2話分まとめて書きます。

週刊少年ジャンプ2020年20号&21号分のONE PIECE感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 





■ジンベエ加入
ようやっと正式加入したジンベエくん。
仲間達やWCIで行動を共にしたキャロットからも歓迎ムードだけれど、合流が遅れたのはタイヨウの海賊団との送別会が盛り上がった結果だそうで。
まあ、フィッシャー・タイガーによる旗揚げから数えて15年もの付き合いなのだから、盛り上がってしまうのも仕方がない。

負傷者こそ出たものの、犠牲らしい犠牲は出なかったと見ていいのかな。アラディンやプラリネ、ワダツミもたぶん無事なんだろう。
元々ビッグ・マム海賊団との戦いは彼ら魚人族のホームグラウンドである「海」で行われていたし、リンリンが戦場に現れたのはルフィ達がナワバリを脱した後。
自分達が無事に逃げるだけなら、四皇が相手と言えどそこまで大変な事ではなかったのかな。オーブンの攻撃範囲から抜けさえすれば何とかなりそうだし。

一応は共に戦った身であるジェルマ66の安否については、特に情報なし。
まあサンジが何も聞いていないのに、ジンベエが自分から喋りだすのも妙か。というか、イチジらとタイヨウの海賊団では主戦場が異なっていたので、単純に見ていない可能性もあるかも。
彼らはジンベエ達と違って相当苦しい状況まで追い込まれていたけれど……どうなってるだろう。
正直、サンジとの因縁に決着がついた今、彼らにはもうあまり役割がない様な気もするんだよな。『ノースの闇』についても言うほど関係なさそうだし。

加入後すぐに百獣海賊団との戦いに駆り出されているジンベエさんだけれど、初陣の補正込みとはいえ二番手枠を奪っちゃってますね。
今までならルフィ・ゾロ・サンジと並んでいそうなコマ割りが、1ページ目にルフィ・ジンベエ・ゾロ、2ページ目でブルック・ロビン・サンジ・フランキーという編成に。(弱小トリオはお留守番)
一応2ページ目のセンターは貰ってるので待遇が悪いわけでもないのだけど、これはなんというか、名実ともにサンジが三強のポジションから引きずり降ろされた様にも見える。
これはいよいよおそばマスクの力で巻き返しを図らんといけませんね。がんばれサンジ。懸賞金ならゾロより上だよ。なんかすぐ抜かされそうな気配漂ってるけど。



■宴はやめだ
酒の匂いを遥か遠方から感じ取るゾロ、もはや人類の嗅覚ではない。
酒さえ用意しておけば、迷子癖を発揮してはぐれてもすぐ呼び戻せるんじゃないか……?

ジンベエ加入を祝した宴は先送りにし、侍達を含めた祝勝会もかねた大きな宴を開こうと。
エピソードの幕引きでは宴が開かれる事の多いONEPIECEだけれど、最近ではその機会も減り、ゾウ編での歓迎の宴以来なので地味に久々。
ONEPIECEで人死にが出ないのは気持ちよく宴を開けなくなるからだそうで、実際ペドロやパウンド(ぺコムズも?)と言った犠牲者を出したWCI編では宴が開かれなかったけれど、ワノ国編でもすでに康イエという犠牲者は出てしまっているんだよなぁ。
まあワノ国を救うため覚悟を持って逝った彼のことだし、変にくよくよする必要はないとは思うけれど。アラバスタの時だって、ペルの生存を知る人物は一人もいないまま宴を始めてたんだし。

ところでこれ、現在の外出自粛が必要となっている世情を鑑みて、公式ツイッターの方でもハッシュタグとして使用されてるみたいですね。



こう言った事情もあるので、ハッシュタグだけでなく原作の方も、世の中の流れに合わせたメッセージ性を含んだ描写だったんじゃないか、なんて話も上がっているみたいだけれど、ううん、どうだろう。
ぶっちゃけ麦わらの一味の性質とか考えると、別に討ち入り前に宴を開くぐらいの事したって違和感ないんですよね。
だって新しい船を手に入れた時なんて、伝説の海兵から追っかけられてる真っ最中だろうが、ガン無視して船の命名を優先する一味だし。仲間の加入という一大イベントを祝うためなら、戦闘前だろうが宴ぐらい開いたっておかしかない気がする。
なので個人的には、あまりメタな方面のメッセージ性の強い描写とは感じなかったかなぁ。あるとして、元々やるつもりだったシーンをちょっとだけ現実の事情と絡めてみたorたまたま都合のいいシーンがあったので公式タグとして引用してみた、という程度の事な気もする。知らんけど。



■明るい海賊団
人斬り鎌ぞうとしてオロチの下で働かされていたキラーだけれど、無事にいつものマスクを被りキッド海賊団に復帰していました。
他の仲間は行方不明みたいな感じになっていたけれど、ヒートやワイヤーらも特に問題なく合流できたようで。

仲間達のムードもあり、常時爆笑モードになってしまった事はあまり気にしてなさそうだけれど、しのぶの説明が正しいならSMILEの失敗作には感情表現がおかしくなるリスクだけでなく、カナヅチ化の効果もしっかりと付いてくるそうで。
つまりキラーさん、能力者でもないのに泳げないという地味に悲惨な状態になっちゃってるんだなぁ今。
最悪の世代でカナヅチじゃないの、ゾロだけだよもう。スタンピードの時みたいに溺れたキッドを助けたりできないの、副船長ポジとしては中々寂しいものがある気がする。



■緑星「眠り草」
爆睡星とカブってる気もするが、まあ気にしてはいけない。

鳥居の門番との戦いではナミ、チョッパーと共に隠れっぱなしで、「弱小トリオ再び」と言った及び腰っぷりだったけれど、鬼ヶ島への上陸時には地味ながら大活躍。
味方さえ気づかない内に緑星を撃ち込み、戦う事すらなく見張りを眠らせ、侵入を成功させてしまった。
シュガー戦で覚醒した見聞色の覇気、自由に扱える様になってんのかな?
何にしても、「援護が花道」のウソップらしい活躍だった。
ドレスローザの時同様、人知れず一味を助けているにも関わらず手柄を主張したりしないのも、狙撃手として成長したのかなという感じ。でも、別にもうちょいアピールしてもバチは当たらないと思うよ。



■侍の覚悟
帰りの船をあえて沈める事で、上陸を気付かれない様にすると同時に背水の陣を敷く侍達。イカす。
本来なら20年前に捨てた命である赤鞘達は元より、光月を信じ20年の時を耐え忍んだ他の侍達も、覚悟は万端。
「本物の海賊には死すら脅しにならない」という言葉もあるが、その折れない信念は彼らも十分に持っているようで。人数こそ敵に及ばなくとも、心強い味方である事は変わりないね。

九里に伝わる『捨名知』という言葉は半ばヤケクソ気味なものだったけれど、今回のこれは勝ちの目を引く可能性を最大限まで高めた上での覚悟の表明。
作戦が崩壊したと誤解した際の錦えもんらの行動には、意地と忠誠を貫くために犬死にを選ぶ無謀さがあったけれど、作戦を無事に通し、得られるだけの戦力を得た今なら、むしろ「これで駄目なら仕方がない」ぐらいのポジティブさを感じられるかな。



■錦ちゃん呉服店
服の変化に葉っぱとか小石とか要らんのかい。
アレはただの気分だったのか、わざわざゲートみたいなのを生み出さなきゃいけないから大変だったのか……?

予備動作をほとんど必要とせず、誰の衣装でも変化させられるのは何か、上手いこと使えば地味に強そうですね。
敵を一瞬で拘束着か何かに着替えさせて身動きとれなくするとか。
武器なんかの装備品にも干渉できたりすれば便利なのだけど、服とは違うしそれは難しそうか。
……でもアレだな、チョパえもんの忍者衣装に、刀が付属したりしてたな……武器出せるのかな……ナマクラかもしれないけど。



■ギフターズ&真打ち
地味に出てきたと思ったら呑気にDJやってるアプーに笑ってしまった。楽しそうだねキミ。
その上のコマにいるデカい龍と頭がいっぱいあるヘビみたいなのは……こういう彫像か何かか? カイドウとオロチを模して彫った感じの。

モブのギフターズにも、濃ゆいのがちょいちょいいますね。
人間の肩から上にオオカミの上半身が生えたせいで中途半端な4本腕になってるヤツなんかまだマシで、胴体がキリンの首になるというワケの分からん変身を遂げてるヤツもいる。
スピードさんなんかもそうだったけど、人としての生活は望めないなコレ。というか、戦闘の役にも立つのかこの変身……?

更にヒドいのがコマの中央にいるゴリラで、「もう完全にただの動物じゃね?」と思いながらよく見てみると、女の人の右腕がゴリラの胴体と一体化してるのね。
これもう変身って言うのか? 別の生き物に人間の腕が刺さってる様にしか見えないぞ。
ゴリラの正面に人間の身体がくる並びのせいもあって、本体がゴリラの盾になってる様な状況にしかならないし。
こんな身体になるぐらいなら、9割のハズレを引いて一生笑い上戸になってる方が何倍もマシだぞ、私なら。

彼らに比べると、今回初登場の真打ち(名無し)は真っ当な部類で、背中や肩から動物の腕が出現し、扱いやすそうな4本腕になっていたりするので幾分戦いやすそう。ソリティアもこんな感じだったね。
……というか、同じゴリラの能力でもギフターズと真打ちでえらい差があっていたたまれないよ。なんて不憫な変身なんだ、刺さりゴリラの人。
やっぱ、真打ちまで昇格するには個人としての強さだけでなく、SMILE能力の出現方法にも恵まれなくてはダメなのかもしれないな。 ……ドボン? はて…知らない子ですね……。



■飛び六胞&ナンバーズ
977話の引きでは足元だけが映っている飛び六胞だが、978話の方で全員お披露目。

・ページワン
彼は既にサンジ(おそばマスク)との戦闘が描かれていたけれど、人間形態としては初登場ですね。
奇抜な髪形のせいもあって、新巨兵海賊団の航海士・ロードみたいな不気味っぽいのを想像してたのだけれど、割と意外な造形でした。
ってか、恐竜状態の時は素顔むき出しだったのに、人間に戻ると急に顔の露出減るね。右目付近ぐらいしか見えない。
サンジに蹴飛ばされたりしてたけど、別段外傷などは残っていないようで。せっかくのマスクだし、おそばマスクとマスク対決でリベンジして欲しい。マスク対決ってなんだ。

・うるティ
そのページワンの姉であり、ハイヒールを履いた女性であるうるティさん。「うる」だけ平仮名なのがポイントだ。たぶん。
弟と同様にマスクで口元を覆っている。なんか秘密でもあるのかな、この口。単なる衣装?
ヘンテコマスク+姉バカ+空気の読めない毒舌キャラ+小紫を真似たような口調と、外見的にも内面的にも異様にキャラが濃ゆい。なんじゃこの人。ドレーク以外の5人の中で、一番に人気者になるのはたぶん彼女だろう。
マイブームらしい言葉遣いは小紫(=日和)を意識してそうな気もするけど、河松と絡む機会もあるかしら。個人的には、キャロットやワンダ辺りと戦ってほしい気がするけど。
ちなみに「ウルティ」は他の真打ち達同様、トランプゲームの名前らしいっすよ。

・フーズ・フー
なんだこの仮面。
剣士、かつ大看板の座を狙う野心家っぽい。
以前パンクハザードでシーザーの実験を見ていた百獣海賊団の人物が、最高幹部であるジャックの事を呼び捨てにしている場面があったけれど、彼もクイーンを呼び捨てにしてますね。
アプーもカイドウに向かって「ジャック」と呼び捨てたりしていたし、そもそもこの組織に礼儀らしい礼儀の概念は無いらしい。
うるティに至ってはカイドウさえ呼び捨て&馬鹿呼ばわりだし。いいのか。
折角の剣士キャラだし、タイマン張るなら赤鞘の剣士かな……菊の丞辺りがちょうどいい?

・ブラックマリア
でけぇ。
しかし巨人族という程のサイズには見えない、微妙なデカさ。巨人と魚人のハーフであるビッグパンより小さめに見える……かな。
身体のサイズと、髪の毛に刃物を刺した謎ファッションを除けば一般的な花魁像ってカンジだけれど、977話ラストで描かれた足元にそれっぽいのがいない。
左からうるティ、フーズ・フー、ササキ、ドレーク、ブラックマリア、ページワンの順だったんだろうけど、ブラックマリアは978話で描かれた姿に足元が映っていないので、消去法でしか合わせられない。
のだけれど、977話の方では身体の大きさも普通に見えるし、衣服も着物っぽい雰囲気さえないんだよな……。
着崩してるから和服っぽく見えるだけで、下は普通に黒スーツみたいなズボンなのかな。またはこの1週の間に急遽デザインが変わったのかしら。
戦うならロビン辺りかなぁ。巨大樹の大きさが活かせそうだし。

・ササキ
日本人ですか。
確か『見廻り組』の元ネタに佐々木なんとかって武士がいたと思うので、中心人物っぽいグラサンの人にその名がつくかと思ってた。
一応、これも元ネタはトランプゲームで、「44A」と書いてササキと読むらしい。へー。
足元だけを見るとゲタを履いていてワノ国の出身者っぽい(977話時点ではフーズ・フーの刀が彼の持ち物に見えていたので、更にだった)のだけれど、上半身はそうでもない。
履いてる衣装のデザインが若干キングっぽく、トガったキバが若干ジャックっぽいという、大看板への昇進欲求を身体で表しているスゴいヤツ。
うん、正直ごめん、6人の中じゃ一番印象が薄い。一応魚人族……なのかな。


……と、まあ割と濃ゆいメンツの揃った6人なのだけれど、気になったのがフーズ・フーのセリフで、どうも大看板に欠員が出た場合、飛び六胞の誰かが次の大看板として昇進するものと思われている様だ。
別に正式な決定事項ではないと思うけれど、仮にナンバーズが飛び六胞よりも高い地位を持っているなら、フーズらもこんな事は言わないだろう。
つまり、飛び六胞は百獣海賊団の中で、大看板に次ぐ序列にあたる事になる。

ナンバーズは飛び六胞よりも後に存在が明かされた勢力であったり、構成員も人ならざるバケモノ揃い……というかおそらく覚醒した動物系だろこれっていう連中ばかりなので、飛び六胞よりも格上っぽい印象を受けていたのだけれど。
まあ、あんな自我も崩壊した様なキチガイ連中、仮に強くても最高幹部に置くの危なっかしすぎるけど。

個人的には、ナンバーズはあくまでも百獣海賊団の正規メンバーではなく、傘下にあたる勢力なのかな、という感じ。アプーが数えられているのかが曖昧なのだけれど、ホーキンス曰く彼は「カイドウの傘下」らしいし。

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(ONE PIECE 95巻 第954話より)



■カイドウの息子
話は戻って第977話のラスト付近。
金色夜叉の宴には、カイドウの息子が訪れているらしい。子供いたのかアンタ。

カイドウの年齢はまだ未確定だけれど、38年前のゴッドバレー時点で「見習い」だった事を考えると、50代半ばぐらいだと思われる。
そのカイドウの息子となると、年齢的にはせいぜい30代かそれ以下と見るのが妥当かな。たまに話題に上がるけれど、48歳のカタクリらを彼とリンリンの子とするには厳しい年齢だと思う。

新キャラなのか既存キャラなのかも分からないけれど、少なくともカイドウが息子を呼び出した時点で到着済みだった飛び六胞の中にはいないハズ。
大看板の中だと……年齢的に、ジャック(28歳)辺りだとしっくりは来るかな……VIVRE CARDではタマカイの魚人となっていたけれど、体に魚の特徴が出ていなさ過ぎるので、ハーフだとするならそれっぽいし。
ズッコケジャックなんてバカにされたりしてるのも、イヌネコを倒し切れなかったりアシュラに苦戦したりしていた力量の物足りなさも、カイドウの息子と想像するとちょっと楽しそうだ。強すぎる父親に追いつけずに苦悩する2代目の感じ。モモとも少し重なる。

……まあジャックくん、カイドウのこと思いっきり「カイドウさん」って呼んでたから厳しくはあるんだけどね。
息子って言っても実の子であるとは限らないし、普通に新キャラって可能性も高いからなぁ。
おでんとカイドウの関係性を考えると、この息子とモモの助との関わりが話に影響してきそうなので、その辺りの流れも気になるところ。