そこはかとなくカリファ感のあるサブタイ。

週刊少年ジャンプ2020年28号分のONE PIECE感想です。
ネタバレを含むので、自分で買ってから読んでください。 





■ブラックマリア
なんかキミ、思ってたよりも更にデカいっすね。
初登場時に足元だけが映った時(第977話)は他の飛び六胞とそこまで変わらなそうなカンジだったのに、気付いたらカイドウと同じぐらいデカい。
第979話で全員が並んだシーンだと、フーやササキの倍で4~5メートルぐらいかな、って印象だったけど、もうちょっとありそうだな。

94巻でカイドウとリンリン(880㎝)が激突したシーンでは2人の身長が大体同じぐらいに見えたので、カイドウと変わらなそうなマリアも8メートルぐらいあるのかもしれない。
なんとなく、シーンによってサイズ感がまちまちな気もするけど、まあONE PIECEではよくある事なので気にしないでおこう。
カイドウやマリアがデカすぎるせいで、彼らに酒を運んでる部下が大変そうだ。大豪院邪鬼かアンタらは。


描写のないドレークを除いた飛び六胞の中では唯一、ヤマト捜索の任務を放り出してカイドウにべったりなマリアさん。
服装や彼女の持つ館から連想される通りの遊女的振る舞いね。ワノ国に「花魁」と呼ばれるのは小紫だけらしいので、鬼ヶ島における「裏の花魁」って感じ。
カイドウから「任務はどうした」と言われてる辺り、仕事というよりは自分が好きでやってる事なのかな。

普通に見ると、インペルダウンにおけるサディちゃん、ドンキホーテ海賊団におけるモネの様な「ボスに対して好意的な女性キャラ」って風にも見えるのだけど……百獣海賊団だからなあ。
大看板を飛び越えて総督の寝首を掻こうと近付いている様にも見えなくもない。
何しろ館に飾られてた文字、「女難」だからね、この人。何しでかすか分からん。



■「ラフテル」への手がかり

おでん死後の20年間で、光月の生き残りに聞きたい事ができたと言っていたカイドウさんだが、彼の聞きたい情報とはやはりラフテルへの行き方だったらしい。

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(ONE PIECE 82巻 第818話より)


しかし、知りたかったのは「ひとつなぎの大秘宝の正体」「空白の100年の秘密」「3つの古代兵器のありか」みたいな踏み入った内容じゃなく、「ラフテルへの手がかり」止まりなんだな。
ゾウでの錦えもん達の推測では「世界の秘密をおでんの部下から聞き出すため」に彼らを追っていたとの事だったが、実際にはその一歩前の段階だったらしい。

って事はカイドウさん、ラフテルに行くためにロード歴史の本文の収集が必要なこと、知らないんだろうか。
それとも単に、残りの石の在り処を知りたいだけ?

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(ONE PIECE 85巻 第853話)

少なくとも、同じ四皇の一角であるビッグ・マム海賊団は、ラフテルへの到達に歴史の本文が不可欠である事を把握している。
彼女はロジャーから直接文章の写しを奪われてしまったので、その際にたまたま気付けただけなのかもしれないけど、カイドウだけ知らんとなると出遅れ感が強くて可哀想な気がする。水星先島への到達までならカイドウも果たしていたっておかしくなさそうだし、石の秘密は知った上でその在り処を探してるんだと思っておこう。
どの道、ラフテルへの手がかりが歴史の本文にある事は、スパイであるカン十郎もゾウで聞いているし。


カン十郎と言えば気になるのだけれど、彼はどこまでの情報を、どの程度の頻度でオロチに送っていたんだろう。
カイドウの口ぶりからして、ラフテルの情報について1度はカン十郎に尋ねた事があるんだろう。
という事は、カン十郎はカイドウがラフテルに興味を持っている事を理解しているハズ。にも関わらず、どうもカン十郎は、ゾウで新たに得た情報をカイドウに送っていない様にみえる。

ボコボコにしたモモの助をカイドウ達の前に差し出した時のセリフも、どこか不自然に感じた。
「ただのクソガキ」「継いだ名前があまりに偉大なだけ」と散々な言い様だが、ただのガキな事あるかい。
カンさん貴方、ゾウで思いっきり見てたじゃないの。モモの助がおでんと同じ能力を受け継ぎ、ズニーシャを操った瞬間を。

あんな現象を目の当たりにしておいて、それを報告さえせず「ただのクソガキ」と切り捨てるのはスパイとしてあまりにも中途半端すぎる。
他にもカイドウと同じ龍への変化能力を得た事も報告しておくべきだと思うけど、そんなものさえ霞む程の一大イベントだったろ、ゾウのアレは。

前者の歴史の本文関連については、まだ「オロチの部下であってカイドウの部下ではないので、カイドウの望むものを重視していなかった」とかの言い訳が立ちそうだけど、後者の「光月の血筋」にモロに繋がって来る情報をスルーなのは流石にいかがなものかと思う。
というかカン十郎さん、与えられた任務についてはきちんとスパイ仕事を全うしているものの、自発的な情報提供ってあまりしていない様な……?
「もしかしたらマルコ来るかもよ」みたいな報告もしてなさそうだし。

元々この人、どっちに転ぶか分からないキャラ造形なのよね。
「役」に忠実になりすぎる人物が「光月家の家臣」としての役に則って動いていた以上、本当に光月家家臣であるかの様な自己暗示にかかっていそうな気もするし。
とか言ってて、普通に報告基準がガバってるだけだったらアレなんだけど。



■福ロクジュ&オロチ

忍者らしくどこからともなく現れ、オロチに現状報告を行う長頭坊主センパイ。
それは良いけど、キミの報告内容も地味にグッズグズだな。
自分達の船を沈めた錦えもんの策にまんまとハマり、「船団はまだ」と間違った報告をしてしまうわ、ルフィらの上陸を「まあクイーンいるし平気っしょ」とタカをくくってたり。

まあコレに関しては、錦えもんの覚悟や変装能力が彼らの想定の上を行った結果なので、仕方ないと言えば仕方ないか。
何にしても侍達の生死が分からなくなった事で、焦り散らかすオロチ様。
臆病と言えば聞こえは悪いけれど、事態をナメ切ってるカイドウらと違い早期に行動を起こそうとする点は相変わらず強みっすね。吉と出るか凶と出るかはともかく。

しかしモモの助の利用手段、人質に使うとかですらなく、シンプルに公開処刑なのね。
まあ光月の時代の完全終焉を示すには適しているとは思うけど、ちょっと時期尚早じゃない?
あなた先日、光月日和の生存を聞かされたばかりじゃありませんでしたっけ。
焦り過ぎて忘れてんのかな。それとも、既に追手を差し向け済み?  



■ネコマムシチーム
ネコマムシの要件人間が過ぎる。マルコと合流した事ぐらい報告せんかい。

鬼ヶ島の構造上、ネコマムシが合流するには正面突破しかない様だけれど、まあ何とかなるでしょう。
雷ぞうの言う「全員揃って」ってのもちょっと良いな。
イゾウ(らしき人)が一緒に来ている以上、本当の意味で「全員」だものね。後は敵方に回ってしまったカン十郎だけなんだが、果たして。


ところで、マルコが頼んでいたルフィへの伝言は「必ず行く」というものだったらしい。
ぶっちゃけルフィからしたら大して待ってもいないというか半分忘れてそうな気がしないでもないけれど、わざわざ名指しで彼にこれを伝えようとする辺り、マルコがどれだけルフィを買っているかが分かる。

頂上戦争にて、白ひげ海賊団は「エースが守り、オヤジが認めた男」「生けるエースの意志」とルフィを評していたけれど、同時にルフィ自身の素質に「期待値」を感じ、生かそうともしていた。

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(ONE PIECE 59巻 第578話より)

そして実際に、今ルフィは新世界の海をどんどんと駆け上り、四皇に迫りうる活躍を見せている。
マルコが自身の役目から離れてまでワノ国へ駆けつけようとしたのは、かつての仲間であるおでん達のためであると同時に、成長したルフィの戦いを見届ける事も目的の1つだったのかな。


思ったよりも早く合流できた今となっては不要な伝言となったけれど、これはつまり「七武海撤廃が起きようが起きまいが、マルコは白ひげ故郷を離れるつもりだった」って事よね。
白ひげ故郷の防衛を誰かと変わって貰うつもりだったのが、世界の情勢が変わった事でその必要もなくなり、予定より早く来れたって感じか。
ビスタやジョズら他の隊長達をあたるつもりだったのかな? 赤髪海賊団辺りに頭下げれば協力してくれそうではあるけど、ニューゲートやエースの墓の件でも世話になった彼らに、これ以上借りを作るのはちょっと難しい気もする。海賊の仁義として。

ついでに、今は鬼ヶ島と呼ばれるカイドウの根城は、マルコが知る限りではそういう名前は付いていなかったらしい。
名付け親、カイドウなんですかね。えらく物騒なネーミングセンスだ。あのクソでっかいドクロも、港友さんに屋敷を作って貰うときに運び込んだんだろか。



■ササキさん
仲良さそうっすね、狂死郎と。
まあテンション上がってるのは1人だけで、その後すぐにめちゃくちゃ裏切られたワケですけど。かわいそう。

地味に刀を持ってる姿が描かれたけれど、今回が初めてだっけか? 和っぽい服装とかゲタからして侍っぽい雰囲気あったけど、剣士なんすね。
宴好きらしく、任務に赴く道中でも酒瓶を持ってらっしゃる。「鬼殺し」ならぬ「鬼守」って銘柄が百獣海賊団らしい。

しかしまあ、何にしても流石に油断しすぎっすね。
狂死郎のこと、よほど信頼してたんだろか。
まあこれだけでリタイアって事はないだろうから挽回の機会はあるだろうけど、アレだけ野心剥き出しだった男としてはちょっと恥ずかしい結果だ。大看板達には絶対バレたくないだろうな。

傳ジローの方も、折角の大チャンスだと言うのに、殺すどころか痛めつけもせずに拘束するだけなのはちょっと甘い気はする。
武士ゆえの情けか? 裏切り&不意打ちしといて、今更義理も何もなさそうだけど。
あのぐらいの錠じゃ、ONE PIECEの世界ではすぐ壊せちゃいそうだけど、海楼石なのかな。



■ブラキオタンク VS リンリン
ひい……怪物がおる……。
兵器の中に乗り込んでいるとはいえ、流石に普通に砲撃したぐらいじゃ、リンリンにはロクに効いてない様で。どうすんだこれ。

オマケに難を逃れたかと思われたナミ、キャロット、しのぶも、プロメテウスに見つかって危機一髪だし。
頼みの綱であるナミの新戦力ゼウスも、本来の持ち主を前にガクブルモードだし。どうすんだこれ。

後から来るロビンやジンベエが加わったとて、到底倒せる相手ではないからなぁ。
モモの助がいる以上、更に囚われ役を増やすとも思えないけども。
失踪中であるヤマト辺りが現れて、逃げ道を示してくれる感じかしら。カイドウと不仲なら、麦わらの一味の味方をしてくれる可能性ありそうだしな。



■無礼者 VS 無礼者
緊張感という言葉と無縁の姉者、弟とわーきゃらやってた所、出会ってはいけない男と出会ってしまうの巻。

ルフィ「ん?」
うるティ「ん?」
うるティ「何だ? てめー」
ルフィ「お前が何だ」


今、うるティが死んだわ…………。


いやいやまだね。ペー君もいるからね。
2人がかりならね。多少何とかなるかもしれないからね。
後ろにゾロ、キッド、キラーと控えてるけどね。ほら、周りには部下もたくさんだからね。
百獣の大半を占める動物系能力って、純粋な戦闘力の底上げには適してるからね。搦め手に頼れない分、ルフィ相手には最悪の相性な気もするけど、気のせいだからね。


……まあ冗談は置いといて、ルフィとうるティが敵対っぽい感じで出会うのは予想外だったかも。
ここで撃破するワケではないんだろうけど、能力ぐらいは披露するかな。大方の予想だとティラノサウルス派が優勢っぽいけど、どうなんだろう。

うるティはともかく、ページワンはもしかしたら正念場かもしれない。
敵幹部の数が多すぎて全員にタイマンを割り振るのが難しそうな以上、序盤の小競り合いで誰か1人ぐらい陥落してもおかしくないんだよな。
それで言うと、すでにサンジと交戦済み、かつどうも飛び六胞の中でも格下っぽく描かれているぺー君は、脱落候補筆頭と言うか。それを利用してうるティとの因縁とかも作りやすそうだし。

ファイトだぺー君。負けるなぺー君。嘘です別に負けてもいいけど頑張れぺー君。