数話分空いたけれども久々にONE PIECE感想です。
余力がある週は出来るだけ感想残しておきたい。

週刊少年ジャンプ2020年27号分です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 




■スクラッチメン・アプー
前回、音を操る視認不能の厄介な攻撃でルフィ、ゾロを苦戦させたアプーさんながら、キッドの磁気弦
パンクギブソン
なる鉄屑で作ったデカい手の平で圧し潰すだけというシンプル・イズ・ザ・ベストな新技の直撃を喰らってしまいましたとさ。
とはいえ、流石にそのままリタイアというワケでもなく、きちんとキッドに反撃したりしてました。一安心。やっぱ最悪の世代はそうでなくちゃ。

キッドの同盟を最初から裏切っていたアプーだけれど、キッド曰く、彼はカイドウの「情報屋」だったそうで。
この表現的に、やっぱり彼は百獣海賊団の正規メンバーというわけでは無いのかな。
ホーキンスによれば、アプーはカイドウの「傘下」だったそうだが、正確にはドフラミンゴのような「取引相手」とでも言った方が正しいのかもしれない。まあ、四皇相手じゃ実質的には上下関係になるんだろうから、多くは違わないけど。

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(ONE PIECE 95巻 第954話より)


しかし……アプーが情報屋か。パッと見似合わんなー、そういう小難しい事。
まあノリの良さや音楽センスからして海賊の宴じゃ喜ばれそうだし、案外うまい事やれてるのかもしれない。偶然出会った海軍大将にノリで一発かます好奇心の鬼だし。

対シャンクスを想定して組まれた3人の同盟は、挑み続けるキッド、屈服してしまったホーキンスと対極の動きを見せていたが、アプーに関しては「心を折られた」というのとはまた違いそうな印象。
むしろそれ以上に冷めてるというか、折れる前から挑むのを止めてる感じ? 
と言ってもネガティブな意味での諦めともまた違って、「勝てないモンは勝てないんだからやれる範囲で楽しもうぜ」的なある種の前向きさを感じる。アプー自身の性格のせいかな。

スパイのドレーク、既に敵としての役割が持てそうにないホーキンスと違って、アプーはこのままキッドやキラーと敵対するポジションの方が美味しそうな気はする。カイドウの情報屋になるまでの経緯とか、語られたりするのかな。



■ナンバーズ
シルエットばかりの登場で、ヴェールに包まれっぱなしだった謎勢力『ナンバーズ』の1人がようやく登場。
「メンバーの笑い方に数字が入っている」という法則はSNSとかで聞いてたけど、名前にも数字が入るのね。
「ハチャチャ」と笑う人が八茶さん。まんまだな。ONE PIECE界広しと言えど、ここまで名前に忠実な笑い方をするヤツはそういないよ。

ナンバーズと言えば、人間離れしたシルエットや自我の崩壊した様な言語能力なんかが特徴的だったけれど、八茶さんは今のところ、デカさ以外は普通の人間ってカンジの見た目っすね。
ただ、やっぱり行動そのものはほとんど制御できていないっぽい。覚醒した動物系の能力者にしては、インペルダウンの獄卒獣のように獣人状態というワケでもないし、なんか色々と謎だ。


体格の方も注目で、別に能力で変身している様にも見えないのに、その背丈は巨人族を超えるらしい。
巨人族と言えば、成人済みなら最低12メートルはあると88巻SBSで書かれている。ドリーやブロギー、ハイルディン等の戦士達はとりわけデカく、20メートル以上もあった。
わざわざ「巨人族よりデカい」と特記されている以上、八茶の身長は最低でも25メートルぐらいはありそうかな。

「巨人族」と言われるととにかくデカい種族という印象になるけれど、巨人族よりもデカい人類というのはボチボチ存在する。
「古代巨人族」なる種に分類されるオーズは67メートルと、通常の巨人族の5倍以上のデカさをしていたし、タイヨウの海賊団にいるワダツミに至っては魚人にして80メートルを超える怪物だった。

個人的に気になるのは、パンクハザード編に登場した「ロック&スコッチ」
顔をシルエットで隠した意味深なキャラデザを引っ提げながら、正体さえ明かされないまま瞬殺されて出番が終わるという「ONE PIECE内なんだったんだこいつランキング」王者を狙えそうな趣がある彼らだが、VIVRE CARDによれば何と42.5メートルもある
種族としても「謎の巨人族」とされ、全身の体毛も含めて明らかに普通の巨人族とは何かが違う存在である事が窺える記載だった。ソースがVIVRE CARDなのがアレだが。

「普通の巨人族を超える体格」という共通点、また動物系能力者をかき集めている百獣海賊団らしい「獣」の要素を持つ種族という事で、なんか繋がりがあったりするのかな? と微妙に思った。
まあ今更ロック&スコッチにスポットが当たるとは思えない……というより誰も覚えてねーよ状態だろうけれど、彼らの雇い主だったシーザーは間接的に百獣海賊団と繋がりを持つ立場だったし。
ついでに、スコッチという名前は百獣海賊団の構成員と被っていたりもする……けどまあ、これは関係ないな、たぶん。

そういやパンクハザードと言えば、巨人族を超える大きさの人骨がそこらに転がってたりもしてたな……ナンバーズ誕生の背景にちょっと関わってる可能性、ある? カイドウ屋敷の外観もクソデカい人骨だしな。



■キラー
SMILEの失敗作を食べて『プレジャーズ』と化してしまった彼だけれど、思ってたよりも影響が軽微な気がする。
少なくとも、鎌ぞうをやってた頃のトチ狂ってしまった様な印象はない。キッド達も無事だったし、仲間からも受け入れて貰えて安心したんだろうか。

キラーがSMILEを食べるに至った経緯はオロチの台詞一言のみでしか語られなかったが、要はオロチの言う「チャンス」というのが、人斬り鎌ぞうとしてオロチの為に手柄を立てる事だったんだろう。
しかしゾロに負けた事でその取引もご破算となり、用済みになって兎丼送りにされたと。まあオロチ様の事なんで、キチンと働いたとしても約束なんか守らなかっただろうけど。

戦闘面での活躍は少ないながら、アプーの攻撃の弱点を知りキッドらを補佐するなど、参謀格っぽい働きをこなしてる感じ。
同盟の時も濃すぎる船長達の仲裁役になってたし、最悪の世代の中じゃぶっちぎりの常識人枠ってカンジ。同じ2番手ポジのゾロは見習うべき。


アプーの能力は厄介かつ対処しにくいものに思われたが、その攻撃を受けてしまう条件は「アプーが発した音を聞く」ことの様で。
音が聞こえない様にしてやれば、能力による攻撃を受ける事はないと。なるほどこれはインヴィジブル・シンフォニア・システム大活躍の予感だぜ!

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(ONE PIECE 86巻 第859話より)

……まあ耳せんの話は置いといても、ロシナンテが使用したナギナギの実の『
カーム
』は天敵と呼べる能力になりますね。
ナギナギを戦闘で役立てられる可能性がこんなところに。折角なんで、ナギナギの後継者とか出て来ないかしら。
後は音を伝える空気そのものを操れるシーザーのガスガスの実も、やり方によっては有用な対抗手段になるかもしれない。

「耳を塞げばなんとかなる」と聞くと対策しやすそうに思えるけど、逆に言えば「音さえ聞こえれば全てが射程範囲」という事で。これ、電伝虫越しに伝わる音とかの場合、どういう扱いになるんだろう。
流石に、電伝虫が疑似的に再現している音にまでは能力が乗らないかな。乗っけられたら相当強そうだけどね。



■フーズ・フー
似たようなマスクを着けた直属の部下っぽいのが多数登場。
彼も元々は一船の船長だったという事だけど、当時からの部下なんですかね。百獣海賊団入りすると組織そのものは解体されるけど、案外元の海賊団が固まって部隊を作る事が多いのかな。
ホーキンスも2年前からの部下(辮髪の人)と一緒だったし。……そういや、ファウストってどこ行っちゃったんだろう。

「手柄を挙げれば飛び六胞を殺して枠を空ける」と部下を焚き付けるクイーンに対し、「殺してェ奴ならおれもいる」とフー。
百獣海賊団上層部のこのギスギス感、たまらんね。これルフィや錦えもん達を迎え撃つどころか、このいざこざを利用して身内の首を取りに行きかねない勢いですよね。
「きちんと任務を果たせば正式な挑戦権を与える」というカイドウの判断、こうして見るとかなり適格だ。少なくとも内輪揉めのせいで「今やるべき任務がグダグダになる」って事態は防げそうだしな。

フーは以前からクイーンが死んだら~という発言をしてたけど、この「殺してェ奴」ってのもクイーンなんですかね。
元船長組って事は百獣海賊団の誰かに負けて仲間入りした可能性が高いだろうし、そのリベンジマッチって所もあるのかな。
この討入りの真っ最中に、大看板が入れ替わるとかいう大番狂わせ、あるんだろうか。



■ブラックマリアの館
過去の屋敷図にはなかった増築箇所の様で、遊郭らしい。花魁っぽい外見だったけど、ほんとにそっち系の人なのね。
作戦中にも関わらずフラフラと吸い寄せられるサンジと、彼と同等の女好きでありながら見向きもしない錦えもんの対比が良い。あの錦が女の園に興味を示さない辺りに、この討入りに対する本気度合いが窺える。

っつかこの館、「女難」て。遊郭の入り口に堂々と貼っつけていいワードじゃねぇ。
まあ鬼ヶ島に設置してる時点でマトモに商売する気なんか無いんだろうけど、小紫といい、ワノ国の芸者達おそろしいよ。

ほんでしれっとリンリンが出て来ちゃってるけど、どうすんだ、これ。ダンジョン入り口でラスボスとエンカしちゃったよ。
まあ珍獣マニアのリンリンなので、チョッパーが殺される危険は少なそうなのが幸い……か?
ナミ達が既にブラキオタンクに搭乗済みなのか、一度水中に退避してるのか微妙だけど、むしろここでナミとリンリンを再開させる流れっすかね。ゼウスの事もあるし。
それ次第で、リンリンがカイドウとの通信で言っていた「返してもらわなきゃならないもの」がゼウスなのか別物なのか分かるかな。



■マルコ&イゾウ
「結局来るのか? 来ないのか?」と読者の中でも期待の声の大きかったマルコさん、必殺技を引っ提げて堂々参戦!!
……ってか、案外アッサリ来たね。もっとピンチの時に颯爽と出て来るかと思った。まさかルフィ達と無関係な場所で登場とは。
地味に異名が「不死鳥マルコ」ではなく「不死鳥のマルコ」と、どこぞの魔法学校の騎士団みたいな響きになってるけど、誤植かなこれ。「の」の有無で一気にパズール感が増しますねコレ。

当初はネコマムシからの誘いを断っていたハズだが、結局ニューゲートの故郷の方は大丈夫なんだろうか。
元々「ウィーブルに狙われるとヤバイ」って話だったので、七武海が解体された今は事情が変わったのかな。まさかウィーブルが海軍に捕まったってワケではないと思うけど。

マルコと一緒に現れたのはネコマムシ……と、恐らくイゾウ
彼もおでんの元家臣である為、遂にってカンジ。ネコマムシの到着が遅れ気味だったのは、彼を迎えに行っていたからだったのかな。
マルコとは「あの戦争(=落とし前戦争?)」以来らしいので、一緒に来たワケじゃないのか。ネコマムシが遠回りしてる間に、マルコが先に着いちゃった感じですかね。せっかく伝言頼んだのに、意味なかったな。

おでんとは結局、白ひげ海賊団を去って以来会えず仕舞いだったと思われるので、今更ワノ国に戻る資格などないぐらいに思ってたのかもしれん。
何にしても、イゾウがこの段階で参戦したという事は、例のトキが詠んだ詩の内容にある「九つの影」の条件を満たせそうではある。
カン十郎が抜けてしまった穴を、彼が埋める形になるんでしょう。カンが敵として討たれるのか、出戻りするのかはともかく。



■今日のスムージー姐さん


 マルコ「鳳凰印!!!」

 ドン!!!

 スム「また~!?」



また~じゃねぇ対策せぇ。

相変わらず将星らしい優秀な働きなど見せる素振りすらない姐さん、貫禄である。



…………いや、今回に関しては、キャンディウォールやメイデンと言った壁技をキチンと扱えるにも関わらず、慌て散らかして何も出来なかったぺロス兄の方が戦犯かな……。
スム姐、どっちかと言うと攻撃特化な性能だし。臨機応変に守りに回れる機転とか、姐さんに期待する方が間違ってるし。
時期船長を名乗るなら、このぐらい何とかしないと困りますよペロ兄。


二度に渡って撃墜されてしまったビッグ・マム海賊団だけれど、流石にこれでワノ国編から完全退場とは……行かないと思う……ので、何らかの見せ場は作られるのかな。
まあ百獣海賊団だけでも幹部の数がめちゃくちゃ多いワノ国編。そこにビッグ・マム海賊団まで加えると戦いがゴチャゴチャしそうなので、ここで一旦処理しておいたってのがあるんだろうけど。

ほんで地味にカイドウにまで取り入ろうとしてるフランぺさん、あんたほんと逞しいな。
もはや彼女にとって、年齢差も血の繋がりも関係ないのかもしれない。国民の妹とか名乗りだす日も近そうだ。