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アニメ版 ONE PIECE
第2話
「大剣豪現る! 海賊狩りロロノア・ゾロ」 




【原作の対応話数】
第3話~第5話

【あらすじ】
 
アルビダのもとを脱したルフィとコビーは、海賊狩りのゾロが捕まっているという海軍基地のある町へと向かった。
 血に飢えた魔獣の様な男と名高いゾロ。そんなゾロの名だけでなく、この町を仕切るという海軍大佐モーガンの名にまで怯える町民達の様子に、コビーは不安を浮かべる。

 基地内の広場には、縄で縛られ磔にされた男の姿があった。黒い頭巾に腹巻。それは紛れもなく、噂に聞くロロノア・ゾロの姿であった。そんなゾロに、町の少女・リカは手作りのおにぎりを届けようとする。少女の身を心配するコビーだが、そこに現れたモーガン大佐の息子・ヘルメッポは、父親の権力を盾として部下に命じ、罪人に肩入れしようとするリカを塀の外へ投げ出させてしまう。

 ゾロが海軍に捕まったのは、以前ヘルメッポが放し飼いにしていた狼から、リカを守った事が原因だった。リカ達親子の代わりに自身が1か月の間、磔となって生き延びれば自由の身にしてやる、との取引に応じ、ゾロは囚われの身となったのだった。
 しかしヘルメッポは、そんな約束を守る気など毛頭なかった。明日にはゾロを処刑するとの言葉を聞いたルフィは、ヘルメッポを殴り飛ばす。そして、ゾロを解放し仲間に引き入れる事を決めるのだった。

 ルフィは再び基地へ向かうと、海軍に没収されたゾロの刀を取り返す事を条件に、ゾロを仲間に誘う。一方的な勧誘のみを済ませると、ルフィは海軍基地へと飛び込んだ。ゴムゴムのロケットにてルフィが屋上へと飛び出すと、そこでは基地の大佐であるモーガンが、部下に自身の銅像を建てさせている最中であった。
 完成を待ちわびた自身の像に傷をつける者は、部下の不注意ですら死をもって償わせる。そんなモーガンだが、ルフィは飛んだ際の勢いにより、誤って像を破壊してしまう。怒りに震えるモーガンがルフィ捕縛を命じる一方、ルフィはヘルメッポを捕まえ、刀の在り処へと案内をさせるのだった。

 一方、コビーは民を恐怖で支配する海軍に失望し、ゾロを解放すべく広場を訪れる。しかし縄をほどこうとした時、海兵を連れたモーガンが現れた。あわや射殺寸前となる2人の盾となる様に、刀を取り返したルフィが飛び出す。全身がゴムであるルフィの身体は、放たれた銃弾全てを跳ね返してしまうった。
 驚くゾロが、お前は何者なのかと問う。ルフィは自身の名と共に、自らが海賊王になる男である事を告げるのだった。



【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介

・ゾロやモーガンの名に怯える町民達のシーンが、「FOOD FOO」という飯屋から商店街に変更。

・コビーによるゾロの特徴のセリフが、「黒いてぬぐい」から「黒頭巾」に変更。

・ルフィやコビーと対面した際、原作でのゾロは縄をほどく様に頼むが、アニメでは目障りだと言い立ち去らせようとする。

・おにぎりを持ってきたリカへのゾロのセリフが、「踏み殺すぞ」から「ぶっ飛ばすぞ」に変更。

・ヘルメッポ初登場時の「親父にゆうぞ」というセリフ削除。それに伴い、ゾロが「七光りのバカ息子」と罵るシーン削除。

・ヘルメッポがおにぎりを踏み潰した後の「アリならなんとか食ってくれるさ」というセリフが削除。

・「罪人に肩入れし者 死刑に処す」というモーガンの文書が、立て札から張り紙に変更。また、文書の文言が一部変更。(原作では「罪人に肩を入れし者 同罪とみなす」)

・リカを塀の外へ投げ飛ばす様に命じられた海兵が、小声で「身体を丸めて」と謝るシーン追加。

・ゾロが磔にされてからの経過時間が9日から3週間に変更。

・ルフィがゾロに「海賊になる仲間を探してる」と言うシーンおよびゾロが「おれのやりたい事を成し遂げる」と言うシーンが、ルフィがヘルメッポを殴った後のタイミングに変更。

・おにぎりを食べたゾロの礼の言葉が、ルフィへの伝言から独り言の様に呟くセリフに変更。

・原作ではリカのセリフにより説明されたゾロが捕まる際の出来事が、回想シーンとして追加。
 また原作では、ゾロがヘルメッポの飼い狼ソーロを斬ったのは町中だったが、アニメではリカ親子の店の中になっている。

・原作ではゾロはソーロを斬るが、アニメでは椅子を投げつけて気絶させる様に変更。

・回想にて、ヘルメッポがゾロに斬りかかるが軽くあしらわれ、殴りつけられるシーン追加。その後、リカ親子を人質にゾロと取引を行い、1か月間磔となる約束を取り付ける。

・リカの口より、ヘルメッポが磔となったゾロに暴行を加えている事が名言される。

・ヘルメッポがリカの飯屋を訪れ、タダ飯を要求するシーンが追加。またその際、客としてナミが町を訪れているのが確認できる。

・ゾロの処刑日時が、3日後から明日に変更。
 またその理由として、原作では元々約束を守るつもりが無かったが、アニメでは「退屈だから」となっている。

・殴られたヘルメッポが、海兵に抱えられ立ち去るシーンが削除。

・リカの母親(リリカ)が、リカをルフィから引きはがすシーンが削除。

・くいなとの回想シーンのタイミングが、原作では射殺される寸前だったが、アニメではルフィがヘルメッポを殴った直後となっている。またこの時点ではくいなの存在を明かす程度となり、本格的な回想は19話まで持ち越しとなる。

・ルフィがゴムゴムのロケットで基地へ向かう際、ルフィの腕が伸びる瞬間をゾロが目撃する様に変更。

・リカを殺せとのモーガンの命令に背いたロッカク中尉が、原作では斬られたがアニメでは斧手によって殴られるに留まった。

・ナミが海軍基地へと忍び込むシーンが追加。

・ゾロを助けようとしたコビーが銃撃されるシーンが削除。

・磔にされたゾロがモーガンに啖呵を切るセリフが追加。



【感想】
>第2話
 ゾロの登場エピソード。オリジナル要素の多かった1話目に比べ、そこまで変更点もない・・・と思ってたのですが、列挙してみると意外と細々とした点が。でもまあ、全体像に影響する変更は少ないかな。


>くいなの回想
 大き目な変更点と言えばここ。
 原作では、ゾロの過去が語られるシーンはほぼほぼこのシェルズタウン編に集約されているが、アニメでは顔見せ程度に収まっている。
 本格的な回想シーンは、大幅にリメイクされた上で19話にて語られる事に。そちらの話はのちほど。


>商店街で果物を買うルフィ
 馬鹿にしすぎかもしれんけど・・・ルフィがきちんとお金払ってるのすげぇ珍しい気がする
 いや、滅多に描かれないだけで金ぐらい払ってるんでしょうけど・・・エースともども、アラバスタとかでの食い逃げのイメージが強くて、ちょっと新鮮だった。
 物語が進むと共に(尾田さんが描き慣れていくと共に?)、常識外れっぷりが強調されていく人だからね。なんかたまにマトモな事してるだけで妙にスゴイ事に感じる。映画版ジャイアン理論だ。


>ゾロとの出会い
 原作では邂逅一番、ルフィに縄をほどく様に打診するゾロだが、アニメでは「目障りだから立ち去れ」という真逆の対応。
 “約束”という言葉に一本筋を通すゾロに、初っ端から約束を破る様なマネをさせちゃイカンという配慮でしょう。

 更に、原作では9日間だった磔期間も3週間にまで延長。ゾロの強靭さやストイックさが、より誇張された形となっています。

 また、原作でもゾロは、磔にされた状態で何故か頭から血を流している。ヘルメッポや一般海兵を相手に、捕らわれる際に流血したとも思えず、一体どこで流した血だったのか・・・という感じだったが、アニメでは「磔にされたまま、ヘルメッポに暴行を加えられた」という旨のセリフが追加。

 あの状況、かつ約束の件がある状態では反撃もできず、それならば納得も行く。が・・・そこまでやられたらそろそろ気づこうよ、ゾロ。殴られてる時に何となく思うでしょ。あ、何かおれ騙されてるなって。

 まあ“約束”の前にはどんな小悪党の言葉も信じ込んじゃうのもゾロらしいっちゃらしいけども。ある意味、ルフィより騙されやすいかもしれん。


>モーガン大佐
 バックグラウンドを思えば同情できる点こそあれど、この時点では立派な悪党。個人としては初登場の海兵がコレだった事は、海軍にとっても大幅なイメージダウンだと思われる。
 海軍に対し好印象が持てないという人の理由は半分くらいがサカズキだろうが、もう半分くらいは彼とネズミ先輩が占めていそう。

 ・・・ただまあ、楽しみにしてた銅像が速攻で叩き折られたのは同情するけどね。かわいそうに。



【登場した技】 
ゴムゴムのロケット・・・・・・ルフィ
(3回使用。原作に比べ、ゾロに基地の方向が逆だと指摘された際の使用箇所が追加。)



【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・岡村明美
ゾロ・・・・・・・中井和哉

コビー・・・・・・土井美加
モーガン大佐・・・銀河万丈
ヘルメッポ・・・・永野広一
リカ・・・・・・・宇和川恵美
リカの母・・・・・疋田由香里
(リリカ)
くいな・・・・・・豊嶋真千子

中尉・・・・・・・村上陽
(ロッカク)
海兵・・・・・・・戸北宗寛
海兵・・・・・・・徳山靖彦
ナレーション・・・大場真人

ゴールドロジャー・・・大塚周夫