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アニメ版 ONE PIECE
第5話
「恐怖 謎の力!海賊道化バギー船長」 





【原作の対応話数】
1巻 第8話のラストシーン
2巻 第9話~11話



もくじ
あらすじ
原作からの変更点
感想
登場した技
声の出演

【あらすじ】
 怪鳥によって連れ去られたルフィが落ちた先では、海図を盗み出したという女が海賊に追われる最中であった。彼女はルフィを「親分」と偽ると、海賊達の注意をルフィに向け、1人逃げ出してしまう。
 ルフィを女の仲間と勘違いした海賊達は彼を捕えようとするが、麦わら帽子に手を出した事で怒りを買い、ルフィによって倒される。

 ルフィの強さを目の当たりにした女は、自らを海賊専門の泥棒ナミと名乗り、自分と手を組まないかと打診する。航海術の持ち主を欲するルフィはそれを快諾するが、ルフィの正体が海賊である事を知ったナミは態度を一変。海賊を嫌う彼女は、ルフィの仲間となることを拒絶した。
 だが町では、今も海賊達が海図を奪い返すため、彼女を探し回っている。
 ナミは一計を案じルフィを縛り上げると、町を牛耳る海賊・道化のバギーのもとを訪れ、盗んだ海図を返却しルフィの身柄を引き渡す。そしてのちに海図と共に宝を奪い取るため、バギーの仲間となる事を願い出るのだった。

 ナミの物言いを気に入ったバギーは、彼女の仲間入りを快諾。そして部下に“特製バギー玉”を用意させると、ナミにこの大砲で「元親分」であるルフィを消し飛ばす事を命じる。
 かつて自身の大切な人の命を奪ったという“海賊”。非道なその存在と同類になる事を拒んだナミは、隠し持っていた三節棍によって、導火線に着火しようとするバギーの部下を殴り飛ばしてしまった。
 その行動に怒ったバギーは、部下を差し向ナミを殺そうとするが、そこに現れたゾロによってナミは救われる。

 ゾロの正体が悪名高い“海賊狩りのゾロ”であると気づいたバギーは、名を上げるため彼に戦いを挑む。迎え撃つゾロが刀を振るうと、バギーはいとも容易く身体を裂かれ、倒れてしまった。
 船長の死を目の当たりにしながら、ゲラゲラと笑いだす海賊達。その様子を不審に思うゾロの脇腹に、背後からナイフが突き刺された。
 フワフワと浮かぶ手によって握られたナイフ。悪魔の実の1つ、“バラバラの実”を食べたことにより、バギーは斬っても斬れないバラバラ人間となっていたのだった。

 ルフィはバギーに対し「必ずブッ飛ばす」と宣戦布告をすると、深手を負ったゾロに逃げるよう指示する。船長命令を承諾したゾロは、バギーのナイフをいなしながら、設置された大砲のもとへ向かう。
 砲口をバギー達へと向けるゾロ。大砲の中には、ルフィに向けて放たれるはずだったバギー玉が装填されたままとなっていた。



【原作からの追加点・変更点】

※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇 所のみ紹介

・ルフィに追手(怪力ドミンゴス)を押し付けて逃げる最中の、ナミの「やられちゃったかな、あいつ」と巻き込んだルフィの身を案じる様なセリフが追加。

・ルフィが怪力ドミンゴスを倒す際、原作では使用していない“ゴムゴムの銃”を使用している(両腕から同時に放つ“ツイン銃”のような形で使用)。

・ルフィに手を組む事を断られた後、空腹のルフィにナミが食事をごちそうするシーンが追加。

・バギーが「マッタクの誤解です」を聞き間違えた言葉が、原作では「真っ赤でデカイです」だったがアニメでは「赤っ鼻でデカイ」に変更。

・バギーがバラバラの実の能力で部下の首を締め上げる際、原作ではもがく部下の手によって隠されていた首元が、アニメでは描写された。
 能力により切り離した手首で締め上げたものと思われるが、この段階では手首は描写されず、透明の腕で首を絞めている様な描写となった。
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©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

・原作では上記の部下を大砲で吹き飛ばしてしまうが、アニメでは「言い間違い」として見逃すように変更。

・空き家におけるナミとルフィの会話シーンにて、ルフィが仲間とはぐれた事を語るシーンおよびナミがバギーの説明をするセリフが削除。
 また、ナミが1億ベリーを稼いでいる理由も、ここでは「秘密」として明かされない様に変更。

・ナミがルフィの帽子を“宝の地図”と勘違いするシーンが削除。またルフィが帽子にかけた誓いを語るセリフが若干変更されている。

・ナミに航海士としての仲間入りを断られたルフィが、アニメでは比較的すぐに引き下がる様になっている。

・ナミが家の窓から、自分を探し回る海賊達の様子を窺うシーンが追加。

・ナミがバギーのもとへ向かう際、原作では隙をついてルフィを縛り上げたが、アニメでは最初から縛った状態で一緒に向かう様に変更(ルフィもナミの行動を特に深く考えず、縛られたまま普通にバギーのもとへ向かっている)

・ナミに逃げられた怪力ドミンゴスを怒鳴りつける際の、バギーの「怪力男三人揃って」というセリフが「三人揃って」に変更。

・怪力ドミンゴスが「麦わら帽子をかぶった親分」の話をし言い訳をするセリフが削除。

・ナミによってバギーに差し出されたルフィが「だましたな」と怒るセリフが削除。

・ナミの飲酒シーンが削除。

・檻に入れられたルフィが、縛られたままなんとか腕を伸ばし、宴会の食べ物を取ろうとするシーンが追加。

・宴会の途中、ナミが檻の中のルフィに話しかけるシーンが削除。

・ゾロが町の港に到着するシーンが、原作ではルフィがバギーに囚われるシーンの直後だったが、アニメではバギー玉が放たれた直後に変更。

・バギー玉を放った際の、バギーの「下手な町なら1発で消し飛ばす」という説明セリフが削除。

・バギーの「偉大なる航路を制する」という言葉に対し、ルフィが「偉大なる航路を制するのはおれだぜ」「このおれが海賊王になるんだ」と返すシーンが追加。

・ナミが導火線に火を着けようとした海賊を殴った際、怒るバギーに咄嗟に謝るシーンが追加。

・導火線の火を消すナミに襲い掛かる海賊(軽業フワーズ)をゾロが止めた際、使用した刀が原作では無名の1本と和道一文字だったが、アニメでは無名の刀2本に変更されている。

・バギーを斬った後、ゾロが海賊達に檻の鍵を要求するセリフが削除。

・ゾロに斬られたバギーが背後からナイフを突き刺す際、バギーの上半身だけがゾロの背後に浮かび上がる演出が追加。

・「ぶっ飛ばす」という言葉を聞いたバギーのセリフが、「終いにゃ笑うぞ」から「終いにゃ歌うぞ」に変更。

・ゾロとの戦闘時、バギーは“バラバラ砲”によって射出した腕のみで戦っていたが、アニメでは全身の状態で戦闘。これに伴い、このシーンでバラバラ砲は不使用となった。



【感想】
>ルフィを騙すナミ
 うーん、改めて見ると結構むちゃくちゃしてますねナミさん。
 アニメではカットされたが、原作では宝や海図を盗んだあと、ルフィを解放すると約束するシーンがあった。しかしまあ、普通にいつ殺されてもおかしくない状況だったのも事実。
 そうなったら流石の泥棒猫も夢見が悪そうだが・・・まあ、この時は割と浮足立ってたのかもね。偉大なる航路にさえ入れれば、あと一度の航海で村を救えたかもしれないワケだし。

 ていうか、ルフィも気づこうよ。騙されるのはルフィだししょうがないけど、アニメのルフィを縛った上での「ただのロープよ、問題ある?」は不自然やろ、いくらなんでも。縛られた事を気にする様子もなかったし、なんかもうそっちの気のひとみたいになってるじゃないですか、ルフィさん。


>道化のバギー
 今でこそコメディリリーフ・・・の要素を残したまま、いつの間にか七武海の一角となってしまったバギーだが、この初登場時はそれなりに強大な海賊の船長として描かれた。

 まあ能力を除けばそれほど強いワケでもないんだが、その懸賞金は1500万。今となってはしょっぱい数字だが、東の海においてはアーロン、クリークに次ぐナンバー3(クロは1600万だが、一般的には死亡扱い)。
 しかもこの時、アーロンはジンベエ七武海入りの恩赦により釈放済みで、ネズミの裏工作も含め厳密には懸賞金は解除状態だったハズ。
 そしてクリーク海賊団は偉大なる航路にて壊滅状態となっていたので、下手をすれば東一番の賞金首はこのバギーだった可能性すらある。

 こと東の海において、悪魔の実の能力を持つ海賊はバギー(およびのちのアルビダ)くらいしか判明していないので、この評価もまあ妥当なところだろう。
 それでも、海軍本部においてはほとんど名を知られていなかった辺り、東の海という場所がいかに軽視された海だったかも知れるところ。まあそれだけ平和って事でもあるけれども。


>特製バギー玉
 バギー本人曰く、「下手な町なら一発で消し飛ばす代物」らしいが、その威力のほどは立ち並んだ家々を10軒くらい吹き飛ばした程度。

 たしかに凄い威力っちゃ威力だが、「町1つ消し飛ばす」は流石に言い過ぎな気がする。たぶんハデ好きのバギーらしく、ちょっと盛って話しちゃったんだろう。
 アニメじゃセリフごと削除されてたし、バギーも「あ、ちょっとコレ言い過ぎたな」って反省したんだと思う。だから、許したってください。何を許すのかは知らんけど。


>ナミの代わりに点火する海賊
 いや・・・それナミにやらせないで意味あんの?
 船長さん言うてたやない。ナミの忠誠を誓う儀式だって。元泥棒という本来なら信用の置きにくい相手だから、元親分を吹っ飛ばさせる事で真意を試すワケでしょ。
 それが勝手に横からしゃしゃりでて・・・平気? あとでバギーにオシオキされちゃわない?
 

>ナミ「あいつの言ってた仲間って“海賊狩りのゾロ”の事・・・!?」
 原作では「仲間とはぐれた」という話をナミにしていたルフィだが、アニメでは特に仲間の話はしていない
 確かにナミを勧誘する際「おれ達の仲間に」と言っているので、1人でない事は分かっていただろうが、それにしてはちょっと不自然な言い回し。
 多分、原作からの改変点を忘れてそのままのセリフを使っちゃったんだろな。


>噛み砕かれたナイフ
 バギーが投擲したナイフを歯でキャッチし、噛み砕くルフィ。
 その時点で十分に超人的だが、原作では口から零れ落ちていた刃の先端が、アニメではそのまま消失している

 ・・・もしかして、そのまま呑み込んだ? 
 いくら鉄の胃袋を持つルフィだからって、それは流石にタイヘンなコトになるんじゃ・・・と思ったけど、ゾロはカミソリを噛み砕いて消化した実績があるんだった。
 じゃあルフィなら、ナイフの先っぽくらい大丈夫かもしれない。


>ゾロVSバギー
 ひと1人を真っ二つに裂いたのに、刀に血の一滴もついてないんだからゾロも気づこうよ、って話ですが、まあ漫画だしそれをツッコむのもヤボってもんですね。

 原作ではゾロを追い立てる際、射出した腕から繰り出すナイフによって攻撃していたバギーだが、アニメでは能力を使わず直接ナイフを持って斬りかかっていた。
 何気に、バギーのこういう戦いは珍しい気がする。基本、バラバラの能力を用いた中~遠距離戦を行う事がほとんどだったからね。

 まあ本来、剣士相手にはヘタな小細工を仕掛けるより、直接斬りかかっちゃった方が強いんだろう。反撃されてもダメージには繋がらないんだから、近づいてもこちらがキズを負う心配はないんだし。
 ただ・・・言ってもバギーなんで、ゾロが剣技にこだわらず蹴りでも繰り出せば、割とアッサリ倒せちゃう気もする。今回のゾロは深手を負ってるんで、そんな力も残ってないだろうけど。

 バギー自身の戦闘能力は大した事ないので、こうやって能力がバレてない内にワカラン殺しに持ち込んで、優位のままに相手を仕留めるのが強みのハズ。
 逆に言えば、最初の奇襲でトドメを刺せず、逃走を許してしまう事になった時点で、彼は既に相当不利な状況になっていたと思われる。まあ彼は調子に乗りやすいので、追い込んでいたハズの自分がピンチになっている事にも、気づけていなかったかもしれないが・・・。



【登場した技】  
ゴムゴムの銃
使用者:ルフィ
 ナミに押し付けられたバギー海賊団の追手(怪力ドミンゴス)に対して使用。
 両腕から同時に放つゴムゴムの銃により、海賊2人を一撃で仕留めた。

特製バギー玉
使用者:バギーの部下・ナミ
 バギーの命令により発射され、オレンジの町の家々を薙ぎ倒した。
 その後ルフィに目がけて放たれそうになるが、ナミが自らの手で導火線の火を消したため、未遂に終わる。その際に装填された砲弾はゾロに利用され、バギー海賊団目がけて射出された。



【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・岡村明美
ゾロ・・・・・・・中井和哉

バギー・・・・・・千葉繁
海賊・・・・・・・今村直樹
海賊・・・・・・・龍谷修武
海賊・・・・・・・稲田徹
海賊・・・・・・・木下尚紀
海賊・・・・・・・服巻浩司

ナレーション・・・大場真人

ゴールドロジャー・・・大塚周夫