週刊少年ジャンプ2020年4・5号合併分の感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 


★もくじ
扉絵連載
ロジャー VS おでん&ニューゲート
ティーチの身体
おでん、ロジャー海賊団加入  



扉絵連載

ベッジがバイキン海賊団を撃破していた頃、なんや呑気に髪を切っていたシフォンさん、海軍からの強襲を受けるの巻。
一瞬、「ローラがシフォンと間違われてるのでは?」と思ったけど、ローラにしては髪の長さが足りなかった。カット済みなのかもしれんけど。
休日の奥さんとっ捕まえてる暇があったら、キュイーンやバイキン海賊団に人手を割いた方が良かったと思う。

キューンの対応に追われていた海兵達はモブっぽいのばっかりだったけど、今回の3人はちょっとだけ濃ゆい見た目してらっしゃる。明かされてないけど、名前とか設定されてるのかな? 扉絵内で判明しなければ、VIVRE CARDのEX枠辺りで紹介してほしい。


海兵が持つ手配書を見ると、ベッジの現在の懸賞金は3億5千万ベリー
新世界編突入時の金額は3億ベリーピッタリだったので、ホールケーキアイランドでの戦いを経て5千万ベリーほど上がったみたいですね。

……しかし、5千万かぁ。ハッキリ言って、ルフィの10億アップに比べたら、しょっぱすぎる悪名だと言わざるを得ない。
将星2人を破ったルフィと比べるのは酷とはいえ、一応、作戦の立案者なんだがなぁ。

モルガンズの報道によって、「麦わらの一味の傘下」のような扱いを受けてしまったので、上昇率が悪いのは仕方ない。
が、ドレスローザの時のこともあり、「5千万アップ」と言うと「大事件に関わったその他大勢」の上昇金額って印象が強い。
海軍の評価的には、残念ながらその場にいたものの際立った危険度は示せなかった人物という扱いなんだろう。ほんとは首謀者なのに。あんまりだ。


ベッジの金額が上がっているという事は、仮に無事脱出してさえいれば、ジンベエやアラディン達の懸賞金もアップしてるのかな。
逆にジャッジ等は、世界政府を抜けた事で今までの所業(違法な研究チームへの加入、四国斬り、リンリンとの同盟など)も加味された手配額になると思われるので、5千万では済まないだろう。
ジェルマの悪名でサンジの額が約1億5千万も上がった事を考えると、総帥のジャッジは3億ぐらいは行きそう?




ロジャー VS おでん&ニューゲート

遂に激突するロジャー海賊団と白ひげ海賊団。
おでんにせよロジャーにせよ、未知の敵に対して好奇心バリバリで挑みに行くのが豪快。見てて楽しい。

スタンピードにおいて「あのバレットが歯が立たなかった」という驚異の実力が明かされたロジャーだが、戦闘シーンがキチンと描かれるのは今回が初。
流石と言うかなんと言うか、あのおでんを全く寄せ付けないという凄まじさだった。


初戦闘と同時に、必殺技も1つだけ披露。
神避
かむさり
なる技で、向かって来るおでんを1撃で吹き飛ばしてみせた。刀剣を振るって繰り出されてはいるが、おでんは口から血を噴きはしても身体が斬れた様子はないので、「触れずに弾く覇気」によって敵を弾き飛ばす技なのかな?

ググってみると、『神避』という単語は古事記に関する言葉らしいのだけれど、文章の羅列を見ているだけでアタマが痛くなってきたので、興味がある人は自分で調べてみてくれ。


一方のおでんも、ロジャーにこそ跳ね除けられてしまったが、モブを相手に新たなおでん二刀流の技を披露。
その名も銃・擬鬼
ガン・モドキ
。桃源白滝に続き、またもおでんの具材っぽい技名だった。基本的に、おでんの技はこのテイストで統一なんだろう。

「銃」の文字を持ち、背景の擬音も「ドドドドドドッ!!!」とマシンガンの乱射音のようになっているが、剣の動き自体には思ったほど「突き」っぽい要素がない。ブルックの『夜明歌・クー・ドロア』の連打版みたいなのを想像したのだけど、普通に範囲特化の斬撃技なのかな?

…しかし、「銃」を「ガン」と読ませる西洋かぶれっぷりがすげぇ。桃源白滝の時はまだ和名だったのに、海外に出て感性が変わったのか。
まあ、しのぶさんも「熟々(セクシー)忍法」なんて技を使ってたんで、アレなんだけども。



両名の新技もいいんだが、今回の見所はなんといってもロジャーとニューゲートの激突。
互いの武器に雷の様な覇気を纏わせ、黒刀と化した状態で衝突。しかも直接打ち合うのではなく、「触れずに弾く覇気」による距離を保ったままの鍔迫り合い。たまらん。

海賊として巡り合えば互いの積み荷を巡って殺し合い、しかしその死闘の中でもどこか楽しそうで、勝負がつかないとなれば一転して戦友の様に笑い合う。いいねぇ。ONEPIECE世界の大物海賊らしい豪快さで。



しかしおでん様、ロジャーとニューゲートがぶつかった時の「触れてねェ!!」という発言からして、「触れずに弾く覇気」の存在は知らなかったのかな。
山の神討伐時や今回の『銃・擬鬼』の際など、自身の刀を黒刀とする術は使用しているため、流桜(ワノ国における覇気の通称)の扱い自体は心得ているハズ。

にも関わらず、ヒョウ五郎も扱えていた「触れずに弾く」技術を知らないのは、彼のおでん二刀流が我流の剣術だったからなのかな?
あの若い日のおでんが、誰かにマジメに師事して剣を学んでいたイメージは薄い。天賦の才によって剣術そのものの腕は向上できても、知識面に関してはどうにもならなかったという感じだろうか。

おでんと言えば、アシュラ童子曰く彼は覇王色の覇気を持っていたらしいが、今のところ威圧能力自体は見せていない。
この流桜の発展技も含めて、ワノ国帰還後に披露したりするのかな?



また今回の戦闘では、ロジャー海賊団のスコッパー・ギャバンも登場している。ギャバンの名が本編に登場したのは、地味に初めてかな?
副船長であるレイリーと並び立っている描かれ方からして、やはり彼はロジャー海賊団の3番手ポジションなんだろうか。映画で大暴れしたバレットも、27年前(今回の戦いの前年)には船を離れてしまっているし。この頃だと、ちょうどクロコダイルと戦っていた頃かな。

両手斧が武器というONEPIECEでは地味に珍しいタイプだけれど、ロックス海賊団にいたという『銀斧』とは……別人なのかな?
元々ロックスにいたニューゲートがロジャーの戦友となったように、ロジャー海賊団に加わった人物が1人ぐらいいても面白そうではあるけど。




ティーチの身体

3日3晩の戦いののち、両海賊団はすっかりプレゼント交換モードに。
そんな中のバギーとシャンクスの会話にて、どうやらティーチが生まれてこの方一度も眠った事がないらしい事が判明。




そういえば、SBSで描かれたティーチの幼少時代のイラストも時間軸は夜だった。
これはティーチが身なし子であった事だけでなく、「夜も眠れない体質であった」ことも表してたのか。なるほどねー。

シャンクスの「人生“倍”楽しいのかな!!」というセリフにもある様に、以前エースが言っていた「人の倍の人生を生きる」というのは、睡眠時間を取る必要がないことを指していたと。正確には倍というよりは3分の4倍ぐらいな気はするが、まあ細かい事はいいんだよ!


しかし、エースの発言の意味自体は納得がいったが、かと言って別に「眠らない」ことは「能力を2つ持てる」ことの理由にはならない。
能力の謎にはティーチの「異形な構造の身体」が関わっているそうだが、この眠らずに活動ができるという特性は、あくまでも異形な構造がもたらす恩恵の一つでしかないという事かな。能力を2つ得ても死なない理由は、不眠とは別に存在すると。


……しれっと「恩恵」とか書いたけど、「眠る必要がない」というよりは「寝たくても眠れない」という風に見えるし、ヘタすりゃ呪いだな。

悪魔の実も十分に呪いだと思うけど、ONEPIECE世界には他にも呪いの類が存在するのかな。
デービーバックファイト発祥の由来でもあるデービー・ジョーンズは、「悪魔に呪われて今も海底に生きている」そうだけど、コレもこの世界に実在する伝説なのかなぁ。




おでん、ロジャー海賊団加入

のちに偉大なる航路を制し海賊王と呼ばれることになるロジャーだが、記録指針が指し示す最終地点へと到着したのは13年前……つまり今から39年も前の事だったらしい。

……39年前と言えば、38年前に起きたという『ゴッドバレー事件』から更に1年前。ロックスとの激突時、ロジャーは既に指針が示す最果てには到着していたのか。ひえー。


指針が示す最後の島の名は、水先星島
ロードスターとう

前にイヌアラシが語っていた様に、新世界の旅は本来なら、この水先星島に到着して初めて、ロード歴史の本文の重要性に気付き、ラフテルを目指す事になる。

この「ロードスターとう」という島は、その読み方の通り「ロード歴史の本文を巡る旅のスタート地点」となる島なのね。


ラフテルを目指して最後の航海に出たロジャーだが、彼も別に、この時点では次世代を見据えた大義を掲げて動いているワケではなかった。
政府が隠す最果ての島に眠る「お宝」、そして世界一の海賊団という「名声」という、至極海賊らしい目的のために旅を進めていたのだ。なんというか、らしくっていいですね。


ロジャーが世界一の海賊となった後にやろうとしている「何か」。
これはまあ、幼少期にルフィがサボとエースに語った「夢の果て」と同様のものなんだろう。構図や状況なんかも、あの時のシーンとそっくりやね。
シャンクスがレイリーに語っていた、「ロジャー船長と同じ事を言うガキがいた」というのも、同じだと思う。

これについては「世界の海を1つにする」「世界中の人と宴をする」など色んな考察を聞くが、実際どうなんでしょうね。
宴なんかはそれっぽさもあるし、最終回の大団円にも使えそうなんでアリな気はするけど。それとも、もっと突飛で想像もつかない様な何かが隠されていたりするのかな。



歴史の本文を読み解くため、1年間の「おでんのレンタル」を所望するロジャー。
おでんが乗る船を変えたのは、「移籍」というよりは一時的な貸し出しだったのね。いずれ帰ってくる約束をしていたから、2番隊の隊長は空席のままだったと。

まあそれは良いんだけど、イゾウさん、偉い軽いっすね。
もっと色々と考えた上で白ひげ海賊団に残留するものかと思ったら、案外シンプルだった。ってか、ちょっとした職務放棄じゃないっすかね。

元々おでんを止めるために付いて来たのに、そのおでんの移籍に同行しないってのは割と本末転倒感が強い。割と普通に、この約2年間の航海の内におでんに仕える事よりも白ひげ海賊団の一員として旅をする方が楽しくなっちゃったんだろうか。
なまじイヌネコがおでんに付いて行ってる分、余計に「お前それでいいのか」感が拭いきれない。

まあだからと言っておでんへの忠誠心がなくなったワケではないだろうけど、この後にイゾウとおでんの再会が描かれるとしたら、ロジャーとニューゲートが桜の下でサシ飲みしてたあのタイミングかな。
その時の再会をもって、「光月おでんの家臣」から「白ひげ海賊団の船員」に正式に移り変わる事になるんだろう。



というワケで、トキやモモの助、日和ともどもロジャー海賊団に移ったおでん。
……って、モモの助が言ってた「ロジャーに会った事がある」、会うどころか同じ船に乗ってたのか。
まあまだ2歳、解散する時期になっても3歳にしかならないので、ロクに覚えてないのは仕方ない事か。


赤子の彼らを抱きながら、「赤ん坊なんて久しぶり」「昔を思い出す」というロジャーにレイリー。
船に赤子を乗せていた事があったのかな?

ロジャー海賊団で赤子と言えば、やはり加入時期が分からないシャンクスやバギーが思い当たる。
彼らのどちらか、あるいは両方は、赤子の頃からロジャー海賊団にいたんだろうか。


ただ、シャンクスの出身地は西の海である事が確定しており、東の海はローグタウンからそのまま偉大なる航路に入ったであろうロジャーとは、赤子の頃に出会うのは難しい。

そのうえ、45巻でのニューゲートとの会話では、「肌にしみた水から作った酒を越えるものはない」「おれの故郷の酒だ」と、西の海の酒を勧めている。
故郷の水が肌にしみている……という事は、少なくとも物心つく頃までは西の海で生活していた可能性が高いので、赤子の頃からロジャー海賊団にいたというのは少し無理があるかな……?


バギーに関しては出身地が偉大なる航路(VIVRE CARD情報)であるため、赤子の頃にロジャーに拾われた事も十分考えられる。

ただ、今度はそこに「麦わら帽子がロジャーのものであった事を知らない」という壁が立ちふさがる。レイリーの事は普通に尊敬している描写などもあったし、仮にロジャーがあの帽子を被っていた時期を知っているのであれば、流石にあんなにも意図的に傷つけたり、ツバを吐きかける様なマネはしないだろう。

つまりバギーの加入時期は、帽子がロジャーからシャンクスに渡ったのと同時か、それ以降という事になる。ので、そこがちょっと厳しい。
んー……、微妙。ロジャー達が触れた赤子、クルーとは別なのかな?



そしておでんを加えたロジャー海賊団は、空島スカイピアへ。
麦わらの一味と同様、当然のごとく『突き上げる海流』を使っとる。『ハイウエストの頂』という手段を使った場合、全員が生き残って辿り着く事は不可能な様なので、ロジャーはまずそんな手段は使わないだろう。

ロジャーがおでんを連れ出したのは当然「歴史の本文の文字を扱えるから」であり、ロジャーは歴史の本文から発される『声』をなんとなく聞く事はできても、細かい文章の解読までは出来なかったのね。

アッパーヤードではエネルに神の座を奪われる前のガン・フォールにも出会っているハズだけれど、流石にこの辺に割いている尺はないかな? 来週冒頭、1コマぐらい出てきてくれないかなという期待もあったり。


しかしこのペースだと、次回、次々回あたりにはもうラフテルへと到着するシーンが描かれたりするのかもしれない。
どこまで描かれるんだろう。ラフテルのシーンは、流石に麦わらの一味が到着して初めて明かされる様な気もするけども。