祝、第900話!
という事で今回のワンピースは巻頭カラー。
900話に合わせて“9人目”とはなりませんでしたが、中々に衝撃的な展開が繰り広げられとります。
以下、第900話感想。
ネタバレに配慮してませんので、自分で買ってから見てください。
☆表紙
サニー号の船首に乗ったルフィ、ナミ、チョッパーの3人が、遥か遠くの次の海を目指している様なイラスト。
・・・・・・ブルックは?
トットランドまでサンジを取り返しに来たメンツとして、入れてあげても良かったんじゃ・・・ホネはダメ? そうですか。
☆巻頭カラー
扉絵連載はお休みで、今回は巻頭カラー。
こういうの、SDキャラって言うんかな。ミニキャラ?
2~3頭身くらいのチビっこいキャラクター達がたくさん描かれた、ちょっと珍しいタイプのイラストになっとります。かわいい。
舞台は「ゾウ」で、描かれたキャラクターも麦わらの一味にプラスしてゾウ出身のミンク達が描かれてます。次のワノ国編へ向けてのイメージっすかね。
ベポやペコムズがいるのにローがいない辺り、徹底してはる。
ちなみに、ジンベエはいません。まだ正式な仲間入りじゃないって事・・・でいいのかな。ジンベエの自己犠牲を厭わない性格や本編の展開から、嫌な想像をしていまったけれども忘れよう。
ちなみに今回描かれたのは、ルフィ~ブルックの一味に加え、
イヌアラシ、ネコマムシ、ペドロ、ワンダ、キャロット、ペコムズ、ベポ、シシリアン、三銃士のシマウマとキツネのやつ、ヨモ牧師、ミヤギ、トリスタン、ロディ、BB、ミルキー、バリエテと、名前の登場したゾウのミンク達は全員が描かれ・・・・・・
ONE PIECE第81巻第808話より
モ、モンジイーッ!
なんでや! モンジイも入れたってよ!
きっと今頃、一人寂しく猿酒で乾杯している事だろう。
あと、今は亡き(たぶん)ペドロもきちんといらっしゃるのも良いですね。
いつも通り、木の上に登って一匹狼感を醸し出してます。ジャガーだけど。
☆本編
実食!!
という事で、どこかで聞いたアオリ文と共に、いよいよビッグ・マムがケーキを喰らうところから始まった今週号。
(余談ながら、「とんねるずのみなさんのおかげでした」は1997年6月22日に放送開始らしく、ONE PIECE連載開始の約1カ月前とほぼ同期。20年、お疲れさまでした。)
今回の見どころは、ビッグ・マムの出る漫画間違えたんじゃないのってくらいのオーバーリアクションと、その狂気に満ちたミュージカル的演出。
そして最後には、サブタイトルを回収するかの如きまさかの展開・・・?
あとそういや、例の歌う船ことクイーン・ママ・シャンテ号って名前、原作じゃ初登場だっけ?
プラモみたいな玩具でつけられた名前だったけど、本編で出た事あったっけ。忘れた。
〇ベッジ&シフォン
ケーキを喰らうマムの姿を見届けながら、キュラキュラと脱走劇を繰り広げる最中。
シフォンは、ケーキを作る最中のサンジの姿を思い出す。
普通なら一晩かかるひと手間を、たった2時間で仕上げる技量、更に殺されかねない相手にすら、その料理の味に舌鼓を打つ姿を想像しながら腕を振るうという料理人としての心意気。
いやイカしますね。
特に後者は、船を襲う可能性があると分かりながら、ギンやクリークに食料を与えた際の姿とダブる。

ONE PIECE第5巻第44話より
あれから80巻分以上も経ちましたが、料理人としての本質は何も変わってないんですな、彼は。
〇ビッグ・マム
10時間にも及ぶ食いわずらいの末、よーやくお望みのウェディングケーキを実食する事ができたリンリンさん。
最初はほんとに「心なしか」レベルだった痩せ具合も、ここまで来るとかなり顕著に。
2ページ目の「ごくん!!」のとこを見ると分かりやすいけど、肥えて一体化していた首と肩が本来の形を取り戻していたり。
そんなマムも、死ぬほど高い魅力を持つケーキの美味さと甘みの虜に。
破壊行動を止め、自身の身よりも巨大なケーキに一心不乱に喰らいつきます。
そしてホールケーキアイランド編にて何度か差し込まれてきた、ビッグ・マムミュージカルが開演。
“ソルソルの実”の制御下にあるホーミーズ達も巻き込み、盛大に歌い始めます。コレもやっぱ、アニメじゃきちんと歌い上げるんですかね。
そしてそのケーキの味から連想されたものは、幼き日の光景。
あの新たに移り住んだ“羊の家”にて、誕生日祝いのクロカンブッシュを食べた時の思い出。
ふむ、リンリン的にはこのケーキの味から、あの日のクロカンブッシュを思い出すと。
しかしまともに考えて、料理の素人であろうカルメルや子供達が作ったセムラが、サンジの作ったクリームに匹敵する味であるとは思えない。ケーキがいかに美味しくとも、それであの時のセムラを思い出す理由にはならない。
つまりこのサンジが作ったシムシムホイップ及びケーキには、過去の思い出を蘇らせる作用があるのかもしれない。
確かに、人の記憶とは常に美化されるもの。
リンリンにとって幼き日の友人達と囲んだ食卓ほど、美味い食事を愉しんだ事もないだろう。
この本人の最も幸福だった時間を蘇らせる事が、サンジのケーキの美味さ、そして得られる幸福感の秘訣なのかもしれない。
記憶が蘇る、というと、もう一つ気になる事もある。
カルメル失踪の真相だ。
確かに、回想シーンでの描き方としては、クロカンブッシュに夢中になる余り、リンリンが誤って羊の家の子達ごと食してしまったかの様な描き方をされていた。
しかし、そのシーンは厳密に描かれたワケではない。仄めかす描き方をされただけで、別な真相がある可能性もある。元々カルメルは、CPとの繋がりもあるクセのある人物でもあるし。
このケーキによる“思い出の再現”によって、カルメルの失踪の裏にあった事実が明らかになる可能性もあるんじゃないか?
確かにあの時、リンリンはほぼ我を失った状態だったが、別に意識が無かったワケではないと思われる。
リンリンが当時の光景を確かに「見た」のであれば、その光景が無意識下で記憶に残っている可能性は高い・・・と思われる。
しかしそうは言っても、件の失踪シーンが直接描かれなかったのは少年誌ではとても載せられない内容だったからで、本当にカニバってしまった可能性だって勿論ある。
その根拠として最たるものは当然、カルメルが使っていた能力がマムに移行している事。
加えて、今回のミュージカル内では
ねえマザー 感じる?という詩が使われた。
この溢れだす幸せな甘み
リンリンがケーキを食べた後、その甘みを「感じる?」とカルメルに問う。
これはあたかも、カルメルがリンリンの中に存在するかの様な言い回しにもとれる。
まあどんな形であれ、リンリンがカルメル失踪の真相を思い出す、という展開になるんじゃないかな、とだけ予想しておく。
しかしこの歌詞、本当狂気じみてますね・・・。
「出て行くんなら殺すけど」「悪魔の契約」なんて物騒な言葉と、「みんな幸せ」「平和な万国」「優しい女王」なんて言葉が同居している混沌とした感じとか・・・。
リンリン本人は、それが本当に平和のためだと思ってそうな分尚の事サイコっぽいというか・・・。
〇ジェルマ66&タイヨウの海賊団
前回、前々回とルフィ達を救うため戦ってくれた彼らですが、今回は彼らも窮地に。
ブリュレの能力により運び込まれた“キャンディジャケット”と思われる弾丸により、イチジ達の鉄の身体も流石に貫かれてしまう。
流石に即死級の威力を持つワケではなさそうだが・・・それにしても多勢に無勢。いい加減抑えるのにも厳しい状況に。
一方のジャッジ率いるジェルマ王国の船団には、元将星のスナックを含む敵将たちが襲い来る。
流石に直接的な戦闘は描かれないかと思いますが、この戦況次第でスナックさんの実力も多少は分かるかな?
更にタイヨウの海賊団は、鏡世界を通ってやって来たオーブンの“熱海温泉”の攻撃を受けてしまう。
ここのシーン、攻撃を加える瞬間のコマが描かれてないんだけど、船の上にいるオーブンがどうやって海に触れてるんだ・・・?
もしかして、ペコムズの銃を燃やした時みたいに、やろうと思えば触れずして海を沸騰させられるんだろうか。だとしたら魚人にとって天敵ってレベルじゃねえ。
〇麦わらの一味
ジェルマやタイヨウの海賊団に救われ、脱出は目前・・・と言ったところでしたが、オーブンら兄弟やマムの本船の到着により、一気に窮地に。
それどころか、クイーン・ママ・シャンテ号の砲撃をモロに喰らい・・・。
いや、主人公だからね。ここで沈められるワケはないんだけど・・・逆にコレ、どうやったら助かるんだ?
ジェルマはそれぞれの戦闘で手一杯、流石に増援は望めないでしょう。
タイヨウの海賊団も、オーブンの攻撃によってマトモに動ける状態じゃないハズ。
となると、現在トットランドに居て彼らを救ってくれそうな人物や事象と言えば・・・
1、ペドロ
2、ペコムズ
3、ベッジ
4、ジンベエ
5、夢オチ
1番はペドロ生存ルート。
実はペドロは生きていて、この窮地を救ってくれる・・・という展開。
喜ばしくもあるが、それだとペコムズの犬死に感が強まってしまうし、何より仮にペドロが生きていてもこの現状を打破できるとは思えない。
2番はペコムズの救援。
あのままカカオ島に置きっぱなしとくと裏切者として殺されちゃいそうだし・・・。ルフィらを救出し、共にワノ国へ向かう事ができれば綺麗な流れ。
しかしペドロ同様、彼1人が駆けつけたところでどうにかなる状況ではなさそう。
3番はベッジ。
ウソップやフランキーを欠いたルフィ達に比べれば、海戦での力量は遥かに高いだろう。
しかしノストラ・カステロ号を失った現状、あの兵力に対抗できる様な兵器があるとも思いにくい。何より、今週号冒頭において彼らはまだマムの傍にいる。これから船を奪取し、ルフィ達を救いに来るにはどう考えても時間が足りないし、そこまでする義理もない。
4番はジンベエ。
彼の必殺技である“海流一本背負い”なら、投擲までは無理でも、あるいはサニーを多少なりとも急発進させ、逃がす事ができるかもしれない。
そうなると、ジンベエ本人は渦中の海に取り残され、砲弾の直撃を受ける事となる。ルフィのために命を捨てる覚悟を持つ、ジンベエならではの思考。
また、「千切れた海賊旗のみが水面に揺れている」演出も、船本体はそこには居ないというミスリードにも感じられる。
・・・・・・でも、この仲間入りを目前とした場面で、彼が戦線離脱する様な事態はあまり考えたくはない。よってボツ。
5番。マムによる夢オチ。
今回の中盤より、現実の場面はマムの空想上のシーンと混ざり合う様にして描かれている。
「出て行くんなら殺すけど」の歌詞通り、ナワバリから脱出しようとするルフィ達の死を、マムが空想したという夢の世界のお話という説。
望みとしてはコレを本命にしたい・・・のだけれど、過去の思い出と触れ合ってる最中に、急に現実を交えた空想をするというのも妙な話だなぁ・・・ううむ。
結論:分からん。
〇プリン
ああ、そうか。シャーロット家のほとんどは、サンジがこのケーキ作りに協力した事を知らない。そして裏切者のシフォンは、プリンが脅迫して協力させた事になっている。
となれば当然、ケーキを作りマムを抑えた英雄として担ぎ上げられるのは、プリン1人という事になるんですな。
しかし当のプリンは複雑な心境。
カカオ島の路地に蹲ったまま、浮かない表情をしている。
彼女の登場は、件の「最後のお願い」以来ですが、結果としてあのお願いの内容は明確に明かさない形かな?
ワンピースで恋愛面が明確にされる事は少ないので、それでもいいとは思いますが。
しかしこっちはこっちで、どういう流れになるんでしょうね。
幼少期には三つ目故の迫害にあっていた彼女ですが、この英雄的活躍によって境遇の改善は見込めそう。
でも、それには自身の想うサンジの活躍を無かった事にし、自分の手柄と偽らなくてはならない。それもまた彼女にとっては苦痛だろう。
しかしサンジとの協力を明かせば、プリンは暗殺者と手を組んだ裏切者とも取られかねない。今後彼女がどんな選択をするのか、それによって、トットランドにおけるサンジや麦わらの一味への認識が、180度変わりそうだ。
もしかしたら、記憶操作されてるWCI31辺りが空気読まずバラしちゃうかもしれんけど。