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アニメ版 ONE PIECE
第838話
兵器(ランチャー)炸裂! ビッグ・マム暗殺の瞬間(とき)」 




【原作の対応話数】
86巻 第868話



もくじ
あらすじ
原作からの変更点
感想
登場した技
声の出演

【あらすじ】
 
マザー・カルメル失踪の原因。それは当時、彼女の目の前にいたリンリン本人ですら気づいていない出来事だった。
 しかし、その現場を目撃した人物が2人いた。その内の1人であったエルバフの戦士から、事のあらましは全巨人族へと伝わっていく。やがてリンリンは、全ての巨人族から嫌悪される存在となっていった。
 一方、残るもう1人の人物であるシュトロイゼンは、リンリンの化物じみた素質を面白がると、彼女に接触。そして彼女がカルメルの持っていた能力を継承していた事を知ると、リンリンの「皆が同じ目線で暮らせる平和な国」という夢の実現に協力するのだった。

 シュトロイゼンと共に海へ出たリンリンは、子供の身でありながら5千万ベリーという高額の賞金首となる。
 少女1人で城を陥落させるほどの実力を見せつけた彼女は、瞬く間に世界が恐怖する存在となり、懸賞金も幼くして5億ベリー以上にまで跳ね上がって行ったのだった。

 そして舞台は現代、茶会の場へと舞い戻る。
 ビッグ・マムの奇声を受け、遂に訪れる作戦実行の瞬間。ベッジ達の手により、KXランチャーが放たれる。
 しかし、ビッグ・マムの怒りを帯びた叫びが、ランチャーの性能を上回った。一層強まった叫び声による風圧を浴び、KXランチャーはビッグ・マムに着弾する事無く爆発。作戦は失敗に終わってしまう。

 作戦の失敗を受け、式場からの脱出を図ろうとするベッジ達。だがシーザーの運び込んだ脱出用の鏡も、ビッグ・マムの雄叫びの風圧によって粉々に割られてしまう。
 逃げ場のない屋上。カタクリが能力によって作り出したモチの耳当てにより、ビッグ・マム海賊団も行動を再開する。
 連合軍は、絶体絶命の窮地に陥ってしまうのだった。
 


【原作からの追加点・変更点】
※セリフの変更点は細かい差異が多いため、気になった箇所のみ紹介

・カルメル失踪の現場を見たエルバフの戦士の、「化け物だ」と怯えるセリフが追加。

・リンリンと接触した際、シュトロイゼンが腹を減らしたリンリンのために能力を行使するシーンが追加。
 岩石や木片を食べ物に変え、ケーキを振る舞う。

・KXランチャー射出時、シーザーが「終わったな、ビッグ・マム」と笑うセリフおよびブリュレが「ママ~」と叫ぶセリフ追加。

・ビッグ・マムの回想にて、カルメルが子供達に「本当の幸せとは平等である事」「でも今の世界でそんな国を探すのは夢のまた夢」と説くセリフが追加。

・カルメルの「みんなが平等に暮らせる夢の国」というセリフが、「みんなが同じ目線で暮らせる夢の国」に変更。

・カルメルの夢の国の話を聞いたリンリンや子供達が、互いの手を取り合うシーン追加。

・シュトロイゼンと出会ったリンリンが、「マザーの夢はおれの夢だった」と泣きじゃくるセリフが追加。

・リンリンがカルメルの“手品”を実現する際の描写が加筆。
 泣き続けるリンリンにうんざりするシュトロイゼンに対し「マザーの手品が見たい」というリンリンが真似て見せたところ、カルメルと同じ事が出来てしまった、という流れ。

・リンリンが初めて生み出した花のホーミーズが、1体から複数体に変更。
 またその顔つきが変更されており、原作に比べ少々不気味な表情になっている。
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(←ONE PIECE86巻第868話より  アニメ版ONE PIECE第838話より→)

 またその直後、花だけでなく大地や木々など、様々なホーミーズを生み出している。

・リンリンの悪魔の実の能力を見た事で、シュトロイゼンが彼女と共に海へ出る事を決めるシーンが追加。

・カルメルとの取引のために島を訪れた海兵達が、リンリンと接触するシーンが追加。ホーミーズ達に怯え発砲した事でリンリンの怒りを買い、全滅させられてしまう。
 
・賞金首となったリンリンが国を襲う際、海軍将校より「女の子1人に城が陥落させられた」というセリフが追加。

・陥落させた城の中で、リンリンが以下のお菓子を貪るシーンが追加。
 タルト・トロペジェンヌ、ショコラ・クグロフ、マドレーヌ、ブリオッシュ、マカロンタワー。
 その際、菓子を食べるリンリンを海兵が捕らえようとするも、プロメテウスの炎によって返り討ちに遭う。
 またリンリンが攻め落とした城から、シュトロイゼンが財宝を盗んでいる。

・町を襲うリンリンに、シュトロイゼンが「このまま海の王様になっちまえ」というセリフ追加。

・リンリンに掴みあげられた国王の被る王冠のデザインが変更。
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(←ONE PIECE86巻 第868話  アニメ版ONE PIECE第838話より→)  


・KXランチャーが爆発した際の、ベッジやルフィ達の表情が変更。よりコメディチックな驚き方になっている。
 またシーザーやブリュレに関しても、同様の表情を見せるカットが追加。

・脱出用の鏡が割られた際の反応が描かれていなかったメンバー(ブルック、キャロット、ペドロ)の表情が描かれたカットが追加。



【感想】
>ククククの実
 ジャンプで最初に読んだ時から思うてましたけど、ほんと何の冗談かってくらい言いづらいですねこの悪魔の実。まあそんなに頻出する能力名じゃないから良いけど。

 効能の程は、無機物なども含むあらゆる物体を食材に変えてしまうというもの。便利っちゃ便利だが、戦闘にはあんまり向かなそうだ。でも、現代社会を生きる上ではトップクラスに欲しい能力かもしれない。

 ただ・・・ビッグ・マム曰くそんなに美味しくはないらしい。「食える」ってだけで、大して味が良くなるワケでもないんでしょうね。腹を満たすだけの能力と割り切った方が良さげか。なんて哀しい能力。
 
今やビッグ・マムお抱えの料理長となったシュトロイゼンですが、そんな今でも、能力で生み出した菓子はマムのお気に召すものではなかった。って事は、本人の腕前や能力の練度でどうにかなるものでもないんでしょう。

 逆に、「飯には困らないのに味覚が満たされない」って不満を解消するため腕を磨いた結果、能力と関係ないところで料理の腕前が上がっていってしまったのかもしれない。

 ・・・しかしこの人、なんかあらゆる局面でメシ食ってますね・・・。リンリンが国攻め落としてる最中だってのに、呑気にガレキを肉に変えて食ってるし。よっぽど暇だったのか、何気に胃下垂な体質なのか。


>腹を減らせたリンリン
 シュトロイゼンと出会った直後のリンリンは腹を減らせていたみたいですが・・・クロカンブッシュ食べてから、どんぐらい時間経ってるんでしょうね?

 前回カルメル達を探し回ったりしてたリンリンですが、雰囲気的にはせいぜい10数分程度って印象。
 あれだけセムラ食べまくって、しかもセムラ以外のものも食べちゃったかもしれなくて・・・にも関わらずもう腹を空かせてる代謝能力は流石すぎる。小食の身としちゃ羨ましい。
 

>平和な夢の国
 ビッグ・マムが人体を巨大化させる薬を欲した理由は、「家族が同じ目線で食卓を囲むため」だった。
 この野望の発端となったのが、今回のカルメルの言葉。「平等に」という意味で発した「同じ目線」という言葉を、幼いリンリンが文字通りに受け取ってしまった事が由来だった。

 しかしアレやね。「同じ目線で」と聞いて、ノータイムで「他人を変える」方面にしか考えがいかない辺り、リンリンの歪みっぷりが垣間見える。
 巨人だらけのエルバフならまだしも、羊の家において特殊なのはリンリンの方なのだから「自分が小さくなれれば」って考えも少しは浮かんでも良さそうなものだけど。
 この辺は、生まれついての暴君の素質なのだろうなぁ。くまさんも真っ青やで。 


>継承されたソルソルの実
 幼少期には手品と思っていたソルソルの力だが、今となっては流石にリンリンも自分の能力が悪魔の実によるものである事は認識しているハズ。
 なら同時に、能力が自分に移行している=その時点でカルメルはこの世にいないという事も、頭では分かっているんだろう。

 そして自分に能力が芽生えたタイミングなどから、順当に考えて行けば「あの日何が起きたのか」という事も、うっすらとは理解してしまいそうなもの。

 しかしまあ・・・たぶん、本能が理解を拒んでるんだろうな。自分の敬愛する恩人を、実は自分でパックンチョしてしまってました~なんて事に気付いてしまったら、精神の1つや2つ崩壊して当然よってなもんです。
 まあ、ホントに食っちまったんかは知らんけどね。


>海兵「サイファーポールが黙ってねえだろ」
 金を受け取ったカルメルが子供達を連れて逃げたんじゃないか? という疑いを持った海兵に対するセリフですが、やっぱあの取引相手はサイファーポールの人なのね。
 見た目的にCP0っぽくはありましたが、確か明確には語られてなかった気がしたので。

 しかし天竜人の盾となるCP0が、みなし子の売買にまで手出してるというのも凄い話だ。
 カルメルが売り捌いた子供達の中には、ジョン・ジャイアントを始め海兵となった子も多いっぽい。海軍本部とCP0は別個の組織とはいえ、こういう戦力補強みたいなところでは協力関係にあったのかな。
 FILM GOLDじゃ、現代の海軍元帥とCP0総監様はえらく険悪な雰囲気でしたが。

 ついでに、取引場所に現れないカルメルを、海兵が探しに来た・・・って事からして、カルメル失踪に海軍やCPが関わっていないであろう事も確定。アニメの描写をどこまで信じていいかは微妙だけど、こういう致命的な齟齬が生まれかねないところは、尾田さんの方から指定があると思うし。
 しかしそうなると・・・やっぱ食人沙汰が発生したとしか思えないな・・・リンリン、恐ろしい子。
 

>リンリンの懸賞金
 初頭手配にして5千万、やがて5億ベリーという、子供とは思えない賞金額となったリンリン。 
 5億ったら、ドフラミンゴを打ち倒したルフィと同じ危険度ですからね。
 彼女の強さも勿論ですが、まだ6歳やそこらの少女にしてこの凶悪さというのも、後々の危険度として加算されてるんだろう。

 しかし、のちの四皇である彼女ですら、少女時代の初頭手配額は5千万止まり。それを考えると、8歳にして7900万もの賞金首となったロビンの異常さは際立つ。歴史の本文の解読を、政府がどれほど恐れているかが分かる金額だ。

 子供1人倒すだけで5千万、ってのは、賞金稼ぎからすれば夢の様な話。当然、彼女の首を求め狙った者も多くいただろうと思う。
 けど、あの手配書の写真からは彼女のサイズ感はまったく伝わらないため、実物を見た賞金稼ぎ達も焦っただろうね。聞いてねェよ!って叫びたくなったと思う。


>作戦失敗の連合軍
 まあどう考えても上手く行くわけない・・・ってのは分かり切ってたから深く追求しないとして、連合軍の表情の崩れっぷりが面白い
 アニメだとより強調されて描かれていて、ギャグっぽさが増す感じに。
 個人的に、鏡が割れた時のキャロットの顔がお気に入りです。



【登場した技】 
KXランチャー
使用者:ベッジ、ヴィト、ゴッティ
 シーザーが制作した毒ガス兵器。
 ビッグ・マムが弱体化した隙を狙って放たれたが、彼女の風圧を伴う雄叫びにより、着弾前に爆発してしまった。



【声の出演】
ルフィ・・・・・・田中真弓
ナミ・・・・・・・岡村明美
ブルック・・・・・チョー

ビッグ・マム・・・小山茉実
リンリン
プロメテウス・・・水島裕
シーザー・・・・・中尾隆聖
ベッジ・・・・・・龍田直樹
ブリュレ・・・・・三田ゆう子
スムージー・・・・勝生真沙子
キャロット・・・・伊藤かな恵
シュトロイゼン・・壌晴彦
マザー・カルメル・・・平野文
モヒカン君・・・・清都ありさ
仮面君・・・・・・関根有咲
王子君・・・・・・今野宏美
パンダ君・・・・・長久友紀
ツリ目ちゃん・・・石橋桃

巨人族兵士・・・・川原慶久
海軍将校・・・・・織田優成
市民・・・・・・・山根綺
ホーミーズ木・・・今井浩平 竹田海渡
海兵・・・・・・・平井啓二 新井良平
         千葉俊哉 坂井易直
         戸松拳也

ナレーション・・・大場真人