ここ数か月、個人的な無気力状態により本誌の連載を追えていなかったのだけれど、ようやく追いつけたので久々に感想でも書いて行きます。
ただ、毎話の内容に対して細かく感想を吐き出せるほどの気力は現在無いため、毎週ではなく気が向いた時のみの更新にはなると思う。
まあ、電車の移動中とかトイレに籠ってる間とか、やる事がなさすぎて困った時の暇つぶしにでもなれば充分かという気持ちで。
以降、週刊少年ジャンプ 2020年 52号掲載分のONE PIECEのネタバレが含まれます。注意。
■城内3階ーサンジサイド
「よいではないか」のベタな掛け声と共に芸者にちょっかいをかけるエロオヤジ感、そして特徴的な2.5頭身フォルムのシルエット、これはもしやカイドウに殺された筈のオロチ様……!?と一瞬思ったが、全然違った。
まあ、わざわざ死んだフリまでして芸者遊びしてるとか、意味分かんないものね。考えたら不自然すぎた。生きてるとは思いますけどね。前に福ロクジュが、意味深なカンジで戦場を離脱してたのも、きっとオロチ様絡みの策で動いてるんだと思う。
そして何やらサンジさんが女の純潔を守るナイトのごときモノローグと共に芸者の救出に向かっているが、つい先日透明化の能力を手にして速攻で風呂場覗きを決行した人間であるため、何の説得力も無いのであった。
そもそもこのセクハラ劇自体、『アーレートラップ』なるブラックマリアの罠でしたと。
ブラックマリアはドクロドーム真横の地上部分にも遊郭の様な館を構えていたけれど、自分のホームで戦うわけではないのね。サンジがこのまま戦っても女相手では絶対に勝てないし、CP9戦よろしく女性陣と交代になるのかしら。でもナミやロビンは別の場所で戦ってるのよな。キャロットはこのままペロスペロー戦だろうし。
ところでこのトラップにてセクハラを受ける芸者の役を担っている女性、髪型や髪飾りからして、都で光月の悪評を子供達に学ばせていたさらへび先生だろうか。
95巻のSBSで、ヘビのSMILE能力者である事が語られていたが、ブラックマリアの部下なのかな。先生だったり芸者もどきだったり海賊だったり、お忙しい人だ。
■城内3階ールフィ・ジンベエサイド
飛び出していったサンジとはぐれる形になったお2人。
ここ最近の定番となって来たヘンテコギフターズ軍団がまたもや立ちはだかる形となるのだが、この真打ちのミゼルカさんって方、前に姿はちらっと出てたな。
あの時も「生きづらそうな変身だ」と思ったものだが、改めて見ると能力の発現と同時に自害を選びたくなる様な惨すぎる姿だ。
もはや本体を取り込む様に腕や腰を封じて生えているゴリラのゴリ四郎くんは、ホールデムの噛二郎と同じく自我を持った動物らしく、物を食うと本体の頭に食べかすが降って来るというオマケ付き。身体の大部分を奪われた上に発現した動物も自在に操ること叶わないなんて、あまりにも悲惨すぎる。
しかもこのゴリ四郎、ゴリラの上半身部分のみの姿となっており、足が存在しない。つまりミゼルカさんは、あの細足でゴリラの上半身分の体重を常に支えていなければ立つ事もままならないという事になる。明らかに戦いにくいだろう。確かにゴリラの腕がもたらすパワー自体は魅力的かもしれないが……。
一方のポーカーさんは、ガラガラヘビのSMILE能力者。
単にヘビの能力者だったさらへび先生とは違い、特定種に限定されたヘビ系能力らしい。スネークマン(アニメ版での名前)というモブギフターズもいたし、ヘビ系のSMILE多いな。
これまた独特な能力の発現をしており、両足がそれぞれヘビの尾と頭部になっている。珍妙というか、普通に自立性が悪そうだ。ヘビと言えば締め付ける力が強いイメージだけど、そう言った攻撃に出ている間はずっと片足立ちでいなきゃならないのか。ううん。
個性的な姿をしたお2人だけれど、ルフィ達には待ち伏せそのものをスルーされた為、戦闘シーンはなし。どう戦うのか微妙に気になったけれど、やはりコメディリリーフの域を出なかった。
ここら辺の謎ギフターズの連打、恐らく1000話に向けての尺調整の意味合いもあるのだろうけれど、正直他の描写にコマ数を割いてくれた方が嬉しい気もする。
数話前のナミの「ルフィは海賊王になります」のシーンなんかは、むしろ逆にテンポが速すぎて取って付けた様な印象を持ってしまったので、ギャグに割く尺をそっちに回して欲しかった。あとは結構ごっちゃになりやすい各キャラの現在地の整理にコマ使うとか。
■ドーム内ライブフロア
ゾロ・チョッパー・ロビン・ブルック・ドレークサイド
半ば分かっていた事ながら、ゾロがむちゃくちゃ強い。
混戦の不意打気味とはいえ、同じ最悪の世代であるアプーを一撃で両断。一味の2番手ポジションがコレなんだから恐ろしい。落差が激しすぎてサンジが不憫になる。
前々から薄っすらと、「ギア4を使わなければゾロの方がルフィより強いんじゃないか」と思っていたけれど、実際そうなのかも。同じく2番手ポジのキラーを割とあっさり退けた前例もあるし。
しかしアプーさんの方は、討ち入り編に入ってからキッドに潰されるわ、クイーンにゲームのコマにされるわ、ゾロにぶった斬られるわ……とロクな目に遭って無さ過ぎて、流石に可哀想になって来た。
あまりに活躍して無さすぎるし、これで撃破ではなく挽回のチャンスもあるかな…? 個人的には、最終盤で行われる『巨大な戦い』とやらには最悪の世代全員が絡んで欲しいので、その時でも良いっちゃ良いけど。
そして「ルフィを送り届ける」事を目的としているジンベエとは違い、ガッツリ自分でカイドウと戦う気満々のゾロ。リューマの龍斬り伝説の件もあるし、カイドウに傷を負わせた刀である閻魔も継承したのだから、対カイドウ戦はやはりルフィだけではなく、ゾロを含む多対一の共闘になるのかな
まあそれぐらいしないと力の差が激しいし、初の四皇打倒と考えると「共闘して初めて倒せた」ぐらいの方がバランスは良いのかも。
ゾロがカイドウのもとへ辿り着くにはキング・クイーンを抑えなければいけないのだが、そこへ丁度よくマルコ登場。
これはやっぱり、キングとの空中戦に期待したいかな。現場にいるロビンやブルックでは流石に勝負にならなさそうだし、四皇の右腕同士の対決はやっぱり見てみたい。
ついでにドレークとクイーンの巨大恐竜対決も望ましい。微妙にドレークが力不足な気もするが、そこはまあ、他の誰かと戦線を交代したサンジとの共闘とか、取れる措置はあるだろうと思う。
自身が感染しながらも、ウイルスの特性を見抜き抗体の量産を宣言するチョッパーは流石の一言。万能薬になれる日も近い。
まあ対処法自体は「名前のまんまやな」って感じではあるけど、ガスを用いた兵器だったと言う事で、どうしてもシーザーを連想してしまう。百獣海賊団は『KORO』も所有していたし、氷鬼もシーザーが売った毒ガス兵器にクイーンが目を付けて応用したものなんだろうか。
■鬼ヶ島、浮上
サブタイトルの『焔』を見た時は、『焔裂き』の使い手である錦えもんが最後の死力を尽くす回かなー等と思っていたため、衝撃だった。
あまりに衝撃過ぎて、最初見た時は正直言ってまったく意味が分からなかったのだけれど、読み返して何となく理屈は府に落とせた。
ヤマトが言う様に、(少なくともONE PIECE世界の)龍は翼ではなく、その能力によって『焔雲』を発生させ空を飛ぶ。
厳密には飛ぶと言うよりは、モモの助もそうだったが、発声させた雲を「掴む」事で「空中を駆ける」と言った方が正しい。雲に糸を引っかけて空を走っていたドフラミンゴみたいなものだ。
93巻のSBSでも、「カイドウは雲を生み出し、雲を渡り歩く様に飛びます」と語られている。
要するに、焔雲そのものに「触れた物体を浮かせる能力」があるわけではなく、単に物理的に掴んで乗っかってるだけって事だ。
劇中の描写を見るに、この焔雲には「空中に浮かんでいる」「物理的な接触が可能な存在である」「明らかに雲より質量が大きい物体から力をかけられても、それを支える事ができる」と言った特徴がある。
カイドウはそれらの特徴を応用し、「焔雲を島の周りに纏わせた上で、その雲を更に空中へと浮上させる事で島を引っ張り上げている」という事か。良く見ると島の周りに螺旋状の雲が描かれているのだけれど、最初煙か何かの演出かと思ってよく分からなかった。
雲を掴んで飛ぶだけでなく物体を運ばせる事ができているという事は、カイドウは発生させた焔雲を自在に操る事が可能という事になる。無意識に能力を行使していただけのモモの助には扱えていなかったけど、本来の龍の能力なら可能な事なんだろうか。
しかし、凄まじい規模の能力だ。
鬼ヶ島は独立した浮島ではなく、ワノ国本土と海中で繋がっている筈なので、ただ島を浮かべただけでなく焔雲が浮かぶ際の力で土地をもぎ取った可能性が高い。なんて能力だ。
まあ大津波さえも操ったソルソル、世界を滅ぼす力と呼ばれるグラグラとタメを張る四皇の力と考えると、島1つを飛ばすぐらい出来て当然なのかもしれない。
しかもこの能力、カイドウは人型の姿で発動している。結局カイドウ本来の姿は人間なのか龍なのかは断言されていないが、どっちにしても制限が緩く、汎用性も高そう。
自在に操れ、島1つを浮かせる程のパワーも持っていると来れば、戦闘面でも十分に活かせる筈。敵を空中に浮かべて逃げ道を封じるとか、雲で縛り付けてしまうとか、カイドウ本来のパワーを更に活かす応用方法はいくらでもありそう。
まあカイドウの性格的に、あまりそういう小賢しい戦法は好まなさそうではあるけども。
ついでに、浮遊した鬼ヶ島からの脱出が敵わないという事で、ヤマトが龍の能力を持っている可能性はなくなったかな。
とすると自動的に、カイドウの種族も龍ではなくやはり人間という事に? まあこれは、ハーフだから焔雲を操れないって線もあるけど。
以前ヤマトが片鱗だけ見せた変身の正体も気になるところ。普通に動物系なのか、あるいは種族的な特徴なのか。