絶望的な引きから休載を挟み、2週間ぶりのワンピース。
 果たしてルフィ達の命運は?

 週刊少年ジャンプ2018年20号分のワンピース感想です。
 ネタバレに配慮していないので、自分で買ってから見てください。 




扉絵連載
 
 ハイルディン編も第6話目。たぶんラストになるかな?
 5人目となる最後のメンバーは、船医ゲルズ
 彼女もビッグ・マムの回想編に登場した、マムの幼少期の友人だね。

 当時は巨人族の気弱な少女と言った雰囲気だった彼女も、海賊となった今では随分と立派な面構えに。
 長く伸ばした髪や露出の多い衣装など、大人の女性といった風貌の美女へと成長している。
 ただ、トレードマーク?だった頬横のおさげ髪に、当時の面影が残っているね。

 武器として持っているのは、長柄の大斧。
 左右両面に刃のついたハイルディンの物とは異なり、こちらは普遍的な単刃の斧となっている。
 力で捻じ斬る事を目的とした様な幅の狭い刃だったハイルディンの物に比べ、こちらは普遍的な戦斧の形状に思える。立派になったとはいえ言っても女性なので、振るう際の遠心力を利用した攻撃を想定しての武器チョイスなのかな。
 
 滝ひげ殺害の一件で、ビッグ・マムに対し憎しみすら持っているであろうハイルディンだが、ゲルズの場合はどうなんだろう。幼少期のマムとは、振り回されながらも仲良くしていた様に見えたが・・・。
 果たして彼女とリンリンの再会が、本編で描かれる事はあるんだろうか。
 いずれ麦わらの一味とビッグ・マムが決着をつける事になるならば、麦わらの一味の傘下勢力たる新巨兵海賊団が参戦する事もあるのかもしれない。


サニー号、沈没!?

 前回、クイーン・ママ・シャンテ号の砲撃により落とされた麦わらの海賊旗。
 あわや轟沈か? と思われた引きだったが、"夢の船"と成るべきサニー号がこんな所で死ねるハズもなく。
 沈んだと思われた船は、タイヨウの海賊団が自らの船を身代わりとしたもので、彼らは身を挺してサニーを守ったのであった。

 しかし、生き残る事は出来たとはいえ、海賊にとって信念の象徴たる海賊旗を、海へと落とされてしまった。
 これが意味するのは、ルフィ達の敗北という結末に他ならない。将星を2人落とし、"歴史の本文"の奪取にサンジの奪還という目的を果たしながら、海賊団同士の戦闘としては敗北を喫したという事になるだろう。

 だが、海賊旗が落ちたからと言って、ルフィの闘志が全て折れてしまったワケではない。
 よく見れば、サニー号のメインマストには今もなお麦わらの海賊旗がはためいている。サニー号には2本のマストそれぞれに海賊旗がつけられており、今回は後方の海賊旗ひとつが落とされたのだ。

 1つの旗が落ちたとは言え、残る1つの旗は今も悠然とサニーの上で風に揺れている。 
 命を誓う海賊旗が1つでも生きている限り、真の敗北が訪れたとは言えない。しかしルフィが海賊王となるためには、これは必ず返さねばならない借りとなる様な気はする。

 和解という道が絶望的となっている今、やはり一時は逃げの結末となっても、いずれはビッグ・マムとの直接対決の下、勝利を収めてほしいものである。

 ・・・しかし、彼らはこのまま戦場を脱する事ができるかもしれないが、ジェルマの面々はいいのだろうか?
 ここで彼らがやられてしまったら、茶会にてせっかくサンジが命懸けで彼らを救った意味がなくなってしまう。是非とも彼らにはきちんと生還し、己の過ちと向き合って戴きたいものだが。


海峡のジンベエとタイヨウの海賊団

 危機的状況にありながら何とか命を繋いだ麦わらの一味だが、その裏には彼らの覚悟と奮闘があった。
 まさか、あのワダツミがここまでやってくれるとは。フライング海賊団に居た頃は、「何かよく分からん頭弱そうなデカブツ」くらいのキャラだったのに。ちょっとカッコいいじゃないか。

 サニー号の身代わりとなってくれたタイヨウの海賊団の船だが、これはどうやらかのフィッシャー・タイガーが造った船らしい。確かに、バラティエの如き魚のお頭の様な船首はそっくりだが、同じものをずっと使ってたのね。

 タイガーが造った船という事だが、あの人、船大工だったのね。
 新入りのワダツミも知ってた辺り、魚人島じゃこの船がタイガー製のものである事は常識なのかな。
 魚人の船大工という事で、フランキーの師であるトムやその弟デンなんかも思い出すところだが・・・何か関係はあるんだろうか? 魚人島で船というとノアの方舟なんて代物もあるが、あっちはその全貌がまったくもって分からんからなぁ。

 そしてワダツミの奮闘に応える様に、アラディン達もまた命を賭してサニー号を守る。海に横一閃立ち並び、ビッグマムの大船団との"壁"となろうとする様は圧巻。
 この指示も命令もなく自ら進んで命を差し出そうとする姿は、ジェルマの行うそれとは対極的なものだなぁ。

 また1コマのみながら、アラディンとオーブンが直接拳を交える姿も確認できる。
 "熱"の能力を持つオーブンに対し、体内の水を伝う魚人空手の攻撃は不利な気もするが、あのオーブンが防御姿勢をとっているくらいだし、やはりアラディンも相応の実力者なんだろう。

 そんな彼らを、仁義の男たるジンベエが放っていけるハズもなく。
 ルフィに預けた命であるとはいえ、同時にやはりアラディン達の大将でもあるのだね。
 自らサニー号のナワバリ脱出のための殿を買って出たジンベエ。そんなジンベエに対し、ルフィは告げるのだった。
 「ワノ国で待ってるぞ」と。

 前回の感想で「ジンベエが自己犠牲の精神を発揮してしまうのでは」と懸念もしたが、今回殿を買って出たのはあくまでも「生きて帰る」という前向きな意志のハズ。彼も必ずワノ国を訪れ、カイドウとの戦線に加わってくれるもの・・・と思いたい。

 というか、よく考えるとジンベエってカイドウ絡みの現状をどの程度まで理解してるんだろう?
 ローとの同盟やドフラミンゴ打倒については新聞で知っているから、怒れるカイドウとぶつかる事になる――というのは分かってるだろうが、サムライやミンク族との共闘戦線までは聞かされてないよな、多分。それどころじゃなかったし。




ビッグ・マム海賊団

〇ビッグ・マム
 前回にてようやくケーキを食べ、喰い煩いから帰って来たビッグ・マム。発症が872話だったので、約半年間もケーキを食えず暴れていた事に。長かったなぁ。

 冒頭では恍惚の表情を浮かべ地に倒れていたマムだが、終盤では正気を取り戻し、アメウミウシに乗り確実にルフィ達を追い詰めるべく海を渡っている。暴走状態が解かれたとはいえ、依然四皇襲来の危機は去っていないという事に。これはマズイ。

 外見的にも喰い煩い発症前の姿に逆戻りし、精神面での変化も特に見られないマム。結局、サンジのケーキも喰い煩いの暴走を止める事には成功したものの、根本的な状況を解決するには至らないのか・・・?
 個人的には、この後にでもマムに何かしらの変化が現れるものと予想する。だって、今の状況ではまだ、「味で敵を打ち負かした」事にはならない様な気がするし。

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ONE PIECE88巻第889話より引用

 確かにビッグ・マムに「美味い」と言わせた時点で、コックの戦いとしては勝利だ。でも、それが戦闘面においては全く結びつかない・・・というのでは、何となく締まりが悪い。やはり、ケーキの味がマムに何かを残す事を期待したい。


〇ペロスペロー
 国の町々に損害を与えた上、食後には呑気に寝そべっているママに対し、若干呆れ気味にも見えるペロス兄。
 そういえばこの方、ママに嘘をついた事で命が危ぶまれていたが・・・とりあえず、当面は平気そうな感じなのかな?
 その後も麦わらの一味を追うマムの背に乗っかってた辺り、マムの方もあんまり気にしてなさそうだ。暴走中にはその記憶も残っていたみたいだが、ケーキを食うと同時に飛んじゃったんだろうか。

 しかし齢50にして、こうも母の背に乗る事が板についた男もそういないと思う。


〇オーブン
 サニー号を連れ撤退しようとするワダツミを、新技"熱海万来ねっかいぎょらい"によって追い詰めるオーブン。
 "熱海温泉"は熱した腕を浸ける事で海全体を沸騰させる技だったが、こちらは魚雷の様な軌道で部分的にのみ熱を与えている感じ。

 ここまで自在に熱する箇所を操れるとなると、ネツネツの実本来の「高温と化した自身の身体から熱を伝える」という能力にはいよいよ収まらなくなってくる。今回も見せた「睨むだけで相手を燃やせる技」も含め、やはり覚醒した能力者なんだろう。

 しかしオーブン、本当に1人でかなり戦線に貢献してるよなぁ。
 同格の兄ダイフクや、将星のスムージー姐さんがロクに働いてくれない分、お鉢が回ってる感じ。4男坊は大変だぜ。


〇スムージー姐さん
 そんなに出番があったワケではないが、今回はサニーを抱えて逃げるワダツミの姿を発見、オーブンの追跡に貢献した。
 よ、ようやく活躍らしい活躍が・・・と思ったけど、こんなん物見か何かの役割やろがい

 あまりにも仕事してくれなすぎて、感覚がマヒしてきたらしい。


〇3ページ目4コマ目
 シャンテ号に乗り込んでいたものと思われる兄弟達の中に、何やら見覚えがある人物が。

 それはガレット!・・・がいるのは別にいいとして、右から2番目にいるじゃないですか! モスカートの兄貴が!

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ONE PIECE83巻第829話より引用

 暴走するマムの怒りに触れ、残る寿命を全て奪われてしまったハズのモス兄。
 何やらケガをしている様子ながらもこうやって船に乗っているという事は、寿命、戻って来たのね。モンドールがホーミーズに命じて、散ったソウルを回収させていたが、きちんと蘇生する事ができたらしい。

 これによって、ビッグ・マムのソルソルの実の能力の、新たなルールが判明した。

 ソルソルの実の能力によって奪ったソウルは、他の物体や動植物に与える事ができるが、人間に与える事はできない。
 しかし、そのソウルの本来の持ち主であれば別なのだ

 奪ったソウルは、その持ち主の中に再び戻す事もできる。仮に寿命を失い死亡した肉体であっても、ソウルさえ戻ればその体は再び動き出すのだ。

 という事は、このルールはあの男にも適用できるのかもしれない。勿論ペドロだ

 ペドロは5年前のナワバリ潜入時、50年分の寿命をマムに差し出している。この時のソウルがどこかに残っていれば、それを肉体に戻す事で、蘇生を行う事が可能なのかもしれない。寿命を失う以外の要因で死んだ肉体に、このルールが適用されるのかは分からないが・・・。

 ペドロのソウルを持つホーミーズとして、怪しげな人物(?)が1人いた。
 
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ONE PIECE87巻第875話より引用

 この藁人形の様な人物、ペドロに意味深に絡みにいった割に、現在まで特に目立った動きを見せる事がなかった。ペドロも彼を見た瞬間血相を変えて挑みに行っていたので、何か因縁めいたものがありそうだったのだが・・・。
 もしかしたら彼こそがペドロの魂を持つホーミーズで、そのソウルを感じ取ったからこそペドロも、マムに追われる状況ながら剣を抜いたのかもしれない。

 とは言ってもこの藁人形、お茶会の会場においてもその姿を確認できるので、「こういう人間である」可能性も必ずしも否定は出来んのだけれど。

次代の海賊王

 ビッグ・マムのナワバリを離れようとする世界経済新聞社社長・モルガンズの宣言。
 彼の予想では、近々「最悪の世代」の中から海賊王が誕生すると見ているという。

 ロジャーの死と共に始まった"ひとつなぎの大秘宝"の争奪レース。それから24年が経った今も、ラフテルへと達したものは誰もいない。
 にも拘わらず、彼はたかだか海へ出て数年のルーキー達に、"海賊王"の誕生を予感している。これは凄い事だ。

 分かっている範囲では、曲がりなりにもドフラミンゴ討伐を果たしたルフィとロー、将星の一角を落としたウルージなどが分かりやすく功名を立てた例だが、やはりその筆頭格は黒ひげことティーチだろう。
 勢力を広げ、四皇に名を連ねるまでに育った黒ひげもまた最悪の世代の一人。
 一般にワンピースに近い者と言えばまず間違いなく彼だろうが、モルガンズが新たな王と見据える人物は一体誰なんだろう?

 そんなに大物っぽい姿を見せていなかったモルガンズだが、この一言によって大きく存在感を増してきた様に思う。種族からしてよく分からない彼だが、その素性には何か謎が潜んでいそうな・・・。


 ・・・・・・ところで、彼が乗る気球みたいな船を引いてる鳥、サボがドレスローザから帰る時に使ったカラスの群れみたいなのにちょっとだけ似てるけど・・・まさか革命軍絡みじゃあるまいな。