、ONEPIECEに登場する海賊達は魅力的なのだ。
余談だが、読み切り版におけるルフィは「ピースメインの海賊になること」を目指している。
連載版ではこれが「海賊王」に置き換えられるワケだが、ファンの間では、しばしば連載版のルフィもピースメインに近い海賊として語られる事がある。
しかし、個人的にはこれに関しては否定的で、『ONE PIECE』のルフィはピースメインとは違うと思っている。
ルフィ達は空島で、ハッキリとした略奪行為を働いているからだ。
空島にてエネルを撃破した後、ルフィ達はノラ(大蛇)の体内から、3億ベリー相当の黄金を盗み出した。空の住人達は黄金に興味がなく、更に3億など目じゃない程の巨大な黄金の支柱をくれる気でいた為に「略奪」という印象が残りにくいが、それはあくまでも結果論のお話。
ルフィ達はハッキリと「黄金を奪った」「見つかったら追い回される」と発言している事からも、略奪という悪事を働いている自覚を持って動いていた事が窺える。連載版のルフィ達は、純粋なピースメインなどではないのだ。
そしてこの様な、「基本的には無害だが、根の部分では海賊らしい」描写を入れる事ができるのも、海賊の区分という「枷」が存在していないからに他ならない。
もしルフィがピースメインを目指す海賊だったなら、エニエスロビーやインペルダウンといった世界を敵に回す戦いを生むのは難しかったかもしれないのだ。
■じいちゃん

(TVアニメ版ONE PIECE 第907話より)
ピースメインの海賊であるじいちゃんの海賊旗。
原作読み切り版には描かれてなかったんで、アニメ版が初……だよな多分……どっかで既出だったりするんかな。
じいちゃんのマークは、本編の麦わらの一味のものを踏襲しつつ、色々といじくってみたカンジ。
特に、ドクロの後ろで交差している骨に変わって、2本の腕が描かれているのが特徴的か。何を表してんだろ、これ。
本編では殺しても死なない様な人物として描かれたガープとは裏腹に、読み切り版のじいちゃんは現在の動向は不明。
しかし、自身の海賊旗に刻まれた麦わら帽子を託している以上、少なくとも海賊生活は引退しているんだろう。
シャンクスとガープを掛け合わせた様なおいしい属性のキャラクターなんだし、こちらの路線で連載が決まっていたら、いずれ「伝説の海賊」として再登場を果たしたりもしたのかな。それはそれでちょっと見てみたい。
本編の「海軍と革命軍と海賊」というロクに交わることのない血筋も面白いけど、純粋に名門海賊のサラブレッドってのもシンプルで良いよね。
■アンの戦闘力
いかにも連載版のナミの元となっていそうなヒロイン、アンだが、意外にもその戦闘能力は高い。
原作初登場のバギー編時点ではモブ海賊にも劣る程度だったナミに比べ、アンは剣を構えて相手の攻撃を受け切り、隙をついた足払いで転倒させ勝負を決めるといった器用な戦術を披露している。仮にも海賊かつ泥棒だったナミとは違い、ただの村娘であったにしてはかなりの強さだ。
何故か怪鳥が住んでいるとはいえ、基本的にアンの故郷は、ごく一般的な村だろう。身内に海賊のような強者がいるという話も、彼女の口からは特に聞けない。あの護身術は、彼女自身の意志で鍛え、身に着けたものだと思われる。
アンがわざわざ戦闘技術を磨かなければいけない理由となると、それはやはりバルーンの事か。怪鳥の血に宿る妖力のことを知ったアンは、いずれその力を求める人間が現れる事を悟った。そして、大事な親友であるバルーンを守るため、最低限の戦う力を得られるように訓練していたという所だろうか。友達思いな話だ。
しかし戦闘面ではそこそこの強さを持つ彼女だが、意外にも「騙し」には弱かった。友達を救わなければという焦りもあってか、海賊であるシュピールが約束を守ってくれると疑わず、背後からの銃撃を受けてしまった。
この辺りは、連載版のナミならば引っかからなかった罠かもしれない。鍛えてはいても、やはりごく普遍的な村人であったアンの事。泥棒として幼い頃から海賊と渡り合ってきたナミとは、くぐってきた死線の数が違うのだ。
■シュピールの妖術
妖術使いというぶっ飛んだ設定を持つ割に、彼が戦闘面においてやった事と言えば、拳銃を放ってみたり、武器を取り出して殴ってみたり……と、ハッキリ言ってかなりしょっぱい。
そのうえ、本来ならば人を自在に浮かせたり、原作では炎を放ったりとルフィにも通用しそうな技は多々持っているのに、「打撃・銃撃が効かない」と分かった時点で逃亡の準備を始めてしまった。なんとも残念なお方である。
しかし実際のところ、その逃亡時に使用した妖術の威力は中々に凄まじい。
何しろあの巨大な海賊船を、易々と真っ二つに破壊してしまう程だ。ミホークを思い出す攻撃だが、触れる必要すらないという点においては、それ以上かもしれない。
あれだけの破壊を可能とする妖術なら、如何に打撃銃撃が効かずとも、まだまだルフィと渡り合う手段は残されていたハズだ。にも関わらず、彼はその選択肢を捨て、アッサリと逃亡してしまった。
無駄な戦いはしない主義と言えば聞こえはいいが、実際にはそんなに冷静な判断だったんだろうか。ただ未知の能力者に怯み、退却してしまっただけな気もする。
実際、その後空中へと追いかけて来たルフィと対峙した際には、シュピールはビビり散らかして何も出来なくなってしまった。
まあ普通の人間ならばビビっても仕方ない状況だが、彼は妖術使いだ。自分に空中浮遊の能力がある以上、他にも同じ力を持つ者がいたっておかしくはないハズ。傍目には妖術としか思えない、ルフィの能力を見た後なら猶更だ。
彼はリスキーな戦闘をしない主義である事に加えて、不測の事態に弱く冷静な判断力を失ってしまうタイプなんだろう。
本人の実力を越える妖術を身に着けてしまったが故の詰めの甘さというか、臨機応変な対応を取れる戦闘の勘が伴っていない様に感じる。
逆に言えば、彼にもう少しの冷静さがあれば、ルフィも危なかったんじゃないだろうか? ラストなんか、ルフィを何とか箒から突き落として逃亡してしまえば、それだけで勝利は確定だったワケだし。
せっかく空中という自分の土俵に引き込む事ができたのだから、それを上手く使うことが出来れば、勝負の行方はまだ分からなかったハズだ。
……いやまあ、たかが読み切りボスにそんな強さを期待する人、誰もおらんけど。
■全体
祝!
TVアニメ『ONE PIECE』放送開始20周年!!
……という事で、原作ONE PIECEに遅れること約2年、アニメ版ONE PIECEも遂に20周年を迎える事となりました。ぱちぱちぱち。
まあ、ウチの更新が遅れに遅れまくってる都合、全然リアルタイム性は無いんだけどね。10月放送なのに、気づいたら年明けてたし。あ、あけましておめでとうございます。
そんな記念すべき20周年を祝って製作されたのが、今回の『ロマンスドーン』。ONE PIECEのプロトタイプとなった読み切り作品を、約23年の歳月を経てアニメ化したものとなる。
よくよく考えると、「ONEPIECEの20周年記念作品がONEPIECEじゃない」というのも中々面妖な話だ。まあ原作ONEPIECEの第1話とか、もうしゃぶり尽くされて味しなくなってると思うから正しい判断だと思うけど。レヴェリーでもリメイクされたばっかだしな。
『ROMANCE DAWN』には内容の異なる2本の読み切り作品が存在するが、今回アニメ化されたのは短編集『WANTED!』に再録されている方。
2作の読み切りはどちらも1996年に発表されたものだが、どうも今回のものの方が後に発表されたものらしい。厳密に言えば、元祖と呼べる作品ではないって事ね。
ちなみにもう一方の『ONE PIECE RED』にも再録された方のロマンスドーンは、2008年に『ロマンスドーンストーリー』として既にアニメ化を経験済み。(ただし、世界観やキャラクターは『ONE PIECE』のものとなっており、あくまでROMANCE DAWNのエピソードをもとにした外伝作品となっている。)
これに加えて『ONE PIECE』第一話のサブタイトルや、それを踏襲したタイトルとなっているゲーム作品『ROMANCE DAWN 冒険の夜明け』……と、世の中にはさまざまなロマンスドーンが溢れかえっている。なんとややこしい。
前置きはこのぐらいにして、今回のTVアニメ版ロマンスドーンのお話。
まず、前述の『RED』版ロマンスドーンが「アニメツアーでの上映」という発表形式が取られたのに対し、今回の『WANTED』版のアニメ化は普段のONEPIECEの時間をそのまま1話分借りる事で放送されている。
……『ロマンスドーンストーリー』がONEPIECEの世界観に沿って作られていた事を考えると、「逆じゃね?」という気持ちにもなるが、気にしないでおこう。
原作の総ページ数は(扉絵を除いて)44ページであるため、20数分という放送枠に収めるにはかなりギリギリの尺。ところどころセリフをハブいたりはしているものの、かなりハイテンポで物語が進んでいく造りとなっている。
普段のアニメONE PIECEが、1話分の放送時間で10ページ程度しか話が進まないことを考えると、単純計算で普段の約4倍のテンポで話が進んでいく事になる。高低差がすごい。
そのため、私のように原作既読で内容を知っている人ならともかく、「今回のアニメ版で初めてROMANCE DAWNに触れる」という視聴者には、少し付いて行きにくいところもあったかもしれない。
とはいえ、原作自体がそう小難しい話ではなく、シンプルな物語を勢い重視で魅せていくタイプのお話となっているため、そう置いて行かれる事はないだろうと思うけど。
全体としては、上の変更点の項目でもつらつらと書いた様に細々とセリフや描写に調整が入っている部分こそあるものの、概ね原作通りの内容となっている。
なので改まって注目するべき点もそう多くはないのだが、やはりと言うか、原作自体の構成がかなり上手く纏まっているので見ていてストレスを感じないのは美点。
主人公のルフィがどんな人間なのか、何を目指しているのか、メインとなる敵は誰なのか、何のために戦うのか。話の中核となる部分を、大きな捻りを加える事なく打ち出していくため、分かりやすく楽しみやすい王道の少年漫画として見れるなというのが純粋な感想だった。
反面、シュピールのボスとしての風格に欠けるデザイン・人物設計や、シンプルさ故にパンチの薄い物語など、現代の目で見るとやや物足りなさを感じる部分も少なくない。
『ゴムゴムの実』という異形のアイテムによって能力を得たルフィに対し、そもそも敵の使う「妖術」というのが何なのか、どうやって身に着けたのか、という部分に説明がまったく入らない点なども、人によっては気になる部分かもしれない。
逆に言えば、説明される設定や頭に入れるべき情報が多くないので、全体の見やすさ、単純娯楽としての完成度に繋がっている側面もある。
全体的には、短い尺の中で原作のシナリオを上手く収めていたと思う。
TVアニメ版ONE PIECEにはパラレルワールドのお話や1話完結の短編回こそあれど、ここまで混じりっけなく「ONEPIECEとは無関係な世界のお話」が描かれる事は稀有なので(当たり前だけど)、肩の力を抜いて見れる感覚は貴重だったかな。
■有名な妖術使い
原作版においては、アンの口から「名も無い海賊」との説明がされていたシュピール。
村を滅ぼされるまで誰もその名を知らなかったと言うが、アニメにおいては元々残忍な妖術使いとして有名な海賊だったという設定に変更された。
まあ単純な話、そりゃあ無名海賊よりは有名海賊の方が敵として箔がつく……というのもあるだろうが、この設定変更に関してはONE PIECE本編の劇場版、『エピソードオブチョッパー』における描写が理由じゃないかと思う。
エピソードオブチョッパーでは作品冒頭に様々な海賊の手配書が登場するのだが、その中にはアーロンやバギーといった有名キャラクターから、ベアキングなどの劇場版オリジナルのキャラクター、果てはギャリーやディーアールと言った尾田栄一郎作の読み切り作品に登場したキャラクターの手配書までが、懸賞金付きで公開されている。
そしてその中には、本作のボスであるシュピールの手配書も、きちんと描かれているのだ。
その手配額は350万ベリー。
決して高いと言える金額ではないが、それでも東の海の平均額を上回る数字。原作通りの「無名海賊団」と呼ぶには、少々無理があるのだ。
本作の世界観はONE PIECEと地続きになったものではないが、それでも形式としてはONE PIECEの第907話として放送され、また関連作品であること自体も揺るぎ様のない事実。
そんな本作の中で、設定に齟齬を出しかねない「無名海賊」というワードを彼に当てはめるワケには行かなかったんじゃないかと思う。
個人的に、原作で妖術という謎の力を持つシュピールが無名海賊だった理由として、「妖術を会得したのがつい最近だったから」という解釈を取っていた。
会得した妖術で海賊として力をつけ、その妖術を更に強力なものとするために怪鳥の血を欲していた……と考えていたのだけれど、アニメの設定では妖術使いとしてそれなりに長いこと海賊家業をやっていたんだろう。
単に怪鳥の存在を知るのが遅れたか、バルーンを探し当てるのに手間取っていたのか。
というか、そもそも妖力とは何なのか。あのパンダ顔の巨鳥になぜそんな力が宿っているのか。
バルーンを除いて絶滅してしまったとの事だが、やはり妖力を求める人間に狩り尽くされてしまったのか。血さえ得られれば、元々妖術など使えない人間でも妖術使いになれるのか。
地味に謎の多い設定だ。考察班の方々は、たまにはONE PIECE本編のお話だけでなく、読み切り版の設定考察なんかもしれみると楽しいかもしれない。
■ピースメインとモーガニア
「読み切り版にあって連載版にない設定」として有名であろう、この「海賊」のジャンル分け。
モーガニアは無法な略奪者であり、ピースメインはそれらを狙う冒険者……というもので、これは2作ある読み切り版両方に登場していた設定なのだが、結局、連載版に採用される事はなかった。
個人的な感覚だが、これらを連載版に活かさなかったのは英断だと思う。
「海賊」という存在を、あまりにも単純に「善悪」で区分してしまうキーワードとなりかねないからだ。
勿論、ピースメインは別に純粋な善人ではないし、『RED』版の読み切りでも「別に正義の味方になりたいわけじゃない」という言葉をルフィは発している。
しかし読者の目線でシンプルに見れば、「ピースメインと呼ばれてる海賊は良い奴なんだな」という認識は、どうしても付き纏ってしまう。
ONEPIECE本編で言うなら、クリークやアーロンなんかはモーガニア、シャンクスやニューゲート(意外にもフォクシーも?)はピースメイン寄りの海賊にあたるのだろうが、そのように極端なジャンル分けで語れる程、彼らの人物像というのは簡単ではない。
善人か悪人か、冒険者か略奪者か、ピースメインかモーガニアか。安易に分類しにくい造形を築き上げられているからこそ、ONEPIECEに登場する海賊達は魅力的なのだ。
余談だが、読み切り版におけるルフィは「ピースメインの海賊になること」を目指している。
連載版ではこれが「海賊王」に置き換えられるワケだが、ファンの間では、しばしば連載版のルフィもピースメインに近い海賊として語られる事がある。
しかし、個人的にはこれに関しては否定的で、『ONE PIECE』のルフィはピースメインとは違うと思っている。
ルフィ達は空島で、ハッキリとした略奪行為を働いているからだ。
空島にてエネルを撃破した後、ルフィ達はノラ(大蛇)の体内から、3億ベリー相当の黄金を盗み出した。空の住人達は黄金に興味がなく、更に3億など目じゃない程の巨大な黄金の支柱をくれる気でいた為に「略奪」という印象が残りにくいが、それはあくまでも結果論のお話。
ルフィ達はハッキリと「黄金を奪った」「見つかったら追い回される」と発言している事からも、略奪という悪事を働いている自覚を持って動いていた事が窺える。連載版のルフィ達は、純粋なピースメインなどではないのだ。
そしてこの様な、「基本的には無害だが、根の部分では海賊らしい」描写を入れる事ができるのも、海賊の区分という「枷」が存在していないからに他ならない。
もしルフィがピースメインを目指す海賊だったなら、エニエスロビーやインペルダウンといった世界を敵に回す戦いを生むのは難しかったかもしれないのだ。
■じいちゃん

(TVアニメ版ONE PIECE 第907話より)
ピースメインの海賊であるじいちゃんの海賊旗。
原作読み切り版には描かれてなかったんで、アニメ版が初……だよな多分……どっかで既出だったりするんかな。
じいちゃんのマークは、本編の麦わらの一味のものを踏襲しつつ、色々といじくってみたカンジ。
特に、ドクロの後ろで交差している骨に変わって、2本の腕が描かれているのが特徴的か。何を表してんだろ、これ。
本編では殺しても死なない様な人物として描かれたガープとは裏腹に、読み切り版のじいちゃんは現在の動向は不明。
しかし、自身の海賊旗に刻まれた麦わら帽子を託している以上、少なくとも海賊生活は引退しているんだろう。
シャンクスとガープを掛け合わせた様なおいしい属性のキャラクターなんだし、こちらの路線で連載が決まっていたら、いずれ「伝説の海賊」として再登場を果たしたりもしたのかな。それはそれでちょっと見てみたい。
本編の「海軍と革命軍と海賊」というロクに交わることのない血筋も面白いけど、純粋に名門海賊のサラブレッドってのもシンプルで良いよね。
■アンの戦闘力
いかにも連載版のナミの元となっていそうなヒロイン、アンだが、意外にもその戦闘能力は高い。
原作初登場のバギー編時点ではモブ海賊にも劣る程度だったナミに比べ、アンは剣を構えて相手の攻撃を受け切り、隙をついた足払いで転倒させ勝負を決めるといった器用な戦術を披露している。仮にも海賊かつ泥棒だったナミとは違い、ただの村娘であったにしてはかなりの強さだ。
何故か怪鳥が住んでいるとはいえ、基本的にアンの故郷は、ごく一般的な村だろう。身内に海賊のような強者がいるという話も、彼女の口からは特に聞けない。あの護身術は、彼女自身の意志で鍛え、身に着けたものだと思われる。
アンがわざわざ戦闘技術を磨かなければいけない理由となると、それはやはりバルーンの事か。怪鳥の血に宿る妖力のことを知ったアンは、いずれその力を求める人間が現れる事を悟った。そして、大事な親友であるバルーンを守るため、最低限の戦う力を得られるように訓練していたという所だろうか。友達思いな話だ。
しかし戦闘面ではそこそこの強さを持つ彼女だが、意外にも「騙し」には弱かった。友達を救わなければという焦りもあってか、海賊であるシュピールが約束を守ってくれると疑わず、背後からの銃撃を受けてしまった。
この辺りは、連載版のナミならば引っかからなかった罠かもしれない。鍛えてはいても、やはりごく普遍的な村人であったアンの事。泥棒として幼い頃から海賊と渡り合ってきたナミとは、くぐってきた死線の数が違うのだ。
■シュピールの妖術
妖術使いというぶっ飛んだ設定を持つ割に、彼が戦闘面においてやった事と言えば、拳銃を放ってみたり、武器を取り出して殴ってみたり……と、ハッキリ言ってかなりしょっぱい。
そのうえ、本来ならば人を自在に浮かせたり、原作では炎を放ったりとルフィにも通用しそうな技は多々持っているのに、「打撃・銃撃が効かない」と分かった時点で逃亡の準備を始めてしまった。なんとも残念なお方である。
しかし実際のところ、その逃亡時に使用した妖術の威力は中々に凄まじい。
何しろあの巨大な海賊船を、易々と真っ二つに破壊してしまう程だ。ミホークを思い出す攻撃だが、触れる必要すらないという点においては、それ以上かもしれない。
あれだけの破壊を可能とする妖術なら、如何に打撃銃撃が効かずとも、まだまだルフィと渡り合う手段は残されていたハズだ。にも関わらず、彼はその選択肢を捨て、アッサリと逃亡してしまった。
無駄な戦いはしない主義と言えば聞こえはいいが、実際にはそんなに冷静な判断だったんだろうか。ただ未知の能力者に怯み、退却してしまっただけな気もする。
実際、その後空中へと追いかけて来たルフィと対峙した際には、シュピールはビビり散らかして何も出来なくなってしまった。
まあ普通の人間ならばビビっても仕方ない状況だが、彼は妖術使いだ。自分に空中浮遊の能力がある以上、他にも同じ力を持つ者がいたっておかしくはないハズ。傍目には妖術としか思えない、ルフィの能力を見た後なら猶更だ。
彼はリスキーな戦闘をしない主義である事に加えて、不測の事態に弱く冷静な判断力を失ってしまうタイプなんだろう。
本人の実力を越える妖術を身に着けてしまったが故の詰めの甘さというか、臨機応変な対応を取れる戦闘の勘が伴っていない様に感じる。
逆に言えば、彼にもう少しの冷静さがあれば、ルフィも危なかったんじゃないだろうか? ラストなんか、ルフィを何とか箒から突き落として逃亡してしまえば、それだけで勝利は確定だったワケだし。
せっかく空中という自分の土俵に引き込む事ができたのだから、それを上手く使うことが出来れば、勝負の行方はまだ分からなかったハズだ。
……いやまあ、たかが読み切りボスにそんな強さを期待する人、誰もおらんけど。
【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
アン・・・・・・・岡村明美
シュピール・・・・チョー
バルーン・・・・・山口勝平
じいちゃん・・・・中博史
海賊・・・・・・・中井和哉 山田真一
清水健佑 寺崎千波也
ナレーション・・・大場真人
ルフィ・・・・・・田中真弓
アン・・・・・・・岡村明美
シュピール・・・・チョー
バルーン・・・・・山口勝平
じいちゃん・・・・中博史
海賊・・・・・・・中井和哉 山田真一
清水健佑 寺崎千波也
ナレーション・・・大場真人